日本円は今や一ドル150円近くとなりました。80年代末期の水準です。日本の経済力は低下する一方、国民の貧困率は先進国で最大、ついに格差水準もあの新自由主義大国であるアメリカさえ超えたという話。貧しくなる一方で、少子高齢化はますます進み、カムバックの気配は全くありません。
そんな中で、インボイス導入は、今後の日本に長期的に復活不可能なレベルの打撃を与えると考えられます。世の中の人々の3割がインボイスの制度のことを理解しておらず、理解していると思っている半分は誤って理解しているという状況です。しかも誤って理解している人は消費税を正しく理解していないからであって、その誤りを正すのは知らない人にゼロから説明するよりも難しいかも知れません。そんな中、ネット署名で五十二万筆を集めたインボイス中止の要望書をキシダは受け取り拒否。この男の「聞かない力」には呆れ返りました。どうして総理大臣がこんなレベルなのか。アベは史上最悪の総理と言われましたが、すでに私の中ではキシダの悪性度はアベを越えつつあります。
消費税は「売上税」と言う形で最初導入されようとしたように事業者が払う税であって、消費者が払っているわけではありません。導入当初、年商三千万以下の事業者は「消費税分の価格が増えた分、得になる」という政府に詭弁に乗せられて、消費税と名前をかえた売上税の導入に賛成してしまいました。これが、その後の増税、そして今回の「免税業者」の廃止へとつながる地獄の入り口でした。消費税によって潤っているのは輸出大企業で、消費税分は下請けの中小零細企業に力で負担させ、加えて自社売上の消費税分は輸出還付金として受け取るというdouble dippingで利益を出しているわけです。いずれにせよ、最初は中小零細事業者に優遇措置があるかのように言って導入した消費税、蓋をあけれ見れば元請から消費税分の値引きを強要され、そのうち徐々に増税された挙句に免税措置からもはずされて、まるで弱者を助けるふりしてカタにはめるヤクザまがいの手口にすっかりやられてしまったというのが現状でしょう。
端的に、インボイスは中小零細企業に対する「いじめ」であり、そうした弱者に過大な税務処理と金銭的負担に強いられるか、もしくは取引から排除されるか、の究極の選択を迫るものです。日本企業の大部分を占める小規模事業者が日本の経済の屋台骨となってきたことを考えると、もしインボイス事業者への登録ボイコットが成功しなければ、多くの日本の中小零細は廃業を選ぶことになるでしょう。日本の不況はますます深刻化し、さまざまなサービスの消失していき、小規模事業によって成り立ってきた日本の多様な文化や技術がなくなるか、そうでなければ、金を持っている中国の企業などに買い取られていくことになるでしょう。一般の日本人はそのうち中国などの外資の企業の下請けとして搾取されるようになるかも知れません。気づいたら日本の老舗事業は全部中国の会社の子会社となっている未来も遠くないのではないかと思います。
昔、ユカタン半島のリゾート地に旅行した時のことを思い出しました。カンクーンなどのリゾート地には立派なホテルやゴルフ場などの娯楽施設があり、活発な経済活動があり、外貨を持ち込むアメリカやヨーロッパからの観光客がカリブ海のビーチを楽しんでおりますが、一歩はなれると、メキシコ現地人の人々の生活は貧しく、リゾートに落とされる金はリゾート開発者であるアメリカなどの企業が持っていき、わずかな金が現地労働者の賃金として支払われるのみです。メキシコの恵まれた自然や人材を使って儲けているのはメキシコでもメキシコ人でもなく、欧米の資本家で、一般メキシコ人は貧しく、一部の金持ちだけが美味しい思いをする世界。
日本もそのうち、中国の企業が外国人向けのホテルや料理店を買い取って日本人を労働者として雇い、儲けだけは持っていくというようになるでしょう。日本の昔からの遺産と食文化と日本人労働者を利用して、金儲けするのは中国人。日本は軍事的にアメリカの属国、経済的には米中の属国となって、最終的にこの金儲けのサイクルが破綻したら、彼らは去って、日本人には草を刈り尽くしたあとの草刈場のように荒廃した土地だけが残る、そんな未来が見えるようです。
つまり、日本政府が、日本の中小企業や国民を大切にせず、一部の大企業の短期的利益のために増税を繰り返し、社会保障を削りまくるというようなバカな真似をし続けた結果、日本はすでに身売りせざるを得ない状況に追い込まれたと言えると思います。
つくづく、つくづく思いますけど、自民党政権の日本政府ほどのバカはいないです。自ら自国を破壊し、自らの国民を弱らせて、アメリカと外国資本に国土と国民を売る、売国奴というのは自民党政権と政府のことでしょう。結局は、そんな最低の売国政権を長年、野放しにしてきた国民の責任です。こうして国を売って金儲けしてきた人々は、最悪の事態となればさっさと日本から出ていくでしょう。ほとんどの日本人はそうした自由がないし、荒廃した源が乏しく食料自給もままならない国で貧乏に耐えるしかなく状況に置かれることでしょう。残念ながら騙されたと気づいた時にはもう手遅れなのです。