百醜千拙草

何とかやっています

切り貼り加工のポップ サイエンス

2014-03-28 | Weblog
STAP細胞、NHKの報道によると、129であるはずの若山さんの持っていた細胞がどうも129/B6のF1 hybridのESだったらしいという話、「オホホポエム」にあった通りでした。本当だとするとかなり悪質な事件のようです。また例によって、細胞を取り違えた単純ミス、とでも言い訳するかも知れませんが、ここまで「単なるミス」が山のように積み重なるといずれにしても何も信用できません。

昔はESは129から作っていましたが、十年ほど前にJaenischのグループが129とB6の第一世代 (F1) ハイブリッドから作ったv6.5と呼ばれるESが非常に効率よくキメラをつくることを発見し、以来、キメラマウスをつくるときに129純系ではなく、ハイブリッドESが主流になりました。若山さんの持っていた細胞で、F1のハイブリッドであるいうことがわかったということは、B6と129での遺伝子多型が全ての場所で双方固有の配列を示したということでしょう。F1ということは、単に129マウスコロニーにB6が交ざってB6の遺伝子が紛れ込んだのではないということです。129の毛色はアグーチ(黄色がかった茶色)でB6は黒です。ですからこの細胞は、毛色の違うマウス同士の掛け合わせせた子供から作ったことで、これは黒とアグーチの色が識別できないような色盲でない限り、うっかりマウスを取り違えるはずがないからです。若山さんのKnoepfler氏への回答をみると、「we established STAP-SC from 129B6GFP mice」と言っています。129B6GFPというのは、129とB6のhybridでOct4-GFPが(またはCAG-GFP)入っているマウスということでしょう。どうしてわざわざ129とB6のhybridという交配をしたのだろうと当時不可解に思いましたが、そもそもSTAP幹細胞などというものは最初から存在せず、若山さんに手渡されたものがSTAP幹細胞という名の129/B6のF1ハイブリッドES細胞であったと考えば、納得できます。つまり、下種な勘ぐりをすれば、最初いくら射ってもSTAPからキメラが出来ないので、手元にあった129/B6ハイブリッドのESにすり替えたのではないでしょうか。その時に若山さんには129とB6のハイブリッドのマウスから作ったSTAPだと伝えたのでしょう。若山さんは「最初の一年はキメラは全然できなかった、しかし一年後によい細胞を作る方法を小保方さんが発見して、キメラができるようになった」と正直に言っていますから、この辺りでGFP入りのESにスウィッチしたのでしょう。若山さんが、奇しくも、129純系でもやってみようと言わなかったら、そして、この人が横着せずに手持ちのハイブリッドESではなく、129純系のCAG-GFP ESを使っていれば、細胞を調べても最後までわからなかったかもしれません。天網恢々、ウソは思わぬところからバレるものです。
 また、理研のプロトコールによると、STAPはメスからは出来にくいと言っています。これも振り返ればヘンな話です。これの意味する所は、多分、作ったSTAP細胞(その実、ES細胞)を調べれらた時に、STAP幹細胞がなぜかすべてオス由来だということを怪しませないためにワザワザ書いたのではないか、と私は勘ぐっています。なぜオス由来なのか、それはES細胞が普通オス由来だからでしょう。この下種勘が本当だと、これはかなり悪質です。STAPだと偽って胎盤分化できるFGF処理したGFP入りES、またはTSとESの混合物を若山さんに渡したと考えられます。これが真相で、「オホホポエム」がまさに内部告発であったのであれば、これは研究不正史上稀に見る雑な手口です。

それから、理研、東京女子医大のおそらくより責任の大きな人々が表に出てこないことの方が問題でしょう。2月初旬に博多に消え、病気療養中というウワサのアンディーウォーホールのファン人とか、理研で実際に論文を書いた上司の人とか、説明責任があるのではないですかね。
切り貼り、コピペのポップアート、ウォーホール ファンの共著者の人のTwitterに大変、意味深なツイートがあります。私、だんだん、この人が「オホホポエム」の作者ではないかというような気がしてきました。(普通は自分の論文を自分で告発はしませんが、下のツイートを見るとありえるかな、と思います)

1/29 「小保方」は「おぼかた」と読みます。「おほほー」ではあありません。
2/1 例の酢の物系の論文、最初にどこの誰が次の論文を出すか、とっても気になる。いつ出るかも。
2/2 酢の物の話しよりウォーホルの話の方がまだいいよね。本音は20世紀の画家ならベーコン、バルチュス。
2/2 日本のマスメディアの皆さんもポロック、ウォーホルを理解してからSTAPの話ししてください。さようなら。


ま、これで、新しい展開が出て何か言いたくならなない限り、この話は本当に終わりにしたいと思います。
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370便の真相は?

2014-03-25 | Weblog
消息を立っているマレーシア航空、様々な憶測が飛び交い、謎が深まるばかりです。機長がマレーシア政権に対立していた、とか、イスラム国のマレーシアですからイスラム過激派のテロだ、など事件の背後からの推測がありました。
航空機は意図的にインド洋方面に進路を変え、意図的にレーダーから姿を消したのは間違いないようです。飛行機の行動に関しては、目撃情報などから多少明らかになってきました。
Yahooニュースによると、
2014年3月18日、香港フェニックステレビ(鳳凰衛視)によると、マレーシア航空370便が消息を絶った8日午前6時15分ごろ、インド洋の島国・モルディブで、370便とみられる機体が低空飛行していたのを目撃したという通報が複数あった。現地メディアが伝えた。目撃者によると、北から東南方向へ飛行していたという

ということです。そして、
2014年3月18日、米ホワイトハウスのカーニー報道官は、消息を絶っているマレーシア航空370便が、インド洋中部のディエゴガルシア島にある米軍基地に着陸したとする一部報道を否定した。

というニュースがありました。

ディエゴガルシアとは、岩下おじさんのブログによると、

もちろん関係者以外ねずみ一匹立ち入れないこの世界最高のハイテク要塞はその機密性においてトップクラスであり約5000人とされる人数以外の機材施設の詳細は分かっていない。この指令が横須賀から発せれているものの通信内容も詳細に分からない。世界最大の攻撃能力と防衛能力が「あるらしい」。したがって衛星レーダーなどの監視範囲は「すくなくとも」相当広範囲であると「いわれている」。上空からの映像の解析度も10センチ平方「といわれている」。
精緻極まりない防衛システムに囲まれたこの島に発見されずに近づくことは無理である。近い島(たとえばモルジブは24の環礁と1200の島がある)の島民が、目視でもしない限りこの防衛網で起きたことは絶対に外に漏れないと「されている」。

ということらしいです。

フライトシュミレーションが趣味という人のブログでは、この飛行機がディエゴガルシアに向かったとした場合の詳細な予想航路をシュミレーションしています。ディエゴガルシアの飛行場の滑走路は北西-南東の方向に設置されていますから、北西の方角から着陸したと仮定すれば、一旦、クアラルンプールから北に向かった飛行機が急旋回して南西方面へと航路を変え、モルジブあたりから着陸に向けて南下したとすれば、モルジブで370機らしい飛行機が南東に向かって低空飛行していたという目撃情報と一致するのではないかと思います。低空飛行はレーダーを避けるためだとすると、一応、航空機は意図的に進路を変え、レーダーから姿を消して、インド洋の軍事要塞、ディエゴガルシアに向かったというのは有り得る話です。航空機が行方不明になった日のディエゴガルシアの滑走路の写真はないのでしょうか。この話が本当だと、航空機が写っていかも知れません。

しかし、もし本当に370便がディエゴガルシアに向かったのだとしたら、その理由は一体なんなのか、私には分かりません。

一方で、中国とオーストラリアがインド洋に飛行機の残骸らしいものを発見したというニュースがありました。パースの沖ということですから、ディエゴ ガルシアから遥かに南です。この残骸らしいものが本物だとすると、ますます、この飛行経路は不可解です。飛行経路はイギリスの人工衛星からの情報を解析したと言っていますが、それも本当ならそういう解析がなぜもっと以前にできなかったのでしょうか?
乗客の多くが中国人でしたが、その家族がマレーシア政府が最初から航空機に関する情報を隠していたと不信を募らせていたという話も聞きました。機長と政治的立場で対立するマレーシア首相が、残骸らしいものの発見とイギリスの衛星の情報から墜落と断定した声明を出すのも、ちょっとヘンな気がします。断言する前に残骸の解析と死体の回収を待ってもよかったワケでしょう。

なぜ、北京へ向かったはずの飛行機が、突然、通信を経ったのか、なぜ、北京とは逆方向のインド洋へと向かったのか、大変不思議です。モルディブや香港での目撃情報が本当だとすると、低空飛行でレーダーを避けていたのですから、意図的な「失踪」であったということです。
真相は何なのでしょうか?
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スジを通す

2014-03-21 | Weblog
どうもSTAP騒動、どこまでが表に出るかわかりませんがスキャンダルはこれからが本番のような感じです。

私もSTAP細胞は今ではウソだと思います。Oct4がストレス下で発現するというのは過去にも報告があるので、その点に関しては、多分、部分的には本当でしょう。しかし、Oct4-Gfpと考えられた発光は、死滅したり凝集したりする細胞が出す自家発光の可能性も高く、現に、Nature論文の添付動画を見た人が、現れてくるGFP細胞がどんどんとマクロファージ様細胞に喰われていっている様に見えると言っています。ということは、発光した細胞は、Oct4-GFPであれ、自家発光であれ、いずれにしても死んでいくというのが正しいような気がします。

それはともかく、この一件、当初は単なる論文捏造疑惑であったのが、どうも多数の人々の思惑の上に仕立て上げられたイカサマ劇場であったらしいことがだんだんと明らかになってきました。大手新聞も、その背景を書き始めました。これ以上のゴシップは私も止めたいと思いますが、STAP論文に関して真相(?)をどうも最初にインターネットで伝え出したといわれる謎のポエム、「オホホポエム」の存在を、つい数日前に知って、私も興味本位で見てみましたので一言だけ追加したいと思います。このシュールな詩(?)は、かなり手の込んだ比喩を多く含む暗号仕立てにしてありますが、背景を知る人にとっては、言わんとするところがだいたいわかるようになっています。このポエムの解読、解説を試みるサイトも複数あります。ポエム自体は論文発表の一週間後ぐらい、捏造疑惑が大きく持ち上がる前からインターネット掲示板に現われはじめ、かなり内部に詳しい人が書いたもののようです。全くの第三者が捏造の手口を推測しておもしろ半分に書いたと考えれないわけではありませんけど、もしそうなら、この第三者、この分野の科学知識とともに相当、理研の内情に詳しい上に、アンディーウォーホールのTVコマーシャルを覚えているぐらいの年代で、かつ90年以降にマウス遺伝学の研究を現場でやっていた人で、現在は、おそらく40 - 50歳ぐらいの大学の教授、准教授ぐらいのレベルの人間だと思われます。理研内部の人間だとしても、少なくともシニアポスドク以上でかなりの頭の回る人のようです。

いずれにせよ、大手新聞の報道や先日の植草さんのブログの情報も総合的に見ると、どうもこの論文の発表に際して、相当なステージングがされ、この30歳で「未熟(野依さんの言葉によると)」な人が利用されたことは事実のようです。その背景にあるのは、理研の利権、それからiPSにルサンチマン、男の嫉妬ということのようです。こうなってくると、この研究者の人を「未熟でずさん、教育をしなおす」と会見で言った野依さんも自身、それからおそらくこのイカサマ劇場を演出をしたと思われる実際に論文を書いた人の責任も含めて追求してもらいたいと思います。しかし、このあたりは、結局、犯罪事実でもないと、大手新聞は書けないでしょうから、よくて週刊誌のゴシップ記事で終わって、理研は、この論文の責任を筆頭の人に押し付けて、後は知らぬ顔をすることになるのでしょうね。 さて、もうこれで、このゴシップは本当にやめたいと思います。

クリミアのロシア編入、それがウクライナや日本に及ぼす影響についてちょっとだけ考えていました。EUとアメリカがクリミアの独立とロシアへの編入を認めないからロシアに経済制裁するという話です。日本への影響は、勿論、日本はアメリカの意向に逆らうことはできないが、日本には北方領土というロシアとの領土問題があるということに関します。
 思うに、オバマさん、本当はどーでもいいのでしょうね。クリミアが独立してロシアになれば、ウクライナが減ってロシアの勢力が多少増えるので、面白くない、しかもクリミアのロシア編入はロシアにとっては黒海周辺での、国防、軍事的な利益が大きい、でもアメリカが軍隊を出して大事にするにはリスクが大き過ぎる、しょうがないので経済制裁だ、というあたりが本音なのではないかな、と想像します。アメリカがロシアに対して経済制裁など、大して何の意味もないですから。貿易的にはロシアにとっては中国の方がもっと重要でしょうし、中露の貿易にはすでにドルを使うのを止めているはずです。プーチンはこの展開を見て、こりゃ遠慮は要らぬと思ったことでしょう。EUはどうするか。EU、とくにドイツはロシアに多大にエネルギーを頼っており、EUは実質ドイツが支配しているわけですから、簡単に経済制裁だ、というわけにはいかないでしょう。ドイツにしてみれば、クリミアという本来ロシア帝国の一部だった土地のロシア人が決めた決定に反対して、変に突っ張っても何もいいことはありません。

われわれは、ウクライナ情勢をロシア対EU+アメリカという構図でつい見てしまうわけですが、ウクライナの身になれば気の毒です。そもそもロシアに蹂躙されてソビエト連邦に入り、その後、チェルノブイリに原発を建てられて、事故で国土は汚染され、東側にはロシア人移民が入植して実質ウクライナでなくなっていった、という歴史があります。生粋のウクライナ人の立場からすると、ロシアという隣国の大国に翻弄され、従属させられ、挙げ句にロシア人移民に国土を奪われたという格好になってしまった、という考えているかも知れません。一方、クリミアのロシア人入植者からすると、そこはウクライナではあっても、すでにロシア人の住む土地だ、しかも一時はロシア帝国の一部であった、ロシアを裏切ってEUとアメリカに着くという選択はない、住民投票で独立しよう、という動きになるのも理解できます。しかも、そもそも法的に選ばれた親ロシア派の大統領をEUにつきたい連中がクーデターで引きずり降ろしたことによる、ロシア系住民の反発であるならば、どちらに義があるかと言われたら、ロシア派ではないかな、と私は思います。しかも、クリミアの西側ウクライナからの離脱は、クリミアが住民投票という「民主主義」の手続きに沿って選択したのです。となれば、西側ウクライナのできることは限られています。そもそも不法に政権を奪い取っているのですから、クリミア住民の決断が嫌ならば、力づくで阻止するしかありません。クリミアにしてみれば、力づくで阻止されないように、ロシアを頼んだわけですから、ロシアとしても、背後にEUとアメリカがくっついている西側ウクライナの不法暫定政権がクリミア住民の意思に背いて力づくで従属させて独立を阻もうとするのなら、黙って成り行きを見ているわけにも行きません。客観的に見れば、ロシアはやらねばならないことをやっただけのことでしょう。不法なウクライナ政権に反対してロシア編入を決めたクリミアが、ロシア編入を望んできたのですから、ロシアはイヤだとは言えません。そこにイチャモンをつけてくるアメリカが、結局、脅しの末に決めたことが、大した効果もない「経済制裁」だったので、お笑いになってしまったのです。EUは本気でケンカはできないし、オバマもケンカするだけの元手も意味もないと思っているので、結局、アメリカとEUは口先で厳しい態度を見せるだけで、何もできないでしょう。スジが通っているのはロシアの方と思います。
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結局、カネと権力

2014-03-18 | Weblog
世界中から危険なxxと見なされているアベ氏ですが、いよいよデタラメの経済政策が失速し、振り付け師は人気浮揚と政権維持のための小細工を仕掛けているようです。

サイエンスとしてのSTAP細胞の話はもうしません。しかし、植草さんのブログのエントリーを読んで、この騒動の違和感の説明がつきそうな気がしました。STAP細胞の背景に確かにおかしな点が多いです。最初の論文が出た時、私もPubmedで筆頭著者の人の過去の仕事をチェックしてみました。筆頭で3本の論文があるだけで、どれも注目すべきような論文ではありません。そのような人がなぜ、日本のトップクラスの研究所でPIをできるのかヘンだなというのが最初の違和感でした。理研の採用システムをよく知りませんが、例えば理研をアメリカのJanelia Farmハワードヒューズ研究所ぐらいだと仮定してみると、そこのJunior fellowのポジションにつくには、普通、Cell, Nature, Science、その姉妹紙クラスの論文が複数必要です。そこで何十倍という競争を経て、ポジションが与えられることになります。STAP論文の著者の人の場合、そもそも、理研のPIポジションに見合う業績がなく、自力で論文を書く実力もなく、(単なる言い訳でないとすると)データや文章の盗用、画像の切り貼り、使い回しが悪いことでさえ知らなかったような人が、なぜか日本のトップの研究所の研究チームのリーダーに採用されたという異常な事態が起こったということになります。確かにアメリカでもearly independenceということで、一部の若手にもっと自由に研究できる環境を与えようとするプログラムがありますが、このプログラムも非常に高い競争率で、選りすぐられた一部の人が手にすることができるだけです。そう思うと、この理研の人事は確かにおかしいのです。また、割烹着を着て実験するような不自然な人は普通いません。

植草教授のブログのエントリーは、これらの違和感に説明を与えると思います。なぜ30歳の若手女性研究者で、なぜ割烹着なのか、何となく分かった気がしました。政治的な思惑があるというウワサはチラホラ聞いてはいましたが、確たる証拠があるわけではなかったので、余り深く考えませんでした。しかし、前のエントリーでの内部の人が、「政治的」な問題があり、STAPに関して告発 (?) したのを理研は取り合わなかったという話が本当だとすると辻褄があいます。一発「花火」を打ち上げたかった神戸の理研、そして政権の人気向上に科学を利用したいアベ政権の思惑があったところへ、渡りに船とばかりに、現れたのがこの人でした。(本当だったら)大花火、ということで、理研とアベ氏がろくにdue deligenceもせずに飛びついたのだ、と考えれば、腑に落ちます。政府に優遇してもらいたい理研、理研を政権浮揚に利用したい政府、理研で利権、結局、つきつめればいつもと同じ、カネと権力。わざわざ割烹着という異常な姿で実験させて派手に報道演出した理由もそういうことだったのでしょう。あいにく、セルシードの株価と同じく、山高ければ谷深し、逆効果になってしまいました。そう思うと、身から出た錆とは言え、この研究者の人も多少は気の毒な面もあります。理研は組織を守るため、この人に全てを押し付けて幕引きしようとするでしょうから。

「知られざる真実」のエントリーの一部を転載します。
STAP細胞論文共著者と株式市場を結ぶ点と線

安倍政権は6月にも「新・成長戦略」を打ち出すスケジュールを設定しているが、そのなかに、技術立国を打ち出し科学技術振興を提示する予定である。、、、

いまや、利権政治家は競い合うように、「科学技術利権」と「スポーツ利権」に食い込もうと必死である。
安倍晋三氏は1月11日に理化学研究所・発生・再生科学総合研究センター(CDB)を訪問している。
中日新聞報道によれば、理研CDBでは、STAP細胞作製発表会見に合わせて、研究室の改装、かっぽう着の着用などの「演出」を実行したとのことである。
すべてが「やらせ」「偽装」演出だったことになる。


もうひとつの重大問題は、2011年に小保方氏が執筆した「Nature Protocol 論文」と呼ばれる論文の共著者に、今回のSTAP細胞論文の共著者である大和雅之氏と同じく東京女子医大の岡野光夫教授が名を連ねていることである。

この論文が記述する”cell sheets”は上場企業である株式会社セルシード社の製品であり、著者の岡野光夫氏はこの企業の取締役であり大株主である。しかし、論文には「利益相反事項の記載」がなされていなかった
セルシード社は大幅な営業赤字計上を続ける無配企業である。
この企業の株価がSTAP細胞作製報道のあった直後の1月30-31日にかけて急騰し、1月31日に第11回新株予約権(行使価額修正条項付)が大量行使・行使完了された。(http://goo.gl/6BsBjG)
1月31日に2400円をつけた株価は、3月14日には1183円に下落している。1ヵ月半で半値以下に暴落したことになる。
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捏造ではないが本当でもない

2014-03-14 | Weblog
今月になってから、数人の知らない若者から研究室に来たいというメールをもらいました。残念ながら、来年以降の研究費を確保できる保障がないので、断らざるを得ません。今一緒にやってくれている人たちは、私の研究に興味があったからというわけではなく、なんとなく成り行きで来てくれたという感じで、私もこれまで研究員の人を正式に募集したことはありません。そんなこんなで、ずっと零細研究室で自転車操業でこれまできました。大学院をちゃんと出た若者(だいたい私自身、医学部で学位をもらった、いわゆる「なんちゃって博士」です)が私の研究室に興味を持ってくれるというのは、想像するに、世間の環境が世知辛くなって、私の研究室のようなレベルでもいいか、と希望レベルが下がったのだろうと思います。研究者を目指す若者にとって、将来のことを考えたら、一流の研究室に入り込むことは大変重要です。とある有名研究室からその後独立した人は、その研究室の無給のポスドクのポジションを求めて数年待つポスドクの人も珍しくなかったと言っていました。二流研究室から始めることは、色々な意味でレバレッジがないので、一から十まで自力で頑張るしかありません。論文というプロダクトの面から見れば、大変、効率が悪く、またポジションも研究費も論文次第という現状から考えると、将来にわたってずっと苦労することになります。逆に言えば、そういう環境で生き残れれば、色んな意味で実力はつくとは言えます。ただ、その実力が役に立つかはわかりません。

STAP論文の話、忘れるつもりでしたが、どうも内部に近いバイオインフォーマティシャンの人が、Natureの論文にリンクされたChIP-seqのinput dataを解析して、STAPだと言っている細胞のゲノムDNAは元になったマウスの細胞のゲノムとは異なっており、単純なサンプルの取り間違えなどでなければ、STAP細胞といういうもの自体が存在しないのではないか、という主張しているのを知りました。このウェッブサイトで示されているデータを私はよく理解できないのですが、どうも、Illumina sequencerで読んだゲノムのリードのマッピングのパターンが、もとの細胞とSTAPでは異なるのに、STAPとESでは酷似している、と言っているようです。私は思うに、ゲノムのシークエンスのリードマッピングのパターンが異なるというのは、STAPのソースがもとの細胞ではない、ということを示しているというよりは、ChIPの際のDNA断片化のされ方やライブラリー作成時のバイアスがもとの細胞とSTAPでは異なるというテクニカルな問題の話ではないかと思うのですが。もとの細胞とリプログラミングされた細胞ではクロマチン構造が異なるでしょうから、DNA断片化のされ方も異なり、よってシークエンスリードの種類も異なるという可能性があると思うのですが、誰か解説してもらえませんか。またこのサイトでは、あと二つの証拠を出して、STAPとされている細胞はもとの細胞と異なる可能性が論じてあります。一つはコピーナンバーの遺伝子多型(CNV)をゲノムシークンスのリードから推測して、そのパターンを比較するという方法で、この解析では確かにSTAPともとの細胞は異なっているように見えます。(しかし、シークエンスリードからCNV多型を推測するというやりかたは一般的に認められたものではないので、どれほど信頼できるのか、私には判断できません)もう一つは、Oct4周辺のリードマッピングの差を示しています。このデータも私はどう解釈するのかよくわかりませんが、このブログ著者の人の解釈では、もとの細胞はOct4の遺伝子座にGFPが存在しているが、それから作ったはずのSTAP細胞のOct4にはGFPが入っていない、と言っているようです。一方、STAP細胞にはGFPのシークエンスがあったことから、STAP細胞と論文で呼ばれているものは、GFPのトランスジェニック細胞ではあるが、Oct4-GFPではなく、おそらく対照実験につかわれたCAG-GFPが入っているESと同一の細胞ではないか、と推測されています。
 私は、このサイトに示されたデータを正しく理解することができませんから、この人の結論、「STAP細胞が存在しない」ということが正しいかどうか、わかりません。しかし、もしこの理論が正しいとすると、おそらく、若山さんが作ったキメラに使われた細胞は、胎盤にも多少分化するES(過去に理研が胎盤にも寄与できるES株を作ったという話を聞いたことがあります)であろうということになります。もしこれらが全て同じCAG-GFPトランスジェニックから作られたものであれば、若山さんが持っている細胞を調べても鑑別は困難かも知れません。
これまでわかった数々のこの人の不正の手口を見ると、STAP細胞そのものがでっち上げだったというのもあり得えない話ではないと思います。それにしても、このようなすぐにバレるような研究不正を平気でやってしまう人の精神病理の不思議を思わざるを得ませんでした。
(もっとも、精神病と言えば、アベ政権の方がもっと病んでいますが)

捏造なら捏造でウソでした、で終わりですが、もうちょっとタチの悪いのもあります。「捏造のようで捏造でない、本当のようで本当でない、それは何かと尋ねたら、、、、ベンベン」みたいな論文を量産する研究室があって、その研究室のしばらく前のCellに掲載された論文がこの間の内輪の会で、話題にのぼりました。ある骨由来の物質を欠くマウスは脳の発生と行動に異常をきたし、その物質の投与によってそれが改善されるという話です。過去にこのグループの話を真に受けて、人々が何度も迷惑したのを私は覚えているので、私はこの論文は読んでいませんでした。ただ、話題にのぼったので話をよく聞いてみると、認められたマウスの脳発生の異常というのは、そもそも実験に使われている系統のネズミでは、普通、7割で認められる異常でなのした。つまりこの研究は、もともと特殊な脳発生の異常と行動異常のあるマウスを使って、研究対象の遺伝子のその脳発生異常への影響を調べた、ということになります。いくらコントロールを取っているとはいっても、もうそれだけでもうアウトでしょう。多分、この研究室では研究者としてのSloppyさとDogmaticであることが相乗的に働いてしまって、このようないい加減な論文がでてしまうことになるのでしょう。この研究室、一度はNatureのフロントページで随分、叩かれたのに懲りないのだなあ、と思いました。ただ、彼らは捏造はしないのです。都合の良いデータだけを選択して話を作り上げるので、データが信用できないだけのことです。それだけに余計、タチが悪いのです。
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戦争をさせない1000人委員会 (追記あり)

2014-03-11 | Weblog
STAP論文、おかしなことになってきましたね。つい先日、Knoepfler氏とのやりとりで、「理研を出る前に、脾臓からSTAP細胞を作ることに成功した。、、一年以内には誰かが再試したデータを発表するだろうと信じている。、、、私は逃げるつもりはない。私のデータでは全てのことは本当だからだ」と述べた共同研究者の若山さんは10日、「マウスの通常の細胞からSTAP細胞ができたとする成果について『証拠がない』」と言って論文の取り下げを勧めるメールを送ったそうです。この数日の間に何がおこったのでしょうか。思うに、先日の理研のプロトコールの中で、リンパ球から作ったSTAPステムセルにTCRの再構成がなかった、という記述が論文と矛盾すると感じたのではないかと思います。きっと論文投稿の時点ではその点については知らず、(頼まれてキメラを作っただけですしね)「そんな話はきいてないよー」という感じでだったのではないでしょうか。(ちょっと面倒ですがT細胞だけを分離して実験をやりなおしてみればはっきりすると思うのですが)Knoepfler氏が言うように、現時点では(論文の内容は本当かも知れませんが)とにかく問題が多過ぎるので、自主的に論文を一旦撤回するのが最も賢い選択であろうと思います。

さて、これも前の続きのような話ですが、科学と陰謀論について少し思う所を。科学とは「常識」的解釈を疑い、方法的懐疑に基づいて立てた仮説を検証する活動です。常識や信じているものを疑ってみることによって、現象に新しい光を当て、より包括的で原則的な解釈に達しようとする行いだと思います。「太陽が動くのではなく、地球の方が回っている」というのは科学的仮説です。一方、「911同時多発テロはイラク侵攻の口実のためにアメリカ内部のものが仕立て上げた」というと陰謀論と呼ばれます。しかし、思うに、これらの間に本質的な差はありません。差があるとすると、陰謀論の方には現象の裏に(証明されていない)人間の悪意を想定しているというぐらいです。この人間の悪意の部分を除くと、陰謀論も立派な科学的仮説になると思います。例えば「WTCの崩落は飛行機の衝突によるものではない」というのは(科学的)仮説であり、証拠を客観的に検討すればリーズナブルな結論にたどり着くでしょう。そう思えば、「陰謀論」という言葉は、正当性のある仮説に、negativeなconnotationを持つラベルを貼ることによって、考慮の対象から外すために使われていることの方が多いような気がします。

アベ第二次政権となってからこの政権のやってきたことを見ると、「日本は戦争を放棄し平和を望んでいる」という戦後の「常識」を疑うのに十分な根拠があると思います。本人は否定するでしょうが、「アベは戦争をしたがっている」という仮説を支持するかなりの証拠があって、それが不穏な空気を漂わせているのです。そうでなければ、知識人が集まって「戦争をさせない1000人委員会」や「特定秘密保護法案に反対する学者の会」のような会を結成する必要もなかったでしょう。「戦争を放棄し、恒久的平和を願う」のは戦後日本の「常識」でした。その常識が通用しない非常識な連中が政権を運営しているというのは、多くの状況証拠によって正しいことが支持されている「仮説」であると思います。

戦争は誰が何の目的で行うのでしょうか。アベ氏とか東京都知事選でかなりの票数を集めた元防衛省航空幕僚長とか軍事オタクとかは、何のために軍備をして戦争をするのか、本当に考えているのでしょうか。本気で「国を守り、愛する人を守るためだ」とかいう漫画の台詞をそのまま信じているのでしょうか。(そうだとすると、余計始末に終えないと感じます)

近代の戦争、とりわけ世界各地でアメリカが他国に介入してきたような戦争は、明らかに漫画や映画に出てくるような昔の戦争とは異なっています。しかし、戦争は、命を犠牲にして「誰かから何かを奪う」という行為であるという本質は同じだと思います。それでは、日本が戦争になったとき、誰が誰から何を奪うのか、そこを良く考えてみる必要があると私は思います。下の竹原前市長のブログ記事にあるように、戦争になったときに、最初に起こること、それは「日本政府」が「日本国民」から富と自由を奪うことです。

近代の戦争はビジネスであるという仮説は、陰謀論と一蹴するには困難な、十分な根拠のあるものです。私は人間の善意を信じていますが、同時に彼らは極めて自己中心的で、個人的な損得がからむと、理性的な判断がしばしばできなくなる存在であることも承知しています。ですから、つまらないプロパガンダに惑わされずに常に戦争の本質ついて普段から考えておくことは大切だと思います。陰謀論的言明ではありますが、私は、数ヶ月前に、阿久根市の竹原前市長が書いた「戦争の解釈」は十分、熟考する価値があると思うので、リンクします。

阿久根市の竹原前市長のブログから。

BISをコントロールしている人間が戦争を起こします。戦争は金儲けの手段ですから。その連中はすでに金持ちです。金儲けそのものは彼らの目的ではありません。カネという道具を使って人類をコントロールすること、世界を彼らの思うように変えるという支配欲が彼らの動機でしょう。彼らの考える「美しい世界」にしたいワケです。人間の傲慢さにはキリがありませんね。

 私は「戦争は八百長」と申し上げました。
 少し、戦争の仕組みをお話しします。 スイスのバーゼルに国際決済銀行(BIS)があります。各国中央銀行の元締め的存在です。中央銀行は政府の都合とは無関係に、決済銀行を通じて金融取引を行います。たとえば戦争中であっても、中央銀行システムはうまく機能して両方の政府に戦費を貸し付ける窓口をします。 戦争は中央銀行フランチャイズからおカネを借りて行う「政府の商売」なのです。
 
 戦争で儲かる人たちが密かに戦争を仕立てます。大元は国際金融資本です。中央銀行がある国の政府は国際金融資本の計画に抵抗できません。求められれば戦争をして国民を借金漬けにします。政府の現実は、保護者を偽装する暴力団の娼婦のようなものです。アメリカも日本も中国も韓国も同じです。
 国際金融資本は各国政府に対して緻密な戦争準備を指示します。なるべく戦争が長引き、たくさんのおカネを使うように仕向けるのです。時間とカネをかけ、戦争商売の仕組みがばれない様に秘密保護法や国民監視システムを作らせ、報道と教育で国民の心理状態を作り上げ、戦争の理由を捏造します。

 このように、戦争は第一番目に政府が自国民に対して行うものなのです銃弾が飛び交うのは、国民に対する戦争に勝った後です。開戦は国際金融資本の娼婦政府に対する国民の敗北であり、理性と自由の敗北です
政府は10月25日、特定秘密保護法案を閣議決定しました。日本政府がみなさんに戦争を仕掛けているのがおわかりでしょうか? もちろん、TPP参加も日本娼婦(政府)に対する国際金融資本の命令です。
 日本娼婦は 国民の口を止めるために、「国家の安定」を理由に名誉毀損を幅広く解釈するようになります。そのために、検察が事件を大げさにでっち上げ、マスコミが愛国キャンペーンを張ります。東京オリンピック開催決定は国家総動員体制作りの道具になります。
 1940年(昭和15年)に東京オリンピック開催の予定で 紀元二千六百年記念(天皇陛下バンザイ)行事として準備が進められていました。日中戦争から日本政府が開催権を返上しました。間違いなく、オリンピック準備は戦争体制作りに使われたのです。今の日本娼婦(政府)は同じ手を使います。

 国民は日本娼婦(政府)にだまされてお祭り騒ぎをします。この危険な事態を冷めて見る者に対して、回りの日本国民が迫害します。戦時中と同じ景色、なんとバカバカしくお目出たい事でしょう。


追記。追加する必要もないですが、先刻、決定的と思える捏造証拠と考えられる写真の使い回しがSTAP論文に見つかったことを知りました。これはもうダメです。こんな稚拙な細工を平気でできるとは、驚きを通りこして呆然とするばかりです。舐められたものです。これではいくらSTAPが本当であっても信用できません。Natureは、直ちにEditorial retractionするでしょう。理研が面子を保つには、その前に、すみやかに著者の同意を取って論文を撤回し、責任者に然るべき処分を下す必要があります。これは、確信犯と見なされるべき例であり、Natureも鷹揚に構えている訳にはいきませんでしょうから。そうなると、Schonのケースに似た経過を取ることになるのではないでしょうか。学位論文のデータを使い回したようですから、論文撤回のタイミングを誤ると、職場の解雇から学位の剥奪までフリーフォールとなりそうです。このイカサマ(と言ってしまいますが)の話をするのもこれが最後です。これに一杯喰わされた被害者の人々が気の毒です。私はサッパリと忘れます。
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感情の問題と方法的懐疑(STAP論文その後)

2014-03-07 | Weblog
STAP細胞論文問題、まだ調査中で結論は出ていないようですが、しばらく前に宇和島市議会議員の方が「藤波先生」(間違えました、難波先生でした)というどうも免疫学の専門家らしい人の詳細な論文の解析をシリーズで転載しているのを見つけて読みました。「難波先生(訂正)」の解析力に、舌を巻きました。私は、STAP細胞は本当かどうかわからない、と考えていましたが、これを読んで、ますますy混乱してきました。画像の細工の跡、マウスの胎盤写真の使い回し、方法の記述での剽窃、過去の筆頭著者の論文での疑惑、と論文の結論とは関係のない部分とはいえ、ちょっと問題が多過ぎるのが余計悪いです。

科学的な疑問点については、出来た細胞が分化した細胞のリプログラミングの結果であるとする証拠のデータについて議論しています。さすがに専門家の眼力、データ解釈の深さというのはすごいものです。あるべきところにあるべきものがないことに気づくには、ないはずのところにあることに気づくよりも難しいです。つまり、この論文のデータでは体細胞遺伝子再構成をおこしたT細胞から作ったSTAP細胞のTCR再構成の解析がしてあるのですが、STAP細胞では再構成を起こしていない遺伝子のバンドもあるにもかかわらず、もとのT細胞にはそれが認められないのです。これは確かにちょっとおかしいです。PCRのエラーとかinnocentな理由ももちろんあるとおもいますが、そのレーンの写真だけ嵌め込んだような跡があるのが怪しいです。ただ、このデータからはSTAP細胞の細胞のレーンには再構成のバンドが確かにあるわけですから、おかしいけれども、STAPがウソだという証拠にはなりません。
 それから、解説を読んで私もはじめて「ハッ」と思ったのですが、この細胞からマウスを作ったという実験に関して、もしもマウスが遺伝子再編成を起こしたT細胞をリプログラムした細胞からできているのであれば、このマウスではT細胞の体性遺伝子再構成が発生の最初から存在しており、故に、このマウスのリンパ球は限られた種類(もしくはクローナル)のT細胞から構成されているはずです。であれば、おそらく重症の免疫不全を発症しているのではないかという指摘です。その辺のことは論文にはありません。どうなのでしょうか。(下に後で付け足しましたが、理研のプロトコールで明らかになったことの一つは、TCRの再構成を起こしたものはどうもステムセルのラインにならないようです。これだけで、ちょっと問題だとは思いますが、そうであればマウスの免疫不全はないだろうと思われます)
専門外の人間が普通に論文を読むと、すごいねーという感想で終わってしまうわけですが、専門の人間が一つ一つのデータを懐疑的に吟味すれば、論文に出ているデータだけから、これだけのことがわかってしまうのです。しかし、だからと言って論文の結論がおかしいと短絡的に結論を出してしまえるわけではありませんが。

世間では、この細胞への期待は減退ぎみようで、Knoepfler研究室のブログによると、この細胞はウソだろうと思っている人が週を経る度に増え、今では8割弱の人が信じていないようです。STAP再現性の実験のupdateも止まったままで、成功例の報告はまだありません。やはり、疑われている本人が釈明しないこと、論文の結果が再現されていないこと(共著者の若山さんの研究室でさえ、研究室を移動後、成功していない)ことが大きいですね。
そのブログサイトで、若山さんとの直接のやりとりした様子が上げてあったので、適当に訳してみます。括弧内は筆者の補足で原文にはありません。

1. Vacantiの研究室とSTAP細胞での共同研究はどのようにはじまったのか?研究が始まった当初のことを教えてください。
テル(若山):Vacanti研究室のDr.コジマがキメラ(マウス)の実験で協力を依頼してきた。当初、プロジェクトは不可能に思えたが、だからこそ、引き受けた。不可能なプロジェクトが好きだからだ。最初にDr.オボカタが変った細胞を持ってきた時、ブラストシスト(初期杯)へ注入したが、キメラはできなかった。しかし、二年ほど後に、Dr. オボカタが非常によいSTAP細胞をつくる方法を発見した。それで、キメラをつくることが出来た。

2。最近、Dr. Vacantiやオボカタと話をしたか?もしも彼らが話そうとしないのなら、それは何故だと思うか?
テル;私はDr. Vacantiと話をしたことはない。Dr. オボカタとは話をしたが、日本でのことで、主たる問題は、再現性のことではなく、(ゲルの)バンドの写真の間違いのことだ。今は理研や第三者がこの問題を調査中だ。研究室のなかでは、彼女はSTAP細胞を作れると言っている。

3. 現時点で、STAP細胞におけるあなた自身の自信のほどはどうか?より不安になってきているか?
テル;理研を出る前に、脾臓からSTAP細胞を作ることに成功した。ただ一回だけだが。そのときDr.オボカタがよく指導してくれた。今では、(日本国外の)数人の私の知り合いが、部分的に成功した(Oct4の発現のみ)というメールを送ってきた。だから、一年以内には誰かが再試したデータを発表するだろうと信じている。

4.大勢の人と同様、私自身はマウスのSTAP研究はしっかりしたものだと考えているし、あなたは一流の科学者と評価されている。人々は(論文や研究者ではなく)STAP細胞そのものについて、より具体的な問題を感じている。もっともよくある疑問は、STAP細胞はESやiPSのようなステムセルのコンタミにすぎないのではないかという疑問だ。その可能性はあるか?
テル;コメントをありがとう。STAP細胞から私は何度か、STAP-SC(ステムセル)を樹立した。コンタミが毎回起こるとは考え難い。加えて、われわれはSTAP-SCを129b6GFPマウスから作ったが、実験の当時、われわれはその種類のマウス由来のES細胞は持っていなかった。STAP-SC樹立に成功したとき、オリジナルのSTAP細胞のOct-4の発現は大変強かった。この状況では、ブラストシストからES株を樹立するよりも(STAP細胞からSTAP-SCを樹立する方が)もっと簡単だ(と思う)。更に、mRNA発現データはSTAP-SCはES細胞とは異なることを示している。

5. STAPステムセルはあなたの新しい研究室では動いていないと言っていたが、方法的な意味で、なぜだと思うか?何が違っているのか?また、理研にいたときには動いていたと言っていたが、もうちょっと詳しく教えてくれませんか?あなたがSTAPの誘導を全てやったのか?ESやiPSが培養中に入り込む可能性は?
テル;私はDr.オボカタに一度、指導を受けただけで、その後、理研を離れた。かつて実験室を移動した後、自分自身の技術を再現するのが難しかったことを覚えているだろうか?私がハワイからロックフェラに映った時、マウスクローンをつくるのに半年費やした。これは私自身の技術であったが、それでも時間が必要だった。STAPは私の技術ではないし、違う研究室が再現するのが困難なのは、当然だ。Dr.オボカタの指導の元で、私は自分で全てをやってみた。同様に、私の大学院生もSTAP-SCの樹立に成功している。(筆者- 若山さんはSTAPをつくることに成功したと言っているのか、STAPの細胞からSTAP-SCを作ることに成功したと言っているのかよくわかりません。再現性の問題はSTAP-SC樹立ではなく、STAPそのものさえ作ることができないという点なのですが)これらの実験期間の初期にはわれわれはESもiPSも培養していておらず(コンタミの可能性は低い)、その後、コントロールとしてES培養もし始めた。

6.世界中で多くの人がSTAPを試していますが、思わしい結果が出ていない。方法の詳細を書いた論文を準備中であるのは知っているが、事の重大性を考えて、直ちに詳細な実験プロトコールを発表する気はないか?私の自分のブログに載せても良いし、それは論文の発表には問題ないと思う。
テル;はい、理研はすぐに詳細な方法を発表すると思う。私はキメラ作成の部分を書いた。しかし、キメラ作成は通常の実験であり、別に特別なものではない。残念ながら、現在全ては理研の責任下にあり、私は理研を去った身だ。私も(どうなっているか)知りたいが、知り得ない。

最後に、あなたは私が触れなかった事でなにか、疑問や言いたいことなどはあるか?
テル;私は逃げるつもりはない。私のデータでは全てのことは本当だからだ。しかし、それを再現するのに時間はかかるだろう。例えば、最初のクローン動物のドリーは、発表から1年半も再現されなかった。ヒトクローンES細胞の論文は未だに再現できていない(筆者ーまさか、韓国の捏造論文のことを言っているわけではないでしょうね)とういうわけで、少なくとも1年は待って欲しい。その間に誰かあるいは、私自身が再現に成功すると信じている。


ここまで、書いた時点で、理研から実験プロトコールが発表(リンクはPDFです)されました。マウスは1週齢未満のものを使わないと、効率は大変悪い、とあります。また、系代培養したMEF(マウス胎児繊維芽細胞)ではダメで、フレッシュに分離した一次培養細胞を使えとあります。実験を再現しようとしたグループがうまくいかなかったのはひょっとしたら、この辺の問題であったのかも知れません。酸性液での処理は500ulのHBSSに1 x 10^6の細胞を入れるとあります。これは、そこそこの数の細胞を比較的少量のバッファー力の弱い液につけることになり、PHが25分、本当に保たれているのか、疑問に思いました。再現できなかったグループが気づいた問題点が、酸性溶液のpHを一定に保つことが難しいという点だったからです。
いずれにせよ、マウスの年齢が大きな要因であったり、なぜか継代した細胞はダメであったりと、理由のよくわからない制限条件があるのがすっきりしません。

その後、もう一度Knoepflerのサイトを見てみると、早速、理研のプロトコール発表を受けて、コメントがありました。上のT細胞でのTCR遺伝子再構成のデータに関して、理研のプロトコールで次にように発表したことが矛盾しているのではないかと疑義をあげています。

(理研プロとコールから)われわれはCD45陽性の血液細胞から複数のSTAP-stem cell(SC)を樹立したが、8のクローンを調べた所では、どれにもTCRの再構成が認められなかった。これは、再構成が起こる前の細胞はSTAPからSTAP-SCに成りやすいというバイアスがある可能性を示唆する、、、


ちゅーことは、STAP細胞はOct-4などを出しているにせよ、ほとんどがステムセルラインにすることはできず、その中の一部に存在するステムセルになりやすい細胞だけが、継代培養可能に過ぎないということのようです。つまり、iPSのように、成熟して分化した細胞を初期化してステムセルラインを作るというよりは、むしろ最初から組織に存在しているかも知れないストレスに強いステムセル様細胞を(他の細胞を酸で除去することによって)セレクトしているに過ぎないのでは、という疑問が出てきます。日本の別のグループは昨年に、組織中に存在するストレスに強い間葉系ステムセルを分離する方法を発表していますから、実は、それと同様なのかも知れません。以前から、体の組織にはside populationと呼ばれる細胞群があって、強いポンプ作用で色素や毒素を細胞外に排出することができ(それを利用して分離します)、ステムセルの性質を持つ細胞があることは知られています。STAPは最初、毒素のストレスでも作れる、と言ってましたから、ますます、これは成熟細胞のconversionではなく、side population中に含まれる内在性ステムセルのselectionだろうという気がします。しかし、仮にそういう細胞をセレクトしているだけであったとしても、そのような細胞がマウスにまでなる胚性ステムセルの性質を持つ可能性は低いだろうと考えられるので、STAPからSTAP-SC樹立の間に何らかのconversion(コンタミでなければ)があったのであろうと考えられます。

このプロトコールの発表は、正直、この細胞への期待をむしろ萎ませたのではないかと思います。1週令未満の赤ちゃんネズミの細胞でしかうまくいかず、宣伝ほど簡単でもない、加えてSTAPからSTAP-SCを作る部分も、iPSのように本当のリプログラミングした成熟細胞由来なのかどうか怪しいとなれば、特にtranslational researchの目的でSTAPを考慮している人は、もう興味を失ってしまっているでしょう。私も、結局はこの論文はちょっと誇大広告だったのではないかと思います。なぜ、TCR再構成が起こってしまったT細胞からはSTAP-SCが樹立できないのか、なぜ1週令未満のマウスしかダメなのか、そのあたりのメカニズムなり現象をもうすこし詰めてから、発表すべきではなかったかと、実験プロトコールを読んで思いました。(そこまでやっていれば、逆にNatureにはアクセプトされなかったかも知れませんが、少なくとも、このようなスキャンダルに発展することは避けれたでしょう)

結局、この件に関しては、酸性刺激だけでリプログラムできる、という結論が、余りに人々の常識を覆すものだったので、問題がここまで大きくなり、そして、論文に複数の問題があることがわかって、急に人々の疑惑をよんでしまったと思います。ガリレオの例を挙げるまでもなく、人間というのは、刷り込まれた「常識」に盲目的に従う習性があり、それに反するものはいくら論理的であっても、しばしば、考えてみることすら拒否するものです。その常識を否定するような言説には、その反論の根拠を示さず感情的に反応してしまうのが人間の習性でしょう。科学的思考は、そこの感情の問題を排し、判断を一旦括弧に入れて、まず証拠を集めて議論をつくした上で結論を出すという態度でしょう。これには多少のトレーニングが必要です。
 科学は方法的懐疑に基づき、常識を疑うところから出発して、世の中をできるだけ統一的な理論によって理解しようとする活動のはずで、本来、感情的な反発というものは入り込むべきものではないのですが、結局、人間は感情の動物です。人間の行動は理性よりも感情に支配されています。それを理解した上で、デカルトは「感情の問題」を切り離し、理性によって真実を見ようとしました。懐疑するのはあくまで単なる方法上の手段であって、「ウソだ、信じたくない」という感情に立ってしまっては、科学になりません。このSTAP論文のレビューでも「この論文は過去の先人の努力と知識を冒涜するものだ」とかいうコメントを書いたレビューアもいたそうです。仮にも科学者であれば、レビューにこのような感情的なコメントを書くことを恥ずかしいと思うべきだと私思います。われわれは科学という「ゲーム」をしているのですから、守るべきルールがあります。

インターネットの匿名の科学フォーラムなどを見ると、論点から離れて、感情的に根拠もなく議論の相手を貶めるようなコメントが平気で書き散らされているのをかなりの頻度で目にして、毒気にあてられます。昔から、私は、このように論理的な根拠も示さずに感情的に相手を攻撃したり侮辱したりする非生産的で有害な行動をとる人々の心理は何なのだろうか、と不思議に思っていました。相手の話を聞きたくないならそのフォーラムから出て行けばいいだけのいい話で、わざわざ自分の時間を費やして、有害無益ななコメントを書く必要はありません。多分、自分の優越性を示したいというエゴなのでしょう。いずれにせよ、科学者も人の子、科学においてさえ、感情の問題を切り離すことはなかなか難しいということでしょう。STAP論文の顛末に関しては、経過を見守りましょう。
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ビットコインの目指すもの

2014-03-04 | Weblog
ビットコインの取引所が、ビットコインを「盗まれて」倒産、閉鎖になったという事件のニュースで、急にメジャーになったビットコインですが、この事件について、色々な人が意見を述べているの読みました。私の印象は、8割の人がビットコインのそもそもの意味について誤解しているように感じました。これをあたかも、新手の金融商品(博打の道具)と見なして、素人が詐欺にあってカモられたのだ、というような意見が多かったように思います。それで、人々の「カネ」に対する認識に、私はガッカリしていたのです。しかし、思えば、私も昔はカネのことを真剣に考えたことがありませんでした。ただ、どうして自分が持っているカネはつねに必要な量よりも少ないのだろうと、不思議に思っていただけでした。「カネ」の歴史を多少知るにつれ、中央銀行による管理通貨制という現在のシステムそのものが、実は壮大な詐欺なのではないか、という気持ちが初めて強くなりました。ビットコインを「通貨」の歴史から考えると、現在の「銀行券」よりも遥かにマトモだと私は思わざるを得ません。

今回のビットコイン騒動について、「5号館のつぶやき」先生が、科学者らしい(?)見方でのビットコインに関する記事をアップしてあるのを読んだので、私も思うところを書いておこうと思った次第です。

私も、昔は「カネ」というものは、政府なり発行機関が「責任をもって、公正に」発行、管理している「価値交換のための道具」だと、単純に思い込んでおり、そのメカニズムはどうあれ、カネがあれば物やサービスが手に入る、なければ困る、それでカネを手に入れるために働いたり、いい大学に行ったりする、という目先の現象が当然のことであるように思い込んでいました。しかし、半歩下がって客観的に見れば、太古の昔にはカネなどというものはなく(特に紙に印刷されたようなもの)、人々は物々交換で欲しいものを手にいれたり、農民は年貢は米で納めたりしていたのですから、カネなど別に絶対に必要なものではなかったのです。しかし、物々交換で必要なのもを手に入れるのは不自由ですから、便利なように物の「価値」を一旦、共通の媒体(例えば貴金属)などに変えた上で、それを使って物やサービスの交換を行うようになった、というのが通貨の歴史であろうと思います。それが発展して金本位制の通貨制度ができたころまでは、カネは従来のその役割を果たしているだけでした。しかし、金本位制を廃止して管理通貨制にしたときに、カネをつかって人々を広範に支配することが可能となりました。これはちょうど、麻薬中毒にさせておいて、麻薬で人を操るのと同じ構図です。都会に住む人間は、自給自足も物々交換交換もできませんから、政府の発行するカネに生命を依存しています。カネなしには生きて行けないようになっています。自然とカネのある人間が、カネに依存している人間を支配するようになります。「カネの奴隷」というのはそういうことです。ではカネを持っていて、人々を支配したい人間はどうやって、カネを手に入れるのか。もっとも簡単なのは「カネを刷る」ことです。カネを刷る立場に回ることが、もっとも簡単にカネを手に入れる手段です。アメリカではカネを刷っているのはFRBという中央銀行で、これは政府機関ではなく、秘密に満ち満ちており、実は、普通の銀行を運営している連中のの寄り集まりだと言われています。ということは極論すれば、「カネ」を人々に貸して利ざやを稼ぐ金貸し自らが、そのカネを刷っているということになります。ま、インチキです。彼らは別にカネが欲しいのではなく(いくらでも刷れますから)極論すれば、カネを使って、人々を支配し、彼らが思うように世界を動かしたい、そう考えているらしいです。(この辺の「銀行家」の意図の真偽は分かりませんが、陰謀論者によるとそういうことらしいです)

それはともかく、日銀も勝手に異次元の量的緩和(大量にカネを刷る)をしたりすることができるのですから、管理通貨制が金本位制に比べて、いかにイカサマなのかは自明と言えるでしょう。その一方で、カネがないから消費税を上げるという、変な理屈がまかり通ります。日本政府が抱える大量の借金、結局は、日銀が刷って政府に渡し、政府は国民の税金を使って、銀行にその利子を払い続けるということになりますが、では、その利子で儲けている連中は誰なのか、ビットコインをカネを儲けるための「金融商品」だと短絡的に考えるまえに、その辺のことを国民は考えてみる必要があるでしょう。

ビットコインは基本的には金を使わない金本位制です。その点から考えると、今回のようなコンピューター特有の問題があるにせよ、紙にいくらでも刷れる「カネ」よりも、よっぽど、本来の価値交換のためのツールとしてマトモです。問題がおこったのは、ビットコインを紙に刷った「カネ」に交換するという部分です。(今回の事件はカネとビットコインとの交換取引所の問題であって、ビットコインそのものの問題ではないのです)
 理想的には、ビットコインはカネと交換せずに機能することを目指しています。イカサマの紙の「カネ」を通さずに物やサービスを交換するための別の媒体ということです。ビットコインのシステムは中央銀行や特定の個人に管理されているのではなく、ビットコインを手に入れるには交換、もしくはコンピュータプログラムを介して自ら「発掘する」しかありません。ということは、紙のカネのように、日銀やFRBのような特定の機関が彼らの都合で勝手に刷りまくったり、それを貸して利息を取るということができないということです。陰謀論的な言い方になりますが、ビットコインのような公平で一部の人間の都合でコントロールできないような「通貨」は、支配者層にとって、大変、都合の悪いものです。各国政府が潰そうと規制をかけたり、今回の事件のように「見せしめ(?)」にして印象操作をしようとするのは、当然の動きでしょう。人々がビットコインでいろいろ取引し、「円」や「ドル」を使わなくなったら、政府は困ります。税金も取るのが難しくなります。物々交換のようなものですから、そこに経済活動が発生しなくなり、商取引で生まれる利益がなくなり、課税できなくなります。
これは、既にある日本各地にある「地域マネー」の拡大版と言えるでしょう。目的は、中央銀行が勝手に操作できないようなより「公正」な通貨制を市民自らが作り出すという点にあると思います。

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