百醜千拙草

何とかやっています

クッキーバター

2018-04-27 | Weblog
最近、B級グルメブログみたいになっていますが、、、。

インターネットや流通の発達でこれまで知らなかったようなものや事柄を知る機会が増えました。
飛行機などでサービスのお茶受けに出てくるので好きになった、ベルギーはロータスのビスコフのクッキー、シナモンの風味に控えめな甘さが日本でも人気です。私も甘いものはあまり食べないですけど、ビスコフのクッキーはコーヒーや紅茶によく合うと思います。


実は、この間、クッキーバターなるものを入手しました。バターが入ったバタークッキーではありません。クッキーがバター状になっているものです。この年になるまで、この食品は知りませんでした。見た目は、瓶に入った普通のピーナッツバターやアーモンドバターのように見えます。
中を開けてみると、やはりピーナッツバター状ですが、ナイフですくってみると、ピーナッツパターよりパサパサしていて硬いです。リンゴのスライスやアイスクリームなどにつけるというような提案が書かれていました。食べてみると、まさにビスコフのクッキーの味です。

クッキーバターの発祥は北欧のようで、Wikipediaによると、12月初旬の聖ニコラス記念日やその前日に食べるSpeculaas と呼ばれるシナモン、生姜、カルダモン、ナツメグなどのスパイスの入った薄焼きのクッキーの残りくずに油を加えて練ったもので、ヨーロッパでは主にお菓子の材料に使うようです。

食パンがあったので、片面にピーナッツバター、反対側にクッキーバターを塗って、ピーナッツバター/クッキーバター、サンドイッチにしてみました。アメリカなどでは子供のおやつや昼食にピーナッツバターとグレープなどのゼリーを挟んだ、PBJサンドイッチは定番です。私も若いときには、手っ取り早くカロリーと蛋白質を取れるので、ピーナッツバターサンドはよく食べていました。私の場合は栄養重視でスライスチーズを挟んでいましたが、さすがにピーナッツバターにチーズという取り合わせは普通はしないようです。

このピーナッツバター/クッキーバターサンドイッチ、結構イケます。PBJよりも私は好きです。
炭水化物と砂糖と油とピーナッツの蛋白質、疲れた時のエネルギー補給には良さそうです。
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ニシンの燻製 カリブ風

2018-04-24 | Weblog

よい仕事をした後で一杯のお茶をすする時、空腹の時にご飯の味をかみしめる時、その一瞬、世界は完結します。しかし、よい仕事ができなくても、空腹でなくても、お茶やご飯を心から味わえるようでありたいものです。
明日は何が起こるかわかりません。今、目の前にあるお茶やご飯を純粋に楽しむこと、それが人生の一大事であると思います。

というわけで、先日、スーパーで、ニシンの燻製を見つけたので、何のオチもないですが食べ物の話。
ニシンは私にはあまり馴染みにない魚ですが、高校の時に覚えさせられた英語のイディオム、「red herring」や服の柄「herring bone」から西洋ではポピュラーな食品なのだろうと思っていました。追跡者を惑わせるための「おとり」という意味で使われるred herringという言い回しですが、これは実は赤い色になる塩漬け燻製のニシンが強い匂いを出すので、これをおとりに使って、猟犬の嗅覚を訓練したことに由来するそうです。

イギリスではKipperと呼ばれるこの燻製ニシン、二枚開きになっているものが多いようですが、私はスーパーで見つけたものはすでに頭と内臓と皮が除かれてフィレになっていました。濃い海水で塩漬けにしたものを燻していますから、まずは塩抜きをしないと塩辛くて食べれません。塩抜きは大きめのボウルの水につけて、水を取り替えて、一晩。急いでいる時は熱湯で数分加熱して、水を何度か取り替えればいいようです。その後、食べやすい大きさに適当に切ります。

フライパンで、玉ねぎを透き通るまで炒め、トマトのざく切り、ニンニク、タイム、唐辛子を加えます。旬で安くなった芽キャベツをたくさん買ってきていたので、これも半分に切って加えました。トマトは缶詰で青唐辛子があらかじめ入ったものを使いました。それからニシンを入れてさらに5分炒め、レモンを絞り、ネギを散らします。

塩抜きの時間を除けば、10分あまりでできてしまうお手軽料理ですが、なかなか美味しいです。ご飯にかければ、カリブ風ニシン丼。

燻製ニシンはイギリスではポピュラーな朝食のおかずだそうで、バターをつけて食べるらしいですが、カリブ海の熱帯の国々では、塩漬け燻製ニシンは揚げたり、炒めたりして料理するのが主なのだそうです。おそらく北欧での食習慣がイギリス領、フランス領のカリブの国々に伝わって、南国風にアレンジされたのだろうと思います。

日本ではニシンの干物を戻して使う料理といえば、ニシンそばに使う身欠きニシンの甘露煮がありますが、ニシンそばはもともとニシンが良質なタンパク質を含むためタンパク質補給のために京都で考案されたものらしいです。

というわけで、栄養もたっぷり。ニシンの身から出る旨味と残った塩気で味が付いているので、特に調味料は必要ありません。唐辛子の辛味、トマトの酸味、玉ねぎの甘み、ニシンの旨味、燻製の香りが絶妙に入り混じっています。アドリブで入れた芽キャベツも鮮やかな緑が食欲をそそります。カリブではキャベツを使うレシピもあるので、芽キャベツも間違いではないと思います。

ビールと一緒にいただきます。今日も仕事はパッとしませんでしたが、ソレはソレ、コレはコレ。この料理がビールとともに今この食卓にあるために、大変な労力と時間が費やされているという事実に思いをはせるとき、この料理は奇跡です。ニシンを取る人、捌く人、塩漬け燻製にする人、それを店まで届ける人、玉ねぎや芽キャベツやトマトを育てる人、収穫する人、缶詰にする人、その道具を作る人、大勢の人々の何ヶ月もの時間と努力がかけられています。冷えた一杯のビールも、同様に何ヶ月もの人々の努力と自然の恵みがあってはじめて私の食卓の上に存在することが可能になります。これらの数え切れない人々のおかげで私の食卓は成り立っています。その大勢の人々の働きがあたかも見えない目的に沿って協調し、結実して、そして私の口に幸福を届けてくれる一瞬、偉大なるワンネスを包含して世界は完結するのです。その偉大なる宇宙の神秘に感動したニシン料理でした。
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不正への対応

2018-04-20 | Weblog
リバイスで言われた簡単な実験で思うような結果が出ない時ほど、ストレスを感じることはありませんね。レビューの結果を見た時は、これは比較的簡単にアドレスできる批判だと思ったのに、その簡単な実験のいくつがうまくいかず、このひと月余り、同じ実験を延々と繰り返す羽目になっています。結局、その他の問題もあって、締め切りに間に合わず、締め切りを延長してもらいました。

この論文を含めて最近の私の論文はすべてで締め切りの延長をお願いしていることに気がつきました。この二年ほど、グラント書きと論文書きとリバイス実験ばかりに忙殺され、生産的なことはほとんどできていないことに気がついて、愕然としました。「自分は何をやっているのだろう」と暗い気持ちで職場を後にして、無能感と焦燥感で明け方に目が覚めることが多くなった日々です。

でも、あたりも外れもあるのが研究ですから、一発、素晴らしいデータが出ると、すべて上向きになるものですので、それまでは一歩一歩、歩き続けるしかないのです。淡々とやっている間に、悪い手札ながら、リーチをかけたら一発でつもってドラに裏ドラがついてアレヨアレヨと数え役満になったりすることが(稀に)起こったりします。そういう日がまた来ればいいな、と思いながらやってます。

オハイオ州立大(OSU)で研究不正のスキャンダル。Sicenceのフロントページに、OSUがイニシアチブをとって不正の調査を行って速やかに公表したという話が取り上げられていました。一人は台湾系の研究者、もう一人の名前の挙がっているCalro Croceは、それなりの有名人で、私の分野外ですが、数年前に講演を聞いたことがあります。あとづけに聞こえるかもしれませんが、講演は正直言ってひどいもので、そもそも英語の訛りがひどくて何を言っているのか不明な上に、スライドも何が書いてあるかさえ読めず、こんなにわかりにくい講演をする人がどうして、あのようなハイインパクト論文が書けるのだろう、と疑問に思った覚えがあります。この記事によると、昨年、New York TimesがOSUがCroceの不正調査をしていると報じ、これまでに8本の論文を撤回し、15本で訂正をしたとのこと。

OSUは一流の研究大学という位置付けではないと思います。そこに雇われて、有名雑誌にハイインパクト論文を連発してスターになったわけで、私も、最初に所属を知った時は違和感を感じました。運が良かったのか、才能が開花したのか、それとも別の理由なのか。しかし、結局、8本の論文を撤回したわけですから、これは、すべて不注意による間違いで不正の意図はなかった、と言い訳するのは無理があるな、と思います。(それでも、アベの支離滅裂で不誠実な言い訳よりは100倍はマシですが)

OSUとしては、不正に素早く対応することのメリットを重視したのでしょう。大学のスター研究者ですから、下手にかばった後でマズいことになるよりも、疑いの芽は早めに対処する方が長期的にプラスだと判断したのだと思います。この対応はOSUの学問に対する姿勢に対する評価にプラスになったことでしょう。(ウソにウソをかせねてシラを切り続け、証拠を隠蔽するアベ政権の今の状況を見れば、正直で誠実であることが最良のポリシーであることは自明です)

一方で、研究者は厳しい競争と出版へのプレッシャーの中、インフレに対応しないばかりか、年々削られる研究費と、年々厳しくなる規制の中でギリギリで研究している人が多数です。その中で、研究内容ならびに厳密さに対する要求は過大となり、あちこちでムリをしないと生き残れないという状況があります。そこに、研究の厳密さと成果というある意味、相反する価値を研究者本人の責任において要求されるわけで、ここに不正の起こるメカニズムがあるのだろうと思います。

ただでさえ、ストレスの中でギリギリでやっている研究者ですから、組織が必要以上にポリシングするようなことをするのは、私は反対です。結局、研究者の心がけなのですから。どんなに規制や罰則を強めても、不正を行うものは行うでしょう。ならば、それは正直にやっている多くの研究者にとって要らぬ制限をかけて、萎縮させる結果になるのではないかと思います。ただし、不正が疑われた場合に、速やかに疑いを晴らすのは研究者の義務ですから、その際に大学がタイムリーに介入するというのは透明性を確保するという点で良いことだと思います。

(さしづめ、アベ政権は、大学ぐるみで不正をやって、その主犯が学長でありながら、「真実を解明して、膿を出しきる」とか言っているようなものです。今回は、「お前が国難」に続いて「お前が膿」と呼ばれているらしいですが、膿が海を渡った訪米でした。)
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地中海料理

2018-04-17 | Weblog
食べて、寝て、働くという人間の基本は大事です。良い仕事をした後で、美味しいものを食べて、ぐっすり寝れば、幸せです。

週末は、久しぶりに泊まりで遠出をする機会があって、知らぬ土地で、ちょっと変わったものでも食べようということで、地中海料理のレストランに行きました。私の知っている地中海料理といえば、ハマスにタブリ、アメリカナイズされて広がったものぐらいです。地中海料理と言っても地理的にも文化的にも広く、地中海を囲む国々で主にイスラム圏を中心にアラブ、トルコ、エジプト、リビアやモロッコ、加えてギリシャ、レバノン、イスラエル、それから西アジアのペルシア、コーカサスの一部、東ヨーロッパの一部あたりに共有されるもの、あるいはそれぞれにユニークな料理問いう感じでしょうか。一方、地中海沿岸でもイタリア、フランス、スペインは別の食文化圏ではないかな、と思います。

というわけで、レストランに入ってメニューを見ましたが、チンプンカンプン。オススメを幾つか聞いてその中から注文することにしました。私は、ベジタブルメニューの中でのオススメ、野菜のイシュケンデル。イシュケンデル(Iskender)というのは、肉料理ですが、この料理を開発したトルコの創業者の名前らしく、ラム肉にトマトソースと羊または山羊のバターとヨーグルトのソースで味付けしたもので、私のは肉の代わりに野菜とマシュルームにこのソースがかかっており、付け合わせに紫色のキャベツのピクルス、玉ねぎのピクルスが付いていました。ヨーグルトとトマトの酸味がバターや油のこってりとした旨味とあいます。ウチの子供は牛肉のケバブ、付け合わせはほぼ同じですが、グリルで焼いたピーマンとトマトが付いています。連れ合いはチキン グベック(Guvech)、これはトルコやブルガリアで食べられる野菜の煮込み。

これらのメインディッシュも良かったですが、実はこれらについてくる焼きたてのパンが大変美味しかったのでした。外国や西洋料理のレストランでは、まず出てくるパンの質でレストランのレベルがわかると想います。私の場合は、夏の昼下がりの盛り蕎麦と、このメインの前のパン、を想像すると幸せな気持ちになります。蕎麦にはワサビと刻んだネギに出汁のきいた汁、パンにはエクストラバージンのオリーブオイル。バターは塩気が強いのでオリーブオイルの方が美味しいパンがより美味しくいただけると思います。

このレストランでは、パンと言ってもピザのような形をしており、上に白ゴマと黒ゴマがトッピングしてあって、レンガのオーブンで、大きく膨らむまで焼いてあります。どうもこれはLavashと呼ばれる平たいパンで、これはバターやオリーブオイルではなく、ヨーグルトがベースのディップにつけて食べます。このヨーグルトソースには風味付けにディルが入っているようです。まだ温かいパンをちぎって口に含むと、モチモチとした生地からの甘みが広がります。何もつけなくても、これだけで十分美味しいです。

知りませんでしたが、Lavashはアルメニアのパンとしてユネスコの無形文化遺産に登録されているそうです。起源はイランという説もありますが、広く西アジアで食べられているとのこと。

美味しいものを食べて、幸せな週末の夜でした。

Lavashとヨーグルトのディップ(平皿)


Iskender Kebab


Guvech


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ウソつきの証拠

2018-04-13 | Weblog
モリ、カケ問題、しばらく燻っていましたが、カケの方でも花火が上がりつつあります。

それにしても、アベのせいで起きたこの一連の事件とモラルハザードは目に余ります。アベに権力、XXに刃物、権力を預けて良い人間とダメな人間を厳密に見分ける眼を国民がまず持たねばなりません。(とは言いながら、人を見る眼のなさでは私は相当なものですが)

カケの獣医学部にはすでに学生が入学してしまいました。愛媛県民、今治市民、国の税金の不正獲得の上に成り立った、「できてはならないはずのもの」でした。今になって「首相案件」とかの新たな証拠も出てきているようですが、もう既成事実はできたので、不正の隠蔽に緩みが出たのではないでしょうか。今更、大学を取り消しにもできないだろうということでしょう。しかし、私は間違いは正すべきであると思います。アベとその取り巻き官僚はその不正によって多くの国民に損害を与えたのですから。それに、この獣医学部がこのようなスティグマを背負ったままで今後もマトモに運営できるとはとても思えませんし。「過ちては改むるに憚ること勿れ」です。アベ自身はもとより、官僚も役人も、文書を改竄してまで隠そうとするのですから、自分たちが犯してはならぬ罪を犯しているのは自覚しているのです。

さすがにアベももう長くは持たないと思っているでしょう。前回の所信表明の直後に政権を投げ出したのは、自身の脱税容疑がかけられていたからだと言われています。今回は、ここまでスキャンダルが大きくなり、アベの権力の私物化の証拠が山のように出てきているわけですから、身を引かなければ、遠からず特捜も黙っているわけにもいかず、韓国の前大統領の二の舞いになるかもしれない、とぐらいは思っていてほしいものです。アベがすでに取り返しのつかない大きなダメージを国に残してしまった今となっては、アベの罪はどうやっても消せません。せめて自分から辞めてサッサと目の前から消えてくれるのがアベのできる最大の罪滅ぼしでしょう。

先日のアベの答弁のデタラメさについて、平川さんツイート@hirakawamaru。
衆議院の集中審議で、枝野議員と玉木議員の質問をじっくりと見た。議論の内容以前に、安倍総理は、普通のコミュニケーションができないということに驚きを禁じ得ない。不思議な光景をみせつけられたという印象。野党のみならず、周囲の人間もよく耐えられるな。


私は耐えられません。質問にはマトモに答えない、全く不整合なことを平気で断言する。関係のない話で延々と時間を潰す。これほど、病的で非生産的な人間は見たことがない。国民も最初は腹が立ち、そのバカっぷりに呆れはて、いまや、これはお笑いだと思わないとやってられない、と言う気分になっているようです。

‏ @reif ツイート: 現在の日本首相である安倍総理大臣の国会答弁が支離滅裂で本当に面白いので、政治アレルギーの人もウォッチしたら楽しめると思うよ。エンターテイメントとしておすすめできるメチャクチャさ

中野晃一さん@knakano1970ツイート:
邪悪な一休さんみたいに芸を競い合っていた官僚答弁も、ワイドショーやネットのエクストリーム政権擁護も、ついにどんな頓知も出てこなくなった感じですね。そうすると、安倍首相や菅、麻生ら大臣本人たちと同じくただ壊れてるだけで、何の面白みもなくなりました。


アベ一味は、やましいことをしているので、正直に誠実に言えず、邪悪な頓知しか頼るものがないのですな。そのアベや官僚の芸もあまりにドタバタになってもはや見るに堪えないです。「邪悪な一休さん」をイメージしてしまい、気持ち悪くなりました。邪悪な一休さんもこれだけ証拠を積み上げられては、和尚様に叱られてうつむくばかりでしょう。

アベの答弁の矛盾を追及した玉木議員の質疑で、アベがウソつきであることを確信させるアベの答弁。
安倍首相「ウソつき」扱いにカチン 玉木氏に「証拠を示していただかなければ... 
「総理、こんなことをしているとですね、内閣総理大臣自身を証人喚問に呼ばざるを得なくなりますよ?だって私ね、残念ですよ。一国の総理大臣とこうやって(質疑を)やっている時にね、私の目の前に座っている内閣総理大臣がウソをついているかも知れないと思って質問するのは残念ですよ、そりゃ。でも、そういう疑惑・疑念を持たざるを得ないのが今の現状じゃないですか、皆さん?」
  この直後に話題は加計学園から森友学園に移ったが、安倍氏は「ウソ」という単語に腹を据えかねたのか、発言を求められてもないのに「答弁する前に...」と切り出し、反論を展開した。
  「私に対して『ウソつき』ということを明確におっしゃった。ウソつきと言う以上は、それは明確に私がウソをついているという証拠を示していただかなければいけない、こう思うわけでありまして...。私もですね、今まで若い議員の時にですね、色んな言い方をしましたが、ウソつき呼ばわりということはめったにしませんでしたから、その辺はですね、少しわきまえていただきたい」


これ、典型的なウソつきの反応です。ウソをついたことの証拠を突きつけられて、マトモに答弁できないので、相手を攻撃してその場を逃れようとするのです。私、前にも書きましたが、自己愛(疑い)の人の病的な逆ギレに続けて遭遇したことから、逆ギレが生まれるメカニズムを知りました。
 図星をつかれて逆ギレするのはウソつきの手口です。これで相手をひるませて、話題を「ウソつき呼ばわりすることの是非」という問題にすり替えて逃げるという手段で、ウソつきや自己愛の人はこれを本能的にやるのです。一年前に、「関わっていたら議員も総理も辞める」発言もこの心理からきていると私は思います。図星だったので、極端な反応をしてそれを否定する必要があったということです。

枝野さんも、松山文書とアベ側の主張の矛盾を問い、「どちらかがウソをついてる」と問いただし、無関係な話を長々とした挙句に答えないアベに堪忍袋の緒も切れ、「ほとんどの皆さんがすでに総理がウソつきだとわかっていらっしゃると思いますが」と発言。返す刀で、アベのいい加減な答弁を許す委員長にも「ちゃんと仕事をしろ」と注文。委員長も叱られてボソボソ。枝野さん、珍しく激怒していました。


受けて、東京新聞、「森友・加計審議 うそはどっちか白黒を」では、「安倍首相のコメントしないという姿勢は、誠実ではない。逆に正直にコメントすれば「本件は首相案件」という言葉につながるからではないのか。」

新聞も、わざわざどちらがウソつきか、などという書き方をせず、アベはウソつきだ、と書けばいいのではないでしょうか。自明ですから。

上丸洋一さん@jomaruyan ツイート:
いちばんえらい人がウソをつくもんだから、周りもみんなウソをつくことになる。
えらい人は言う。「私がウソをつけと言ったことは一度もありません」

どうせなら、アベも「ええ、私はウソつきです」と開き直ってみればどうでしょう。そしたら野党はアベはウソをつく正直者だな、と思ってくれるかもしれません。いや正直なウソつきですか。ま、正直なのもウソなのでしょうが。
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フリージャズとは何だったのだろう

2018-04-10 | Weblog

週末の訃報欄から。
セシル・テイラー氏(フリージャズ・ピアニストの巨匠)AP通信によると、5日、米ニューヨーク市ブルックリンの自宅で死去、89歳。死因は不明。29年、ニューヨーク生まれ。6歳の時にピアノを始め、56年にファーストアルバムを発表。従来のジャズの枠組みにとらわれず、より自由な表現を目指して60年代に隆盛を極めた「フリー・ジャズ運動」をけん引した。来日公演も多く、2013年には稲盛財団から科学や芸術の発展に寄与した人をたたえる「京都賞」を贈られた。


フリージャズとは一体何であったのか、折々に考えることがあります。なぜかあの時期に多くのミュージシャンがフリーを志向し、聞き手も何かを感じました。私も若いころコルトレーンやファラオサンダースなどのフリーセッションのレコードをよく聞きいて何かを感じたはずでしたが、今はあまり聞きたいとは思いません。時代的なものなのかもしれません。新しい世界を求めるエネルギーみたいなものに惹かれたのかも知れません。

セシルテイラーによってピアノは繊細な打楽器になりました。ピアノを打楽器的に使うというテクニックは今もよくみられます。例えば、上原ひろみさん、演奏では、時々「肘打ち」を出します。しかしセシルテイラーはなぜか「肘打ち、げんこつ」はやらないのです。あくまであの強靭な指で鍵盤を押さえて早く鋭いパッセージを繰り出します。

表現のための規制を広げていく中で、山下洋輔は、肘打ち、げんこつ、はもとより、ピアノを燃やしながら演奏するというようなことまでやりました。しかし、フリージャズピアノの先駆者のテイラーはピアノを壊すこともなく、肘打ちすることもありません。あくまで椅子に座って指で鍵盤を押す、規制は外れてもピアニストという枠の中で自由に表現したいというのが彼の目指したところなのでしょうか。

破壊せよとアイラーは言った」と、中上健次は書きました。フリージャズは規制(体制)の破壊であるとの解釈でしょう。でも、私はそれは本質ではないと思います。テイラーのピアノは破壊ではなく、間違いなく創造です。無調に聞こえるようでも構造があり、モチーフがあり、和音があります。言いたいことが既存の言葉で見当たらないのなら、言いたいことが伝わるような言葉を作ってしまえば良い、そんな風に聞こえます。それが結果としての規制の破壊になっただけのことだろうと思います。しかし、思うに、フリージャズが持つ体制の破壊、制限されない自由という面が若い人々のエネルギーを集めてブームになったのは間違いないだろうと思います。そして、破壊のエネルギーに惹かれた若い人々は、そうした試みの後、破壊すれば新しいものが自動的に生まれるわけではない、ということを知って、フリージャズから離れ、ブームが終焉したのではないでしょうか。

モダンジャズはアメリカ黒人が生み出した音楽で、西洋生まれの楽器を使った西洋音楽という制約、白人のためのダンス音楽という制約への抵抗によって生まれたと私は思います。そのルーツには、虐げられてきた人々の生々しい感情が残っているのでしょう、ビリーホリディが「奇妙な果実」を歌い始めたのは1940年ごろです。

抵抗の音楽として始まった黒人音楽が白人社会の枠内に取り込まれ、そしてその規制の外に出ることによって純粋音楽としてのモダンジャズが生まれ、さらに自己進化して行き着いた果てがフリージャズということでしょう。とすると、多分、当時のジャズミュージシャンにとってフリージャズは目指すべきユートピア(の一つ)であったのではないだろうかと想像します。そこは、純粋な表現のための自由だけが存在し、人種も歴史も超越した場所であったのではないか、と想像します。こうして、あの時代に、ボトムアップで黒人ジャズ演奏家が全体として目指すべき場所の一つとして自然に行き着いたのがフリージャズであり、そのへんがクラッシックの前衛音楽との違いなのだろう、と勝手に思ったりする次第です。

セシルテイラーのソロ


上原ひろみ、肘打ち


ついでにクラッシックからの現代音楽、高橋悠治さん演奏のヘルマの一部


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民主主義ごっこ

2018-04-06 | Weblog
イラク、スダーンの日報の隠蔽、国会議事録や行政文書の改竄、国会答弁でのウソとゴマカシの数々、アベ政権でのモラルの異常な低下は、アベが権力を濫用し、咎められても数の力で押さえつけ、そして官邸が官僚の人事を握り、メディアに対しても圧力をかける、立憲民主主義の精神を全く無視して反省するところのない、アベと官邸の人間性の卑しさゆえだろうと思います。戦後民主主義、近代国家としての日本をここまで破壊したアベの罪は大きく、仮にここでアベが消えても、衰えゆく国力の中、これを普通の国の並のレベルまで立て直すことができるのかを考えると気が滅入ってきます。

この国みんなが“民主主義のお芝居”を演じているだけ? フランス出身特派員、森友「公文書改竄」にみた日本の深刻な病。

─国会では先日、衆参両院の予算委員会で佐川宣寿(のぶひさ)前財務省理財局長が証人喚問を受けましたが、「公文書改ざん」はメスメールさんにとっても驚きでしたか?

メスメール 正直に言うと、あまり驚いてはいません。むしろ「改ざんの事実が明らかになったこと」に驚いたと言ったほうがいいかもしれません。、、、「日本の民主主義というシステムが、あらゆるレベルで深刻な病に侵されている」ことを示しているように思えてなりません。
、、、、
近代的な民主主義国家において、公文書の信頼性とは「行政の信頼性」を根元から支える文字通りの「根幹」であって、それを省庁が組織的に改ざんするなどあり得ない。それは行政の信頼そのものを損なうことを意味するからです。、、、、、政府も官僚も国会も司法もメディアも国民も、日本の民主主義を構成するすべての人たちが表面上はそれぞれの役割を果たしているように見えて、実際には「民主主義というお芝居」を演じているだけなのではないか?という皮肉すら言いたくなってきます。、、、、、一連の出来事が示すのは、「日本の民主主義の深刻な病」そのものです。これと同じことがフランスで起きれば、間違いなく政府は吹っ飛んでしまいますし、当事者は確実に処罰されることでしょう。そして、国民は権力に向けてもっと大きな怒りの声を上げるはずです。、、、、
日本の民主主義が本当に危機的な状況にあるということを、多くの日本人は気づいていない。私にはそう思えてなりません。


今週も、アベ政権、政府のデタラメが噴出して、とことん腐っていると吐き捨てるしかないような状況です。

森友問題口裏合わせの事実が出てきました。なんとNHKが報道しています。アベさまの日本偏向報道協会と言われたNHKもさすがに、アベをこのまま放置はできないと思ったのでしょうか。これで財務省だけに罪をお仕着せて済ませられると思うほど浅はかではないでしょうから。ね。アベが「関わっていたら総理も議員も辞める」とバカな見栄を切った直後から、行政文書の改竄、隠蔽が始まりました。これで、証人喚問で証言したウソつき佐川君、また一つウソがばれました。

きっこさん、鋭い指摘
これほどまでに次から次へと各省庁による文書の隠蔽や改竄が発覚し続けてるけど、そのすべてで得をしたのが「安倍晋三と仲間たち」であり、損をしたのが不正の発覚と同時に切り捨てられた実行犯たちなんだよね。


やっぱり、生活やモノは西洋化して、背広に靴履きとなりましたが、「民主主義」に関しては借り物のまま、なのですかね、日本は。
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東京新聞、激怒

2018-04-03 | Weblog
私も好きで政権批判をしているわけではないし、週末をのんびりと楽しみたい人もそれを潰してまでも官邸前のデモに来るわけではないでしょう。あまりにアベ政権のデタラメが酷いので看過できない、その危機感で止むに止まれずに声を上げているのです。国がマトモに運営されていて、政権が国民の生活を安定と安心を与え、世界の国々と仲良く協調的にやっていく努力をするのなら、誰でも応援するでしょう。アベのやっていることはすべて逆です。国民を搾取し、特定の国を敵視して己には何の実力もないくせに高圧的な態度に出て反日を煽る。一方でアメリカには絶対服従。おかげで世界の国にはすっかりバカにされ、アベと付き合うのは時間のムダだが、カネを出してくれるなら友達のフリぐらいはしてやろう、という態度で接せられるようになりました。それで、国民の税金を散財して歓心を買うしか能のないアベ、外国とオトモダチに我がものかのように税金をばら撒き、経済政策は大失敗、この20年、国民一人当たりのGDPがゼロ成長またはマイナス成長だった唯一の政権が第一次アベ政権と第二次アベ政権という無能ぶり。しかも今回のGDP減少は-30%に至る強烈な数字だそうで。消費は上がらず、一方、物価は日銀のメンツにかけて上げようとするために起こっているスタグフレーション、黒田バズーカでカネは余っているが、借り手がない。投機に流れてバブル経済、株価と投資物件の値段だけが上がっていますが、これは間も無く弾け、その後は殺伐たる経済荒廃。事態は深刻です。そんな中、またアベはアメリカに行くらしいです。世界の誰も相手にしておらず、トランプにも犬なみの扱いしかされないのに、何をしに行くのでしょう。よほど日本にいたくないようですな。

週末の官邸前デモをNHKも無視できずに報道。
財務省の佐川前理財局長の証人喚問後、初めての週末となった30日、国会議事堂周辺で決裁文書の改ざんに対する大規模な抗議活動が行われ、参加者たちは政府に対し、誰の指示で改ざんが行われたのか明らかにするよう訴えました。

前週の官邸前デモの参加者数は1万2千人、今回はそれを上回る規模とのこと。写真を見ましたが、すごい数の人々が官邸前に詰めかけ、警察(?)がカマボコで国民をブロックしています。どこの発展途上国かと思うような光景です。

与党も政権も自浄作用をなくし、腐りきっていて、外から変えるしかない状況にあります。もちろん、その原因は、政権トップの無能コンビに加えて、我が身が可愛い保身議員と役人、カネと地位のためには「良心」や「国民の生活」など知ったことか、という連中でしょう。とりわけ、森友の事件に関しては、アソー氏のXXぶりが国民の怒の炎に油を注いでいます。

普段は節度を保って公平な論評をする東京新聞、今回のアソー氏の一連の発言にはどうも激怒しているようで、ボロクソです。冷静な東京新聞珍しいと思ったのでリンクします。

【社説】麻生財務相発言 このレベルの大臣では

麻生太郎財務相が「森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」と述べた問題は、これまで多々ある暴言の域を超えている。改ざん事件の責任をとり身を引いたらどうか。
 国のトップ官庁で公文書改ざんという前代未聞の不正を許した大臣としての責任をみじんも感じていないかのような傲慢(ごうまん)さである。
 事実誤認に基づく氏の発言は毎度のことだが、当事者意識を全く忘れ、報道機関をおとしめるような暴言は看過できない。
 麻生氏は二十九日の参院財政金融委員会で、学校法人「森友学園」をめぐる新聞の報道姿勢に不満をまくしたてた。
 米国を除く十一カ国による環太平洋連携協定(TPP11)が八日に署名されたことについてのやりとりの中で、麻生氏は「日本の指導力で、間違いなく、締結された」と強調。「茂木大臣がゼロ泊四日でペルーを往復しておりましたけど、日本の新聞には一行も載っていなかった」と発言した。
 続けて「みんな森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」と述べた。
 しかし、茂木敏充経済再生担当相が出席した署名式の開催地は、ペルーでなくチリである。署名式の記事は、本紙を含め大手各紙が九日付夕刊や翌十日付朝刊で詳しく報じている。
 三十日の同委員会で批判が相次ぐと、麻生氏は「森友に関し、公文書を書き換える話は誠にゆゆしきことで遺憾の極み。軽んじているつもりは全くない」「森友と比較したのがけしからんという点については謝罪させていただきたい」と釈明に追われた。
 だが、釈明すれば済む問題ではない。公文書を改ざんし、国会で虚偽答弁を繰り返したことはTPP11と同じく重大事である。
 「新聞が一行も報じていない」といった虚偽(ポスト真実)を平気で多用したり、TPP11に比べ大したニュースでもない森友問題を報じ続ける新聞の方がおかしいといった印象操作を繰り返す。
 「ナチスの手法に学べばいい」と発言したこともあるように、国民は簡単にだますことができる、政治家は国民をだましてもいいと考えているのではないか。国民の納める税金を差配する要職を任せるには、とても値しない。
 「平成の政治史に残る事件」(自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長)である。地位に恋々とせず、国民のために潔く、速やかに辞任したらどうなのか。


こんなレベルの人間が引き際さえもわからず、老害を撒き散らすのなら、力ずくで駆除するしかありません。結局、XXにつける薬はないのですから。
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