Science誌にビデオゲームの「ムシキング」のことが紹介されていました。日本の男の子にとっての夏休みの楽しみの一つは、カブトムシやクワガタムシを飼うことだと思います。私の子供時代も夏休みは親に頼んで朝早くに山の中までムシを探しに行きました。幻のオオクワガタを捕まえるぞと意気込んだものですが、現物は見た事はありません。コクワガタ、ミヤマクワガタとか、良くてノコギリクワガタとかを捕まえた覚えがあります。捕まえたクワガタムシは友達と見せ合ったりして楽しみました。ムシは見つけて捕まえる所が最も面白いと思っていましたが、私の子供の頃からデパートでは、カブトムシの成虫や幼虫が子供向けに売られていました。最近はそのビデオゲームのためか、普通のカブトムシではなく、外国の変わったムシが好まれるのだそうです。当然、日本にはいませんから輸入されてくるわけです。年間一億匹という数だそうです。その中で最も人気なのが、Lucanus cervus akbesianusという学名の稀なクワガタムシで、南トルコのアマノス山脈のみに生息するものだそうです。既にアマノス環境保護協会では、このムシの過剰捕獲による絶滅の可能性に対して警告を発しているとのことです。一方、日本でも有識者は、外来性輸入種が野生に入った場合におこる可能性のある国産種の駆逐を危惧しているそうです。
本来、田舎の子供のローカルな遊びであったクワガタムシ採集が、ビデオゲームなどの影響で外国の環境問題にまで発展していっていたとは知りませんでした。
買ってでも珍しい昆虫を手に入れたいと思う子供の気持ちはよくわかりますが、おそらく買ってやるのは親だと思います。売っているから買うわけですし、買う人がいるから目の色変えて、この稀少なムシを捕まえてはお金に替えようとする人がいるわけです。でも、これが外国の自然の破壊に繋がる行動であるかも知れないことを分かった上で、それでも子供のためにと買ってやってやる親は少ないと思います。産業革命以来、人の需要を満たす以上の有形無形のものが、富を蓄積という目標のもとに作られ、浪費され、破壊されています。富とは金であり、「金で何でも買える」時代は金を蓄積することが最優先されることは理解できます。しかし現在、金では買えない環境や自然や文化(稀少民族や言語の絶滅の問題は以前から注目されています)が失われていっています。そしてやがては自然からの恵みである食料が金では買えないようになる可能性があります。世界での情報交換が信じられないような規模とスピードでできるようになった今日、我々のちょっとした欲が、それを利用して利潤を得ようとする者の欲を刺激し、その悪循環があっと言う間に地球規模での大問題と発展し得るわけです。情報を得ることがより易しくなったからこそ、情報を正しく取捨選択し、正しく理解し、正しい行動に結びつけることができるように人はもっと賢くなる必要があります。情報は力であり、悪用すれば極めて危ないものです。危険物はそれをコントロールできる人のみによって扱われるべきだと思います。
本来、田舎の子供のローカルな遊びであったクワガタムシ採集が、ビデオゲームなどの影響で外国の環境問題にまで発展していっていたとは知りませんでした。
買ってでも珍しい昆虫を手に入れたいと思う子供の気持ちはよくわかりますが、おそらく買ってやるのは親だと思います。売っているから買うわけですし、買う人がいるから目の色変えて、この稀少なムシを捕まえてはお金に替えようとする人がいるわけです。でも、これが外国の自然の破壊に繋がる行動であるかも知れないことを分かった上で、それでも子供のためにと買ってやってやる親は少ないと思います。産業革命以来、人の需要を満たす以上の有形無形のものが、富を蓄積という目標のもとに作られ、浪費され、破壊されています。富とは金であり、「金で何でも買える」時代は金を蓄積することが最優先されることは理解できます。しかし現在、金では買えない環境や自然や文化(稀少民族や言語の絶滅の問題は以前から注目されています)が失われていっています。そしてやがては自然からの恵みである食料が金では買えないようになる可能性があります。世界での情報交換が信じられないような規模とスピードでできるようになった今日、我々のちょっとした欲が、それを利用して利潤を得ようとする者の欲を刺激し、その悪循環があっと言う間に地球規模での大問題と発展し得るわけです。情報を得ることがより易しくなったからこそ、情報を正しく取捨選択し、正しく理解し、正しい行動に結びつけることができるように人はもっと賢くなる必要があります。情報は力であり、悪用すれば極めて危ないものです。危険物はそれをコントロールできる人のみによって扱われるべきだと思います。