百醜千拙草

何とかやっています

破れかぶれ居座りカン助

2010-11-30 | Weblog
先日の鳩山氏との会談で、「支持率1%でも辞めない」と空きカンは言ったそうです。主権者の100人のうちの99人が、「アンタは首相をする能力がないから辞めろ」と言っても辞めないということですね。民主主義国家の政治家というものは、人民の代表であってその力を委託された存在である、という謙虚な思いのひとカケラも感じられません。国民の大多数が、辞めて欲しいと思っているということなのだから、最小不幸社会を実現し国民の不幸度を少しでも減少させるために、ささやかながら唯一、空きカンができることは自ら辞めることではないのか、と私は思うわけですが、どうでしょう。
 小沢氏は、政権の余りに急激な支持率の低下に「いつ、『破れかぶれ解散』をするかも知れないから、選挙の準備をしておけ」と系列の議員にアドバイスした、という話が少し前にありましたが、この空きカンの発言、「破れかぶれ居座り」とでも言うしかないですね。こんなアホなことをわざわざ会談で言うということは、この方、内閣支持率がすでに解散危険閾値30%を割って久しい中で、一発逆転の腹案を隠して、これまでウツケ者を装っていた織田信長か、あるいは本物のウツケ者かのどちらかでしょう。多分、前者である可能性は極めて低いと思いますが。

徳川幕府が瓦解した時の長州征伐で、当時征伐の拠点となっていた大阪城内の様子について、司馬遼太郎は小説、「胡蝶の夢」の中で次のように書いています。

 この城が大本営であるだけに、牛乳を煮詰めたように幕府機関の人材があらかた集まっている。
(馬鹿面はいない)
と、良順(松本良順 医師)も感心するほど、色白で英才らしい顔つきの大小名が殿中をうろうろしている。が、この時勢の幕府にとっては、泥をかぶってもたじろがない大政治家一人と、不惜身命の馬鹿正直者が五万人ほどいれば足りることで、最もわるいのは小細工の上手な口舌の人々が政治の大綱や小綱をひっぱりまわすことであった。


これは、今日の日本政府のことかと思いました。小細工の上手な口舌の人々とは、阿波狸こと悪徳弁護士のことでしょうか。加えて、何の能力もない空きカンをその頭に戴いていていて、このアンポンタンは、日本が沈没しても、国民の99%がやめろと言っても、「辞めたくない」とだだを捏ねている殆どチホー状態にあるわけですから。

マのつく危険人物、野党が内閣閣僚問責を人質に審議拒否する姿勢を批判し、国会で審議しないのは「税金泥棒」だといったとか。さすがにこのヒトが口にしそうな「正論」で笑ってしまいました。この方、政治家ではなくて、政治評論家になるべきでした。評論家ならシラジラしい「正論」はむしろ歓迎されます。政治家はアジって終わりではなく結果を出してナンボでしょう。そもそも政権にない野党の最大の武器がコレですから、いくら、建前上、審議拒否が卑怯だといったところで、野党はこの手を使わないワケがない。だからこそ、政権交代の後、小沢氏が参院選を押さえることを最優先して党の看板を架け替えたというのに、空きカンや内閣の連中は参院選を制することの重要性を理解しているふしもなく、不用意な消費税発言その他で折角のご祝儀支持率をドンと下げ、参院選は惨敗、この数年来素人集団の民主党を率いてようやく政権交代を実現した小沢氏の苦労をすべて水の泡にした挙げ句に、恐怖の衆参ねじれを来たしました。それでも空きカンは事の重大さが理解できていなかったのか、「野党とはよく話合って、法案を通して行きたい」などとノーテンキなことをヘラヘラと言っていました。ねじれで法案を通すのは取引ですから、話し合いで済むようなことではないことぐらいわかっている筈ですが。閣僚の首とか(官房機密費とか)はその取引のためにあるのです。
 そのマのつく危険人物は、尖閣諸島問題の時も「領土問題は存在しない。国内法に従って粛々とやる」とか、口先だけは威勢のよいことを言って問題をさんざん拗らせた挙げ句に、悪徳弁護士と図って、沖縄海保に泥をかぶせて、スカシ逃げました。八ツ場ダムの仕分けでも言うだけで実行せず。できないならエラそうなことを言うな、と言いたいですね。この人、世間は「口先セイジ」と呼んでいるらしいですが、口先だけ威勢の良い事をいって、実行力や責任感に欠ける人間は、国難に際して、最も害をなすタイプだと私は思います。税金泥棒の方がよっぽどマシだと言っておきましょう。こういう人間が、ワザワザ危険を煽って日本の危機を招いておきながら、いざ沈没となったら、国民を踏みつけて真っ先に沈没船から逃げ出す、満州の関東軍のようなことをするのです。

日本沈没の危機ですから、この内閣に一刻も早く退陣してもらうのが国益というものです。
憂国ゆえの悪口雑言、ご容赦。

さて、注目の沖縄知事選、伊波氏、惜敗でした。仲井氏、県外のどこかへ基地移設という主張ですが、県外どこでも地域住民がウンというはずもなく、結局は一歩も先に進まないでしょう。公明党、みんなの党、県自民党が後押ししたということから、多分、この方の腹案は本当は辺野古で、最初から県外は無理なのを承知で選挙用に「県外」と言っただけなのではないかと思ったりします。おそらく、仲井氏の下では沖縄基地問題は県民の思う方には一歩も前進しないのではないかと思います。選挙が終わった瞬間に「『県外』と言った覚えはない」みたいなことを言ったらしいですから。知事が伊波氏になっていれば、どうなっていたかと思うと、最終的に力ずくで辺野古に戻されたとしても、多分この方は少なくとも鳩山氏なみにはやろうとするでしょうから、まだ多少は期待が持てた可能性はあると思います。残念な結果だと思います。前連合政権時代、結局、結果を出せなかった社民が後押ししたということがむしろマイナスにとられた可能性があるのではないでしょうか。
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極東軍事緊張の裏

2010-11-26 | Weblog
マンデルブローの死去についてNatureとScienceは、各々、11/18、11/12の号で、追悼記事を掲載していました。Benoit Mandelbrotという名から、私はフランス人だと思い込んでいましたが、実はユダヤ系ポーランド人で、ナチのユダヤ弾圧の時にフランスへ移ったのだそうです。Benoit Mandelbrotの叔父も著名なポーランドの数学者で、Szolem Mandelbojtと綴ります。きっとフランスに行ってから名前と姓の綴りを変えたのでしょう。
 ユダヤ系ポーランド人で思い出したのが、ロスチャイルドで、彼らがイギリスに渡って世界金融を牛耳るようになる前はポーランドのユダヤ人としてアングロサクソンの差別をうけて細々と暮らしていたはずです。私は最近の極東でのいろいろな事件の多くのウラには彼らやロッカフェラがいるのではないかと疑心暗鬼になっています。極東に限りませんが、カネを儲けるために戦争やテロを仕掛けるのは彼らにとってはお手のものでしょう。

北朝鮮の韓国への砲撃を 、だいたい三通りに人々は読んでいるようです。
第一は、対話を拒否しているアメリカを協議に引き出すための材料として行ったという説。第二は北朝鮮の独裁者の世襲に伴って、軍事的リーダーシップを示すために行ったという説。第三は、アメリカの演出という説。
 この砲撃の第一の理由のアメリカを対話に引きずり出すためにやったという説は、私はよく理解できないのでわかりません。第二の新将軍の軍事的リーダーシップを示すため、というのはそうかも知れません。独裁者の世襲にともなって、こういうことをやるということは、北のこの政権は危ういという可能性が高いと思われます。国が富み、人々が幸福であれば、政府のトップが独裁者であろうと何であろうと人々は気にしないでしょう。しかし、もちろん、北朝鮮は人々が食べるものがなくて困っているような状態ですから、いくら洗脳されていても人民は幸福ではないでしょう。その彼らの不満をそらせ、政府を支持させるには、外国の脅威を示して、それに政府がきっちり対応できるという点を見せるというのは有効な手段かと思います。第三のアメリカの演出については、これは、あるいは、尖閣諸島問題など東アジアでの大小の国際紛争と同一線上にあるものとも考えることができるかも知れません。「東アジアでの軍事的緊張」を誰よりも欲しているのは誰かを考えれば、アメリカがらみのヤラセである可能性は高いと思います。

 ニュースでは一方的に北朝鮮が悪いような書き方をしてありますが、北朝鮮は境界線近辺での韓国の砲弾を使った軍事演習に警告を出したが、韓国側が無視、今回、韓国からの砲撃があったため対応した、と言っているそうです。事実、韓国ソウル発のロイターのニュースでは、北朝鮮の砲撃の前に韓国側がまず軍事訓練と称して砲弾を発射したらしいです。その辺を考えると、わざわざ国境付近で砲弾を使っての軍事演習をした韓国側がワザと北朝鮮を挑発したという線の方がむしろ濃厚ではないでしょうか。しかし、仮に韓国軍の挑発に乗って反撃したのだとしても、北朝鮮が一般人の住む島へ砲弾を打ち込んだというのは、過激過ぎると思います。一昔前ならこれは宣戦布告と言ってもよいでしょう。果たして、北朝鮮の体力でアメリカ軍がバックにいる韓国とドンパチできるのか、その辺を考えるとこの事件のいかがわしさを感ぜずにはおれません。新聞などが言う第一、第二の説であれば、この砲撃はパフォーマンスです。パフォーマンスにしては有人の島に砲弾を打ち込むというのは過激過ぎると私は思います。この過激さを説明するのは二通りあるでしょう。一つは、北朝鮮は何を考えているかわからない異常なキチガイの国だという、多分、dominantな意見。この意見を採用することは簡単ですが、北朝鮮はキチガイ、以上終わり、と思考停止になって後が続きません。もし北朝鮮がキチガイではない、という第二の可能性であった場合に思考停止していると事態が悪くなります。第二の可能性は、上の第三の説のとおり、この韓国と北朝鮮の砲撃戦には台本があったと考える場合です。もちろん、現場の人間には台本は知らされておらず利用されただけでしょう。北朝鮮の一部とアメリカが実は昔の自民党と社会党のようにウラでは繋がっているという話は本当だと思います。

田中宇さんの国際ニュース解説( http://tanakanews.com/)では次のように書いてあります。

 
韓国軍はこの日、北朝鮮の沖合12キロにある韓国領の延坪島の周辺海域で、
軍事演習をしていた。韓国政府によると、この演習は3カ月に一度行う「定例
のもの」だった。北朝鮮側は演習を非難し、やめるよう求めたが、韓国側は
やめなかった。その後、砲撃戦が起きた。しばらく前に北朝鮮は、いつでも韓
国を砲撃しうるぞと警告しており、警告どおりのことを実行した。韓国側は、
北朝鮮側が先に撃ってきたと言っているが、北朝鮮側は、韓国側が先に撃って
きたと言っている。(http://www.atimes.com/atimes/Korea/LK24Dg02.html)
 韓国軍は米軍の傘下にある。米軍は、演習をやっているうちに紛れて本当の
戦争を起こしてしまう傾向がある。湾岸戦争の発端となった1990年のイラ
クのクウェート侵攻は、イラクがクウェートに侵攻するシナリオで米軍が演習
をやっている間に、本当にイラク軍が攻めてきた。背景には、米国がイラクの
サダム・フセインを挑発して侵攻を誘発し、米軍がイラクに「百倍返し」して
湾岸戦争を起こす米側の策略があったようだ。
 01年の911事件でも、当日ニューヨークでハイジャックテロ対策の演習
が行われており、航空管制官らは、演習なのか本物なのか判断できず対応が後
手に回り、軍産複合体が望む「テロ戦争」が始まった。今年3月の天安艦沈没
事件も米韓演習中に起きた。北朝鮮犯人説が正しいと考えられる証拠は今も出
ていない。これらの先例からすると、今回の南北間の砲撃戦も、北朝鮮が先に
撃ってきたと断定しない方が良いだろう。


東アジア(に限りませんが)の軍事紛争のウラには必ずアメリカがいます。そして今のアメリカと世界の状況は1930年代の大恐慌に似ているような気がします。1929年の突然のマーケットクラッシュで始まった恐慌ですが、クラッシュの前には実質産業経済にかげりが見えていた一方で、投機的株式投資によるバブルがあったようです。そしてアメリカは深刻な不況へと突入しました。ルーズベルトはニューディール政策で多額の政府主導の雇用拡大で景気の浮揚を狙ったわけですが、その効果の評価は別れるところです。しかし、第二次世界大戦を仕掛けて、その軍需景気でアメリカ経済が持ち直したというのは万人の意見の一致するところでしょう。

翻って近年のアメリカでは、数年前のリーマンショッックによる株式市場のクラッシュとその後の経済の低迷があり、オバマはAmerican Recovery and Reinvestment Act (ARRA)などで、多額の税金をつかったニューディールもどきの景気浮揚策を取りました。眼に見えるような効果は未だ出ず、景気の回復は遅々としており、結果、この中間選挙でオバマ民主党はHouse seatを大幅に減らし、共和党に過半数を握られました。この状況は第二次世界大戦前とよく似ています。そして今、極東でキナ臭い事件が散発しています。外患に際して、単純バカの害務大臣は(操られているのでしょうが)火に油を注ぐようなことしかしません。しかも、責任をとるという国を運営する人間としてもっとも重要な資質がこの内閣には欠けています。この史上最低の無能内閣が、この未曾有の危機にあってとんでもない誤りを犯す可能性は極めて高いと憂えています。このままだと日本が戦争に巻き込まれる確率は高く、しかも今度はイラクでもアフガニスタンでもなく、日本本土になる可能性が高いと思います。

上の話とは関係ないのですが、もう一つ触れておきたい今週のニュースは、名古屋市議会のリコールが不成立となったニュースです。名古屋では、市議会議員の高過ぎる議員報酬などを不服として市長と市民がリコールを求めて署名活動を行っていました。リコール成立に36万票が必要であったが、集まった46万票のうち、なんと、11万票を無効票とこの市議会の息のかかった選管に判断されて、35万票の有効票でリコール不成立となったという事件です。これまでは署名の誤字などは許容され、有効と認められていたのに、今回は、署名提出後に、誤字が見つかった場合は無効とするというルールを選管は出してきて、なんと24%を無効にし、リコール成立数ぎりぎりまで減らせたという見え見えの工作を行ったという恥知らずな事件。リコール推進の河村市長、この選管のルール変更に、後だしじゃんけんだ、と激怒。
 この国は国家システムとして腐り切ってしまっています。この野蛮で陰湿で自己中心的な態度に怒りを通りこして情けなさしかもう感じなくなってきました。この国は物質的には、まだ多少他の国よりも豊かなのかも知れませんが国の中身は、まだまだ中世の封建制度の後進国なのですね。日本の官僚システムとそれに寄り添う保身政治家に自浄作用がない以上、これらは打ち倒されなければなりません。一つは市民革命でしょう。一般市民がも生活して行けない状態になるのはかなり近いです。生活保護を受けている方が真面目に働くよりもずっとマシな生活がおくれるような社会ですから、人々のガマンの限界も近いでしょう。そのときになればさすがに市民も革命に立ち上がるでしょう。あるいは、もう一度、どこかの国の植民地にでもしてもらって、国民が団結して独立を勝ち取るというような経験でもしない限り、この腐った病巣を取り除くことはできないのかも知れません。

ひたすら暗い話ですいません。でもこれが現実のようです。

追記。

アップ直後、小沢氏の強制起訴の無効を訴えての行政訴訟を最高裁が却下とのニュースを知りました。この国の司法は腐っていますから(三権分立という建前そのものが形骸化していますから)、怒りはありますが、半ば驚きはしませんでしたが、残念です。これで、時期総理に相応しい人としてトップになった小沢氏に足かせがついてしまいました。日本丸沈没が加速しそうです。
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目覚めつつある獅子に向かって吠えることの愚

2010-11-23 | Weblog
あちこちのサイトを伺い見ると、どうもあと一、二ヶ月の間にアメリカで株価が暴落しそうな気配です。ヘッジファンドがどうも足並みそろえて、リーマンショックでbailoutされた金融株を売り始め、金に投資対象を移し出したという話です。つい先週、bailout されたGMが再上場し、上場廃止時、75セントだった株価は、再上場のIPOでは33ドルを付けました。ヘッジファンド(ハゲタカ)どもは、速攻で売って巨額のカネを得たことでしょう。結局bailoutで税金を使って救済した企業を株価がついた時点で売り抜けたという分けですから、ヘッジファンドは税金をだまし取ったようなものです。株価はこのハゲタカどもがほぼ自由に決めているので、株式投資というのはイカサマ賭博そのものといっても良いでしょう。そして、もっと大規模な売りの動きが金融株に起こっているようで、彼らが金融株を放出しだしたということは、まもなくアメリカでの株価が暴落し、それはもちろん世界に広がるので、リーマンの時のような世界的マーケットクラッシュを引き起こすことになる可能性が高いということを意味しているワケです。今回はさすがにおおっぴらなbailoutはないでしょうから、もしこのマーケットクラッシュが起こった際は長引く可能性があります。
 この局面での世界恐慌では、日本は当然、大打撃を受けることになります。まして、まったく戦略もなにもない素人集団の現内閣です。あっちへウロウロこっちへウロウロと沈没寸前の日本丸の甲板の上で自分だけが助かることだけを考えているのだから始末に終えません。
柳田法相の更迭を予算成立の取引に使いたかったようですが、当然ながら頓挫。後釜が、赤い狸の悪徳弁護士なのだから、自体は更に悪くなったと言えるでしょう。法律関係に疎い柳田氏を法相に指名して、機をみて更迭して悪徳弁護士の思う人事に入れ替える、というのはあるいは最初からあったシナリオではないのかと思います。それにしても、この内閣、おそらく史上最低と言ってもよいでしょう。空きカンは、就任時に首相の価値は後になってから判断してもらえば良いみたいなことを言っていましたが、この首相は現時点でも未来永劫に渡っても、最低に近い点しか貰えないでしょうね。「石にかじりついてでも(総理の座を死守したい)」と見苦しいことを言っていましたが、さっさともっと仕事のできる人に変ってもらいたいものです。問題は、最後の切り札、解散をいつ悪徳弁護士が出してくるのかです。カンさん、3年間は解散はしないと言って、一回生議員の歓心を買って、代表選の議員票を集めましたが、そんなできないことを真に受けて寝返った議員も議員です。
 このまま解散、選挙となれば、民主は惨敗、自民が復活、みんなの党が躍進することになりますから、悪徳弁護士は選挙後の連立先の工作成立をやっていることだろうと思います。しかし、民主惨敗が余りにはっきりしているのに、好き好んで民主と手を組もうとする政党はあるのでしょうか。

さて、週末には、大阪、東京渋谷、名古屋で、権力とマスコミの偏向報道に反対する市民デモが行われました。例のごとく、マスコミは黙殺。大阪では約1000人の中高齢者を中心にしたデモが御堂筋で行われました。一方、同日に大阪で行われた、尖閣諸島問題の政府に対応に抗議するデモの方はマスコミも取り上げています。ビデオ公開、中国への毅然とした態度などを訴えたデモのようですが、その中身はどうも、反中、愛国的な感情的なものなようです。人間は感情の動物とは言っても、外国との関係に感情的な行動で対応して良い事は何一つありません。この手の運動は、日中紛争を煽りたい連中にとって、思惑どおりでしょう。だからマスコミも取り上げるのだと思います。

経済危機、高齢化、無能な政府、郵政民営化やTPPという形で仕掛けられる国民の富の詐欺的流出、日本の近未来に明るい話題はありません。そんな中で、反中感情を煽るのは、政府にとってはガス抜き的な一時の効果もあるでしょうし、何より日本の核武装化を本格化したい連中、日中紛争で一儲けしたいアメリカとユダヤ金融にとって都合がよいからだと思います。しかし、日本を武装化し中国との戦争をやっても、一般国民にとっては、何一つ良い事はない、ということを覚えておかねばなりません。外国が異なる常識をもって武装化を進めている中で、日本が軍隊(自衛隊)を持たないという選択はないと思います。核武装もやむを得ないかも知れません。しかし、それは戦争をするために使うのではなく、防衛のための飾りであるべきです。
勧進帳で、源頼朝に狙われる義経と弁慶が奥州へ落ちていく時、山伏に身をやつして関所を抜けようとします。その従者たちは、関所を正面突破する強硬論を主張し、「帯せし太刀は何のため、いつの日にか血を塗らん。関所の番卒、斬り倒し、関を破って通るべし」と言います。それを弁慶が、行く先々に関所は沢山あるのだから、この一つの関を破った所でどうしようもない、とたしなめます。尖閣諸島問題の反中強硬派は、この従者達のようなものでしょう。日本は中国とケンカして勝ち続けることができるのですか?しかもケンカして今回、仮に勝ったとして何か得がありますか?思い浮かびません。尖閣諸島領域には石油資源があるそうですが、掘るのはかなり困難でペイしないという話ですし。
 日本はペリーの黒船以来、力ずくで開国させられ、第二次大戦で力で屈服させられ、軍部は解体され、政府や憲法はGHQによって作られ、徹底的に骨抜きにされました。以後、戦争は誤りだと平和思想を叩き込まれて来た平和ボケの日本が、中国や外国に対して強硬な態度をとれるだけの実力があるのかどうか、考えてみればよいでしょう。
 「兵は不祥の器」です。「安全保障条約」とかいう詐欺から目覚めて自分の責任で国を守れる準備だけはしておかねばなりませんが、それは戦争をするためではなく、あくまで交渉の手段として使わずに取っておくものです。なぜなら、切り札を切ってしまうと、もう後がないからです。中国はもう日清戦争のころの「眠れる豚」ではなく「目覚めつつある獅子」であり、日本こそ日米安全保障条約という役にも立たないオオカミの衣にだまされて、平和ボケしてしまったキツネであることを自覚しなければなりません。
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海保職員は本物か?

2010-11-18 | Weblog
作詞家、星野哲郎さん死去のニュースを聞いて、オーネットコールマンを連想しました。
 私のずっと昔の青春時代に、純文学の中上健次がヒットしていました。「岬」で芥川賞を取ったのが76年、以来ブームと言ってよい程、中上健次の新作は必ず本屋の店先に積み上げられるようになり、その数冊を私も手にとりました。正直、私は若すぎてその良さが十分わかりませんでしたが、その後、「破壊せよ、とアイラーは言った」というエッセイを読んで、フリージャズに理解のある人なのだと思って妙に親近感を持ったのでした。アルバート アイラーは早く死に、フリージャズの騎手であったオーネットコールマンは、今では、すっかり丸くなりフリーは止めて久しいようです。若者はエネルギーに惹かれますから、フリージャズができるのは若さの特権でしょう。どういう事情なのかよく知りませんが、中上さんはジャズファンであるだけでなく、都はるみのファンでもあり、都はるみに関する本を何冊か書いています。確かに、演歌歌手というカテゴリーで見れば、都はるみは飛び抜けてユニークな歌手でしょう。デビュー前は、浪曲と民謡、バレエと日本舞踊をやっていたそうです。星野哲郎さん作詞の「アンコ椿は恋の花」がヒットしたのは1964年。もちろん、私はリアルタイムでは知りません。普通のおばさん時代を挟んで、以後の活躍はご存知のとおり、今年は紫綬褒章を受賞されたそうです。演歌とカントリーは聞かない私でも、都はるみが歌がうまいのは分かります。都はるみならプッチーニのアリアを歌うところを聞いてみたいです。中上健次は1992年にガンで死去。当時40歳代のはずで、そのニュースに私はとても驚いた記憶があります。あいにく、中上さんの都はるみ論は読まずじまいで、都はるみとフリージャズとのつながりも不明なままです。
 知り合いの知り合いを辿っていけば、7人目以内には世界中の総ての人と間接的に知り合いであるという話がありますが、私の連想での星野哲郎さんとオーネットコールマンの間には、都はるみ、中上健次、アルバートアイラーの3人が入っていたというわけでした。

さて、日本の政治の悪口でも。悪口をいうことが多すぎて、どれから初めて良いのやらわかりません。柳田法相のとんでもない失言、(冗談にはきこえません)。前の千葉さんにしてもヒドかったですが、こんな連中が法相をやっていたのでは、指揮権発動などありえないでしょう。日本がいつまでたっても法治国家にならないのもムベなるかなです。あと数日前にはエダノ氏の切腹ものの発言。民主党政権の掲げた「政治主導」が機能していないとの批判が出ていることについて、「与党がこんなに忙しいと思わなかった。政治主導なんてうかつなことを言ったから大変なことになった、、、 」と言ったそうです。
開いた口が塞がりません。アホ丸出しのコメントですね。お家断絶ものです。しかし、正直もののようですから、まだ空きカンや赤い狸よりはましですか。

世論調査の数字は電通がでっち上げているという話もあり、ネットの調査の方がより正確なようですが、そのでっち上げの支持率でさえ30%を切った空きカン内閣。とあるネットでの支持率調査だと、不支持率が98%以上が少なくとも1ヶ月以上続いているようです。(http://www.jra.net/ank/online/naikaku.php)グラフを見てみると、一見、支持率の線が無い!。しかし、よく見るとX軸のわずか上に微妙に振えている線がありました。こんな悲しいグラフみたことありません。それでもまだ2%弱の人(何と50人に1人も)が空きカンを支持しているというのは驚きです。

また、どこのサイトのデータか忘れましたが、次回の選挙で民主党に入れると回答した人は6%、6割が自民党との回答がありました。つまり、昨年の総選挙では、自民党ではジリ貧だから、一度、民主党にやらせてみようという感じで小沢-鳩山民主党に投票した人々が、とくに鳩山退陣後の空きカン、悪徳弁護士、単純バカや上記の正直者の余りのヒドさに匙を投げ、これならまだ自民党の方がマシだったと思った結果のようです。民主党がダメなら自民党というのが、ちょっと心配です。今の民主は強烈にヒドいですけど、自民党官僚政治のヒドいのもよく分かっているのではないでしょうか。私は国民新党がもうちょっと人気がでても良いと思うのですけど、どうでしょう。小沢氏が外された民主党ではハナシになりませんし、政策では社民党でもいいのですけど、多分、実行力はないでしょうし、自民党と隠れ自民の立ち枯れポンとかみんなの党とか公明党とかでは、やはり日本は沈没。小沢氏の新党立ち上げしか日本沈没を防ぐ手はないのではないかと思うのですが。

さ尖閣諸島問題でのビデオ流出での犯人(?)について、サンケイは逮捕はするべきではない、政府がそもそも映像を非公開にすべきでなかった、などと白々しいことを言っています。

 「中国漁船に非があることが明らかな映像を非公開とすることは国益を損ねている。こちらの罪の方が、ずっと重い」

政府が非公開にしたのは、公開するとヤバい映像が映っているからだそうです。この中国漁船捕獲にはアメリカ海軍も参加していたというウワサもあります。4隻の巡視船がよってたかって小さな漁船をいたぶり、相手の進路をわざと横切るように入って、衝突を誘導したというのが真相だと言っている複数のサイトがあります。私もこの映像の一部を見ましたが、撮影者のまったく緊張感のないナレーションは、巡視船の方が衝突を誘ったのだという話を聞くと腑に落ちます。流出した1時間の映像は編集され、ヤバいシーンは省かれているので、あたかも中国漁船が全面的に悪いように見えます。ビデオを全公開すると、サンケイがいうように「中国漁船に非があること」が明らかでなく、「日本の巡視船に非があること」が明らかになるので、全公開できないというのが実情だそうで、それでワザと編集した一時間ものだけを流出させたと考える人もあるようです。テレビインタビューまでしたというこの43歳の犯人とやらは、本当に海保職員なのでしょうか?ヤラセの俳優ではないのか、と私は勘ぐっています。誰か、この人の顔を見て、身元を確認した人はいるのでしょうか?読売のスクープというのもますます怪しいですし。これは全部芝居ではないのでしょうか。この中国漁船の追い込みと意図的な衝突誘導が本当なら、マのつく危険人物が意図的にやった事件であると読む人も多いでしょう(私もその線が5割以上あると思います)。ならば、もちろん、ビデオ流出もこの危険人物が指示してやらせたに違いありません。この人の中国船衝突が起きた時の役職と現役職、これまでの発言を考えたら、疑いは限りなく濃いと思います。サンケイがこの 海保職員を擁護するような論調を出すということは、ウラの連中が反中感情の高まり、うまくいけば日中紛争を望んでいるということでしょう。それは即ち一般国民の不利益であると思います。(今回に限らず、マスコミ、とくにサンケイの主張は国民の不利益を誘導するようにかいてあります。彼らの言う国益とは国民の利益のことではありません)
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運と努力、スーチー女史解放と市民デモ (+追記 +追記2)

2010-11-16 | Weblog
若手免疫学者、Nir Hacohen氏の”Innate Immunity”に関するセミナーを聞きました。私の分野は免疫とは余り関係ないのですけど、免疫反応で使われるシグナル伝達系は他の多くのシステムでも使われます。この話では、Toll-like receptorの下流でNF-kb系へ流れる時に重要なMyD88を潰すと、ガンができにくくなるという話が面白いと思いました。これは免疫反応が落ちた環境では炎症性サイトカインなどガン細胞の増殖、進展を促進する可能性のある因子の産生が減るからだという説明でした。間接的な作用ですね。ガン細胞に対する免疫反応は多分、保たれるのでしょう。腫瘍免疫がガン抑制の重要なメカニズムであることを考えると、免疫抑制によってガンができにくくなるというのはちょっとcounter-intuitiveです。
ところで、このセミナーの人は、もともとハエの発生をやっていて、その後、David Baltimoreの研究室でトレーニングして、免疫学に転向したようで、それなりに研究者としてのキャリアは長いので若手とはもう言えないかも知れません。逆のパターンで免疫から発生学に転向した人も知っていますが、その人の転向の理由は「形が変わる」のが面白いからと言っていました。私も昔は分子生物的、生化学的実験でデジタルデータの実験が主でしたが、現在は、組織学的アッセイが多いので、どちらかというとシステムズバイオロジーに近いこの手の話は苦手な方です。こういう大量の数字を扱う仕事は男性研究者に多く、形を見るのは女性研究者の方が得意なような感じがしますね。実際、発生学には著名な女性研究者が多いです。この人、現在はHarvard とMITのコラボのBroad Instituteの研究者でもありますが、このMIT、Whitehead系列の人には、共通のパーソナリティーがあるような気がします。彼らの研究スタイルは第一に組織や形は扱わず、大量の遺伝子データなどの数字を扱う男性的な研究(?)で、事実、Whiteheadでは女性研究者は3人だけのようです。この系列の人の特徴は、第一に、喋りがとてもスマートなことです。「あー」とか「えー」とかの間投詞をまず使いません。言うことが既に頭の中に整理されている証拠でしょう。賢そうに見えます。ポイントからポイントに最短距離で話が進みます。このスマートすぎるのが私はちょっと気に入りませんが、話がオーガナイズされていなくて、ポイントが不明の人の話を聞くよりはもちろん遥かに良いです。一方で、余りにスマートに話が進むので、トークの間にこちらが色々考えたりする余裕がなく、つけ込む隙を与えないので、そういうつもりで聞いていると、ちょっと疲れます。ま、研究は喋りでもテクノロジーでもなく、結果が全てですから、頭がよくてスマートであるからと言って素晴らしい研究成果がでるものではありません。すごい発見は、普通の研究者がコツコツやっているうちに思いがけないところから見つかることが多いもので、賢い人々が最新の技術を駆使してやったからといってすごい発見ができるわけではありません。しかし、しかし、賢い人がMITのリソースを駆使して研究をすれば、高レベルの論文には間違いなくなります。この高レベルの研究とすごい発見の間には、努力や才能だけでは越えられない溝があって、それこそ運に依存しています。いずれにしても、運はコントロールできませんから、われわれができることは頑張ることしかありません。

さて、民主主義に関して、先週末に大きなニュースがありました。仏教国、ビルマでは、クーデターで成立した軍事独裁政権がここ二十年以上も真の民主化を阻んでいます。数年前もビルマの僧侶がかなり大規模のデモをおこないました。読経しながら静かに行進するという僧らしいデモでしたが、軍事政権は銃と盾をもって抑圧しようとしました。ビルマの民主化運動の指導者でノーベル平和賞受賞者のアウン サン スーチーさん、長年、軍事政権によって長年、自宅監禁下に置かれ、選挙権も剥奪されてきましたが、この週末、ビルマ政府はついにスーチーさんを解放しました。この画期的な事件が示すことは、ビルマの民主化への民衆の熱意を政府は押さえ込むことができなかったということだと思います。(あるいは、軍事政権がむしろ安定化してきて、スーチーさんを解放していも政府にとって、大きな脅威とならないと判断したという話もあります。いずれにしても民衆の不満が動機であったには違いありません)
 これはビルマだけの問題ではもちろんありません。この軍事政権によって不当に抑圧され侵害されてきた人間の基本的な権利そして民主主義が、民衆の手によって取り戻されようとしているということだと私は考えたいです。

一方、日本では、戦後、マスコミと政府(官僚)、それをウラから操るアメリカ(とユダヤ金融)によって洗脳され続けてきた日本国民も、日本には本当の民主主義がこれまで無かったことに気がつき始め、昨年の政権交代に繋がりました。官僚、マスコミは、なりふりかまわず、必死になって、その日本の民主化シンボルともいえる小沢氏を潰しにかかり、現在、小沢氏は西松献金事件、陸山会事件という架空の事件をでっちあげられ、検察審査会のおそらく架空の議決まで利用され総攻撃を受けています。しかし、ついに市民は立ち上がり、この官僚とマスコミの横暴に反対する画期的は市民デモが10/24、11/5に東京で行われました。そして、下に記すようにこの市民デモは全国規模に発展しつつあります。この様子が、私には数年前のビルマでの僧侶のデモの様子と重なるのです。ビルマでは民衆がスーチーさんの解放を勝ち取りました。日本もビルマに続かなければなりません。ビルマが日本より一歩先に本当の民主主義に向かって歩み出したのと同じように、日本も国民一人一人の意識の向上によって民主主義を勝ち取らねばならないと思います。そうでなければ、国民は官僚の奴隷、官僚はアメリカの奴隷、というネズミ講的階層的搾取構造はなくなりません。
 先日、国民新党の亀井氏はインタビューに答えて、この市民デモについて、「デモは立派だ」、「まだ日本は沈没しないですむかもしれない」、「とにかく草の根で日本を動かさないとだめだ」と述べたそうです。(http://iwakamiyasumi.com/archives/4767)私も、日本の官僚システムという国民管理組織を粛正し、国民主権を達成する唯一の手段は、国民一人一人の意識の高まりと運動しかないと思います。

権力の横暴とマスコミの洗脳報道に反対し、国民主権を守る市民のための市民によるデモは、現在、各地で予定されています。

大阪 11/20 靱公園 11:45

新潟 11/23 新潟駅万代口 石宮公園 14:00

では以前お知らせした通りです。加えて以下のデモが計画されています。

名古屋

11月21日(日)/時間:13:00集合/14:00スタート/集合場所: 名古屋市中区若宮大通り久屋交差点脇 名古屋高速2号東山線高架下/交通:地下鉄名城線矢場町4番出口から徒歩1分。

発起人は、名古屋の近藤康晴さん。

福岡

21(日)or23日(勤労感謝の日)、たぶん23日。

呼びかけは、福岡の井上裕子さん。mismay@nifty.com
福岡は、16日ごろ、詳細が決まる。

●(埼玉)入間市の、“ひとりで”デモ。●

12月19日(日)/彩の森公園/集合:12;45pm/出発:13:00pm。

田中洌。ta7ka@nifty.com まで。

あと、札幌、仙台でも市民デモの計画が進行中のようです。

週刊誌を除く新聞、テレビなどのマスコミはこれらの市民デモを黙殺してきていますが、もはや全国一斉デモといってよい規模になってきた全国的市民運動ですから、いつまでも知らないふりはさすがにできないでしょう。マスコミの根性はどこまで腐っているのか、今度は彼らが試される番です。

追記。

福岡でのデモの日時が決定したようです。

デモ名称: 検察とマスコミの横暴を糾弾する国民の会 福岡

日時 11月23日(火) 

13:30 警固公園 集合

14:00 出発

詳細は、http://blog.goo.ne.jp/ko212km
または、http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/kyudan.cgi


追記2。

11/21は東京でもデモが予定されているようです。今の所の情報は下記の通りです。

「11・21検察、検審と偏向報道を糾弾する全国統一デモ」
日時 :11月21日 12時30分集合 13時出発
集合場所 :渋谷区役所交差点上、NHK手前のけやき通り
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古本の話など

2010-11-12 | Weblog
平坦な日々が続いています。仕事もまずまずですけど、ワクワクして夜も眠れないというようなことはなかなか起こりませんね。それで、この間、買って来た古本を読み出しました。司馬遼太郎と般若心経以外にもいろいろ雑多に買いました。
 一冊は、物理学から転向した科学哲学者、マイケルポラニーの『暗黙知』という本。これは「内田樹の研究室」でしょっちゅう出てくるので覚えていて、ふと見ると眼の前にあったので買いました。1960年ごろのYale大での講義録のようです。われわれには、知っているという自覚なしに知っているものがあるとかいうような話のようです(まだ半分しか読んでません)。方法的懐疑によって発達して来た近代科学ですが、実際の科学の現場では、多くの発見が、根拠の明らかでない「直感」とか「ひらめき」から生まれて来ています。私は、以前に「practical intuition (Laura Day)」という本を読んで、「直感」として現れてくる自覚的でない知識を使う練習をしたことがあります。訓練すると誰でもある程度の精度で未来が読めるようになりますが、私はどうもドンカンなようで、余り上達しなかったので止めてしまいました。暗黙知というのは「直感」の理論付けなのかもしれません。
 それから、「構造主義生物学」の池田清彦さんの自伝風の本、「だましだまし人生を生きよう(新潮文庫)」。マイケルポラニーやデイビッドボーム、そして池田さんのように、最初は普通の科学研究者であったのに、科学という方法論そのものに疑問を抱いて、つい(道を踏み外して?)哲学方面にいってしまった人の話は、面白いと思うのですが、隔靴掻痒の感が残ります。現代の唯物論に基づく「科学」という方法論の限界に対する批判は理解できるのですが、結局、哲学者ではない普通の研究者の私たちにとって最も重要な疑問、「それでは(「科学」以外に)世の中を理解するためのどんな代替方法があるのか」という疑問に対しては残念ながらまだ答えが無いということが、その理由かと思います。実際、実験科学者の人にとっては、科学というワク(限界)を前提として、その中でのゲームに参加する方が、科学というゲームの成り立ちや矛盾を云々するよりも、面白いと思っているわけですし。この池田さんの本は、科学の話は余りなく、比較的個人的な記録です。本にちょっとだけ出てくる人の中では元東大薬学部教授で「バイオホロニクス」理論の本を書いている清水博さんと神戸大理学部の郡司幸夫さんに会ったことがあります。清水さんは東大退官後、金沢工科大学の支援で、日本橋に「場の研究所」というのを作って活動されていました。随分前にその研究所を訪れた時、天丼を驕ってもらいました。それっきりですが、まだ活動されているようです。郡司ペギオ幸夫さんは、風邪をひいて風邪薬を貰いに見えた時に会ったので、これは殆どスーパーで偶然見かけたというのとかわりないので「会った」とは言えないですね。どうしてペギオという妙なミドルネームを使っているのか聞いてみましたが、「特に理由はないです」と面倒くさそうに言われました。(今、Wikipediaで調べてみると、子供にペギオと名づけたかったが、奥さんに反対されたので自分が使っていると書いてありました。なぜペギオと名付けたかったのかは不明)
 あと、科学哲学ではなく宗教に近いですが、元発生生物学者、柳澤佳子さんの自叙伝風の本、『命の日記』。柳澤さんの名前は知っていましたが本は読んだことはなく、これを読んで初めて、この方が原因不明の病気で長年苦しんでこられたこと、その悩みと苦しみの中で神秘体験(悟りの体験?)をされたことを知りました。
 哲学や科学はゲームであり、その制限の範囲で面白みも難しさもあるのだと思いますが、宗教的な体験というはそのワクをはずれたところにあるのだろうと思います。だから私は、John Templeton Foundationなどが掲げる「科学と宗教の融合」とかいう理屈が理解できません。


ところで、日本に国民主権を取り戻す、次の市民デモは、11/20は大阪御堂筋でデモが計画されています。(http://www.kyudan.com/index.htm)、
新潟でのデモは11・23(勤労感謝の日)のようで、下の予定です。

●「マスコミの偏向報道に抗議する新潟デモ」●
 ――権力とマスコミの横暴に抵抗する国民の会―― 

日時 : 11月23日(火) 
集合 13:45pm
開始 14:00pm
集合場所 : 新潟駅万代口 石宮公園
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私のために声を上げるものは誰もいなかった

2010-11-09 | Weblog
この間、古本市で買い込みました。司馬遼太郎の「義経」と「胡蝶の夢」、秋の夜長に楽しむ予定です。あとは雑多に眼についたもの。ビジネス書を数冊。「成功者に学ぶ決断の技術」という本も買いました。「成功本」というのは玉石混交です。「成功」という言葉一つにしても、多くの人が想像する「経済的成功」や「職業的成功」といった物質的なものから、もっと広い意味で「精神的成長」とか「幸福の実現」とかいうような広い意味まで、個人によって解釈の幅もありますから、一概に、「成功本」とバカにしてはいけません。どんな類いのこの手の本でも学ぶ所はあります。この本は私、好感を持ちました。ボトムラインメッセージに目新しいことはありません。要は「自分の人生の全てに自己責任を負う」ことを徹底することが大切だということです。このことについては私も過去何度か書きましたし、「自分の人生におこることの全てを自分の責任として引き受ける覚悟をする」ことが、より有意義な人生を送り、目的を達成する秘訣であることに私も賛同します。たとえ分かっていることであっても、この手の本をときどき開いて、それを確認することは意義があると思います。
 それから、瀬戸内寂聴さんが1987年に、法話で般若心経を解説した「寂聴 般若心経」。私、個人的には、般若心経は、最後の真言の部分、パーリ語では「ガテー、ガテー、パーラガテー、パーラサンガテー、ボーディ、スヴァーハ」と読むらしいですが、この部分を除いて、現代日本口語訳にして、読むなり唱えるべきだと思います。そのままではよく意味がわかりません。現代口語訳にしたからと言って、その本意は簡単に理解できるものではないでしょうけど、書いてあることが全く意味不明よりはましではないか思います。無無明、亦無無明尽、(無明は無く、また無明が尽きる事も無い)などという表現、空というものは空であるということすら無いという考えは、字面だけ見て頭で意味がわかったところで、その本当の意を実感するのは難しいでしょう。仏教の教えは自ら体験して初めて理解されるものであり、お経の注釈書をいくら読んでも本当の理解に到達することはできないと言われます。しかし、逆に何らかの体験のある人は、お経がガイドになりうるのではないでしょうか。お経はいわば、昔の「成功本」のようなものかも知れません。
 そして、この本の終わりの方で、寂聴さんは「ともかくも あなたまかせの 年の暮れ」という一茶の句を紹介されていて、あなたとは仏のことだ、と述べられています。仏でも神でもイエスでもいいわけですが、われわれ人間は、遥かに大きな宇宙全体の生命とでもいうようなものの中の小さな存在である、大拙流に言えば、「蝦踊れども、升を出ず」ということでしょうか、そんな大きな視野から謙虚に自らを眺めることが、安心、ひいては平生業成に繋がるのだと思います。ここに大乗仏教の根本的な態度、「他力」の考えを見る事ができます。自力だと思っているようなことも自力以外の何かの助けがなければあり得ません。一生懸命努力して何らかを成し遂げたら、人は自らの力を感じます。しかし、一生懸命に努力できたのは、決して自分だけが偉いのではなく、一生懸命努力できるような環境を「誰か」に与えてもらったからではないでしょうか。現に、努力しても努力しても酬われない人、努力する機会さえ最初から奪われてしまっている人もあります。そんな環境や条件は多くの場合、自分の力で選び取ったりすることはできません。結局、与えられた環境の中で人は一生懸命、考えて努力するだけのことで、その努力の結果が何らかの業績に結実するかしないかは、天の采配です。精一杯やって、あとは、「あなたまかせ」にするしかありません。グラント危機の時に私はそれが身にしみてわかりました。
 最近読んだMariana Caplanの「Eyes Wide Open」という本で次のような会話を知りました。

空のプールの前で先生が弟子に言った。
『飛び込め!」
「飛び込めませんよ!」と弟子、「水が無いじゃないですか」
 先生は言った。
「まず、先に飛び込むのだ。そうすれば水は現れる」

まずは与えられた中で、精一杯やること、そうすればあとは天が面倒を見てくれるということでしょうか



さて、民主主義の危機にある日本ですが、11/5、夕刻に、小沢氏の国策捜査に抗議する、二度目の市民デモが行われました。 「11・5 第2回 検察、検審を糾弾するデモ マスコミの偏向報道を許さない」 というわけで、今回は、マスコミの偏向、捏造報道に対して、特に抗議をするという集まりでした。1200人という10/24のデモ以上の参加者と盛り上がりを見せたようです。
 この、マスコミの報道姿勢を糾弾するデモ、もちろん、マスコミは黙殺。どうしようもない連中です。インターネットで探した写真でデモの様子をみると、デモのプラカードには「新聞止めますか、それとも人間やめますか」とか「テレビを見たら死ぬ」とかの文句が見えます。私も十年前だったら、こういう表現は大げさだと笑い飛ばしていたでしょうが、今は、情報を常に批判的に判断するする習慣を持たない人に対しては、これは決して誇張ではないと感じます。

大阪でもデモが計画されている様子です。
日時: 11月20日  集合10時45分~11時45分 デモ出発11時45分場所:靱公園(うつぼこうえん)また、全国各地で一斉デモの呼びかけもされているようです。国民主権を脅かす官僚やマスコミの表と裏の力を使った恐怖支配に反対し、国民主権を守りたいと思う方は是非ともご参加検討下さい。

いまのマスコミのニュースは尖閣諸島のビデオ流出で埋め尽くされています。内閣の危険人物、または検察当局に通じた海保の誰かが、検察批判への注意をそらす目的と日中関係悪化を図ってわざと流出させたのかもしれないと勘ぐりたくなります。(このビデオは6時間の撮影を編集したもので、カットされた5時間部分には、日本の四隻の巡視艦が、この中国漁船をいたぶるように追い込んだ所が本来映っていたらしいです)ところで、この流出した尖閣諸島の漁船衝突ビデオを見て、某東京都知事の勘違いオヤジは、「国民に広く情報が流れて、結構なことだ。尖閣諸島には自衛隊を置きたい」とか言う付ける薬のないコメントしたそうです。北方領土へのロシア大統領訪問では、挑発に乗って、ロシア大使を一時帰国させたとか。パブロフ犬並みの脊髄反射的反応をする日本政府をロシアはおちょくっているのでしょう。クレムリンでは、日本の内閣のマで始まる名前のくせにマが抜けている単純バカの人と外務省を肴に大笑いしているでしょう。
 政治家も官僚も権力闘争や保身ばかりに気をとられて、本当に有能で日本のことを考えている人々の力を奪ってきました。ここで、ロシアとの交流を続けて来た鈴木宗男氏が内閣や外務省にアドバイスできる立場にあれば、随分違ったでしょう。あるいは、そういう体制であったなら、ロシアは最初から挑発してこなかったとも思えます。

もう止めましょう。今の日本の政府、検察を例とする官僚組織、を見れば見るほど、生きているのが嫌になります。悪口を言うのも疲れました。アホウの悪口を言うよりも、もっと生産的なこと、せめて日本の民主主義のために多少なりとも役に立つことをしたいものだと思います。

最後に、The Journalの記事からの再転載(http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/11/post_694.html)ですが、「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」(http://shiminnokai.net/index.html)のサイトに掲げられているドイツの神学者マルティン・ニーメラーの言葉を紹介しておきます。
いつまでも自分の目の前の牧草のことしか興味がない牧場牛は、遠からず、殺されて喰われてしまいます。

彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった、
私は共産主義者ではなかったから。

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった、
私は社会民主主義ではなかったから。

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった、
私は労働組合員ではなかったから。

彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった、
私はユダヤ人などではなかったから。

そして、彼らが私を攻撃したとき、
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。
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米民主党の惨敗、影の権力-高級官僚

2010-11-05 | Weblog
火曜日のアメリカ中間選挙、予想通り、オバマ民主党の惨敗となりました。下院は共和党に過半数を握られ、上下院ねじれ議会となってしまいました。下院、House speakerはナンシー ペローシに代わって、共和党のジョン ベーナーになる予定です。ちょうど、ブッシュの二期目の中間選挙と逆のことがおこったことになります。つまり、そのころから国の窮状は国民が期待するほどには変化していないということでしょう。共和党の今回の規模の議席増加は、半世紀ぶりとのこと。カリフォルニア、ニューヨーク、マサチューセッツといった民主党が極めて強い州(Blue states)は、苦戦しながらも民主党候補を当選させましたが、前回、オバマに期待して民主党に入れた(本来は保守的キリスト教白人の多い共和党支持の)中部、西部の州は、オバマに失望して、逆向けに振れ、もとの共和党支持州に逆戻りしました。共和党は議会の2/3には達していないので、大統領拒否権を上書きするだけの力はありませんが、これから共和党がコントロールすることになる下院で、共和党が強硬に反対してきたヘルスケアリフォームなどの廃止法案などが出されることになるでしょう。拒否権で二年はしのげるでしょうが、多分、二年後のオバマの再選はこの調子だと苦しいような気がします。(共和党の対立候補にもよるとは思います。マッケーンはもう一度出てくるのでしょうか?)ブッシュの時は二期目の中間選挙で民主党が大勝して、ねじれとなりましたが、もう二期目であったし、イラク戦争というブッシュの目的は果たしたので、ブッシュ自身ももうどうでもよいという感じでした。しかし、今回、オバマはまだ一期目、二年後の大統領選がかかっていますから、支持率回復のために、なにかやらかすかも知れません。オバマはオイル会社を持っているわけではないですので、ブッシュのように個人の利益のために自ら戦争を仕掛けることはないとは思うのですけど、支持率の上昇のためにはかなり劇的なことが必要だとは思っているでしょうから、ちょっと心配です。いずれにせよ、オバマ政権の運命は、アメリカ国内の経済にかかっています。偶然でも何でも、この二年で経済が上向きになってくれたら、オバマは再選、ダメなら政権交代ですね。

さて、日本の話。1000人近くが集まった大規模のデモであったにもかかわらず、日本のマスコミは一切報道しなかった10/24日の「検察 検審を糾弾するデモ」について、スイスの大学教授が記事にされていることを知りました。ジュネーブ大学で日本史を教えるPierre Francois Souyri教授が「Reseau Asie」のEditorialに寄稿した「日本の高級官僚あるいは影の権力」という記事の一部を紹介します。これが普通の人の感覚だと思います。( http://www.reseau-asie.com/edito-en/reseau-asie-s-editorial/senior-civil-service-japan-souyri/  拙訳、御免ください)

(前略)
このケース(政治的意図をもった検察の小沢氏への捜査)は、日本政府の中での明らかなシフトを示している。 仮に汚職容疑の政治家であるにしても、制限無しに個人の捜査を始めたり、最初の捜査で何ら信頼できる証拠も見つからなかったのに良心の呵責も無く再捜査したりするようなことが、どうして、検察はできるのか?なぜ、新聞やメディアは、裏付けの捜査をしようともせず、捜査レポーターとしての職務を果たすことなく、検察がリークする言い分を(無批判に)まき散らすのか?

当局や検察に対する大メディアの上層部の奴隷根性に嫌気がさして、ジャーナリストはますます主流メディアをはなれ、ブログやビデオを通じたインターネットのメディアへと移行しつつある。このように抵抗勢力は徐々に力を得て、(大量のゴミにマスメディアをもじった)"マスゴミ"を非難し、ファシストである検察に対して拳を振り上げるようになっている。インターネットだけで計画された検察当局に対する糾弾のデモが10月24日に行われ、類似のイベントも計画されている。独裁主義の危険を批判し「地検にストップをかける」ための行動は、正式なボイコット(意味?)にもかかわらず、拡大していくと思われる。

小沢氏が北京と東京との関係の修復を望んでいた一方で、カン内閣が中国との関係を更に悪くし、恥知らずにも、アメリカのネオコン(新保守主義)よりのポジションを取ろうとする時や、民主党のある大臣が、自衛隊を正式な軍隊に変え、核兵器不所持の原則見直しの可能性に言及する時に、アメリカがおおっぴらにカン支持を示してきたことは驚くに価しない。 中国や近隣諸国との緊張関係と予測不可能な北朝鮮政府の行動を伴って、国家主義者の長靴の音が極東に再び響き始めようとしている今、日本国民は、再度、市民としての自由、表現の自由、地域の平和のための政策を守る意志を示し、声を上げていくことが急務である。


まさにその通りだと思います。日本の民主主義のために、害務大臣、官房狸を追放し、空きカンはくずかごに!
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敵を間違えるな(再び)

2010-11-02 | Weblog
私、このブログやりはじめたのは、個人的な記録と普段会わない人への電話がわりという目的でした。しかし、とりわけ、去年の政権交代以来、日本社会の異常さがますます露呈してきて、しかもその酷さが加速しているように思うので、つい言わずにおれなくなるのです。オカダ氏が代表のときに総選挙で惨敗したときのスローガンが、「日本をあきらめない」でした。この余りのセンスのなさにこの人の人なりが現れていますが、振り返れば、きっとこの人、あの時点で、小泉竹中の売国政策で、巨額の借金を作り、国民の富、郵便貯金をアメリカ国債という紙切れに替えてしまおうとしたのを見て、日本がもう滅亡への坂を転がり出していたのを実感していたのかも知れません。「日本をあきらめない」というのは、「日本はもうダメだ」という本音の裏返しでしょう。そして、いよいよ、ヤバくなってきて、現政権のやろうとしていることは、日本(一般日本国民)を救うことではなく、沈没する前に、一般国民の犠牲の上に自分たちだけでも助かる算段をしておこうということらしいです。

日本人はこれまでの高度成長期とその余韻で平和ボケしてしまい、国の年々の支出が歳入の二倍という異常状態がここ10年続き、急速な高齢化と少子化、経済の低迷、という未曾有の問題が山積みであっても、これまでの社会がなんとなく続いていってくれて、これまでのように自分の目の前のことだけ見ていれば何とかなるだろうと思っている人がいまだに多数のようです。私はそんな悠長なことを言える時代は過ぎたと思います。

少しずつ、人々はマスコミの洗脳から目覚め、自分の頭で考え、行動を始めました。例えば、先日の「検察 検審を糾弾するデモ」がどういう人々によって行われたのか、このデモに参加した人が一体、何を心配しているのか、それを理解できる人ならば、このデモを見て、自分には関係はないことだとは思えないと思います。デモに参加した人たちは、日本の民主主義が権力によって不正に曲げられ、日本が破滅に向けて急降下していっている現状を自分自身の問題と考えて、いてもたってもおれずに参加した普通の人々です。マスコミの洗脳報道に惑わされずに、物事を正しく判断できる人ならば、日本(の一般国民)の危機が単純なものでないことはわかるはずです。日本を食い物にして破滅を早めているのは、建前上、日本国民を守ってくれるはずの政府であり、その中枢は官僚組織だからです。あいにく、戦後、国民主権、民主主義と名前をかえても、官は民を搾取する存在であることに何の変化もありませんでした。むしろ、建前と本音の解離がひどくなって、いまだに日本を民主主義の法治国家だとカン違いしている人々が多数です。私は、残念ながらこのままだと、本当に日本はもう長くないかも知れないと思います。

そして、今のような政治不在がこれからも続けばどうなるでしょうか?いま国会でやっているのは「政治ごっこ」で、しかもとても程度のが低い悪い冗談にしか見えません。現内閣と政府の情けなさ。首相は保身しか頭にない小市民、過去の女性問題で悪徳弁護士に首根っこを掴まれて、既に眼が死んでいます。その悪徳弁護士が次に首相にしようと企んでいるマエハラ氏は、単純バカに加えアメリカ工作員ともいわれる危険人物。残念ながら、政権を握っている人間に国民のことを考えている人はいません。野党も野党で、予算委員会なのに、「小沢を出して説明させろ」とか言って、予算の成立を人質に政治取引することしか考えていないレベル。国会で一体何を説明させようとしているのか、言っている本人もわかっていないに違いありません。空きカンのせいで参院で過半数を割ってしまい、野党の言うがままの民主党は、オカダ幹事長が、予算の成立との引き換えに小沢氏を国会での魔女裁判の生け贄にしようと、右往左往。参院選勝利のために、小沢氏は鳩山氏を連れて幹事長を自ら辞めたというのに、むざむざ参院選で惨敗した上、これ幸いと小沢氏を謀略に嵌めて党と内閣の中枢から放逐した卑怯者のくせに、どのツラを下げて、「国会で野党に叩かれてもらえませんか」などと、ド厚かましい口が聞けるのか、あきれて言葉もありません。誰のおかげで政権交代できて仮にも与党の権力側にいることができたと思っているのでしょうか。そして党のことを思って身を引いたのに、その後のアホウどもがそろいもそろって無能をさらけ出したため、見るに見かねて代表選に出たところを、選挙不正までして蹴り出したくせに、国会運営に困ったら、今度は「犠牲になって、党を助けてください」とは、どこまで根性が卑しいのでしょうか、この連中は。この無能内閣、予算の中身は官僚に丸投げ、予算成立の建前だけ立てばよい、というのが丸見えです。(ところで、民主党代表選の疑惑について、民主党支持団体である「クリーンでオープンな民主党を支持する会」事務局が、党に代表選についての公開質問状を提出しましたが、党は「受け取っていない」とウソをつき、その後、受け取りを認めた後は「回答拒否」という態度に出たそうです。http://blog.livedoor.jp/syukenzaimin/ 「クリーン、クリーン」 と叫んでいた洗濯屋カンちゃんでしたが、この党執行部は汚れで真っ黒です)

事業仕分けとやらの大茶番もタイガイにして欲しい。去年の事業仕分けで、工事差し止めとなったはずの「八ッ場ダム」工事は、いまどうなっていますか?もちろん、粛々と進んでいます。事業仕分けなど、やったふりして、結局なにもやっていないのです。これだけの財政赤字の中でも、一般会計の何倍もの特別会計から、官僚と癒着した既得権者に、税金はどんどん横流しされています。金を横流しする口実としての公共事業なのですから、止めるはずがありません。結果、税金は不要な公共事業、ゼネコンなどを通じて一部の金持ちへ吸い上げられ、当然、足りなくなった金は、一般国民へのサービスを削り、税金を上げて一般国民から絞りとることでまかなおうとします。昔の生かさぬように殺さぬようにと百姓から年貢を絞りあげてきたと同じことを今もやっているのです。

小沢、鳩山民主党が子供手当などの国民の生活に税金を使おうとする政策を、バラマキで税金の無駄遣いだ、と批判する人がいますが、全く不要な公共事業などで、国民の知らない間に巨額な税金が、一部の利権に横流しされていることをと比べたら、バラマキでも国民にバラまかれるのだから、千倍もましです。この国の税金横流しのシステムを知れば、特別会計を見直し、ひも付き補助金を廃止して、税金の横流しスキームを排除し、国民の税金が本当に国民の生活のために使われなければならないと、普通の人ならだれでも思うでしょう。小沢民主党が総選挙の前に言った事を思い出してみて下さい。小沢氏は、「国民の税金を国民のために使う」というあたり前の主張をしたがために、でたらめの容疑で何度も国策捜査を入れられ、でっち上げの検審を使って政治生命を奪われようとしています。その小沢氏を排除したい今の有言ウソつき最低内閣は、我が身可愛さですっかり前言撤回、官僚のいうがまま。カネにクリーンな政治とか言って、企業献金の全面廃止を訴えていたはずなのに、こっそり、企業献金は受け取ることにしたそうです。そりゃ、政権与党ですから野党とは話にならない位の献金が集まるとソロバンをはじいたのでしょう。カネ欲しさに、主義主張もマニフェストもどんどん反故にするこの党執行部のどこがクリーンなのでしょう。真っ黒です。

小沢氏に関しては、マスコミの洗脳報道ですっかり、クロだと根拠もなく思い込んでいる人々もまだ大勢います。誇張ではなく、これはキリストを迫害したガリラア領主、ユダヤ祭司とその口車に乗ったユダヤの民を思い出させます。病める人を癒し、悩める人を導き、一般民衆のために働いたキリストはなぜ迫害され、十字架にかけられたのでしょうか。 日本の国民の生活を考え、国民のために国を正そうとする人間がなぜいつも危険にさらされ、暗殺されたり、失脚させられたりしてきたのでしょうか。同じ構図です。この喩えで言えば、さしずめ、カンさんはユダでしょう。ガリラア領主は官僚組織、ユダヤ司祭は悪徳弁護士、ユダヤの民はマスコミに洗脳された一般国民というところでしょうか。

このままいくとどうなるか。日本はアメリカの食い物にされてきましたが、経済の沈滞、高齢化と下り坂の日本は、破滅の坂を加速度をつけて転っていくでしょう。国の赤字財政、いつまでも赤字国債に頼るわけにはいきませんから、そのうち「円」が大増刷されるでしょう。(赤字国債を発行よりは、お札を刷る方がよいという話もありますが)そして、円の暴落に繋がっていくと思います。それは早ければ、数年以内ではないでしょうか。銀行などに高額預金している人や日本国債で運用している人はそろそろ気をつけた方がいいですね。私なら今の円高のうちに海外に移すか、金か銀にでも替えておくと思います。
  また、日本がそのうちに戦争に巻き込まれる確率はかなりあると思います。いくら戦争放棄だ何のと言った所で憲法であろうが何であろうが、やぶられない法律はありません。現に官僚組織が権力を濫用する日本は法治国家とは言えません。非核三原則も表向きだけのウソだったが近年、明らかにもなりました。現に戦争で一儲けしたい連中がずっと機会を伺っているわけですし。もし、実際に、戦争になれば食料自給率40%、エネルギーも多くをオイルに頼る日本は、文字通り、喰い詰めます。政府が非常時に備蓄している穀物は一ヶ月もつかどうかぐらいしかありません。そしてその戦争は戦争のための戦争となると思います。外務大臣は、どうも、外交問題を戦争へと発展させたいようですし、ヘタをして、この危険人物が悪徳弁護士の思惑通り、首相にでもなったら、一気に破滅へまっしぐらになりかねません。

結局、日本経済が破綻しても、喰い詰めますし、戦争になっても喰い詰めます。このままだと、一般国民は、文字通りメシが喰えなくなる日が待っていると私は思っています。マエハラ氏、TPP参加に向けて、「日本のGDPにおける第1次産業の割合は1.5%だ。1.5%を守るために98.5%のかなりの部分が犠牲になっている」と言ったらしいです。第一次産業保護の重要性をとても理解しているとは思えないこの危険人物(能力は非常に低いくせにエゴと意志だけは強い)は、日本が無防備にTPPに参加してもっと食料自給率を下げ、一方で稚拙外交で戦争を誘導して、日本を本当に悲惨な状況にしたいようです。

だから、市民が行動し、この異常な国を少しでも建前通りのマトモな国に変え、本当の民主主義を何とか打ち立てていく必要があると思うのです。(ずっと、そう主張してきた人は誰だったか、思い出して下さい。)

日本政府は国民を組織や教育によって、自分の周囲のことにしか関心のないような人間へと仕立て上げてきました。大学院を出ても就職先がないのは、ポストを占領している教授のせいだ、と言ったり、指導教官にだまされた、とボヤいたり、自分の生活が苦しいのは上司や社長のせいだと考えたり、そういう思考パターンをとるように、国民は、誘導されてきました。本当に自分たちを搾取している連中は、眼につく当座の責任者を仕立て上げることによって、一般国民の不満を本当の対象からそらせてきました。
 国民の税金を不法に吸い上げ、国民の生活を苦しくしてきた本当の責任者は誰でしょう?己の利益のために、無責任な大学院重点政策で高学歴プアを作り出した本当の責任者は誰で、そもそもなぜそんなことをしたのでしょうか?
 自分の人生の不遇を、的はずれな眼に見える対象のせいにして片付けようとするのではなく、自分の人生の選択には自分が全責任を負わなければならないということに意識的であれば、本当の事が見えてくると思います。本当の敵を見誤ってはいけません。
コメント (4)
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