もう誰もあまり興味がないだろうと思うのですけど、先月にあった大西つねきさんの「生命の選別」発言からだんだんと「れいわ」という政党に問題があるらしいということがうかがえるような事件がポツリポツリ。先週、山本太郎が開いたYoutubeでの「おしゃべり会」、その内容に対するジャーナリストや有識者の人の反応、それから離党した野原善正さんのインタビュー映像などをみる機会があったので、なんとなく何が問題なのかがわかってきました。
大西問題がおきてから、例えば、下の田中龍作ジャーナルの一連の記事などから、党運営がブラックボックスになっていて、どうも「市民の党」との繋がりが問題らしいということが浮かんできました。田中氏はこれ以外にも「れいわ」に関して、複数の記事を書いていて、それは「れいわ」の将来の発展を願ってのコメントであることが記事から読み取れます。
離党した野原氏の最近のインタビュー映像では、山本太郎に対する感謝を示しながらも、政党としての組織に問題があることを示唆した上で、山本太郎は最前線で切り込んでいくタイプで組織をまとめたりするのは得意ではないと思う、と語っていました。
組織としての問題、例えば、党の実務を担う人々が「市民の党」と関係している、党規約がなっていない、ブラックボックス、ボランティアを使い捨てにする、党に電話しても誰もでない、国政政党として組織がいい加減すぎる、などなど、内外から不満がでつつあります。
まずいことは、8/12 の山本太郎のビデオでもありました。
その中で、山本太郎は市民の党との繋がりを否定したのですが、これに対して山岸飛鳥さんが次のように書きました。
、、、
(山本太郎が)田中龍作ジャーナルを腐す口ぶりは、安倍晋三が朝日新聞を罵倒する口調と同じではないですか、、、、
沖永事務局長が「市民の党はもう実態がない」と言って見せますが、大嘘です。 H31年 市民の党の政治資金収支報告書には、沖永さんが134万円もの大金を市民の党に寄付したことが書かれています。
市民の党の収入は2600万円超、もちろん当時の代表は斎藤まさし(酒井剛)さんです。、、、
総会が非公開なのは、他党の総務会と同じだからだと、、、詭弁です。、、、こんな詭弁を考え、延々と資料を用意したのは、誰なのでしょうか。。。。政治のウソが何でダメなのかというと、引き返せなくなるから。最初はちょっとしたウソでも、それを上塗りするうちにモンスターになるからです。安倍晋三がその典型。もう救いがたい。しかし、私が政治家としてもっとも敬愛してきた山本太郎が、その魔のスパイラルに落ちていく様は見たくない。
私もこのビデオの一部をみましたけど、あれ?と思うことが複数回ありました。船後議員は、大西事件の時、大西さんの意見を優生思想だといい、大西さんに「おごり」があると断罪しましたが、このビデオでの山本太郎にも、私は「おごり」らしいものがあるのではないか、と危惧を抱かされるようなものを言葉の隅に感じたのです。都知事選惨敗後の会見でも、あれ?と思いました。大勢のボランティアの人の努力や募金があり、当時党員の野原さんも手弁当で沖縄から応援に駆けつけたのです。そして、惨敗を喫したのだから、ニヤニヤして「やっぱり負けた」というような発言をするのはいかがなものか。
昨年の参院選前に、山本太郎が一人で立ち上げたれいわ新選組は、既存政党に絶望していた人々の期待を受けて、旋風を巻き起こし「れいわ一揆」という映画にもなりました。そして、重度障害者を国会に送り込むという成果を成し遂げ、国会の中から国を変えて行こうとしました。残念ながら、その勢いはコロナで削がれ、都知事選に負けを承知で出て惨敗し、大西問題勃発とその対処のまずさで、野原氏の離党を招き、先週のビデオで一部の支持者からもサジを投げられつつある状況に陥っています。
そして、もっとも残念なことは、政党としての支持が伸びていないことでしょう。総理大臣を目指すなら、支持組織が必要です。党をしっかりさせるための党幹事長を代表とは別におくべきだし、それは経験のある現職議員が望ましいと思います。結局、それができないので、私の研究室のように技術員と経験の浅い人間を使いつつ自分一人で回さねばならない、ということになっているのでしょう。
現実には、こうして支持を失いつつある「れいわ」という政党で、山本太郎が一人で総理大臣になれるわけがないし、多分、政策に絡むこともできないだろう、と感じざるをえません。切り込み隊長としていい仕事をするのだが、誰もあとに続かないという最も悲しい状況に陥りつつあるような気がします。
閉塞感というのは、この辺からくるのでしょう。半数近くの人が支持する政治家はいないし、選挙にもいかないという状況はここから生まれていると思います。今後、野党が政権を取ることはまずありえないし、取ったところで、かつての民主党や社会党や八党連合政権のようなことになると思っている。これらを実現させた小沢一郎は、今また国民と立民の合流させて同じ手で最後の政権交代を考えている(無理ですが)。この状況を冷静に見れば、史上最悪のアベ政権が多少マシな政権に変わるためには、自民党の自浄作用に期待するしかないという結論になるでしょう。日本を心配する人はそのためにアベ批判をしています。
今後、山本太郎と「れいわ」がどうなるのか。困難な未来だと思います。なんとか立ち直って、次の衆院選で数議席を得られれば、将来の躍進の可能性も大きくなるでしょう。そのためには支持者が離れていくようなことをやめないといけません。党運営を透明化し、選挙ボランティアや支持者の人の声を反映させる。経済政策ブレインの失言の対処に際して、二転三転して離党を認めず除籍処分にするようなことをすれば人望を失います。「泣いて馬謖を切る」ならば、最初に党規約をしっかりさせて、誰もがそれに納得せざるを得ない形でやるべきでした。結果、山本以外で最大の得票を得た党員から不信を抱かれて離党されるような状況を招いてしまったわけです。
もはや山本太郎一人の党ではないので、優秀な助言者が必要だと思います。現在の小沢一郎との関係はわかりませんけど、小沢のようなアドバイザーが山本太郎には必要でしょう。真摯に批判に耳を傾けて、立ち直ってもらいたいと望んでいます。