百醜千拙草

何とかやっています

イスラエルの終わり

2024-10-29 | Weblog
選挙結果は、まずまず予想通りでした。しかし、自民がダメだから立民というのでは、アメリカ大統領選で民主党がダメだから共和党というぐらいに思考停止なのではないかと思わざるを得ません。10年前に、菅、野田政権が何をしたか忘れてしまったのですかね。一方で、比例を中心に第三極も議席を伸ばしており、これは、多少これまでの経緯を知って、考えて、投票する人も増えてきたことを示しているのではないかな、と思います。しかし、小選挙区の投票行動を見てみれば、まだまだです。その地区で代々、政治屋をやってきた「誰々さん一家」の地盤、すなわちコネと名前と利害関係の歴史というものは根強く、結果、凡庸、小粒で世間知らずな世襲議員が選出され、大臣になって、国の社会インフラをメチャクチャにしては国民に迷惑をかけるようなことになるワケです。世襲議員の弊害というのは国力低下の大きな原因であると思います。外国のように世襲議員に地盤を引き継がせない制度を作ること、そして何より国民の現在の国政で起こっていることへの知識と政治参加への理解を高めることが必要と思います。ま、しかし、与野党含めて既に多数の世襲議員が自らに都合の良いようにルールを決めてきて、彼らは、国民は軽くてパーがいいと思っているのだから、そう簡単に選挙制度も自民党の腐敗も改善されることはないでしょうが。

アメリカについても同じことが言えます。アメリカ国民の過半数が、イスラエルへの武力支援に反対してきているのに、民主党政権はその声を聞かず、ガザで何万人という子供を殺してきたイスラエルの共犯者となってきました。この盲目的なイスラエル支援は民主党も共和党も同じで、次の大統領がカマラ ハリスであろうが、トランプであろうが、パレスティナの子供殺しは継続することになるでしょう。ハリスはただの傀儡、トランプはひょっとしたらあの気まぐれで一転する可能性はないとも言えませんが、現在のところはバイデン政権以上のpro-イスラエル。反対している大統領候補は第三極、リバタリアンのChase Oliver、それから「緑の党」のJill Steinです。スタインはユダヤ人医師で、副大統領候補にイスラム教徒で大学教授であるButch Wareを立てており、つまり、第三極からは、イスラエルのジェノサイドに反対するユダヤ人大統領候補とモスリム副大統領候補、という組み合わせが出ているわけですが、二大政党制のプロレス興業に慣らされたアメリカ人は「民主党がダメなら共和党、共和党がダメなら民主党」というどっちに転んでも一緒なのに、四年に一度の茶番に熱狂するワケです。日本でも同じことです。自民党がダメだから立民、立民がダメだから維新、しかし、彼らは広い意味で、党は違えど五十歩百歩、同じ興行主に雇われた劇団員のようなもので、一般国民の立場を優先する勢力は第三極にしかないと思うのです。逆に言えば、建前どうり愚直に民主主義政治を志すものはメジャーからははじかれるということですが。

ついでに、選挙と言えば、先日はジョージアで大統領選挙がありました。新ロシア大統領が選ばれたことに対して、米英は例によって不正選挙だと、騒いでいます。デジャブ?と思ったら、この間のベネズエラで反米のマデュロが選出された時のアメリカの反応と同じでした。ヨソの国の選挙結果に大っぴらに口出し、CIAを使って政府転覆工作まで行い、様々な国に軍事侵攻してきた欧米はその傲慢な態度を反省する気は全くないようです。アメリカとNATOは、ロシアのウクライナへの侵攻に文句をいう前に、コソボ、朝鮮、ベトナム、イランにイラク、リビアにアフガニスタン、散々、いい加減な理由をつけては軍事侵攻して他国を破壊し、人々を殺してきた己自身を批判してからにしてもらいたいものです。

いうまでもなく、黒海に面しロシアの南と接するジョージアはウクライナと並んで、ロシアにとって安全保障上の重要地域です。米英の思惑はウクライナと同じで、ジョージアをNATOに組み込んでロシアを包囲することでしょう。例によって、ウクライナやその他の数々の国の時のように親欧米傀儡政権にすげ替えたかったのでしょうが、もしそうなったら、ジョージアはウクライナの二の舞になる、とジョージア国民は思ったのでしょうな。

さて、中東は相変わらず、NHKの報道も相変わらずです。誰がどこから見ても明かなイスラエルの市民の虐殺と戦争犯罪。カタールが停戦を仲介してきましたが、イスラエルは、ハナから停戦など考えてはいません。ガザを完全破壊し、ガザ住民を殲滅するまで止める気がないのは明らかです。大体、停戦の交渉の相手であるハマスの幹部を次々に殺しておいて、どうやって停戦の交渉ができるのでしょう。ヒズボラに対しても同じことです。

かつてはこう言うのを躊躇っていましたが、イスラエルを普通の国だと認識するのは間違いである、と思っています。多分、北朝鮮の5倍は危険な国です。北朝鮮は時々、花火を上げる程度で、ジェノサイドとも違法軍事侵攻とも無縁で、スラエルと違って結びつきの強い中露は、イスラエルを支援している戦争キチガイのアメリカと違って、帝国主義でもなければ、世界のヘゲモニーを手にしたいという野望もなさそうですし。

シオニズムはイスラエルの国家プロジェクトであり、国全体をカルト化し国民全体をシオニズム教育で洗脳し、周辺諸国は全てイスラエルに害を為そうとする野蛮で悪意を持った連中だと思い込ませることによって、軍国主義を促進し、国民を恐怖と差別意識によってコントロールしようとするものです。つまりナチスドイツや戦前の日本のような全体主義国家です。歴史は繰り返すものであることを思い起こせば、イスラエルの今後がどうなるかもなんとなく見えてくるように思います。

その狂気のイスラエル、今日はガザ、明日はウエストバンク、その次はレバノン、そしてついにイラン、周辺の国々に侵攻しては市民を無差別に爆撃し続ける破壊魔であり、「自己防衛」の名の下に、子供や妊婦、一般人を狙って殺害する異常者。一国、全体がサイコパスとサイコパス予備軍の集まりとなっている精神病棟がイスラエルであって、そこには医者はおらず患者は病識を欠き、施設長自らサイコパスという狂った国がイスラエルである、と私は思い始めています。

長らく、他の国のことをこのように解釈するのはどうかと思ってきましたが、手足を吹き飛ばされた子供、頭半分吹き飛ばされた子供の死体、瓦礫に埋もれて血を流している子供、栄養失調で骨と皮膚だけになってしまった子供、瀕死の妹のを背負って歩く子供、ガザから日々、発信される毎日何十枚ものこうした写真や、各国際機関から発表される犠牲と破壊の数字、数々のイスラエル人のインタビュー動画を目にすると、もう他に解釈の余地はないと思わずにおれません。もちろん、そうした洗脳から解け、イスラエルの病を客観的に見ることができるようになったイスラエル人もおりますが、彼らは少数派のようです。

イスラエルは、アメリカの支援のおかげで一年にわたる戦争を継続できていますが、すでに、イスラエルの経済は傾きつつあります。イスラエルと取引しないと宣言した国は複数あり、イエメンのフーチは今も、紅海経由でイスラエルに向かう船舶はブロックすると宣言しています。ヒズボラとの戦闘で北イスラエルの経済は大きく毀損しました。大勢のイスラエル人は国外脱出、 BDSの効果かイスラエル支援企業の売り上げは大きく減っている中、いくらイスラエルの忠犬のトランプもハリスであっても、いつまでも国際世論に反してイスラエル支持を続けるのは困難になるだろうと思います。

イスラエルも内部から崩壊しつつあるようです。そもそもイスラエル兵は武器を持たない市民を虐殺することには長けているようですが、戦闘員との戦闘は苦手なようで、レバノン侵攻は苦戦しているようです。そして、流石に人の心を多少なりとも取り戻したイスラエル兵士は強いPTSDを発症する者が増えてきているという話を聞きました。

さて、そんなサイコパス国家のイスラエルですが、週末、イランを攻撃しました。狂っていますね。ひょっとしたら、イランの軍事力をネタニヤフは大幅に過小評価しているのではないでしょうか。イランはすでにイスラエルに対してイランを攻撃した場合は、確実に報復すると警告しており、それは100%実行されるでしょう。イランの兵器は多くは地下施設に備蓄されており、少なくとも1000発以上の長距離ミサイルやドローンを一気にイスラエルに向けて発射できるだけの軍事力はあると考えられています。イスラエルのIron domeの迎撃率はイスラエルが言うほど高くはなく、もしもイランが真剣に攻撃をすれば、イスラエルは深刻なダメージを負うでしょう。

イスラエルは兵力をアメリカに依存していますが、そもそも、イランとイスラエルの戦争になって困るのはアメリカです。イランは直ちに西側への石油供給を止めることになり、石油価格は高沸し、日本も含めて西側諸国は大打撃を受けることになるでしょう。(念のため、トイレットペーパーは買いだめしておきました)そして、万が一、アメリカが今やBRICSの正式メンバーであるイランとの戦争に介入してくるようなことがあれば、ロシアも成り行きをただ眺めてはいないと思われます。

バイデンは先週、アメリカ政府のアメリカ 原住民に対する政策の不当性について突然、謝罪をしました。認知症進行が著しいバイデンですから、単にとち狂ったのか、選挙前でマイノリティーの支援を得ようとしたパフォーマンスか知りませんが、この男が、今、真っ先に謝罪し、態度で明らかにしないといけないことは、イスラエルのガザにおけるジェノサイドを支援してきたことでしょう。400年前、イギリスの清教徒が新天地を求めてアメリカにやってきました。アメリカ原住民は彼らを助け、作物の栽培法を教えましたが、その後、続々とやってきたヨーロッパからの移民は、原住民の好意に暴力と略奪で応えました。つまりアメリカの土地を原住民から奪いヨーロッパ人の入植を進めて成り立ったのが、近代アメリカです。第二次大戦前後、ヨーロッパから移ってきたユダヤ人がパレスティナ原住民の好意を踏み躙り、彼らを殺し、土地を奪ってできたのがイスラエルという泥棒国家でした。アメリカとイスラエルは共にその成り立ちを同じくしています。アメリカ(合衆国)はその成り立ちの疾しさから、イスラエルを面と向かって非難できないのでしょう。バイデンが、アメリカ原住民に謝罪できるのなら、同時にやらねばならないことはイスラエルを支援して大勢のパレスティナ人を殺したことを謝罪し、イスラエルの支援をやめることでしょう。
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精神病者の社会

2024-10-22 | Weblog
週末、腹立たしい気持ちで、期日前投票を済ませました。こんな選挙がある事自体に怒っています。与党が政権を維持するためだけにやる任期途中の解散は認めるべきではないと私は思います。そもそも、この解散選挙が目的で、岸田は辞めたのです。そしてわざと長々と総裁選をやって、NHKや民放を使って総裁選ニュースという自民党の宣伝を散々やらせた挙句、新総裁となった石破は、総理就任前から解散を宣言。この解散はキシダが総理になった時からの予定事項ですから、石破は粛々と自民党権力保持のコマとして動いただけのことですが、ま、ひどいものです。この男が軍事オタクと呼ばれる危険思想の持ち主であることは知っていましたが、アベ、スガ、キシダ、そして今回の他の候補、高市、小泉、河野といった連中に比べたら、会話ができるだけ、ひょっとしたら少しはマシなのではないかと思ったのです。しかし、その淡い期待は半日とは持ちませんでした。しかも、党首会談ではキシダ以上の中身のなさをさらけ出しました。ま、結局は同じ穴のムジナ、だれであっても、自民党は頭の先からつま先まで自民党、ちゅーことです。

首相となって何の仕事もしないうちに解散することに、政治上の大義は何一つありません。目的は、少しでも選挙に勝てそうなうちに任期をリセットし、そして首尾良く与党の地位が維持できれば、「国民の信任を得た」とか何とか言って、裏金、脱税、官房機密費問題、統一教会、みんなまとめて、闇に葬った上で、権力を握り続ける、その一点です。自党の自分勝手な権力維持と犯罪隠しが目的の解散であって、そのための宣伝活動としての総裁選でした。つまり、「いつもの手口」です。こうして、例えばアベ政権時代も、森友事件、加計学園問題、文書改竄問題、桜を見る会も、あれほど犯罪事実が明らかになっているのに、当事者は何の反省も罰もなくウヤムヤにされてしまいました。自民党が政権を維持するためだけに、総理自ら、何の大義もなく衆院を解散し、このような腹立たしい選挙が頻繁に行われ、その都度、大金が使われ、国政は止まり、喫緊の問題は置き去りにされ、従来からの問題は棚上げにされ、そして、自民党の組織犯罪は闇に葬られ、日本はどんどん堕ちていく、という事が続いております。

当然ですが、解散は内閣不信任案が可決された時のみに限定すべきだと私は思います。(石破も数年前はそう言っていたはずです)少なくとも、イギリスのように、首相主導の解散には議会大多数の承認を必要条件とすべきでしょう。しかるに、現実は、憲法施行後の解散の8割以上が内閣(即ち通常は政権与党)の利己的目的で解散した大義なき解散です。
 しかし、それでも国民が十分に理性的な判断ができ、自由に意思表示できるのならば、自民党は外国のようにとっくの昔に政権から転がり落ちているはずです。結局、テレビでちょっと宣伝して組織票を動員すれば、中身はお粗末きわまりない犯罪政党でも、票が集まるような国が日本なのです。何の実績もビジョンも思考力もないのに、昔のアイドルやスポーツ選手が国政選挙で上位当選するような国が日本です。まさに政治家のレベルは国民のレベル、一賢の唯々は衆愚の諤々に如かず、日本の凋落はまだまだ続きそうです。

さて本題、前回、シオニスト教育システムで洗脳されたイスラエル人社会の異常さをイスラエル人が告発する動画を紹介しました。また、第三者からも、イスラエル社会の異常さは指摘されています。今回は、ジャーナリスト、Richard Sandersのレポートを紹介します。

「これはBBCやCNNなどの西側メディアでは見ることのない映像です。この一年、われわれは21世紀最大の犯罪を目にしました。異常極まりないことに、これらの犯罪の証拠は、その犯罪行為者自身によって綿密に記録され、提示されているのです。、、、それらは本当にショッキングなものです。人口13,000ほどの小さな町、キルべ クザーを見てみましょう。イスラエル軍はクリスマスの後にこの町に入り、人々を退去させた後、町を完全に破壊しました。意図的に市民の資産を破壊することはどういう理由であれ、国際犯罪法違反です。彼らはその過程を記録し、フェイスブックで公開しているのです。彼らはパレスティナ人の家に入り込み、そこにある家財を破壊し、その様子を撮影しました。彼らはまた、女性のタンスを物色しては下着を漁るのですが、どうも、これはイスラエル兵士に共通の性癖のようです。、、、、
(イスラエル ラジオ出演者の映像:『もし、ここにボタンがあって、押せば、直ちにガザで生きているものが消滅するとしたら、僕なら、すぐに押すね。俺にボタンをくれ!』)
 私たちは、怪しげなサブ カルチャーみたいなものをイスラエル社会に探しているのではないのです。このような人々こそがイスラエル社会の主流派なのです。、、、
 イスラエル軍はAIを使って、最も効率的な殺人の仕方を計算し、家に人々がいるときに殺すのが最も効率がよいと結論しました。そこで、二つ目のソフト「パパはどこ?」を投入します。このソフトは標的である男親を追跡し、父親が家にいるときを見計らって攻撃するのです。そうすると標的のみならず、その家族を一緒に殺すことができるというわけです。イスラエル兵士が撮影して公開したこれらの内容は驚くべきものです。しかし、一方で、彼らの映像に出てこないものは何かという疑問が湧きます。不思議なことに(戦闘員である)彼らが戦闘に従事している映像はほとんど見ません。一方でイスラエル兵士が女性の下着を身につけてふざけている映像は多く目にします。一体、彼らは本当にハマスと戦ってハマスを壊滅させたのでしょうか?私は、当たり前のことを指摘したいと思います。イスラエル兵士は何千というビデオをネットにあげていますが、(戦闘の証拠となる)兵士の死体を示す映像はほとんどないのです。、、、
 この戦争の異常な面の一つは、病院を繰り返し攻撃していることです。かれらは36のガザの病院すべてを攻撃したのです。、、、、
 イスラエル兵士によるこれらのビデオに際立っているのは、異常なまでの特権意識です。、、、、彼らは非武装の市民を狙撃して殺害した映像を(殺害者の)自分の名前で公開しています。、、、彼らが狙うのは大人だけではありません。子供も狙撃されます。「PRESS」ジャケットを着ているジャーナリストも狙撃され、殺されました。結果、10%以上にあたるガザのジャーナリストが死にました。歩兵の死亡率は普通5%未満ですから、このジャーナリストの死亡率の高さは完全にショッキングなレベルです。、、、
 イスラエルに拉致されているパレスティナ人捕虜への虐待も問題です。6月末までで、イスラエルの収容所で53人が殺されています。しかも、イスラエルのテレビ局はこの虐待の様子を誇らしげに放送したのです。目的はイスラエル国民にパレスティナ人捕虜が如何に虐待されているかを知らしめることです。、、、彼らはそれを隠そうとも知らないふりをしようともしないのです。、、、、
 イスラエルはハマスが民間人を盾にしていることを、一般市民殺害の理由として正当化しているが、事実は全くの逆です。
(イギリスのパレスティナ大使の映像) 『イスラエルが、犠牲者(パレスティナ)人を殺した上で、その罪を犠牲者に被せる、というのはどういう理屈なのだ?』、、、
 西側の政治家のダブル スタンダードには呆れるばかりです。イランの報復についてのDavid LamyとKier Stammerの反応をみてみればよいでしょう。イランはその報復攻撃で誰一人殺していないのです。(一方、イスラエルはイランのテヘランとシリアのイラン大使館を攻撃して外交官を含む複数人殺害した)
Stammer: 『私は、無実のイスラエル人を殺そうとするイラン政府の試みを完全に非難する!』
その一方で、彼らは、4万人以上の市民を殺したイスラエルを非難することはないのです。彼らは一様に「イスラエルには自己防衛の権利がある」と言うわけですが、もう一方の自己防衛の権利については口を噤む、このダブルスタンダードには言葉がありません。、、、、、」

イスラエル社会の異常さは下のAbby Martinのビデオでも示されています。

The disgusting glorification of Israeli Forces Execution of Palestinians is exposed by .@AbbyMartin pic.twitter.com/mq0b97CALf

私はアブドル アルシュリフがイスラエル兵に殺害された現場に来ています。犠牲者の家族がその様子を映像に撮っていたのです。(その映像が広まって)以来、家族は、イスラエル兵士や入植者の殺害脅迫を日常的に受けています。

このビデオに示されているようにアブドル は殺されました。アブドルは負傷して地面に三分ほど伏していたのですが、イスラエル兵士、エロール アザリアは戻ってきて、何気ない様子でアブドルの頭を撃ったのです。このビデオが拡散して、イスラエル政府は狙撃者であるエロール アザリアを自宅監禁にせざるを得なくなりましたが、今日、彼はイスラエルの英雄と見なされており、彼を支持するデモがイスラエル国内で開かれています。(群衆 『ユダヤは魂、アラブをやっつけろ、アラブ人はクソだ!』)ヘブロンの占領区に立ち寄った時、私は、ただちに入植者の子供に止められました。その子供はこの殺人現場のすぐそばでイスラエル兵士とたむろしていたのでした。
子供『この土地は、僕たちのものだ。あなたが何を言おうと。もう決まったんだ』
レポーター『君たちは、エロール アザリアのことをどう思っているんだ?』
子供『彼はすばらしい男だ』
レポーター『彼が、アラブ人の頭を撃って殺したことは良いことなのか?』
子供『うん』
レポーター『君はアラブ人の頭を撃ちたいのか?』
子供『うん』

エロール アザリアが(無抵抗の市民アブドルを)射殺したことが明るみになったのは、その映像があったからにすぎないのです。ここでは(イスラエル兵士による)パレスティナ市民への銃撃は日常茶飯事なのです。
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イスラエル人の話

2024-10-15 | Weblog
先週末、日本の反核運動グループ、被団協がノーベル平和賞を受賞しました。1956年からの地道な運動が国際的に評価されたものと思います。こうした人々の行動と善意が少しずつ世界を変えてきたと私は思います。代表者の箕牧智之理事長は、「パレスチナ自治区ガザで子どもが血をいっぱい出しているのは、80年前の日本と重なる」と発言。80年前のヒロシマ-ナガサキと今日のガザ、共通しているのは、アメリカの殺人兵器による市民の無差別大量殺人であるということです。

多分、キューバ危機以来、今日ほど核戦争のリスクが高まった時代はなかったでしょう。核戦争となれば、人類は破滅です。現在、アメリカが愚かにもロシアを挑発し続けています。アメリカが日本に核爆弾を投下して市民を虐殺した時と、今は時代が違います。もし次に核が使われるときが来るとすると、一発では終わりません。それは核保有国同士が核兵器で攻撃し合う破滅的な世界戦争になるでしょう。

核戦争の危機はアメリカの愚かさとイスラエルの狂気がもたらしています。ロシアが核を使う時、アメリカの1/3が消滅するであろうということをアメリカは理解しているのでしょうか。イランは間も無く核保有国となるでしょう。イスラエルがイランと全面戦争になれば、中東ごと吹き飛ぶことをネタニヤフはわかっているのでしょうか。現実味を帯びてきた核戦争をオスローの委員会は恐れたのではないでしょうか。歴史上、唯一の核兵器投下国であるアメリカに対する警告の意をこめてのノーベル平和賞だったのではないかと思います。

さて、パレスティナ自治区のみならず、シリア、レバノンといった周辺アラブ諸国に戦争をしかけて、中東平和のみならず、イスラエルの安全と経済を破壊してきた狂人ネタニヤフですが、彼が長年イスラエル政府の中枢で活動できたのは、彼を支持する国民が一定数いたからであります。

先日紹介したユダヤ系アメリカ人のNorman Finkelsteinは「イスラエルは狂気の国家であり、ネタニヤフはそんなイスラエル社会を反映しているのだ」と述べました。つまり、彼一人が狂っているのではなく、かなりの数の国民が彼のビジョン(ユダヤ人は神に選ばれ、他民族よりも優れた人種で、ナイル川からユーフラテス川に至る一帯を領地とするユダヤ国家が中東を支配すべきである)を共有しているということです。地図を見れば、その構想は、太平洋戦争前に日本がアメリカに戦争をしかけて勝利するというぐらいに、バカげた妄想であるのは明らかですが、それをおかしいと思わないというのは、イスラエルのシオニズム教義を子供のころから教え込まれることによって、イスラエル国民が「洗脳」されているのでしょう。

これまで、第三者またはパレスティナ側の当事者からの話を拾ってきましたが、今回、過去にパレスティナ解放のために行動したイスラエル人の話を見つけましたので紹介します。


2022年5月15日(ナクバの日)、#Bristol7と呼ばれるグループは、イスラエルがガザとヨルダン川西岸で使用する武器や監視装置を製造するエルビット・システムズUKのブリストル本社を占拠しました。 その運動に参加したイスラエルのシオニスト体制で育ったユダヤ人二人がインタビューに答えています。

Stavit: 「私はアパルタイト政策下のイスラエルで、ホロコーストを生き延びた一家の子供として育ちました。そして、私は「シオニスト教育システム」の産物だったのです。私はパレスティナのことを知りませんでした。私はそれがどこにあるかも知らず、どこか遠い場所にあるものだと思っていました。イスラエルがパレスティナの上に築かれたものであるとは全く思っていませんでした。、、、子供時代、私はユダヤ人以外の人と接触することはほとんどなかったのです。、、、」
Ronnie: 「子供たちは周囲の国を恐れるように教えられました。、、、シオニズムの排他性はその特徴です。、、、、私はシオニズムを「カルト」に例えてきました。時には、シオニズムを「精神病」に例えることもあります。(シオニストは)まさに精神病の症状を示しているからです。彼らは、文字通り、パレスティナ人を同じ人間として見ることができないからです。このことは知っておくべきことです」
Stavit: 「私はシオニスト教育システムの中で、優秀な軍人になることを期待されていました。、、、」
Ronnie: 「徴兵された後、私は、自ら学んで、この教育システムから一年半かけて、抜け出しました。、、、」
Stavit: 「私は、幸運にも徴兵を避けることができて、大学に進学し、植民地主義とアパルタイトについて話す知識人と出会い、パレスティナの原住民の人々を迫害し、彼らの自由と生活を奪う植民地主義と帝国主義の歴史的な力に気付かされました」
Ronne: 「私同様に軍隊を嫌がる人々が軍を抜けれるように手助けする一方で、私は外部で活動する必要を感じ、そして活動家となったのです。、、、」
Stavit: 「エルビットのことは知っていました。2011年のテルアビブではエルビットが作るドローン兵器が二人の子供を爆撃し殺したからです。、、、」
Ronnie: 「エルビットはガザで使われている殺人ドローンの85%を作っています。」
Stavit: 「ホロコーストを生き延びた家系からきた私としては、『人類に対する犯罪』が行われている時に、犯罪者の側に立ってはならないことは自明でした。、、、私が大学教育のために国外に出て、BDS (Boycott-Divestment-Sanctions)運動になどの活動に参加し、政治家や行政担当者に働きかけましたが、いずれも行き止まりに行き着ました。この時点で、(残される手段として)イスラエルに送る兵器製造を止めるための直接的行動に出ることが必須となりました」
Ronne: 「かつては、イギリスにも公平な法体制があり、イスラエルの戦争犯罪を追及することが可能でした。しかし、イギリスは法律の方を変えて、イスラエルの戦争犯罪者が入国できるようにしたのです。2011年、Tzipi Livniがイギリスに来た時、逮捕状が出されたわけですが、検察庁長官であったKeir Starmer (労働党党首、現イギリス首相)が、それを覆したのでした。、、、」
Stavit: 「そして、私たちは、明文化された法律によって、エルビットのようなジェノサイドに使用されるような非合法な兵器を作ることを阻止する権利を行使したのです(エルビットUKの占拠)」
Ronnie: 「ところがイギリスでは、こうした(エルビットのような)犯罪組織に反対するものを犯罪者とラベルを貼るのです。、、、」
Stavit: 「行動を起こさないことは、(行動を起こして)刑務所に行くよりもはるかに悪い結果となったでしょう。なぜなら、それは私たちが私たち自身の監獄に繋がれることを意味するからです。、、、、自由は向こうから出てこない、私たちがその助産婦とならない限り。そして、産みの痛みは避けられないのです。私たちは(エルビットの破壊を試みたことを)誇りに思っています。これはなされなければならなかったと思っています。そして、我々の運動に続く人々が現れてこの戦争マシンを止めて欲しいと願っています」

ついでに、ガザでの診療にあたったアメリカ人医師の証言を追加しておきます。イスラエルが異常精神状態にあって「人の心」を失ってしまっている証拠でしょう。

「、、、、何が起こっているのかについて、いくつかの事が際立っていました。一つは栄養不足と飢餓です。これは完全に明らかなように意図的なものです。、、、二つ目は、子供が意図的に銃撃されているという事です。これは予想していなかった事です。多くの子供が殺されているのは知っていましたが、多くは爆撃によるものだと思っていました。しかし、それでは、子供たちが頭を撃ち抜かれており、しかも毎日それが起こっているということを説明できません。文字通り、毎日、頭を撃ち抜かれた子供を私は見ています。これは事故ではありません。意図的に子供を標的とした殺人です。、、、、」
「私が多く見た外傷は、イスラエル軍の爆撃によるクラッシュ症候群ですが、そのうち6-7割は子供でした。一方、明かに意図的に銃撃されたと思われる例もみました。お腹や胸を撃ち抜かれた子供、手足を撃たれた赤ちゃん、墓地に設置された地雷に吹き飛ばされた子供、、、、医師の立場から見て、これらの損傷のパターンはとても恐ろしいものでした、、、」


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Lowkey on a high note

2024-10-08 | Weblog
10/7でハマスの蜂起から一年となりました。イスラエルとアメリカの信じ難いほどの邪悪さと残忍さと愚かさに、人間は簡単には成長しないと痛感すると同時に、世界がこの邪悪を一年たっても止めることができなかったことに絶望を感じざるを得ません。その間、イスラエルの攻撃によってガザの土地の8割が破壊尽くされ、確認された4万人あまりの犠牲者に瓦礫の下で亡くなったまま放置されている犠牲者を加えると約20万人のパレスティナ人が犠牲になったと考えられています。このイスラエルの邪悪の最大の支援者はアメリカとアメリカの属国であります。これらの国は、国民の大多数が反対しているにも関わらず、国民の声を聞かない政府が統治する国、すなわち「民主主義国家」という名の独裁国であります。傲慢、強欲で、他民族を見下し、世界中から嫌われた挙句に、ひたすらに破滅に向かって権力を濫用する愚か者の独裁者、そんなものがイスラエルの首相であり、アメリカの大統領なのです。そんなものどもを国家の代表に選ぶ国民も結局は罪を負わねばならぬでしょう。因果応報で自らの行いは返ってきます。

それから、10/7はノーベル生理学賞の発表の日でした。驚いたことにmicroRNAが受賞しました。受賞者であるVictor Ambros とGary Ruvkunの1993年の二本のCellの論文は、発表当時、大きな関心を呼ぶことはありませんでしたが、それから8年たって、Ambrosのグループを含む三つのグループが2001年に同時にScienceに論文を発表し、microRNAという言葉が生まれてから、爆発的なmicroRNA研究が展開しました。Ambrosとあとの二つのグループ、MITのBartelと当時ドイツのTuschlのグループ、それから、それに続いた多くの研究グループがmicroRNA研究の主動力であったと言えます。

RuvkunとAmbrosはMITの線虫の遺伝学の研究者であったRobert Horwitzの弟子で、この二人は基本的に線虫の遺伝学者であり、microRNA研究の主動力は、遺伝学者ではなく、むしろ生化学、分子細胞生物学のグループでした。Ruvkunに関しては1993年の論文以来、microRNAの研究はほとんどやっていなかったはずで、彼のこの分野での貢献は限定的です。

microRNAがノーベル賞になったことに私が驚いたには複数の理由があります。まず、1998年のAndrew FireとCraig Melloの発見であったmicroRNAと近縁の現象であるRNAiがすでに2006年にノーベル賞になっていること、RNAiと違ってmicroRNAの発見は実用的な技術に(未だ)つながっていないこと、そしてmicroRNA研究分野はすでに衰退期にあること、などです。
私のノーベル予想は、インクレチンでしたが、どうも今年ではなかったようです。

さて、本題。イランは今年4月、シリアのイラン大使館をイスラエルに攻撃された際に限定的な報復を行いました。そして、ハマスのリーダーをテヘランでイスラエルに殺された際、報復を明言していました。そんな中で、イスラエルはベイルートへの攻撃を激化させて、ヒズボラのリーダー、ナスララを殺害したのをうけて、10/1 、ついにイランはイスラエルに報復を行い、軍事組織をターゲットにミサイル攻撃しました。かなりのダメージを与えたようですが、イスラエル市民の犠牲は避けられたようです。

イランはその軍事能力の一端を示し、イスラエルを牽制したわけですが、狂人ネタニヤフはイランの意図も今後の展開をも考える理性を失っているようで、報復を宣言し、石油施設や核開発施設を攻撃する意図を示しました。一方で、プーチンはイランに最新の対空防衛システムを供与して支援。また、イスラエルのアパルタイト政権を批判してきたテヘラン大のSeyed Marandi教授によると、イランはアメリカのイラク、アフガニスタン侵攻時から、対米戦争に備え、軍事力増強を図ってきており、西側諸国が把握しているよりもはるかに強大な攻撃能力を地下に保有しており、イスラエルがイランの攻撃をした場合、イランは数ヶ月にわたってイスラエルを攻撃しつづけるぐらいのミサイルを備えているという話です。

イスラエルの攻撃力はアメリカに依存しており、またイスラエル軍は武器を持たない市民を射撃したり殺したりはできるが、ヒズボラのような実際の戦闘員を相手にできるような訓練は受けていないということで、レバノン侵攻で地上戦になったら、イスラエル軍は大きな痛手を負うことになるだろうという予測。

これが本当だとすると、西側メディアやイスラエルの「イスラエルは鉄壁の守りがあり、強大な軍事力で周囲のアラブ諸国を圧倒している」という主張とはかなりの隔たりがあります。実のところ、ウクライナと同じでイスラエルもアメリカが手を引けば、一気に崩落する程度に脆弱な状態にあるのかも知れません。

そして週末、イスラエルは1982年のレバノン侵攻を繰り返すかのように、ベイルートの居住区に大規模な空爆を行いました。ヒズボラは対抗してHaifaの軍事施設を爆撃した模様です。多分、イスラエルは対イラン戦争にまでエスカレートさせ、アメリカを直接戦争に引き込むしか、長期的に勝利をおさめる手段がないというところに追い込まれつつあると感じます。

さて、イギリスの活動家でもあるラッパーのLowkey、ガザのジェノサイドが始まった後、「Palestine will never die」や「Genocide Joe」というメッセージ ソングを発表していますが、先週のPiers Morganのショーに出演しました。モーガンが都合の悪い話の腰を折ろうと口をはさんでくるのを跳ね返すLowkeyの主張はなかなか圧巻でしたので、紹介します。15年にわたってパレスティナの人権侵害にコミットしてきた人間と、西側プロパガンディストとしての立場から議論する人間とでは言葉の重みが違います。

「、、、、イスラエルは忘れてしまっているようだが、憶えておかないといけないことは、戦争に勝つということは、『相手集団の中で最も弱い者を工業的規模で殺しまくる』ことではない。これは、イスラエルが得意とするところで、シオニズムの根本的態度(弱いものいじめ)である。戦争に勝つということは『最大数の人々をこちら側の視点に納得させる』ということだ。もしも、この基準でこの戦争を見るならば、イスラエルはガザで敗北したのである。そして、レバノンでも敗北するだろう。なぜなら、現在、イスラエルは世界中にこれまでになかった数の敵を作り、これまでになかった数のシオニズムに批判的な人々生んだのであり、そして、今やより多くの人が『(シオニズムは)、反生命イデオロギーであって、多くの人々がそれによって殺され苦しめられている』ということを理解するようになったからだ。、、、、

(Piersに向かって)あなたに質問がある。New Core International (NCI)のルパード マードックは、あなたの雇用者だ、、、そして、NCIにはチャリティー部門があって、エルサレムに不法居住地を建設している『エルサレム財団』に寄付をしている。
(Piers: 「それが私と何の関係があるんだ!」) 
さて、あなたはルパード マードックを批判するか?、、、
これは、 (文書をとりだして) イギリスのメディアでは、これまで発表されたことのないものだ。これはネタニヤフの政治団体が発行した文書で、下にはネタニヤフのサインがある。この文書はネタニヤフの政治キャンペーンの支持者のリストだ。ここに、この名前がある。ルパード マードック、あなたの雇用者だ。、、、
(Piers: 「彼は私の番組に口を挟んだことはない、、、」) 
Sam Kileyは、マードックのイスラエルへの投資と偏向のためにTimes紙を辞職したんですよ、、、、」

西側メディアは、アメリカとイギリスのプロパガンダを拡散し、イスラエルのジェノサイドを幇助する共謀者である、とその実行兵の目の前に、突きつけたわけです。アメリカやイギリスにとっては、ロシアは悪の帝国でイランはテロリストの巣窟で、イスラエルは中東で唯一の民主主義国家でなければならぬのでしょう。アメリカとイスラエルがやってきたことを客観的にながめれば、事実は全くの真逆なわけであるわけですが。

Palestine will never die
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Mearsheimer教授インタビュー

2024-10-01 | Weblog
通信機器を使ったテロ攻撃に続き、イスラエルがレバノン都市部への無差別絨毯爆撃で一日に500人以上という数の殺戮を行い、さらにヒズボラのリーダー、ナスララを殺害した先週でした。ニューヨークの国連前では、イスラエルに抗議しての巨大なデモ。国連総会でのネタニヤフの演説では半数の出席者が立ち去り、ネタニヤフに対する抗議の意を示しました。

このイスラエルの暴虐はアメリカがイスラエルを支援するのをやめれば終わります。中東平和の最大の障害になっているのは、イスラエル ロビーに操られるバイデン-ハリスのジェノサイド コンビと言えます。イランは、イスラエルの抑圧に抵抗する勢力を支援してきており、7月にハマスのリーダーを殺された時にイスラエルの報復を宣言しました。今度はヒズボラのリーダーです。イランも立場上ももはや何もしないという選択は無くなったと思います。

認知症バイデンと張子のハリス、そして対抗馬がトランプという絶望的なアメリカのリーダーシップですが、イランが行動を起こし、ヒズボラとフーチーが反撃を始める前に、アメリカはイスラエルのキチガイ沙汰をやめさせねばなりません。

ネタニヤフの意図は、状況を悪化させてアメリカを中東戦争に引き込むことでしょう。本気で状況を収めようとしているのなら、交渉によって協定を結ばねばならない対立組織のリーダーを殺すわけがない。ネタニヤフは交渉するつもりも人質を奪還するつもりもないということです。現在、この狂人をすぐに止めれるのはその共謀者であるアメリカだけと言ってよいと思うのですが、シオニストを自称するバイデンがその大統領ですから、現政権に「良識」は求むべくもありません。

アメリカにもかつては多少の良識があった頃もありました。ヒズボラが結成されるきっかけとなった1982年のイスラエルのレバノン侵攻時、イスラエルは例のごとく、レバノン市民の虐殺を行いました。それを止めたのが当時のアメリカ大統領だったレーガンで、その時の様子を描いた記事があります。

、、、、イスラエルを信頼できる同盟国だと考えていたレーガンは、レバノンで起きていることに憤慨した。 イスラエル軍は10日間にわたってベイルートを包囲し、8月12日には、11時間連続でベイルート西部を空爆した。
  ディーバーの提案で、レーガンはイスラエルの メナへム ベギン首相に電話をかけた。 「メナヘム、イスラエルのやっていることはホロコーストだ」とレーガンは言った。
 べギンは、「大統領、ホロコーストとは何か、私は知っているつもりです」と冷笑的に答えた。
 レーガンは譲らず、更にベギンに爆撃を止めるように言った。 すると、20分後にベギンから電話があり、イスラエル軍に攻撃中止を命じたと、伝えられた。 レーガンは礼を言って電話を切り、ディーバーに言った。「私にこんな力があったとは知らなかったよ」、、、、

唯一、イスラエルを止める力を持っている立場にいる人間が、耄碌したシオニストのバイデンと、中身が空のハリス、どう考えても、彼らがネタニヤフを止められるようには思えないです。まして、彼らはイスラエル ロビーに逆らえば、政治生命どころか物理的生命も危ないと思っているでしょうし。

イスラエルは、ほぼ一年にわたってガザを攻撃し、推定20万人のパレスティナ人を殺害し、ハマスのリーダーも殺害したのに、ハマスを根絶することはできなかったのです。まして、ハマスよりもより強大なヒズボラを根絶することはできないのは自明だし、仮に彼らを抑えつけても、イスラエルによるアラブの不法占拠が続く限り、イエメンの抵抗勢力やイランといった国々はヒズボラやハマスを支援し続けるでしょう。なぜなら、抑圧者のイスラエルにではなく、イスラエルの不法占領によって権利を侵害されてきたパレスティナ人にこそ、自己防衛の権利があるからです。

現在、なぜイスラエルは、長期的には自滅にしか繋がらない攻撃を周囲の国々にし続けるのでしょうか。ウクライナも同じですが、攻撃をやめて、話し合い、お互いが妥協できる点を見つけるという大人の対応ができないのは、想像するに、これらの国のリーダーが、みみっちい動機、すなわ「保身」によって動いているからではないかと思わざるを得ません。

すでに汚職で告発され、世界中から凶悪戦争犯罪人として非難されているネタニヤフ、ロシアとの交渉を拒否し続け、50万人というウクライナ兵士を無駄死させ、ウクライナという国を消滅の危機にまで追い込んだ臨時大統領のゼレンスキー、戦争が終われば、二人とも裁かれ、失脚する運命です。逆に言えば、戦争を継続することでしか、彼らは自らの政治生命、社会生命、あるいは生命そのものを保つことができないと、彼らは思っているでしょう。

先日、ゼレンスキーはトランプタワーでトランプと会談、その後の会見で、トランプが「私とプーチンとは良い関係にあるから、大統領になったら、私がウクライナ戦争を終わらせる」とシレッと言った時、「私たちとの方がもっと良い関係だよね?」と慌てて割って入ったゼレンスキーには笑えました。ゼレンスキーの運命は時期アメリカ大統領選の結果にかかっているわけですが、ネタニヤフに引導を渡すには世界全体の市民の圧力が頼りです。

さて、本題。先週のPiers Morganのショーでのシカゴ大の政治学者John Mearsheimerのインタビューの一部を紹介します。これはイスラエルがヒズボラへの攻撃を激化する直前のものです。

Mearsheimer氏はコロンビア大のJeffrey Sacks氏と並んで、外国政策の専門家で、中東、ウクライナ情勢に関しては、この二人はほぼ同様の意見を共有しております。ロシアに対しては二人ともロシアは(アメリカが挑発しない限り)脅威ではないと考えている一方で、中国に対してはMearsheimerは中国が北半球でのヘゲモニーをアメリカと争う可能性を危惧しているようですが、Sacks氏は中国も脅威ではないとする点で差があります。

私はSacks氏と同じく、アメリカが煽らない限り、ロシアも中国も基本的に帝国主義的な振る舞いはしないと思います。ロシアはすでに広大な土地と天然資源を持ち、プーチン自身が言う通り、自国の安全が保障される限り、わざわざ外国に戦争を仕掛ける動機がないですし(ウクライナへの侵攻はこの理由)、中華思想が浸透している中国もわざわざ(日本も含む)辺境の未開の土地を侵略してわがものにしようとする動機が薄いでしょう。世界との貿易で成り立っている中国にとって、外国と喧嘩して得られるものは損失のみと中国人は計算しています。そもそも、ロシアは領土を広げる必要がないし、14億の人口を持つ中国の政府は自分の国をなんとか統治するだけで精一杯というのが本音ではないでしょうか。

戦争をすれば、自身も大きなダメージを受けます。ウクライナがよい例です。先日、トランプが語ったように、ウクライナはほとんど崩壊しました。私はトランプという男のほとんど全てが嫌いですが、次期米国大統領としてカマラ ハリスか彼のどちらかを選択せざるを得ないとしたら、鼻をつまんで、彼を選ばざるを得ないと感じます。どちらがやってもカタストロフィックな未来になるかも知れません。トランプの幼稚な性格と予測不能さは子供が火遊びするように危険です。しかし、このまま放っておけば、人類全体が焼け死ぬことになるような火遊び(ウクライナ戦争からの核戦争)を継続するとの予測が確実なカマラ ハリスよりは、ウクライナ戦争を終わらせると言っているトランプの方がマシと言わざるを得ないような気がします。私としては、諸悪の根源である軍産やイスラエルと縁を切ることができる共和党でも民主党でもない団体、(日本で言えば、アメリカ、経団連、統一教会に操られていない政党)にやってもらいたいと思っておりますが今のところムリそうです。

この番組は、インタビューアのピアスが、西側プロパガンダに沿って(ショーの演出のためと思いたいですが)バカな質問をするのを、専門家が冷静に料理するという仕立てになっています。


以下、各論点におけるMearsheimer氏の反応のまとめ:

1)イスラエルとヒズボラの戦闘について
「イスラエルは大きなトラブルにある。彼らがガザのジェノサイドを継続する限り、ヒズボラはイスラエルを攻撃しつづけると主張している。イスラエルはガザでの攻撃を止めるつもりはないから、ヒズボラの攻撃は続く。、、、いくら激しくヒズボラを攻撃してもヒズボラがイスラエル攻撃を止め得るという確証はないし、イスラエルは(レバノンに地上侵攻して)ヒズボラを力でねじ伏せるだけの力はないだろう。イスラエルに有効な戦術はない、、、」

2)イスラエルが電子機器に爆弾を仕掛けてヒズボラを攻撃したのは戦争犯罪にあたるか?
「無差別に市民の犠牲を生むような形の攻撃は『戦争犯罪』にあたる。こうした攻撃はテロである」

3)ハマスやヒズボラのテロ攻撃はイスラエルの国家存続の脅威ではないか
「10/7の攻撃は突然に起きたのではない。イスラエルはアパルタイト国家で、ガザは天井のない監獄であって、ガザのパレスティナ人はイスラエルにずっと抑圧されていた。彼らが監獄から出ようとテロという手段を使ったのだ、、、、、イスラエルが軍事力を使ってパレスティナを抑圧してきたのである。圧倒的な軍事力の差がある中で、ハマスやヒズボラ、あるいはイランがイスラエル国家存続の脅威だというのはバカげた議論だ」

4)ハマスやヒズボラがなくなったら中東は平和になるのでは?
「ハマスやヒズボラは人種差別国家であるイスラエルのパレスティナ人抑圧の結果として起きたものだ。イスラエルが態度を改めない限り、彼らは何度でも立ち上がる」

5)アメリカ大統領選が中東およびウクライナ情勢に与える影響について
「トランプであれ カマラ ハリスであれ、中東政策は同じだ。彼らは継続的にイスラエルを無条件に支援するだろう。しかし、ウクライナについては話は違う。さっき言ったように中東に関しては、彼ら(民主党と共和党)はTweedledeeとTweedledum (「不思議の国のアリス」に出てくる双子のキャラクター)だ。中国に対しても同じスタンスだろう。ウクライナについては、ハリスはこれまでのバイデンの方針を踏襲するだろうが、トランプは、ロシアと合意をして戦争を終わらせようとするだろう。トランプはどっちが勝とうが気にしない。だから、もしも、(これは大きな仮定だが)トランプが勝ってその政策を実行できるとしたら、トランプはハリスとは全く異なったように振る舞うだろう」

5)あなたは、ウクライナが敗戦を受け入れて戦争を終わらせることが望ましいと主張しているようだが?
「倫理的観点からは、これ以上、ウクライナに兵器を供与して戦争を長引かせるべきではないと思う、、、現実は、ウクライナは戦闘において、ひどい敗北を被りつつある。この状況をひっくり返すことは無理だ。そして、ウクライナの被害は戦争が長引けば長引くほど、悪くなるだけだ。戦争は確実にロシアの勝利に終わる。西側諸国とアメリカがウクライナにより多くの兵器を供与して彼らの戦闘を継続させればさせるほど、ウクライナはより多くの領土を失い、より多くのウクライナ人が死ぬことになる。倫理的に正しいことは、一刻も早く戦争を終わらせることだ」

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