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百醜千拙草

何とかやっています

今年と来年

2010-12-31 | Weblog
いよいよ今年も最後になりました。個人的には論文で苦しんだ(まだ苦しんでおります)一年でしたが、他のプロジェクトは、まずまず進んでいて、興味深い展開となっているので、それなりに楽しい一年でした。
 Scienceでは、今年のブレークスルーの第二位に、クレイグベンターがゲノム全体を合成して微生物を作ったという研究が入っています。私は、ブログにも書きましたが、これはこれまでの遺伝子操作を大規模にやっただけのことでそれ以上のものではないと思うので、ブレークスルーと言う程のインパクトはないと思っております。この報告に関しては、Natureも今年あった特筆すべきこととして挙げてあります。あと生物学に関した所では、シークエンス技術の発達でヒト遺伝子ゲノム研究が飛躍的に進歩したこと、正確には今年ではないですがラットのノックアウト技術の開発と発展、そんなところでした。Natureは先のEditorialでヒ素細菌の発見に関して批判的意見が多いという話を紹介したところでしたが、Natureの今年の出来事にこの件が再び、ピックアップされていて、「Arsenic-based life was discovered. Or not」という題でコメントされています。

日本の社会においては、大きなセットバックの年でした。既得権を守ろうとする国家権力とアメリカのあからさまな不法の数々、検察の冤罪事件やでっち上げ、不正操作、政治的意図で操られたマスコミの虚偽報道、自己中心的な権力欲で国民と仲間を平気で裏切る空きカンの本性などが、露にされ、日本の恥部と腐臭が噴出した年でした。昨年の政権交代の反動でしょう。こういう汚いものが国民の眼に触れるようになることは良い事だと思います。臭いものが多すぎて蓋をするぐらいでは間に合わないことが実感されるでしょうから。個人的にはマスコミの悪質さと記事の劣悪がもっとも腹立たしいことでした。また、散々、悪口を書きましたが、民主党空きカン内閣の奸賊どもには、ほとほとあきれかえりました。無能なだけでなく、人間として許せないと思います。それが、皮肉なことに逆に小沢氏への市民の関心を呼ぶことになり、各地で一般市民が主催するマスコミ虚偽報道や検察、検察審査会などの小沢氏に対する不法行為に対するデモに発展しました。小沢氏、座右の銘は「百術は一誠に如かず」だそうですが、私も人間としてもっとも大切なことは「誠実であること」だと信じております。その対極にあるのが、空きカン内閣の奸賊どもでしょう。

 先日、ユダヤ教信者と、なぜ聖書はあれほど、生々しくて気分が悪くなるような話が多いのかという話になりました。例えば、嫉妬のために弟を騙して殺したカインから始まって、部下の妻を騙して、犯して、孕ませて、それを隠そうとその部下を危険な戦地へ送って殺したダビデ王の話、などなど、私などからするとこの手のおぞましい話が聖書にはてんこ盛りになっています。戦国時代の歴史小説と変りません。しかし、どうしてこういうおぞましい話が連綿と2千年近くにもわたって、聖書の中に語り継がれる必要があったのか、その辺が私にはちょっと理解できないと思いました。そのユダヤの人は、それは、そんな物語から教訓を学ぶためだ、みたいなことを言いました。だからこそ、カインもダビデも罰を受けたのだと。そう考えると、ユダヤ教徒やキリスト教徒は、実例を具体的に見聞きしなければ、因果応報とか、誠実さの尊さとかが理解できないのかな、とも思ったりしました。日本人なら、おそらく抽象的な注意を受けただけで理解できただろうと思います。昔、JALのスチュワーデスの教育は、「自宅でお父さんに接しているように、お客様に接しなさい」と一言、言えば足りた、という話を聞いた覚えがあります。そういう抽象的な一言で、具体的な行動を想像できたということでしょう。これは島国で比較的均一な共通の文化を日本人が共有していたせいかも知れませんが、あるいは日本人や東洋人の想像力の豊かさを示しているのかも知れません。ま、そういう時代は過ぎ去りました。
 聖書では、民衆の支持を集めるイエスがユダヤの既得権力に迫害され、十字架に架けられます。イエスを金のために売ったユダ、保身のためにウソをつくペテロ、この辺りのドラマは、小沢氏をめぐる民主党議員と妙に重なり合います。イエスの死後、キリスト教の迫害は200年余りも続きました。そんなことを考えてたりすると、現在、小沢氏を十字架に架けようと既得権者がなりふり構わず、迫害を強めているわけですが、仮に小沢氏の謀略による失脚が成功した場合であっても、小沢氏の国民第一の精神は受け継がれ、本当の国民主権がいずれ実現されるのは間違いないと思います。一粒の麦も死なずば、ただ一粒にあらん、もし死なば数多の実を結ぶべし、小沢氏が身を引く時はそういう心境の時でしょう。
 しかし、今はまだその時ではありません。このまま、理性も何もぶっ飛んでいる空きカン内閣が、権力にしがみつきたい一心で、小沢氏排除を徹底しようとした場合、民主党は崩壊するでしょう。次の総選挙までこの調子で持つとも思えませんから、来年の内閣改造で空きカンが失敗すれば、そこまでと思います。民主党が反小沢、と小沢支持で割れてしまうと、政界は戦国時代になり、何一つ国会が機能しなくなります。それは日本国民にとって不幸な事である、小沢氏はそう考えているので、今の党執行部と内閣の低能どもにはホトホト愛想を尽かしてはいても、党を分裂させて戦国時代にしてはならない、という一心で耐えているのだと思います。来年、空きカンが内閣改造で、問責に上がっている悪徳弁護を更迭しないか、あるいは官房長官を辞めさせても別の閣内の権力ポストへ横滑りさせたりしたら、空きカンは終わりでしょう。権力にあるとは言うものの国民にはもうすっかり愛想をつかわれているわけで、裸の王様と変わりない状態ですから。空きカンには、誠実に正しいことを行うという勇気、根性、能力と責任感がありません。空きカンは最初は権力乗っ取りを果たしたテロリストだったわけですが、いまはその権力ゆえのプレッシャーに押しつぶされて精神を病んでしまっていますから本当に何をするか分りません。ひょっとしたら衝動的に自殺したりする可能性もあるのではないか、と私はこの間、新聞に出ていた狂気の宿った空きカンの眼を見て思ったりしました。
 鬼が笑うかも知れませんが、来年は空きカンと空きカン内閣が正気に戻らないかぎり、戦国時代の幕開けとなって、国民は大変な被害を被る可能性が高いと思います。この国民主権実現への動きは大きくなる一方でしょうし、国民を搾取してきた既得権者は最後の悪あがきはよりあからさまとなるでしょうから、経済が悪化していく中で世界一のスピードで老齢化する日本の来年は、あるいは今年以上に大変な年になるのではないか、と思わざるをえません。
 ま、これで今年も終わりですからやめましょう。よいお年を。
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ルサンチマンの悲劇

2010-12-28 | Weblog
クリスマスを過ぎ、新年を迎えようとする時期、私もちょっとでも明るい気分で過ごしたいと思っているので、空きカン内閣のデタラメさを考えないようにとは思うのですが、私は正義感が強いせいで、ニュースなどを見るとついカッカしてしまいます。この連中が私利私欲のために官財米を利して、一般国民を管理、搾取し、日本の富を売り飛ばそうとする汚らしいやり口を見る度、「知らぬが仏」と言いますが、知らなかったらどれほど平穏に過ごせただろうか、と思わずにはおれません。こういう国賊どもの悪事に加担してきたマスコミどもに薄汚さにも反吐がでます。なかでも、特に最近は廃人レベルの朝日新聞。廃人レベルになったのは数年前から主筆をやっていた船橋某とやらのせいだろうと思っていたのですが、この御仁、つい最近朝日を辞めたという話を聞いて、これで朝日もちょっとはマシになるかも知れないと思ったりしたわけですが、現代ビジネス、ニュースの深層に、この船橋某が、政府がTPP担当相を創始して、そこに就任させるのではないか、というゾッとする話が披露されておりました。その意味についてはhttp://blog.goo.ne.jp/tarutaru22をご参照ください。
TPPは日本の農業を壊滅させるだけでなく、日本の数々の保護産業にアメリカの参入を許し、日本国民を完全なコントロール下に置こうとするものだと私は思います。食料自給ができない国は独立国家ではない、と私は思います。昔の兵法に兵糧攻めというものがありました。アメリカでは小規模農業を法規制の下に潰し、大企業に国民の食料をコントロールさせようとしています。そうなれば、食品に毒を盛るのも食品の値段をコントロールするのもやり放題です。人間をコントロールするのに、食べ物を押さえることほど強力な方法はありません。ソ連が崩壊したときロシアはソ連時代に推奨されて行っていた個人農業(ダーチャ)による備蓄で生き延びました。日本では、国際的競争力のない農家を戸別補償などの不十分な処置でなんとか農地を維持している状態な訳ですが、単純バカの危険人物は「日本の農業のGDPへの寄与率は低いのだから日本の農業がTPPで壊滅しても大したことはない」とかいう意味の救いようのない低能コメントをしました。このまま日本の農地が消えて行けば、兵糧攻めであっけなく日本は攻略されてしまうという現実認識がありません。本人は日本国民がどう苦しもうと自分さえよければそれでよいと思っているのでしょう、「グローバル化」で弱肉強食で強いものが生き残るのが正しいというデタラメを宣伝して、日本という弱肉をアメリカなどの諸外国のエサに差し出そうとしているとしか私には見えません。こういうデタラメを言うのなら、日本語という言語は全世界で数パーセントの人間しか使わないのだから日本語を使うのを止めて英語を公用語にしようとか、GDPの上昇に寄与しない日本人は消えてもらった方がよいとか、言うのと同じ理屈になるでしょう。これを本末転倒と言わずして何というのでしょうか。
 ここに、敗戦後、日本人が宗主国アメリカに楯突かないように徹底的に教え込んだアメリカ優越主義の洗脳効果を見るような気がします。明治維新以来、西洋文明に圧倒された日本がやってきたことは、「脱亜入欧」という卑しいスローガンに見られるように、とにかく西洋諸国に仲間に入れてもらうために媚を売ること、そして、そのためには自分のアイデンティティーも捨て去り、アジアの近隣諸国も文化的に深い影響を受けた大恩人である中国をも差別的に見下す、という破廉恥で身勝手極まりない、(まさに今のカン内閣のような)卑しい行いです。私は、日本国の国民であるという誇りは持っておりませんが(持ちたくても持てません)、一方で、日本国民の多くが持つ高度に倫理的な行動様式や正直さや気高さは深く評価しております。日本が本当に誇るべきものはその民衆の中に生きている無形の文化であり、GDPでも産業でも西洋の賞であるノーベル賞でもないと思います。そして、日本の政府は、最も日本が守って行かねばならないものを、西洋の基準で測った日本のレベルを上昇させるためにどんどん捨て去ろうとしているように思います。こんなことは、私がいうまでもなく、何十年来、言われ続けてきたことですが、悲しいことにこの傾向はひどくなる一方で改善される様子がありません。

さて、人間の感情、喜び、悲しみ、怒り、恨み、の中で、唯一、時間がたっても消えないものは「恨み」だそうです。恨みが生まれる原因はいろいろあるでしょうが、もっともやっかいなのは「妬み」から生じるものでしょう。一昔前の流行り言葉でいえば、「ルサンチマン」ですか。空きカン、悪徳弁護士や黄門気取りの爺さんらの言動が、どうも、小沢氏に対する「嫉妬」とそこからくる「怨恨」から出て来ているというのは正しいと思います。こんなxxの穴の小さい、日本人の誇るべき高潔さから最も遠い連中が、日本の国を運営しようとしているという事実は、悲劇以外の何ものでもありません。「反戦な家づくり」のブログ記事(http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-979.html)を読んで、つくづくそう思いました。
一部、転載します。

またしてもスケールの違いがまざまざ 菅vs小沢

この人間的なスケールの違いが、菅直人をして小沢一郎を忌み嫌う原因なのかもしれない。

菅は小沢氏と相対すると、自らのちっちゃさをイヤほど思い知らされるので、なんとしても視界から消し去りたいのだ。私も凡百のひとりとして、その気持ちは分からないでもない。
が、凡庸なるわたしでも、そんな情けない感情をむき出しにして他人を貶めるようなことは、さすがにしない。

ところが、いくら凡百とはいえ日本の首相という座にある人間が、ここまで醜い姿を恥ずかしげもなく満天下に晒しているのはどういうわけか。このモラルが完全にぶっとんでしまった姿をこそ、倫理審査をするべきだと感じるのは、私だけではあるまい。

権力欲と嫉妬は、おそらく、もっとも人間を破壊する。
そして、その両方を菅直人は両手いっぱいに抱えている。
何の躊躇もなくアメリカの言うなりになっているのも、内面的にはそれ故であろう。

(中略)

そうしておいて、支持率の低下を全部、小沢氏になすりつける。
なすりつけるために最低の政治をやって支持率を下げているのではないか とすら思えてくる。

みずからの嫉妬心のために、全国民を犠牲にして意図的に失政に失政をかさね、国民の怨嗟の声を小沢氏に転嫁して溜飲を下げる。これが菅直人の、真の姿なのではないか。

あまりのおぞましさに、鳥肌が立つ。
これまで、もっともきらいな政治家は、小泉ポチ、安倍ポチ、前原ポチ の三匹だったが、ごぼう抜きで菅直人が一位に躍り出た。

菅直人の小ささぶりは、昨日の連合が仲介した会合でも、あますことなく発揮された。

菅首相と小沢氏らの会談要旨
2010.12.25 時事通信

 小沢氏 政権交代ができたのは、みんなが一つの気持ちになって臨んだ結果だ。鳩山氏から私自身のことに触れて話があったが、改めて気持ちを整理して臨んでいきたい。国民の期待に応えられておらず、不徳を恥じている。通常国会、来春の統一地方選に向け、首相を筆頭に頑張らなければならない。

(引用以上)

ここまで菅らに責め立てられて、なお首相を筆頭に頑張るんだという言う小沢氏のど根性に、私はほとほと感服する。感情的には、ぜったいにそんなこと言いたくないはずだ。でも、現実の政治のなかでは、そうするしかないという判断に、自らを律することは、凡百にはまねできない。

そればかりか、菅政権が意図的におこなっている失政の責任を、自らの責任として「不徳を恥じる」というのだから、どこまで大きな責任感なのかと、目眩すら感じる。これが、自分が国民の生活を預かっているのだと自覚する政治家の立ち居振る舞いなのである。

菅は、この発言を聞いて、心底小沢一郎を恐れ、憎んだに違いない。
全部じぶんの責任としてとらえて行動する小沢氏に比べ、支持団体を前に、ジンギスカンまで持ち出して言い訳に終始する自分の姿の醜さを、イヤというほど感じたであろう。

(後略)
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大発見か大失態か

2010-12-24 | 研究
今月初め、リンの代わりにヒ素を使って生きるという生物がNASAからのfundingを受けた研究者によって発見されたというニュースが大々的なプレスカンファレンスで発表され、日本の新聞にも載りました。これが本当であれば、長年の常識を覆す大発見であり、にわかに信じ難いと私は思い、12-7のこのブログにもそう書いたのですが、「信じ難い」と思ったのは、当然ながら私だけではなく、世界中でそう思った人がいたようです。12-16号のNatureのEditorialでは、このことが取り上げられていました。インターネットで多くの研究者がこの発見に対して疑義を表していて、一例としてこのEditorialで上げられているのは、カナダの微生物学者、Rosie Redfieldがブログに書いたがかなり詳細な批判的レビューです( go.nature.com/ddesjw )。他にも多くの寄せられた批判に対して、この微生物を発見したNASAの研究者(Felisa Wolfe-Simon)は、自身のブログ( http://www.ironlisa.com/)で回答してはいるのですが、Redfieldはその回答に対してさらに批判を加えています (http://rrresearch.blogspot.com/2010/12/text.html)。批判は主に解析方法やデータ解釈の欠陥の可能性についてですが、微生物は素人の私が読んでもなかなか説得力があります。この「大発見」は科学的に余り厳密でなかったために誤った結論を導いてしまった可能性の方が高いと私は感じざるを得ませんでした。

「flimflam(ペテン)」という英単語を、このDr.Redfieldの批判記事の中で私は学んだわけですが、いくらブログでの批判記事とは言え、こういう言葉を使うと、論文内容の批判というよりは、個人的な攻撃に聞こえます。これはよくないのではないかと思います。事実、この論文の著者の研究姿勢、研究者としての資質を批判しており、それはちょっと行き過ぎでしょう。(仮にこの人が本当に経験の浅いsloppyな研究者であることが本当であったとしても、証拠なしに批判することは控えるべきだと思います)

NatureのEditorialの記事では、この論文の著者が、「peer reviewを経て、発表された論文に対して、blogなどの場で批判するのは不公平だ」と態度を硬化させているとあります。私は、これに関しては、研究者は疑いをもたれたら速やかに疑いを晴らす義務があると考えていますから、peer-reviewを盾に、批判への誠実な対応を怠ることは許されるべきではないと思っております。またpeer-reviewは、あくまで研究者が良心的に研究を行い、論文にはウソは書いておらず、その結論に責任を持つという前提で行われていますので、peer-reviewでは、意図的または非意図的な誤りは殆どピックアップできません。いくらレビューアが論文のデータなり結論が「ウソ」だろうと思っても、正当な根拠なく、「ウソっぽくて信じられない」と言いがかりをつけるわけにはいきません。ですので、Peer-reviewを盾にとって、果たすべき説明責任を果たさないというのは詭弁であると思います。実際、Natureも、研究内容の正式な発表の前に大々的にプレスリリースをしておきながら、批判に対してはreviewを通っていないからダメという態度は矛盾だと言っています。しかし、一方、Dr.Redfieldの批判は研究内容を越えて、研究者自身の攻撃にまで及んでいますから、批判を受けた方も感情的になるのはやむを得ないかな、とも思います。

私の属する学会でも、信用できないデータを一流雑誌に連発してきた評判の悪い人がいて、今年の学会では、その人とそのデータを追試して再現できなかった人を壇上で戦わせるという趣味の悪い催しがありました。私は今年は学会に行かなかったのでまた聞きですが、その再現できないデータを出した責任著者も筆頭著者も壇上に現れず、共著者が代わりに出てきて、自分たちのデータに問題はないと言い張り、「peer-reviewを受けていないデータを使って、peer-reviewを通って雑誌に載った自分たちのデータを批判するのは不公平だ」と言ったという話を聞きました。私に言わせれば、peer-reviewであろうとなかろうと、怪しいデータで世間をお騒がせして疑いをもたれたのだから、きっちり申し開きをするのが真っ当な研究者というものであって、逆切れするのは筋違いです。今回のNatureのEditorialを読んで、この学会での話を思いだしました。

私の感想では、Dr.Redfiledの反論は、科学的に説得力のあるもので、この「リンの代わりにヒ素を使って生きる細菌」の大発見は、多分、実験手法の問題によるデータの解釈間違いだろうと思います。このような大発見でありながら、論文を発表した研究者の研究手法は十分注意深いとは言えません。ビッグ ストーリーの可能性が見えはじめた時に妄想が眼を曇らせてしまい、自分に都合の良いデータや解釈しか眼に入らなくなってしまったのかも知れません。そんな時に、一歩下がって、自分自身を客観的に批判的に見れるかどうかが研究者の資質というものでしょう。この研究者は写真入りでNASAやメディアに登場して、発見の宣伝をしたのですから、しばらく前の韓国のステムセル研究者や日本のRNA研究者のように、確信犯ではないと思いますが。

また、この一連の事件の初期の動きは下のブログに詳しいです。
http://blogs.discovermagazine.com/notrocketscience/2010/12/10/arsenic-bacteria-a-post-mortem-a-review-and-some-navel-gazing/
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「カンさんの夢」が終わった後

2010-12-21 | Weblog
昨日は、空きカン内閣の悪口でしたが、現代ビジネスになかなか面白いシャレがあったので、貼付けておきます。
現代ビジネス、永田町ディープスロート( http://gendai.ismedia.jp/articles/print/1760)

 30年間も総理の椅子を狙い続けた男は、実際にその立場になってみると、右往左往する以外、何もできないダメな男だった。鳩山よりも麻生よりも短く、わずか半年でギブアップ。お疲れ様でした、というほかない。
幕切れは1月13日の党大会
総理になって、何かを成し遂げたかったわけではない。ただ単に、「総理になりたかった」だけの男の短い夢が、まもなく終焉を迎える。
(中略)
すべては「菅のその後」に向けて動き出した。少なくともこの流れが、止まることがないことだけは確かだ。
 立身出世を願う貧乏な青年が、ある日、出会った一人の道士に枕を借りて眠ったところ、夢の中で、世の栄華と富貴、そして裏切りや失脚といった、人生のすべてを経験した。青年が目覚めた時、眠る前に炊いていたアワは、炊き上がってもいなかった。青年は栄枯盛衰の儚さを知り、納得して故郷に帰っていく。いわゆる「邯鄲の夢」である。
 政界進出以来、ひたすら総理になることだけを目指し、それ以外は何もなかった男の「菅さんの夢」はこれで終わりを迎える。次期総理には、そんな一人よがりで身勝手な夢ではなく、きちんと国民とともに夢を見ることができる、まともな人物を望みたい。


そもそも、この空きカンが首相の座を守るために取引している官僚組織とアメリカが、この一連の小沢氏への不法な迫害の源泉であることを言っておきたいと思います。官僚組織の一部である検察は当然のこと、ウソ八百を垂れ流すマスコミもその手先です。テレビは無論のこと、新聞も酷いです。昔は朝日新聞と言えば社会の良識と言われたこともありましたが、最近の社説とかを読むともう廃人のレベルで、いこんなヒドいものを売らねばならない販売員の人に同情してしまいます。さっさと倒産して消えてもらうのが皆のためでしょう。

これらの国家ぐるみの小沢氏に対する迫害の理由は簡単なことで、小沢氏が「埋蔵金」を掘りおこして財源にする、対米従属政策を改める、と主張したからです。官僚組織が何年にもわたって、国民の税金をチョロマカしヤミで貯めてきた200兆あまりの「埋蔵金」は彼らの虎の子であり、国民に返すつもりはないわけです。一般国民の生活を守るために、小沢氏に政治主導をされて埋蔵金に手をつけられたのでは、自分たちの利権が侵されるという自己中心的な動機です。それで、空きカンはすっかり官僚に丸め込まれ、「経済対策という名目で大企業を減税し、その穴埋めを消費税増税でまかなえ、増税の理由は財源がないのだと言え」と指示されて、愚かにも自分の身かわいさだけで善悪もわからずバカを晒しているわけです。経済音痴の空きカンが財務大臣の時に官僚にサボタージュされて、国会答弁で質問の意味も理解できずに立ち往生して大恥を晒したことがありました。思うに、その時にすっかり丸め込まれたのでしょう。

アメリカに関しては、日米安保は第七艦隊程度で十分、という小沢氏の発言に見られるように、長年おいしい思いをしてきた「おもいやり予算」やお金を払ってまでアメリカに日本の軍事基点を提供してきたバカさ加減を改めようとされては困る、基地はともかく、金は出してもらわねばならない、ということでしょう。CIAの手先の読売を初めとするマスコミが捏造、偏向報道のウソ八百を、頭のできが悪くて声だけでかい電波芸人(と呼ぶのでしたっけ?)をつかって垂れ流してきたというわけです。

消費税をどんどん上げられて、払った税金はチョロマカされて、警察、検察に監視されて、ますます生活が苦しくなって、年金は払っても一円もかえってこない、そういう社会に向かってまっしぐらに進んでいます。そうなりたくなければ、こんなふざけたやつらに好き勝手させててはいけません。
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科学は保険

2010-12-21 | Weblog
大手製薬会社ロッシュが大量リストラ、siRNA部門から撤退というニュース。私は前から、siRNA技術は大企業から医薬品技術として捨てられるだろうとは思っていました。RNAというサイズと分子の性質を考えたら、その扱いとデリバリーが最大のネックになることは最初から明らかでした。投与法にこだわらなければ、サイズの問題はどうということはないでしょうけど、デリバリーの問題、どのように目的の細胞のしかも細胞内へ安全に運び込むかという問題の解決は容易ではないと考えられます。静脈内に注射したsiRNAは自然と肝臓にトラップされますから、もっとも期待が持てるのは慢性ウイルス性肝炎への応用だと思いますが、shRNAを使ったマウス実験では副作用が強すぎて死亡するという結果が数年前に発表されましたし、最近の関連の臨床試験ニュースでは、RNAウイルスであるC型肝炎ウイルス(HCV)そのもののゲノムRNAではなく、HCVウイルスの増殖に必要なmicroRNA-122を抑制するという試験をやっているようで、どうも臨床治療への道のりは遠そうです。ステムセル技術も多分、大手製薬会社の商品としては乗りにくいと思いますから、メインストリームになることは無いでしょう。現在躍進しているように見えるのは抗体技術のように見えます。こちらもターゲット次第でしょうが、臨床応用にあたっての技術的問題はsiRNAやステムセルより遥かに少ないと思います。

科学技術立国を目指してここ10年、巨額の金を投資し、世界各国から優秀な研究者を集めてきたシンガポール。投資の回収を図り始め、優秀な基礎研究者が逃げ出している、という話がNatureに出ていました。「優秀な頭脳を集めて金を集中投下すれば、素晴らしい発見ができて、技術に応用できて、カネになる」というような「ウマすぎる話」は過去にも現在にも滅多にないと思います。大発見は大抵の場合serendipitousになされるものであって、狙って出るようなものではないと思います。もちろん、その確率をあげるためには、母集団を上げる必要がありますから、研究者と研究資金は必要条件ですが、だからといって、技術応用に繋がるような大発見がそんなに簡単に出るはずもありません。シンガポール政府は、グラントを応用色の強いものにシフトし、カネになる研究を優先しだしたのだそうです。しかも、そのグラントの審査について不明なことが多く、初期の手厚い待遇を受けてやってきた研究者の不安をかき立てているということです。ここではNCIのNeal Copelandと夫人で研究者のJenkinsがシンガポールを離れる決断をしたことが述べられています。Copelandのグループが以前に開発したBacterial Artificial Chromosome (BAC) の遺伝子操作法(BAC recombineering)を、私も使わせてもらっていましたので、分野は違うものの彼らの名前は知っていて、4 -5 年前、彼らがシンガポールに移ったという話を聞いたときは、既にアメリカのNCIで確立した研究者であったのに、よく思い切ったものだと、不思議に思いました。多分、相当に手厚い待遇があったのでしょう。今回のシンガポールの話はトップダウンの科学振興政策がうまく行かない見本のようなものです。思うに、応用技術に重心を移した瞬間から、基礎研究のレベルは急激に落ち始め、優秀な研究者は国外に逃げ、シンガポールは短期では投資回収はおぼつかなくなるだろうと思います。科学は経済の点から考えるべきものではなく、文化の一部と認識すべきでしょう。そもそもカネにならないものです。ときたま起こる大発見が技術開発に繋がって、大きな経済効果を産むので、結果として科学がカネを生み出して来たのは事実です。ただし、歴史が同様に繰り返すという保障はまったくないこと、ここ10 – 20年の解析では、科学を投資として経済効果を見た場合に、投資として見合ったものであるという結論は得られていないこと、などなどからも、私は、科学をカネもうけのための投資として見る立場をまず捨てることが大切であろうと思います。シンガポールが科学国家として急成長したのは、カネで頭脳と環境を移植したからに過ぎません。カネの切れ目が縁の切れ目となるのもやむを得ないでしょう。そこでは科学が文化であると認識されていなかったということだと思います。科学は西洋に始まった西洋文化の一つでした。それが実用に役に立つことがわかってきて、科学をもとにした技術、発明という応用分野が大きく広がりました。科学はそれら、金を産む「技術」の基礎になっているとはいえ、その活動はおそらく全く逆と言ってよいほど異なると思います。科学は基本的にボトムアップになされるもので、それ自体が金になるものではない一方、技術は明らかにトップダウン的なストラテジーを採用し、実用をめざすものです。そういう意味で、応用を目指す技術と異なって、基礎科学は基本的に「文化」という範中に含められるべきものであり、利潤を求める経済活動として考慮されるべきものではないと私は思います。数学や文学と同様に科学は学問であり、人間の社会を豊かにするための文化である、ならば、科学に国が金を費やす理由としては、投資というよりは、そういう技術のもとになる「基礎体力」を失わないための「保険」であると考えるべきだと私は思います。基礎体力がなければ、どんな競技に出ても勝てませんが、基礎体力さえつければ、それで競技に勝てるのか、といわれるとそういうワケでもありません。シンガポールの戦略はその点、ちょっとhastyであったと思います。


さて、日本では相変わらず、人間のクズが小沢氏を国会に引っぱり出そうと小沢氏と会談し、当然のようにもの別れに終わったというムナクソ悪い話。このズルカンとかアホカンとか呼ばれているアンポンタン、小沢氏を国会に出せば支持率が上がるとでも思っているようで、手の施しようがないです。この辺、私が説明するよりも、「ラターシュ」の地上げ屋さんの言葉をお借りする方が適切と思いますので、転載させていただくことにします。(http://latache1992.blog56.fc2.com/)

412人の内閣を作る!
なんて言ったことなど・・アタマの片隅にもございません。
何しろこのかた。
誠意ってもんがございません。
お花見の席でのグルメブログを覚えていらっしゃるかたも多いと思います。
カルピスウォーターが大好きなこのかたは・・
間違えて、カルピスソーダを買ってきた秘書を・・
満座の支持者の前で怒鳴りつけました。
しかも・・・
一言で済むかと思ったら・・
延々、5分以上も叱り付けてます。
そりゃ、その秘書も使えませんよ・・確かに。 (苦笑)
でも、そんな秘書雇ってるのはご自身なのですから・・
部下の不始末は、
上司の不始末・・
と、自覚すべきです。

部下の手柄は、オレの手柄。
部下の不始末、オマエの責任・・って態度ですからね。
困ったもんです。

政治倫理審査会へのこだわりも判りません。
強制起訴が決まり、司法の場で決着することが決まってるのに、
国会へ出てって・・ナニ言えば良いのでしょうか?
「裁判を控えてるので、答弁は差し控えます」
の連発で・・
翌日のだメディアがいっせいに、
「疑惑はさらに深まった!」
「説明責任を放棄」
「野党、証人喚問を要求へ」
とくるのが目に見えてるのに・・・
これで、
通常国会もスムーズに行くし・・
支持率も回復する・・と、
本気で考えてるなら・・
もう、アタマがおかしいとしか考えられません。

多分、本当にガイキチなのでしょう

もう一つ、韓国と北朝鮮の対立、多分、アメリカが裏で台本を書いているという話。日本もそのシナリオの一部だと私は確信していますが、田中宇さんのサイトで解説があったので、リンクだけつけておきたいと思います。(http://tanakanews.com/101220korea.htm)韓国がアメリカの言いなりになって北朝鮮との戦争をはじめるようなことになれば、当然、日本もアメリカ極東軍事戦略の基点として巻き込まれます。日米安保という日本の安全保障のための条約が、いつのまにか日米同盟という名前のもっと広範囲をカバーするとんでもないものに変化していたことをどれくらいの国民は知っているのでしょうか。日本は戦争放棄をうたっているとは言え、日米同盟においては、アメリカの駒として戦争に参加する義務を負うことになっています。ここで、マスコミの捏造報道を真に受けて、「北朝鮮と中国、誅すべし」という体育会系ノータリン結論を大衆に採用させてしまってはいけません。
 中国に親しみを感じない人が80%という話ですが、これも日本のマスコミの偏向報道による洗脳の成果と思います。北朝鮮にしても然り、小沢問題にしてもしかり、あれだけ、ウソ八百を並べ立てれば、普段の生活に忙しく娯楽でテレビニュースを見ているような人々が北朝鮮や中国は悪い国だ、日米同盟は大切だ、などというプロパガンダを自然と受け入れてしまうのも当然でしょう。マエハラ氏など、しめしめと思っているでしょう。この危険人物は、とにかく近隣アジア諸国にケンカを売って、対立を煽り立て、日米同盟の安寧を図り、アメリカ支配と日本の富のアメリカへの流出を促進できれば、見返りに首相にしてもらえると本気で信じているようですから始末が悪いです。
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人間のクズ、沖縄の怒り

2010-12-17 | Weblog
無能、ズルい、セコい、保身第一、私も空きカンのことを結構ボロクソに言ってきましたが、それは客観的事実と思いますので言を翻すことはしません。他のブログではスッカラカン、カンカラカン、アホカン、様々に揶揄されていますが、これらも客観的事実でしょう。
ところが、地道に沖縄の基地反対運動を続けているブログ辺野古浜通信では、ついに、悪徳弁護士と空きカンに堪忍袋の緒が切れたのでしょう、彼らは「人間のクズ」であり、空きカンは「クズの大将」だ、と書かれてあることを知りました。(http://henoko.ti-da.net/e3200075.html) 要するに、職務を遂行する能力がない、「無能」である、という職業人としての欠陥を言っているのではなく、彼らは、人間のクズだ、社会のゴミだ、人間として失格だ、と言っているのです。相手は公人とは言え、他人を人間のクズだと切り捨てるのですから、沖縄の人々の怒りは本当に強いのだと思います。しかし、私も「人間のクズ」という言葉以上に、空きカンや悪徳弁護士にぴったりした言葉はないのではないか、と思わざるを得ませんでした。 彼らには「人間」として、顔を背けさせるようなものがあります。英語でいうIntegrityとでもいうような、そんな人の上に立つ人が持つべき品位とか誠実さ、とかいったものが感じられません。
人間のクズと呼ばれた首相や官房長官はそう多くないのではないでしょうか。コイズミ氏もやったことは空きカンなどよりも遥かに罪が重いと思いますが、彼は間であったもののクズとは呼ばれなかったと思います。ま、目糞鼻糞ですが。間は稀に真人間になったりすることもあるが、クズは手の施しようがないという点で、悪徳弁護士と空きカンは救いがないと思います。私同様、多くの人々が、もう彼らの名前を口にするのも気分が悪いと思っているでしょう。確かに無能の上に根性が卑しく、自分の無能を誤摩化して非難を避けるために他人を陥れるようなマネを平気でするのだから、有害クズでないとしたら一体何なのか、と思います。

多少、気分が良くなる話は、名古屋の市議会リコールを求めた署名活動。46万票を集めたのに、市議会の息のかかった選管が何と10万票以上を無効とする異常判断によって、リコール必要数36万に届かず、河村市長が激怒した事件がありました。選管は当初の署名審査を勝手に一ヶ月延長したあげく、誘導質問表を署名者に送付して、無効を誘導したという話。市民は怒り、無効とされた署名の意義申し立てが殺到。選管は意義申し立て受付時間を極めて狭く設定したにもかかわらず、3万件以上の申し立てを受けて、有効署名数を超え、リコール成立。市議会が、市民の支持を得た河村市長の政策に反対するのは、いつものように保身理由です。市の財政を好転させるため議員の高すぎる報酬カットを含む市長の方針に、議員とその関係者が不満をもって、市民の署名審査を不正操作した、という恥ずべき話。深く反省してもらいたいものです。
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小沢氏はハラをくくるのか

2010-12-14 | Weblog
今の下劣内閣の話を聞くたびにムナクソ悪くなるのですが、ちょっと動きがあったので。
先代に続いて害をまき散らすフィクサー気取りの某新聞社の爺さんが仲介して、民主-自民の大連立を画策との話。死にかけの自民と本音の支持率殆どゼロにちかい民主ですから、大連立ではなく、無理心中だろう思ったりするわけですが、要は、政権にしがみつきたいだけの空きカン内閣がねじれを乗り切って、総辞職または解散を避けるためだけに数が欲しい、という見え見えの手。自民でも公明党でも社民でも政治理念がどれほど違っていても、バルカンの空きカンには政治理念など最初からないのだから関係ない、きょろきょろと権力の匂いを敏感に察知して、強いものに抱きつくだけが芸というおゲレツさが丸見えです。この爺さんも空きカン内閣と自民をくっつけて政府を自民化してしまえば、飼い主からほめられると思っているのか、自分こそが闇将軍だとでも思い上がっているのか。
大連立の話は小沢氏が代表時代に参院選勝利後にあったことが記憶に新しいですね。その当時の大連立の目的は、当時野党の民主党が、参院多数という優勢の時期に、自民と連立することで、民主の政策を実現していくことができるというメリットがありました。落ち目の自民が与党の座を守るために、民主と組むつもりならば、民主側の言い分をかなり引き受けることになる、そうして民主の政策をとにかく通して行くことができる、そういう読みがあったのでしょう。それに大反対をして話を潰したのが今の内閣にいるオリジナル民主の連中でした。ねじれ国会で法案が通らずに立ち往生することについて、野党経験しかないオリジナル民主の連中は認識が足りなかったのでしょう。そして、現在、ねじれで立ち往生し、今回の国会で通った民主の法案数は史上最低という話。当時であれば、大連立すれば民主党が強い立場にいることができました。今は、民主は当時の自民党の立場です。与党の座を守るために野党側に連立をお願いしないといけない立場で、この連立には大義なし、唯一の目的が内閣解散の回避という情けない事情。この話、全く国民をバカにしています。昨年の総選挙で、自民党ではダメだからと民主を支持した国民に意志を全く無視するものです。それが、一年ちょっとで自民と一緒になります、ではあの選挙は一体何だったのか、という話になります。ま、空きカン内閣、発足して半年でよくもこれだけアホウ氏でも驚くほどのデタラメができたものだと、ちょっと思い浮かべるだけで目眩がしそうになりますから、驚くようなことではないのかも知れませんが。この多分史上最低の内閣のやりたいことは政権にしがみつくことだけで、マニフェストを片っ端から反故にし、選挙で惨敗しようが外交で国難を招こうが、国民がいくら辞めろと言っても石にかじりついてでも与党の座を離したくないということですから、この空虚な粗大ゴミが国民のことをカケラも考えていないのは自明ではあります。ある人によると、空きカン内閣の使命は、とことん国民に愛想をつかされるまでバカとマヌケを晒して、国民に政治不信を植え付け、官僚政治の安寧を図ることなのだそうです。そうならば、この内閣は身を捨てて官僚のためにアホウのふりをしているということですけど、これはちょっと読みすぎでしょう。ただのアホウだと思います。
自民のほうはとっくに空きカンの意図はお見通しで、政権維持のためだけの連立に利用されるのを嫌い、「選挙を経ていない連立組み替えは邪道だ」、「連立に応じるな」という党幹部の声。空きカン得意の「抱きつき戦法」、自民の方もこの疫病神に抱きつかれてはかなわんということでしょう。
 一方、どうもとことん、民主に愛想を尽かしかけている小沢氏、「ハラをくくる」決断をする時期が迫っていることを示唆するような発言が漏れ出てきているようです。今週の両院議員総会で離党、新党結成に進むのではないか、という憶測があります。民主は空きカン内閣が頭では、これからの地方選で惨敗を繰り返すことになり、与党の座も長くはない、沈む船を立て直すことができないのなら、捨てて新しい船を造るしかない、そいうことでしょう。さっそく茨城県の県議選挙で民主は惨敗、自民が躍進とのニュースがありました。また岡田幹事長、野党との取引代として、小沢氏の国会招致を強引に進めようとしているという話。小沢氏は国会招致という事実だけをもってまたひたすら叩かれることになりますから、当然ながら拒否の姿勢をくずしません。これをもって、悪徳弁護士らは小沢氏を民主党から排除する口実にしたいのでしょう。岡田氏も幹事長といういまや貧乏くじをひかされて、窮地に追い込まれているのではないでしょうか。しかし、一時は代表を努めた政党、党かわいさに悪徳弁護士の口車に乗って、毒をくらわば皿までの心境なのかも知れません。私、この人は悪徳弁護士や空きカンほどの「ずるさ」を感じません。おそらく、おぼっちゃんで実家の企業のバックアップで苦労せず議員になった育ちのよさのせいでしょう。ただ、惜しむらくは、頭の回転に問題があるようです。こういう人は自分が首相や幹事長という権力の座につくのではなく、良い師について、導いてもらえば力を発揮するのだろうと思います。沈みかけの民主党の幹事長というのは、この人にとっては最悪のポジションではないかと思います。いずれにしても、育ちはよくて素直なのでしょうがちょっと計算能力に問題がある岡田氏が、ずる賢い悪徳弁護士らの口先に踊らされて、小沢氏国会招致に動き出したということが、小沢氏がハラをくくらせることになるでしょう。可愛がってやった飼い犬に牙を剥かれる飼い主の心境ですか。小沢氏の離党、新党結成の可能性が高まってきました。おそらく、それとともに、小沢支持民主議員は少なくとも200人、加えて民主から逃げ出したいと思っている議員も多数いるでしょうから、小沢氏の離党とともに、民主は少数与党になりさがり、そして誰も無理心中したくないので連立を組みたがる政党もなく、政権の座から消え去ることになるのでしょう。アメリカは空きカンやマエハラ氏でなくても、自分の言うことを聞いてくれる連中が与党にいればそれでいいわけですから、小沢氏さえ政権の中枢にいなければ何とかなると思っているでしょうから、もし、これで民主党が崩壊したら、マエハラ氏や空きカンは捨てられ、このオリジナル民主の連中は二度と政権の中枢へ戻ってくる事はないでしょうね。

ところで、鈴木宗男氏収監に関して、東京新聞に載った佐藤優さんの文を見つけましたので転載します。

「収監 」 佐藤 優 12月10日(金)朝刊 

 
十二月六日、鈴木宗男氏(前衆議院議員、新党大地代表)が収監された。その四日前の二日、都内のホテルで鈴木氏の送り出し会が行われた。そこには森善朗元首相(自民党)、鳩山由紀夫前首相(民主党)、福島瑞穂社民党党首(参議院議員)らが出席し、「送る言葉」を述べた。 

六日午前十時過ぎに鈴木氏から「午後一時半に出頭なんだけれど、一緒に昼飯を食べないか」という電話があった。指定されたレストランに行くと、個室に案内された。そして鈴木氏の家族、秘書、後援者たちと鈴木氏の好物である五目焼きそばを食べた。鈴木氏は食道がん手術の直後なので、麺を軟らかく茹でた特製のメニューだった。 

筆者が、「特捜事件で実刑が確定した政治家の送り出し会に与野党から首相経験者が出席するのは異常な事態です。出席しても社会から指弾されないので、あれだけ多くの政治家が出席したのです。司法の正義と社会の正義が乖離しています」と述べた。 

鈴木氏は、「確かにそうだ。ただし、それはよくない。私は罪に問われるようなことは何もしていない。再審の準備をする。しかし、日本国家が私に刑を務めろと言うのだから従うのは当然だ。国家権力を握る司法官僚たちとは戦っていくが、日本国家と日本国民に対しては最後まで忠実でありたい」と答えた。(作家・元外務省主任分析官)

空きカン内閣にこの人の言葉を噛みしめてもらいたいものです。空きカン内閣は、国家権力を握る官僚にすり寄り、日本国民は騙して搾取するものだと思っているようですからね。
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ネズミ講破綻

2010-12-10 | Weblog
気晴らしに書いているブログでも公開しているものですので、ちょっとこの話を書くのはどうかとも思ったのですが、研究キャリアでの成功を志して頑張っておられる若手の方の参考になればと思って書いておくことにしました。

先日、思いがけない突然の来客がありました。ずいぶん前に共同研究で出入りしていた別の研究室でポスドクをやっていた人で、その時にちょっと立ち話をしたのでしたが、それっきりの縁でした。私はすっかり顔を忘れていて、名前を聞いて(ちょっと珍しい名前なので)はじめて思い出しました。現在は私のやっていることと少しだけ関係のあるような研究をやっているということだったのですが、核心の話は、研究者として非常に苦しい危機的状況に陥っていて困っているということでした。どうも最初の研究室は資金の都合で出て行かなくざるをえなくなって、その時にいろいろ教官職に応募したものの、その時点ではその研究室からの論文が出る前で、ポジションを得る事ができず、結局、別の研究室に再びポスドクとして移ったということでした。研究分野も変えて殆どゼロから実験を立ち上げたのに、企業からの資金に依存していたその新しい研究室でも企業の撤退に伴って資金が切れ、もうサポートできないということで、あと2ヶ月で出なければならないという状況なのだそうです。一方、 何とか形になりそうなところまで育てたプロジェクトはボスに取り上げられ、論文も出ないまま、研究室を去る事になりそうだという話。この方は、ちょっと後戻りは難しいというような年齢でこの厳しい状況に置かれているわけで、私は心から同情しました。不景気な今の社会には研究者に限らず、リストラや倒産で社長や部長だった人が就職相談口に並んだりしているわけですから、研究者も例外ではもちろんありません。特に研究という金にならない活動ですから、経済が悪くなれば切り捨てられやすい分野でもあると思います。それにしても大学、大学院、ポスドクと長年、積み重ねた研鑽が酬われないというのは本人にとっては、悔しく、辛いことでしょう。 実際、 この方、論文としては、筆頭ではないもののN紙、S紙に複数、それに準ずるクラスにも数報あって、筆頭ではC紙の姉妹紙や分子生物ではよく名の通った雑誌などにも出ていますから、まずまず立派なもので、10年前だったら、とっくに日本のどこかの教授になっていてもおかしくない業績です。おそらく今のボスのCVよりも見栄えがするのではないでしょうか。
 しかし、なんらかの問題があるとき、具体的な原因があるのも事実です。博士や大臣になれば、並以上の生活が送れたというのは昔の話になって久しい時代の変化もありましたし、そして、この方自身にも原因の一端があるようでした。

もうポスドクをやるのはイヤだ、教官職または企業の研究職に着きたいとおっしゃるその気持ちは良く分かります。私も5、6年前は散々就職活動やグラントで痛い目にあいましたし、つい数年前にはボンヤリしていてグラント危機になって研究者廃業の瀬戸際まで行きました。今だに綱渡りの日々で、一歩、踏み外せば研究者廃業となる状況は変っていませんから、全然、エラそうなことを言う立場にはありません。しかし、痛い経験をしないと人間は学ばないもので、私は、それらの経験から幾分かのことを学び、研究者のキャリアにおける「病気」は治せなくても、「診断」ぐらいはつけれるようになりました。

それで、この方に、もし教官職に就けたとしたら、何をするつもりなのですか、と聞いてみました。つまり、将来どういう研究を展開して、その研究遂行のためにどういうストラテジーで研究資金を工面し、どのような研究者として社会に貢献していくつもりなのか、という多少具体的なプランを聞きたかったのです。ところが、困ったことに、この人はそれに対してはっきりした答えを持っていないようでした。研究はしたいとおっしゃるし、経験も様々なスキルもお持ちなのに、それを使って何を達成したいのかという情熱とビジョンがはっきりしていないのです。また、研究の世界は、本音のところは知恵と努力でカネとポジョションを奪い合う生き残り闘争で、それに勝てないとゲームに参加させてもらえない所だという辺にも余り意識的でなかったようでした。
 困っている人に対してキツいことを言うのはどうかと思いはしましたが、これでは永久に教官職は取れないと思ったので、「教官を採用する時には、大学側は投資だと考えていますから、回収の見込みが低い投資はしません。自分のやりたいことが分かっていない人に、カネを出す大学はありませんよ」と言ってしまいました。(実のところ、私も以前はボンヤリしていたので、こんなことをエラそうに人に言える資格はないのですが)
 また、この方は、新しいボスとの折り合いが悪いようで、確かにボスはちょっと困った人のようでした。そして、この人は自分の現在の苦境の多くがボスが良くないという点が来ていると考えているようでした。事実、そうでしょう。しかし、自分の問題の原因がボスにあるとしても、それを追求することはキャリアの発展の上で無益であるどころかむしろ逆効果であるということ、そして、そもそもその問題のありそうなボスの下で働くという決断をしたのは、他ならぬ自分である、という点の認識が十分でないと私は感じました。
 つまり、この方の問題は少なくとも二点あります。自分のやりたいことが具体的にわかっていない(独立した研究ポジションを目指そうとしているのであればこれは致命的です)、そしてまだ自己責任が徹底できていない、ということです。成功したらそれは自分の実力で、失敗したら他人のせいというのはムシが良すぎるワケです。自分1人の力で成功はできません。しかし、失敗した場合は、逆にその失敗の痛みは全て自分で引き受けることができないと、成功のチャンスは生まれないと思います。

思うに、これが日本式の洗脳教育の成果ではないでしょうか。江戸時代と同じように、近代の日本でも細かい身分制があり、(教授、助教授、助手、ポスドク、学生、先輩、後輩、etc.)日本人は小さなころから、その上下関係に従って行動するように教え込まれてきました。しかし、近代日本における身分制度というものは、一握りの支配者層が他の人間を効率よく利用するためのネズミ講式システムに他ならず、参加者の自己利益のためにシステムの維持を動機づけるような仕組みになっています。だから高度成長期の日本で、ネズミ講の新規入講者が大量にいて、政府のカネもまずまず潤沢だったころは、このアカデミアや官僚機構のヒエラルキーを維持するように行動すれば、ビジョンなどなくても、トコロテン式に時間が経てば自分の地位も収入も上昇していったわけです。例えば、私が学生だったころなど、医学部の基礎教室など人材不足でポジションはいくらでもありました。人手がないので大学院を中退して学位なしで教官になった人などもいました。しかし、経済成長が止まり、相対的若年人口が減少していって、当然のようにネズミ講は破綻しました。そのネズミ講で損を引き受けているのが、われわれぐらいから下の年代ではないかと思います。つまり、小さなころから「ネズミ講に入ったら若いうちは大変だけど、将来はラクできるよ」と甘言に騙されて大学院に進んだり法外な低賃金でこき使われたりしたのに、おいしい目にあう前にネズミ講が破綻し、「約束が違う!」となってようやく、「世の中、全て、自己責任だ」と真理を言い渡されたわけです。多分、最初にネズミ講をはじめた人以外にこの日本のシステムが詐欺だと分かっていた人は多くないのではないでしょうか。みんな、そんなものだと思って無批判にシステムに参加し、破綻して被害を被ってはじめて詐欺だと気づいたのだと思います。こういう社会なのだから自分の不運を社会のせいにしたくなる気持ちも分かりますが、このネズミ講の詐欺を考えついた人やこれでおいしい思いをした初期参加者はとっくの昔に消え去っていますから、残っているのは程度の差はあれ全員被害者みたいなものです。この状況を考えれば、文句をいう相手がいないのだから、結局、泣き寝入りせざるをえません。騙され損です。しかし、実際のところは、どんな場合でも騙された自分がバカだったと思えない限り、自分の人生を自分でコントロールできるようになりません。
 
アメリカでは、そして実は日本でも、成功するかしないかは個人の責任です。大学院学生からいきなり教授になった人もいますし、その一方でポスドクを30年近くやって終わった人もいます。個人に与えられた条件はさまざまなのですから、その条件を受け入れた上で希望する世界で生き残る才覚を磨かねばなりません。経済が悪い以上、競争が厳しくなる傾向はどうしようもありません。しかし、ネズミ講から実力生き残りへとルールが変更されてしまた以上(というか、本当のところネズミ講式は最初から詐欺であり、実力で生き残るのがずっと本当のルールだったのですが)、とりあえずは、このシステムを受け入れて、生き残りゲームだと割り切って参加するか、別の道を探すかしかないのではと思います。

こういうシステムの大元となっている「人間をカネで支配する」資本主義社会に対する批判がドルの崩壊に伴って、大きくなっていくのではないかと想像しています。今のままでは社会が余りに非人間的です。マルクスは「これまでの社会の歴史は階級闘争の歴史である」と言いましたが、現在の資本主義下での日本、欧米でも、その言葉の通り、階級(身分)があり、階級間、あるいは階級上昇のための闘争が社会の基礎になっているという解釈は十分成り立つでしょう。過去、社会主義、共産主義を選択する国家もありましたが、結局、国民の善意を前提とするこれらのシステムは、一部のズルをする連中によって悪貨が良貨を駆追するように、崩壊してしまいました。しかし資本主義がここまで先進国において露骨に動物的な弱肉強食の戦国時代的世界をもたらしてしまった以上は、このままでは社会は安定せず、再び共産主義的形態を人々は望むようになるでしょう。それにともなって研究の世界はいずれ現在よりもより穏やかな人間的な場所になる可能性があるとは想像するのですが、それにはまだまだ時間が必要だろうと思います。
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鈴木宗男氏の収監に思う

2010-12-07 | Weblog
昨日収監された鈴木宗男氏、収監前のブログを読んで、目頭が熱くなりました。
検察に冤罪をでっちあげられ、司法にデタラメの裁判で嵌められ、それでも悪法でも法と、前向きに歩もうとされるその態度にただただ、頭が下がります。

その悔しさ、家族とも別れ、国民と国のために情熱を傾けた政治活動を止めざるを得なくなり、貴重な時間を無為に過ごさねばならない無念というものは推して余りあります。しかも、己の利益のために権力側が謀略によってでっち上げた罪によるものなのですから、私なら怒り狂うでしょう。

もちろん、私は、収賄罪が本当に成り立っているのかどうかの判断の妥当性を知りません。しかし、本人も、贈賄と判断された方にも、その意志を一貫して否定してきているわけで、その状況の詳細を知ると、これが贈収賄であるはずがない、と感じざるをえません。年をとって、頭も体力も落ちてきましたが、唯一、良くなっていると思うのは人を見る目です。騙されたり、とんでもない人間とかかわり合いになってしまったり、逆に素晴らしい人にであったり、そんな経験をつんで、人を見る目だけは磨かれました。一言しゃべる言葉を聞けば、どんな人間か正しく判断できると自信を持っています。鈴木氏の綴る文章に鈴木氏という人間が体現しています。ウソをつく人間にはかけない文章だと思います。

思うに、この鈴木事件の詳細を少しでも知っている人は、全員がこれは冤罪であることを分かっているのだろうと思います。その収監を決めた検察とグルの裁判所も事件をでっち上げた検察も、自分たちが法を欺いて、人間として、職業人としてもっとも恥ずべきことをしていることを十分に知っているはずなのです。みんなが間違っていると思っているのに、結局、鈴木氏の収監という恥ずべき結果になってしまった日本。鈴木氏の無念を思うと、ハラが立って仕方がありません。
 そんな中でも、鈴木氏は将来への希望を捨てず、支援者や家族に人々に感謝の言葉を残して、胸を張って収監されていったことに、私は人間の尊厳とでも言うべきものを感じました。腐りきった権力と自分の利益のことしか考えない現内閣の政治家、マスコミのいう大ウソを真に受けて思考停止してしまう人々、やりきれないことが多すぎるこの国の今ですが、政治家の中にも、マスコミと権力の卑怯な総攻撃を総身に受けても天に向かって真っ直ぐに立ち続ける鈴木氏や小沢氏のような人をみると、日本人も捨てたものではないと思ったりするのです。

私が日本に望むことは、誇り高い君子の国であることです。喩え、アメリカの属国であっても、胸を張って天を望む人々のいる国であって欲しい、そうずっと思っています。
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この数日のこと

2010-12-07 | Weblog
ここ数日にあったことなど。

リンの代わりにヒ素を使って生きる細菌がNASAとNSFの研究者によって、カリフォルニアで発見されたという、大発見が数日前に報道されました。これはとんでもない大発見です。簡単に追試もできるでしょうから、ウソだとも思えませんが、本当だったら世界がひっくり返る発見だと思います。(http://www.nasa.gov/topics/universe/features/astrobiology_toxic_chemical.html) 続報を期待したいです。(信じられないので)

12/5日、日比谷野音で、約1500人を集めて、検察の裏金づくり告発直前に口封じ逮捕され、実刑を受けた三井環さん、検察審議会のデタラメを調査している森ゆう子議員、社民の保坂展人元議員、ジャーナリスト青木理氏らの検察の違法行為に対するスピーチのあと、検察批判の市民デモが行われました。翌12/6に収監された鈴木宗男議員の音声のメッセージも流されました。検察、司法という官僚の権力が政治的意図をもって、不法に市民の社会生命を奪ってきたヤクザの国、をマトモにしなければなりません。収監前の鈴木宗男氏のブログから以下転載。

最後の週末

鈴木宗男氏(新党大地代表)

 昨夜、釧路からの最終便で上京。家に着いたのは23時になった。限られた時間しかないので雑誌の校正とか残された仕事をしたら夜中の3時近くになってしまった。

 9時から日程が入っていたので予定通りこなしながら午後からは事務所で書類整理や留守の間の打合せを事務所の人達とする。9月15日異議申し立て棄却、10月7日食道ガンと言われ26日手術。あっという間の80日だった。

 8年前逮捕される時は検察のリークによるメディアスクラムともいうべきバッシングで身動きが取れなかったが今回は同情や激励ばかりで、メディアの皆さんも冷静に受け止めて下さり、北海道内の後援会はもとより全国の主要な処にも挨拶に行く事ができよかった。

 与えられた宿命の中でしっかり頑張って結果を出したいと改めて決意する。北海道はもとより全国の後援会、仲間、同志の皆さんしばらく留守を致しますがお許し下さい。

 東京も北海道の事務所も従前通り機能しておりますので宜しくお願いします。一日も早くお目にかかれる事を楽しみにしながら行って参ります。

アメリカ、Federal Reserve Board (FRB) 議長のバーナンキ、テレビインタビューに答えて、将来的にアメリカ経済が持ち直すことに関して自信を持ってはいるが、この不景気はあと4、5年は続くかも知れないと発言。アメリカの失業率はむしろ悪化しつつあるというデータ、WikiLeaksがアメリカ金融機関の機密文書を間もなく公表すると言っていることなどの不安材料が多いためでしょう。先日、FRBが判決に従って公開したといわれる経済危機のときの救済内容ですが、「暗黒夜考」によると、この内容は虚偽であるそうです。(http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/bc71acb876aaf3c5c9a736477fc7c366)なるほど、アメリカがアサンジ氏を指名手配し、WikiLeaksのサイトアクセスやPayPalでの寄付をブロックしたりと、なりふり構わぬ手段をとってWikiLeaksを潰そうとしているワケです。おそらく、WikiLeaksはアメリカ金融機関の劣悪極まりない運営内容と汚職についての情報を手に入れていて、それが公開されると、今度は本当にアメリカ株式市場の暴落とドル体制の崩壊が一気に進む可能性が高いからでしょう。
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怪しいビジネス、ドルの崩壊、マイナス能内閣

2010-12-03 | Weblog
11/25号のNatureの広告に眼が止まりました。Victor Advanced Research Initiative (VARI)というニューヨーク州のロッチェスター付近の片田舎にある施設の広告で、その施設のメンバーシップを15000 – 25000ドルで売り出しています。どうもこの施設は細胞などのImagingを得意にしているBrian Bennettという人が創始者のようで、そういう設備や技術のない人に実験サービスを提供するというアイデアのようです。研究者はこの施設まで実験サンプルを持って行き、トレーニングの行き届いたPhDが主にイメージングの実験を行うということです。メンバーシップを買うと、送迎やホテルの手配をしてくれて、近所のゴルフ場のメンバーシップ、スパやサロンのサービス、ワイントレイルの入場パスポートのおまけなどなどの特典がついてくるということだそうです。要は、誰かに実験をやらせて、その間に、ゴルフをしたり、スパでリラックスしたり、ワインを楽しんだりしている間にデータが出るという話です。ま、アカデミアで乏しいグラントをやり繰りしているような人間には関係ない話ですが、利用者は本当にいるのでしょうかね。メンバーシップはそれほど高いものではないでしょうが、加えて各サービス、宿泊、いろいろに加算されていくでしょうから、かなり高額の実験になると思います。そもそも金にならない基礎実験にそんな金をつぎ込める人はどんな人なのかな、と不思議に思います。大企業でそれだけの金を出せるところなら、社内に既にイメージングの設備ぐらいあるでしょうし。その設備がないような小さなバイオテクなら、こんなムダ使いをしていたら半年ももたずに潰れるでしょう。これがとてもビジネスとしてやっていけるとは思えないのですが、もしやっていけるとしたら、そこに何らかの真っ当出ない金が流れ込むような仕組みがあるのでしょうね。
 あと、この号で目立った記事は、ガン抑制遺伝子p53を欠く肺がんをマウスで誘発したあと、p53を再発現させてやったら進行したガンに限って退縮をきたす、という二報、あと脳組織と血液系の間にはバリアーがあって分子の交通は制限されているわけですが、その脳血液関門の機能にpericyteと呼ばれる細胞が重要な働きをするというのが二報でていました。Pericyteは最近、注目をあびている細胞で、普通、血管に寄り添うようにして張り付いている線維芽細胞の一種ですが、その機能については不明な部分が多いものです。またpericyteは血球系細胞や筋肉細胞や骨をつくる骨芽細胞に分化するstem cellもどきの機能をもつとも言われています。そういえば、線維芽細胞がiPSを経ずに比較的容易に血球になるという報告もこの号にでていましたから、線維芽系細胞は元々フレキシブルな細胞なのでしょう。Nature MedicineにはALK2を介したBMPシグナルによって血管内皮細胞が線維芽細胞の一種である骨芽細胞に分化するというレポートもありました。また血球系細胞も線維芽系細胞にも分化できるようですから、成人の細胞分化というものは、昔に考えられていたようなrigidなものではないようです。

さて、アメリカでは昨日の株式市場は高値で開いてその後は、穏やかに推移していましたが、昨日、The Federal Reserveは、経済危機のときに色々な形でなされた救済ローンに関する情報を情報公開を決めた判決に従って、公開しました。これによって、経済危機の程度は以前推測されていたよりも、酷かったことが明らかになりました。シティーグループを始めとする18の金融機関が合計、$9 trillionという巨額の融資を受けており、これらの金融機関の内情の劣悪を暴露する情報です。この情報公開が、既にバブル気味になりつつあるアメリカ株式市場の暴落の誘い水となるのではないかと心配している人もいます。事実、アメリカでの雇用状況はまだまだ悪く、リーマンショックからの株式の回復ほどには実質経済は改善していないワケですから、遠からず株式市場がクラッシュするのは間違いないでしょう。ヘッジファンドは金融株を放出し出していましたし、中国とロシアが貿易にドルを使わないという決定はつい先日ありました。アメリカ通貨、即ちアメリカ資本主義に基づくアメリカ世界制覇の終焉の兆しをそれぞれ感じ取っていたということです。一方、日本は酷いものです。民主党がヨタヨタしている間に、郵政見直し法案の審議はどんどん後回しにされ(郵政民営化による金のアメリカ金融機関への流出阻止策がとられない)、TPPという日本には百害あって一利なしの協定に安易に乗ろうとし(アメリカ金融機関に日本経済を荒らされる上に、日本の保護産業を壊滅させる)、崩壊しつつあるアメリカ覇権主義を捨て身で支えようとしています。 一方、他の国々はソクサクと身支度して、ドル崩壊後に備えて準備しはじめています。日本と言えば、これまでも散々搾り取られて来たのに、まだまだ、自国を犠牲にして死にかけの宗主国アメリカに忠義立て、これが武士道、玉砕精神というものですかね。(そういえば、ブッシュの前でプレスリーの物まね芸をして、ブッシュのポチと呼ばれたヤクザもしましたね)ご免こうむりたいです。
 この辺の世界経済におけるドルに関する解説は金子勝さんのブログを参照下さい(http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/archives/1341059.html)。
 それにしても、この危機に際して、現政権がやっていることは、全く逆です。もうドル崩壊が始まりつつあるのに、日米同盟だのTPPだのと東の方ばかりを向いて、これからは、最も大切にしないといけないアジア諸国にはケンカを売らんばかりです。能力ゼロが無能と呼ぶのであれば、能力マイナス値の今の内閣を何と呼べばよいのでしょうか。
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