百醜千拙草

何とかやっています

世界を調和から救う

2018-02-27 | Weblog
昨年末、トランプがエルサレムにイスラエルのアメリカ大使館を移すと宣言して物議を醸しました。目立ちたがり屋のトランプがスタンドプレーで言っただけなのか、単に支持層であるchristian evangelistsのご機嫌をとろうとしたのか、トランプが大人の事情を理解できずに口にしたのか、そのナルシスト性格を利用されて黒幕に言わされたのか、あるいはひょっとしてトランプはズル賢くて邪悪な計画の一部として言ったものなのか、判断がつきかねていましたが、何れにしても、火種がグズグズと燻っているところに、爆弾を投げ込むような危険な行為であることには違いがありません。

挑発的なことを言って目立ちたいだけなのだろうとタカを括っていましたが、週末のニュースで、どうも本気であるらしいという話。

東京新聞、米大使館、エルサレムへ5月に移転 大幅前倒し
【ワシントン=後藤孝好】米国務省は二十三日、イスラエル建国七十周年を迎える五月十四日に合わせ、商都テルアビブにある米大使館をエルサレムへ移転すると発表した。二〇一九年末までに実施するとしていた従来の方針からの大幅な前倒しで、東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置付けるパレスチナ自治政府が反発を強めるのは確実だ。
、、、「多くの国や人々から『やらないでくれ』と懇願されたが、正しいことをやった」と(トランプは)述べた。
 国務省のナウアート報道官は声明で「われわれは、歴史的なステップを踏み出すことに興奮している。五月の開館を心待ちにしている」と述べた。


国連決議を無視、一方的に正義を振りかざす、かつての世界の嫌われ者でいじめっ子のアメリカに逆戻りです。北朝鮮にも強硬姿勢、中国、韓国とも摩擦を起こしかねません。

この間、アメリカの小学生ぐらいの子供にトランプについてどう思うかというインタビュー動画を見ましたが、それを思い出しました。

「政権一年目のトランプをどう評価する?」
「良いと思う」
「その理由は?」
「(ちょっと沈黙して)、、、世界を救ったからです」
「何から救ったの?」
「、、、調和 (harmony)から」

十年おきの戦争で経済を回してきたアメリカ、世界平和はは都合が悪い、この子供のコメントは意味深です。

昨年の時点でエルサレムへの大使館移転の声明を出した時の識者のコメント。
トランプが開けたパンドラの箱、エルサレム大使館移転問題の行方
三代にわたり米国大統領が封印してきたパンドラの箱をトランプ大統領が解き放ち、今月上旬、米国が遂にイスラエル大使館のエルサレム移転に踏み出した。当然ながら、アラブ・イスラム世界だけでなく、全世界に衝撃が走った。
、、、「エルサレム大使館法」とは、95年10月23日に第104議会を通過した法律(Act)で、正式名称を「米国大使館のエルサレムへの移転その他を規定する法律」という。
、、、 同法の注目すべきポイントは、在イスラエル米国大使館のエルサレム移転に関する実質部分と、エルサレムをイスラエルの首都と認める宣言的部分の二つの要素から成り立っていることである。 法律は成立したものの、98年10月以降、本法はクリントン、ブッシュ、オバマの各政権において一貫して、国家の安全保障の観点から、半年ごとの免除措置を発動して先送りされており、現在に至るまで20年近く、全く実施されることがなかった。、、、

エルサレム大使館移転の行方であるが、最悪のシナリオでも、大使館は数年かけて段階的に「西」エルサレムに設置されるとか、同時に「東」エルサレム及びその東部周辺などにも、現在の領事館に加え、例えばパレスチナ代表部等を設置するなどの手段を講じて(郊外のアブ・ディスなど、過去の和平交渉でパレスチナ側の首都候補地として名が挙がった場所はある)、パレスチナ側及びアラブ・イスラム世界に一定の配慮を示すことにより、地域が急激に不安定化する状況を慎重に避けようとするだろう。

米国では、深刻度を増すロシア疑惑をはじめ難問山積の内政に加え、北朝鮮問題でもかつて無いほどに緊張感が高まっている。トランプ政権は、TPP・パリ協定等においてもすでに選挙公約を実施しており、この度のエルサレムの首都認定・大使館移転決定も、国内のキリスト教保守派やユダヤ系に対する支持基盤対策と見るべきであり、実際の大使館移転については、きわめて慎重に、かつ現実的な対応を取ろうとするだろう。

この予測は、外れつつあるような感じです。前倒しして転移を強行するのは、単なる中間選挙用のスタンドプレーなのか、あるいはユダヤ勢力の内外からの圧力があったのか、あるいは、意図的に中東和平をかき乱し、パレスティナやイスラム系国家を挑発してテロや内戦を誘導してそれを口実に例によって軍事介入し、戦争を煽って軍需産業の金儲けのネタにしようとしているのか、わかりませんけど、中東、世界平和にとって危険な行動であることには違いないと思います。イスラエルとアメリカが一緒になって東へ勢力を拡大しようとするなら、ロシアも黙ってはいないでしょうし。


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モチベーションよりも習慣

2018-02-23 | Weblog
前回、素直に誤りを正すことができずに失敗を重ねる人の話をちょっとしました。この人は、covert typeの自己愛性障害があるようで、思うに、すべてはそこからきているように思います。「完璧な自分」という虚像を守るために、自分の犯した過ちを素直に認めて正すということができず、都合の悪いことは誤魔化してやり過ごそうとし、自己愛が傷つくと感情的になって相手を攻撃するために健全な人間関係が築けません。加えて、どうも状況を客観的に見て長期的に考えるということができないので、短期的に自己利益をもたらすという行動が長期的には大きなマイナスになっています。

キャリアの上での具体的なマイナス点を三つ挙げるとすると、健全な人間関係を築けない、自己を客観的に評価して反省するということができないこと、それから不安定さです。不安定さというのは自分の興味があることはそれなりに一生懸命やるのに、興味を失うとどんなに大切なことでもやらないということです。これは研究においては致命的だと思います。

まだ若い実験助手の人と、ある時雑談していた時、ウチの子の成績が良くないという話から、普通の学生だった彼女が大学二年目の時にいかに成績をあげたかという話になりました。大学に入って遊びに忙しかった一年目の終わりに、将来のことを考えて、このままではいけないと思ったそうです。それがモチベーションになったのですが、彼女が言うにはモチベーションはただの切っ掛けにしか過ぎず、実際に成績が上がって奨学金がもらえるようになったのは、実際に毎日授業に出て勉強したからであり、そのためにはとにかく毎朝決まった時間に起きて学校に行って勉強するという作業を習慣化したと言うのです。

二十歳そこそこの人が自分のことをこれだけ客観的に見て解析して言葉として表現できることに、私は感心しました。私が彼女の歳の頃はもっと幼稚でした。この人より十歳年上の自己愛(疑い)の人も、どうもこういうことが理解できていないようです。つまり、夢 - ゴール - 計画 - 実行 - 結果の評価と計画の練り直し、こういう複数のステップからなる自己実現の過程をどうもきっちり理解していないのです。極論すれば、この自己愛の人には「夢」しかなく、その実現に、戦略、計画、そして何より、日々のコンスタントな努力が必要であるという当たり前のことが抜けていてます。それで、興味のあることや新しいことには、比較的一生懸命取り組む(モチベーション)のに、興味が消えるとその仕事をおろそかにして、最後までコツコツとやり遂げる(自己規律による習慣化)ということができません。また、自己を客観的に見れず、また自分の欠点を見たくないので、弱点に真摯に取り組むということができず、結局、欠点はいつまでたっても治らず、いつまでたっても成長しないという結果になってしまいました。

この実験助手の人が言うように、仕事を成し遂げるのは、日々の習慣化した努力であって、モチベーションではない、というのは真理だと思います。一つのプロジェクトが出版にたどり着くまでの過程は我慢の連続です。特に後半のまとめに入った段階では、当初のワクワク感はもはやなく、数多くの面白くない仕事をひたすらこなしてデータを積み重ね、原稿を何度も書き直すという地道な作業の連続です。その我慢の作業は、やるしかないわけですが、その行動力をモチベーションに頼るのは無理があります。むしろ、それは習慣化によって成し遂げられるものだと私も思います。
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誤りを正す

2018-02-20 | Weblog
人生は選択の連続です。過去を振り返って思うのは、一つの選択の誤りは次の選択の誤りを生み、どんどんと間違った方向に向かってしまうということです。間違えたと思ったら、まず立ち止まり、よく考えて引き返す、結局、それが長期的に最良の結果を生みます。
 かつて一緒にやっていた自己愛(疑い)の人がこの典型的な転落コースをたどっています。彼女の成功を願って色々と努力もしたので、私の思いとは逆に失敗に失敗を重ねるこの人のやり方を見ていると正直、心が痛いです。しかし、これは天の法則ですから、もう私には何もできません。この人の場合、間違った選択をした時に立ち止まってその間違いを正すかわりに、誤りをごまかそうとまた別の誤りを犯すのです。それを繰り返していく間にだんだん悪い方向へ迷って行きます。一つ一つの選択は些細なものなのです。しかし誤りは気付いた時に正しておかないと、複利で増えていって気がついた時には自爆するしかないという状況に追い込まれたりします。

アベ一味がその典型ですが、小さなウソのためにまた別のウソを塗り重ねることになり、ウソにウソが自己増殖して巨大なウソになるのです。小さな不正が次の不正を生み、それらが積み重なって、どうにもならない状況になっています。

本物でないもののメッキは時間が経てば自然に剥がれるのです。悪い行いの報いはいつか返ってきます。間違った行いを積み重ねれば、積み重ねるほど、その報いは早くより大きなものとなって返ってきます。私は、アベがその報いを遠からず受けることは間違いないと思いますが、アベが報いを受けたからと言って、その間にアベが国と国民に与えたダメージが回復するわけではありません。

逆もまた真なりです。心の安らかな人は、迷いません。ただ単純にその時その時に「正しい」選択をするだけのことです。うっかり間違えたなら立ち止まり、時間や手間がかかっても引き返して間違いを正していく、そうやって「正しい」選択を続けていけば、自動的に正しい結果に繋がります。

ウソつき佐川君やアベには「安心」というものはないでしょう。後ろめたいことをやってきて、ウソをつき続け、そのウソが見破られているから、ビクビクと逃げ回るしかできないワケです。佐川君、マスコミに捕まるのが嫌で、自宅にも帰らずホテルにコソコソと身を隠しているようですが、家族や子供は、そんな姿を見てどう思うのですかね (雲隠れの佐川・国税庁長官を発見 まるで逃亡犯のような行動)。ホテルからは従業員用のエレベーターで地下駐車場に降りて公用車に乗り、わざわざ遠回りして国税庁に入ったとのこと。- その姿は徴税官というより指名手配の逃亡犯。確定申告シーズンが終わるまで逃げ回るつもりなのだろうか。-

確定申告はじまる。佐川氏に抗議する「納税者一揆」デモで国税局包囲

、、、東京都台東区の女性(71)はこの日、確定申告のために東京上野税務署を訪ねた。保管していたはずの領収書が見つからず、「こういう時、財務省の人たちはどうするのだろう」と思ったという。「自分たちは書類を捨てておいて、納税者には『書類をとっておけ』というのは矛盾していると思う」  別の男性(82)も「佐川さんの国会答弁はウソに違いない。納税するのがバカバカしいと思う人もいるだろう」と話した。

「森友悪代官、安倍、麻生、佐川を追放しよう」と書いたのぼりを立てたデモ隊が財務省、国税庁前を行進しシュプレヒコール。森ゆうこ議員も演説。
 

逃亡犯、ウソつき佐川君、この人に引き返す勇気も人間としての矜持も求めるのは無理かも知れませんけど、「国会での証言はウソでした、申し訳ありません」と正直に国民に頭を下げることが転落コースから踏みとどまれる唯一の手です。自分自身のためにも正しい選択をしてもらいたいと思います。ま、正直に正しいことができる人間なら、最初からウソなどつかないでしょうが。
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フロントページ斜め読み

2018-02-16 | Weblog
去年の半ばから複数の論文のリバイスのための実験に多くの時間を取られて、ちょっと欲求不満が溜まっています。レビューアのコメントもややポイントがずれた高額の実験を要求していますが、「やらない」とはねつけるわけにもいかず、結局、あまり意味のない(と思う)実験をカネと時間をかけてやる羽目になっています。そのようなコメントが出るような論文を投稿したコチラが悪いのだ、自業自得なのだと言い聞かせながらやっています。ま、この一年半ほどの運気の谷間もそろそろも終わりのような気配はするのですが。

さて、サイエンスのフロントページ、斜め読み。

最近は論文のレビューのプロセスを公表する雑誌も増えてきましたが、まだまだレビューは匿名で行われることが多いと思います。ピアレビューですから、知っている人の論文をレビューすることも多いわけで、そこで実名で厳しいコメントを書いたりすると、研究者といえども人の子、感情の動物ですから、恨みを買うこともあり、後々、厄介なことにもなりかねません。「Judge orders unmasking of anonymous peer reviewers」という記事では、あるトレーニング プログラムを開発した会社がトレーニングプログラムの欠点を発表した雑誌を相手に訴訟を起こした事件を取り上げています。その雑誌社はどうもトレーングプログラムを開発した会社の健康ビジネスのライバル会社でもあったようです。論文は結局、撤回されたようですが、雑誌のエディターとレビューアが示し合わせて、論文を採択したという疑いを根拠に、原告側は、レビューアのアイデンティーを明かすように求め、結果、カリフォルニアの法廷がそれを認めたということらしいです。

これは雑誌社の情報の守秘義務のポリシーに反することで、今回の判決は例外的なものとのこと。多分、雑誌社側も逆訴訟をしたために原告の立場にもなったのが原因ではないかという話。

私、透明性を保つのは大切だと思いますが、論文のレビュープロセスというのは、emortionalなもので、レビューアは、著者にとっては、ある意味、エラソーに無理難題を言ってくる厄介な「敵」なようなもので、そこには圧倒的な力関係の差があるわけです。一方、レビューアも忙しい時間を割いてボランティアでやっている仕事であり、いくら科学的に公平なコメントをしたところで、著者から恨みを買う率はそれなりにありますから、雑誌社がレビューアを守ってくれないなら、誰もボランティアをしようとはしないでしょう。

その次のページ、「Forever young? Naked mole rats may know the secret」では、ひょっとしたらNaked mole ratには寿命というものがないのではないか、という衝撃的な仮説が展開されています。

Naked mole ratsは、げっ歯類でありながら、以前から、長寿であることは知られており、マニアに研究されてきました。非常な低酸素状態に耐えることができ、低体温で暗闇に住むためにROSやUVなどによるDNA損傷が起こりにくく、DNA損傷で誘導される細胞老化が抑制されているのではないかという推測があります。加えて、そのbiologyは興味深い現象に満ちており、2013年のNatureの論文では、Naked mole ratsにがんができにくい理由として、細胞が高分子のヒアルロナンを分泌し、そのシグナルの上昇ががん抑制効果を担っているというデータが発表されています。

今回のサイエンスの記事ではNaked mole rat研究者、Rochelle Buffensteinが彼女の三千匹に及ぶnaked mole ratsの記録を解析したところ、35年にわたるデータから、ひょっとしたらNaked moleには寿命というものがないぐらい長生きで、動物はランダムに死んでいくのではないかという衝撃的な仮説を提唱しています。ただし、最も長生きしているもので今のところ35歳ですから、誰かが100年単位で観察すれば、寿命というものは見えてくるかもしれません。
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Serendipityの科学

2018-02-13 | Weblog
Natureの記事。
 Lucky Science (The serendipity test)
を読んで。


科学では、思いがけないようなきっかけで大発見につながることが多いものだと、多くの人が信じていることです。ペニシリンの発見、X線の発見、などなど、ヒョンなことから大きな発見につながったこうした例を多くに人が知っており、その発見の経緯はドラマを見るかのような例も多いです。個人的にも思いがけないデータなどを考え直してみることで発見に至ったという経験を持つ人は多いと思いますし、私もこれまでの論文を振り返ると、トップダウンのプロジェクトが思い通りに進むことはまずなく、論文のネタは実験がうまくいかずに妙な結果が出た場合に拾ってきたものから発展したものが半分ぐらいあります。

そういうわけで、大発見というものは狙って出るものではなく、セレンディピシャスなものであり、ゆえに「Curiosity-driven」な研究が正当化されてきたわけですが、この科学の重要な発見はセレンディピティーに依存するという考えには、本当に根拠があるのか、それを科学的に検討するための二億円ほどの研究プロジェクトがOhid Yaqubによって行われています。

彼は、セレンディピシャスな発見のタイプを4つに分類しています。第1は、ある研究が、別の場所での発見につながる場合。例えば、1943年のマスタードガス爆発の調査が、癌の化学療法につながったような例です。2つ目は、レントゲンのX線などの本当の偶然のような場合、それから、ゴムの加硫法の偶然の発見のような予期せぬ方法にによってある解決策に到達するような場合。そして、ある発見が後に出現する問題の解決策になっていたような場合です。例えば、実験用フラスコを落とした時に、後の車のフロントガラスの飛散防止の現象が最初に観察されています。

この研究の結果、セレンディピティが生じる幾つかのメカニズムが同定されたとYasqubは言っています。つまり、鋭敏な観察力、誤りや「制御されていい加減さ (controlled sloppiness; これは予期しない現象が起こるような状況を作り出しつつも、その原因を突き止めることができる)」といったものです。また、彼は人々のネットワークの共同的な動きがセレンディピシャスな発見を作り出すことを見つけたとのことです。(ま、なんとなく、当たり前の結論のように思いますけど)

さらに、彼は助成金で支援される研究の成果にどの程度、セレンディピシャスな発見が関与するのかを調査することを計画しているようで、セレンディビティーの重要さ(あるいは非重要さ)を明らかにすることで、助成金の分配や、研究スタイルを最適化することが可能になるかもしれません。

セレンディピティな発見にメカニズムがあり、意図的にコントロールできるとしたら、もうそれは偶然の発見とか幸運だとか言えなくなってきそうです。となると、きっと「一発当てる」ことができる研究者も予測がつくようになるのかもしれません。

セレンディピティを科学するというのは、面白い研究とは思いますけど、果たして二億円をかける価値があるのかな、とも思います。この研究で得られた結果が、常識が予測する以上の精度を持つとは思えませんし。
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今日のニュース

2018-02-09 | Weblog
ニュースを二、三。

加計“告発”の前川氏 今治市で憤り「見たくないもの見た」(ゲンダイ)

「本来、できてはいけないものが完成した。見たくないものを見たという感じだ」――。
加計学園の岡山理科大獣医学部の問題で、「総理のご意向で行政が歪められた」と“告発”した前川喜平前文科次官。3日に初めて獣医学部のある今治市を訪れ、講演したのだが、なぜか全国メディアではほとんど報じられていないから不思議だ。

講演前、建設が進む獣医学部校舎を県道から眺め、「既成事実の積み重ねで校舎ができてしまった」と感想を漏らした前川氏。市公会堂で行われた講演には市民ら約1200人が詰め掛け、立ち見が出るほど盛況だった。


まさに、これが政府のやり方。国民にはウソと方便でごまかしながら、なし崩し的に、既成事実を積み重ねて、後戻りできないようにしてしまう、ヤクザがカタに嵌める騙しの手口です。沖縄の米軍基地もずっとこの手でやられました。口先では「基地の土地を返還する」と言い続けて、その都度、いろいろな条件や言い訳をつけてはその約束を引き延ばし、一方で強引に辺野古の工事を強行して、既成事実を作り上げ、人々にあきらめさせて現状を受け入れさせようとするわけです。しかし、なし崩し、既成事実があるからという理由で、法律を曲げたのでは立憲立法国家が成り立ちません。不法に行われたものはどんなコストを払ってでも正さないといけないと思います。アベが悪い見本を見せていますが、ルールを守らなくても良い、わからなければズルをしても良い、己の利益のために国会であってもウソをつき誤魔化しても良い、と国民が思い出したら、国家が成り立たないです。

公立小制服に高額のアルマーニ 一式8万円超で物議、国会質問も

東京・銀座にある中央区立泰明小学校(334人)が、4月に入学する新1年生の60人から、イタリアの高級ブランド「アルマーニ」がデザインを監修した「標準服」に変更する方針を示し、保護者から疑問や批判の声が上がっている。


服屋はアベのお友達で名誉校長がアベ妻なのでしょうかね。ウチの親類の子供も銀座付近の小学校に通っていましたが、国産車で送り迎えいているのはウチぐらいと言っていました。私は、いっそのこと、浴衣に下駄ばきにすればどうかと思いますが、きっと土地柄、校長も多分父兄も一般庶民とは考え方が違うのでしょうな。

英国人の祖先、黒い肌だった 骨のDNA分析で判明 (CNN)
今日の英国にあたる地域に1万年前に定住していた人々は肌の色が黒く、髪の毛は縮れていた――。英ロンドン自然史博物館などの研究チームがこのほど、20世紀初頭に見つかった骨格を新たに分析した結果として、そんな見解を発表した。


これは以前から言われていたことで、ヨーロッパ人種の肌の色が薄くなったのは比較的最近であったとする数年前の解析結果と一致するものです。アフリカ起源の人種が北上して気候にあった容貌が自然選択されたという仮説とも合致します。前回のモータウンサウンドとの関連ですが、モータタウンレコードの副社長でもあったミラクズのスモーキーロビンソンは黒人の容貌に青い目でした。彼の場合はフランス人の血が多少入っていたからでしょうが。
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訃報二報

2018-02-06 | Weblog
The Temptations のDennis Edwards氏死去とのニュース
学生の頃、試験勉強にBGMは必須で、私は、マイルスとかコルトレーンとかの50-60年台のモダンジャズをBGMにしていました。当時、試験勉強用のBGMを近所の貸しレコード屋で漁っていた時、80年台のテンプテーションズのアルバム「Back to the Basics」を気まぐれに借りました。そのDennis Edwardsのボーカルが良く、このアルバムをきっかけにSoul, R&B, それからレゲエとボーカルの入るものもBGMに聴くようになりました。

私の初めてのテンプテーションズは、それより数年前で、75年のアルバムからシングルカットされた「Shaky Ground」のドーナッツ版を中古レコードで買ったものです。その時も、気まぐれで、カーペンターズのスーパースターを買ったついでに隣に置いてあったものを買ったのです。テンプテーションズのデビューは60年代ですから、中期黄金期のものです。70年台、電気楽器が台頭してきて、マイルスも電気楽器を試したりしていた頃で、流行りの音楽のスタイルも変わりつつありました。ヒッピー ムーブメントもあり、この頃のテンプテーションズのヒットには「サイケデリック シャック」という曲もあります。

以来、Manhattans、Four tops、Commodores、Stylistics、Earth Wind & Fire、Jackson Five,、Gladys Knight & Pipsなど、70-80年台に日本でも大ヒットしたR&Bグループ、モータウンサウンドに時代を逆のぼって親しむきっかけになりました。リズムセクションとホーンセクションによる強力なリフに歌詞をのせるファンク スタイルの一方で、後にソウル ラブと呼ばれるようなバラード曲もこれらのグループはレパートリーにしており、そのメローなタイプの曲も試験勉強のBGMにはよかったです。

こういう個人的な理由で、私の中ではテンプテーションズといえばソウルグループの頂点という位置づけになっています。Dennis Edwardsが加入する前の初期テンプテーションズには「My girl」の大ヒットがありますが、当時のリードボーカル、David Ruffinのコカイン中毒やエゴイスティックな行動のため、交代したリードボーカルがDennis Edwardsでした。そのパワフルなボーカルで、「Just my Immagination」、「Papa was a rolling stone」の大ヒットを生み、中期黄金期に貢献しました。

私にとってテンプテーションズとの出会いの曲「Shaky ground」のリフの部分は、いまだに、怪しい研究を目にしたりする時に、自然とふと頭に流れてきます。Edwardsのパワフルなボーカルが秀逸です。



ところで、Edwardsが亡くなった同じ2/1には、漫才、レツゴー長作さんが死去とのニュースもありました。訃報によると、なんとDennis Edwardsと長作さん同い年でした。長作さんはかつてアフロヘアにしており、アフロヘアにしていた頃のDennis Edwards (右二人目)となんとなく似ているような気がします。
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Goldwater rule

2018-02-02 | Weblog
私、人の悪口や愚痴を言うのは良くないと思っています。批判的なことを言わざるをえない場合であっても、なるべく感情を交えず、論理的に淡々と要点だけを言うべきだと思っています。それで、悪口をいってしまいそうな話題にはあまり触れないようにとは思っておるわけですが、それでも国会が始まると、例によってアベ君、やってくれますな。毎日毎日、怒りが沸々と湧いてきます。本当にこの男の国会答弁という冗談は笑えません。

エンゲル係数が上がっていること(29年ぶりの高水準 16年25.8% - 毎日新聞)に関しての、国会でのやり取り。
民進小川「安倍政権でエンゲル係数が上昇している」
安倍「食への消費が拡大し景気回復したということ」
ロジ氏のツイート。
安倍ちゃん、ついにエンゲル係数を景気回復の指標にしてしまった模様。エンゲル係数が上がるほど好景気。エンゲルの法則ガン無視。経済学全否定。 誰かこの馬鹿を止めてくれ。日本が終わる。

すごく納得してしまった「かおなし」氏のツイート。
例えば 佐川国税庁長官 安倍昭恵氏 山口敬之氏 加計孝太郎氏のグループと森友籠池氏 伊藤詩織氏 前川元文科次官のグループ…それぞれ問題は違えど逃げてる人と逃げていない人に分けられる…シンプルに考えて世の中悪い事した人は逃げますし悪い事してない人は逃げません…答えはシンプルにこれ

なるほど、逃げているヤツ - 嘘つき佐川君、アベ夫人、レイプもみ消し実行犯の中村刑事部長、加計理事長、そしてアベ。
そして、自分の身が危ういとなれば、「お仲間」を平気で切って知らぬ顔をし、国会の場でウソをつき続けてごまか続ける、その卑怯さ、品性の下劣さ、やっぱり、アベは笑えませんわ。

話は変わりますが、
最近、目にした個人的に面白いと思った論文などを。

Cellに二報、Arcという神経の発達に必要な蛋白が、実はウイルスのcapsid類似の構造を持ち、そのRNAにはLTR様の配列があることを報告。実際にArc蛋白はウイルス状構造をとって、Arc mRNAを内包し、その粒子がExtracellular vesicleとして放出され、それがシナプスで近接する別の神経細胞に取り込まれるという形で、遺伝物質の細胞間のやり取りが行われるという衝撃的な話。(PMID: 29328916; PMID: 29328915) 生命の神秘をつくづく感じます。

Nature、発生時期の血液細胞を作り出す原始血球幹細胞(primitive HSC)は、成人のHSC(definitive HSC)とは発生起源が異なり、長期にわたって全血球系を再構築する能力を欠きますが、それは、成人型HSCに必要な遺伝子プログラムが、primitive HSCでは、epigeneticに抑えられているからであるという興味深い報告。George Daley lab。 ハーバード医学校の学長になって研究プログラムを1/3に縮小したという話を聞きましたが、いまだに、毎年Natureに出せるのだから大したものですな。(PMID: 29342143) 

これは研究論文ではないですが、New England Journal of Medicineの記事。President Trump’s Mental Health — Is It Morally Permissible for Psychiatrists to Comment? トランプが自己愛性人格異常であるのは多くの人が確信していることであろうと思いますが、アメリカではすでに精神科医が連名でそのことを公に指摘しています。
 実際に診察していない患者に精神科医が診断を下すことをアメリカ精神医学学会(APA)は禁止しており、このトランプの精神面の異常を精神科医が公に指摘することの問題を議論していす。これは1964年にFactという雑誌が、当時の大統領候補のBarry Goldwaterの精神安定性について精神科医のアンケートを出版したという歴史を踏まえてできた精神科医の倫理条項で、Goldwater ruleと呼ばれています。一方、アメリカ医学学会(AMA)の倫理条項、第7項には「すべての医師は公衆衛生と安全を増進する責務を負う」とあり、これを拡大解釈すれば、トランプが公衆衛生と安全の脅威であるとして、公に警告することは医師の義務でもあるという理屈も成り立ちます。この条項に、先の事件を踏まえてAPAが精神科医に向けて特に付け加えたのがGoldwater ruleということらしいです。

私は、トランプは公人なので、精神科医としての正式な医学診断は下せないと断れば、人格障害と痴呆の可能性を議論するのは、問題ないと思いますが。
そういえば、最近、公人でありながら、どこかの府知事がヤクザなみのイチャモンをつけて新潟県知事を名誉毀損で訴えるという恥ずかしいことをしたらしいですな。
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