百醜千拙草

何とかやっています

高濃度放射能汚染、苦しくなる国民生活

2013-07-30 | Weblog
私の所属機関内のポスドク向けグラントの審査の第二弾がやってきました。第一弾で、二十数件の申請を読んだのですが、専門ではない分野のグラント申請を二週間で仕事の合間を縫ってやるのは大変でした。ダメなグラントを落とすのは簡単なので、上中下ぐらいのグループに分けるのはそう難しいことではありません。第二弾はこの三つのレビューグループが選んだ各上位グループをランク付けして、上から10人ほどを選ぶという作業になります。一通り目を通しましたが、ランク付けは正直言って不可能です。基礎科学、臨床研究、技術開発エンジニアリング、という基本的な考え方が全然違う分野で様々なトピックを扱っていますから、それを比べて、門外漢の人間がランク付けするというシステムにムリがあると思います。しかも、この第二弾は最初のスクリーニングで競争率3倍を勝ち抜いてきたグラントで、どれもいい出来なのです。(イタリア人には悪いですが、平行してやっているイタリア政府へのイタリア国内研究者のグラントのレベルに比べたら、雲泥の差があります)どのグラントも素晴らしい出来なのですが、お金には限りがあるので、第一予選通過者の約2/3の応募者はグラントは貰えません。グラントを貰える人と貰えない人の差は、正直、ありません。そして、こんな小さなグラントでも、貰えなくてがっかりする人の気持ちが目にみえるようで、この作業はつらいです。これが貰えないばかりにポスドクを続けられなくなって、人生、変わる人もいるかも知れません。ま、私も人の心配をしている場合ではありません。このグラントに限らず、グラントが当たる当たらないは本当に紙一重で、当たるべき人が当たらず、当たるべきでない人が当たることも多くあるだろうと思います。研究に限らず、ビジネスだともっとシビアで不公平でしょう。ま、そういう「ゲーム」だと割り切ってやれることをするしかありません。
 その審査ですが、ポスドク用のグラントということで、今回はプロジェクトの内容に加えて、応募者の業績とか履歴とか注意して見ました。私がポスドクだったころに比べて、はるかに見栄えのする人が大勢います。私のようなものに審査されて気の毒だなあ、と思ったりします。超一流雑誌に筆頭著者で数本ある人も珍しくありません。一昔前なら、とっくに独立職についているべき業績の人が、ポスドク用の小さなグラントに応募してきています。複数の機関でポスドクを数年ずつやって、ウチの施設でさらにポスドクをやっている人も珍しくありません。その間、しっかりと論文も発表しています。ポスドク10年以上やっている人もいました。業績もそれなりにあります。思うに、それでもこのようなレベルのグラントに応募する理由は、それだけ研究費やpositionを獲得するのが、難しくなっているということなのだと思います。ちょっと、気が滅入ってしまいました。

さて、T大の論文不正事件に関して、私も建前上会員の学会が発行する雑誌に"Publisher's expression of concern"という一文が発表され、2007年以降にこの雑誌に掲載された5本の関連論文が上げられていました。T大の調査結果を待って、出版社としてはこれらの論文の処分を決めるとのこと。一連の不正の手口というのは、Photoshopによるデータ加工なのですが、直接、この責任著者をよく知っている人の話によると、この方はコンピューター音痴なのだそうで、自分ではPhotoshopでデータを加工したりするような能力はない、ということでした。事実、T大を辞めてからの講演を聞いた人の話によると、スライドの質が劇的に劣化していたということで、ご自身での画像やプレゼンテーションファイルの作成は得意ではない様子だったそうです。とすると、不正の実行犯は、責任著者の人ではなく、研究室に代々受け継がれていた悪しき伝統(?)を受け継いだ院生、ポスドクの人々なのではないかと予想されます。これまでの業績には特筆すべきものがあると私は思いますから残念です。

さて、フクシマ原発、週末、朝日新聞に次にような記事。

東京電力は27日、福島第一原発2号機海側の坑道で採取した水から、1リットルあたり23億5千万ベクレルの高濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。事故直後に坑道に流れ込んだ汚染水が今もたまったままになっているとみられる。

26日に坑道内の水を採取したところ、1リットルあたりセシウム134が7億5千万ベクレル、セシウム137が16億ベクレル含まれていた。ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質も7億5千万ベクレル検出された。事故直後に海に流れ出した汚染水とほぼ同程度の濃度という。


昔よくやった分子生物実験では、37ベクレル、半減期14日の放射性同位元素を扱うだけでも、何ヶ月も厳重に管理しなければなりませんでした。一リットルあたりその十億倍レベルでセシウム137だけでも半減期が30年という汚染水が、何万トンあったのか知りませんが、事故後から現在に至まで海などに放出されたということです。また半減期はほぼ半永久的と言ってよい高濃度のトリチウム汚染も発表されました。検査は選挙前からやっているのに、都合の悪いニュースは選挙後に発表されるというのが、なんとも東電です。

もう一つ、気の滅入る話。亀井さんも無念でしょう。

米保険会社の代理店と成り下った日本郵政の衝撃 天木直人

まるで絵に描いたようなシナリオどおりの対米従属だ。きょう7月26日の各紙が一斉に書いている。日本郵政が米保険大手アフラックのがん保険を全国の郵便局で販売することがわかったと。TPPの交渉が始まったばかりのこのタイミングでこの発表だ。あまりにも屈辱的だ。日本郵政が生き残りのためにかんぽ生命の業務拡大をしようとした時、民営圧迫といって真っ先に反対したのは日本のがん保険市場独占を狙った米国保険会社である。そして米国政府はそれを公然と支援した。その米国はTPPで例外なき自由化を日本に対して求めて来た。ところが自動車と保険分野に限ってはTPP交渉の事前協議とやらで、早々と日本に対し例外を要求し、日本はそれをあっさり丸呑みさせられた。すなわち日本政府は昨年11月にかんぽ生命ががん保険の独自商品販売を申請をしてもこれを認めない方針を米国に表明したのだ。これでどうやって日本郵政は生き残れるのかと思っていたら、米がん保険会社の代理店となるというわけだ。日本郵政が米保険会社の下請けと成り下がって日本の保険市場を独占し、日本の保険会社を公然と締め出すのである。しかもそれがこれから始まるTPP交渉における米国からの圧力をかわすための政治的配慮だという。どこまで日本政府は対米従属的であるのか。それを当たり前のように報道する日本のメディアもまた米国の代理店に成り下がっている。あきれ果てた日本である(了)


加えて、今日のニュースでは、政府は、医療保険の高齢者への負担増案を発表し、日銀総裁は消費税増税は経済成長が損なわれることにはならない、と講演したというニュース。どこまで、国民をバカにしているのでしょうかね、この連中は。つけあがるのもいい加減にしろと言いたいですね。
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憲法改悪反対

2013-07-26 | Weblog
参院選での自公与党の大勝は気の滅入る事件でした。つい3日前もフクシマ原発第三号基で蒸気の発生がおこり(湯気発生の3号機5階 最大2170ミリシーベルト計測 福島第一)、関東、東北での空間線量が上昇するという事件がありました。原発事故という日本の将来の破滅がかかっている事態が、収束の見込みもなく進行中であるのに、原発推進、原発輸出、をいう自民党が圧勝するキチガイ沙汰でした。加えて、アベ氏らの言動を見ていると、歴史は繰り返すといいますが、世の中、だんだんと戦前の不穏な空気の匂い(実際には知りませんが)がしてきます。
アベ氏や軍事オタクと呼ばれる目つきのおかしい幹事長らは、憲法改変し、国防軍とやらを持って、正式に戦争ができるような体制にしたい、と思っているようです。何のためにでしょうか?
日本には既に、自衛隊という専守防衛のための軍隊が存在しています。ですから軍隊を持つことそのものは目的ではないし、防衛力をつけることも目的ではないと言えるでしょう。彼らの目的は、即ち、戦争放棄をうたった憲法を変えて、戦争ができるようにしたい、ということですが、その動機は何なのかということです。
 一つは、「正式に軍隊を持って戦争ができるようにしておかないと大変だ(そうしないと中国が攻めて来る、攻めてこられて防戦しかできないのでは不安だ)」という恐怖感ではないか、想像します。戦争ができないと不安で、戦争ができる軍隊を持っていれば安心だ、その不安感から、ライナスが毛布を欲しがるように、憲法を変えたい、そう思っているのではないかと思います。軍事オタクに関しては、ひょっとしたら、折角、軍があるのだから使ってみたい、ぐらいに考えているのかも知れません。
 もう一つの理由は、(かつての)アメリカの意図を忖度した官僚からの指令でしょう。繰り返しになりますが、国防が目的なら、国を守るための自衛隊という軍隊は既に存在しており、国を守るという目的のためならば、憲法を変える必要はありません。憲法が変われば、何が良いのか、それは、日本軍が(アメリカの手先となって)ブッシュドクトリンとかのイカサマ理論で武装して、無関係の国に先制攻撃をかけ侵攻して人殺しすることが、日本の国家の政策として正式に正当化できる、ということでしょう。
 そして、アベ氏や軍事オタクや「中国が攻めて来るから武装しなければ」と思っている連中に、共通して欠けているものは、思うに「想像力」です。アリゾナの無線コントロール室からゲーム感覚で無人飛行機を飛ばして、アフガニスタンの民家を爆撃するアメリカ軍兵、うっかり、一般市民を殺しても、「ああ、また、やっちゃった」と、遠隔ビデオのスイッチを切って、その後はウチに帰って、ビールを一杯飲んで、イヤなことは忘れてしまうような連中、アベ氏や軍事オタクは戦争をそういうレベルで考えているのでしょう。生身の人間を傷つけて流れる血や痛み、自分の子供をいきなり爆撃機で吹き飛ばされて殺される苦しみ、そういったものをリアルに想像できる能力に欠けているのだろうと思います。
 更に、彼らには、常識と判断力と理解力が欠けており、憲法の存在理由を理解できないので「軍隊があるのにどうして戦争できないのだ」と文句を言って憲法を変えようとし、日本が二院制民主主義というシステムをなぜ取っているか理解できないので「ねじれがあるから政策が通らない」とねじれそのものが悪いもののように文句を言うのです。

また、一方で、国民のレベル以上の政治家は出てこない、と言います。参院選で自民が圧勝したということは、国民のレベルはアベ氏程度だということなのかも知れません。
 憲法改変に関連して、昨年の衆院選のころ、「日本が9条を変えて戦争のできる軍隊を持ち、徴兵制を導入したら、私は孫を連れて日本を出て行く」と、湯川れい子さんが発言し、それに対して、ネットで批判的なコメントが大量についているのを、最近、私は発見して、どんよりしてしました。おそらく、戦争はコンピュータゲームぐらいでしか知らず、戦場で人を殺したり殺されたりということがどういうことかリアルに想像できない戦争を知らない時代の人々でしょう。アベ氏とか軍事オタクもその世代です。戦争になっても死ぬのは自分や自分の子供ではないと思っているのでしょう。「軍隊をもたずに、中国や朝鮮が攻めて来たら、どうやって国を守るのだ」というのが多い反応ですが、この手の反応をする人は、軍隊を持っていても、原発が54基も林立している日本では、国を守る術はないとは思わないのですかね。原発一基でも破壊されたら日本は十分終わるでしょう。ミサイル迎撃システムなどSFに過ぎないのはもう隠せなくなっています。中国でも北朝鮮でも、日本を本気で攻撃する気になれば、原発めがけて数発ミサイルを打ち込めば、それまでです。核兵器など必要ありません。国防軍など何の役にも立ちません。もう1つは、「中国や朝鮮が攻めて来たら」という発想そのものです。恐怖をあおって相手をコントロールする方法は、いわゆる抑止力や外交の手段として使われます。「中国が尖閣諸島に上陸して、それから日本本土に攻め上がってくる、大変だ」とか思わせられた時点で、これは、すでに相手の手の内でしょう。現代の人間にとって「恐怖」は、益よりも遥かに害が多いのです。中国であれ、どこであれ、どこかの国なりテロリストが本気で日本を潰してやろうとと考えているなら、防ぐ手段はないと私は思います。軍隊は仕返しをする手段ぐらいにしかなりません。
 もう1つの論調は、「自前で軍隊をもって自衛しない独立国はないのだから、日本も普通の国になるべきだ」という日本人的発想でしょう。湯川れい子さんが、戦争のできる軍隊を持ったら日本を出て行く、というの発言に、「では、軍隊のない国へ行け」という短絡的な発想のコメントも多かったのです。日本には既に軍隊が存在してますから、湯川さんの発言はそこではなく、日本が憲法を変えて堂々と戦争ができる国になった場合に日本の政体はそれを賢く使うだけの知恵をもっていない、ということを危惧しているのではないでしょうか。北朝鮮よりも危険な国、それがアベ氏や軍事オタクが変えようとする日本なのです。なぜなら、北朝鮮は自分が弱いことを知っていますが、アベ氏や軍事オタクは日本が軍隊を持てば強くなるとでも勘違いしているフシが見えるからです。
 日本が9条のおかげで戦後に得た利益は、もし軍隊を持って普通の国であった場合に比べて遥かに大きいと思います。そのおかげて、日本は普通の国よりもずっと良い国であったのに、これからは普通の国なみにダウングレードしたい、つまり、普通である方が普通以上の国であるよりも大切だ、と思う人が多くなったようです。日本は自衛隊という軍隊をすでに持っています。それを「兵は不祥の器」として積極的な戦争に参加できないように縛って来たのが9条であり、このシステムが戦後日本に与えた平和は動かしがたいものです。国勢の衰えつつあるアメリカのかつての思惑は、日本にアメリカの代わりに戦争という汚い仕事をしてもらいたいということでしょう。かつては、日本が正式な軍隊を持てば、アメリカ兵の代わりに日本兵に人殺しをしたりテロリストに殺されたりしてもらおう、というアメリカの軍事産業側の算段があったのは間違いないと思います。ところが、アメリカ軍事産業も力を失いつつあり、政府も財政破綻してアメリカ軍への予算も相当額削られ、戦争ビジネスからフェードアウトしようとしている動きが強くなってきました。そんな中で、常識と判断力と想像力に欠けるアベ氏や軍事オタクは、今でもアメリカが、日本が戦争に参加することを望んでいる、と勘違いしているようです。アメリカやアジア諸国にとってみれば、原爆にすぐ使えるプルトニウムを大量に保有する日本が、戦争ができる軍隊を持ったら、核武装化しかねない、しかも指揮をとるのが、常識と判断力に欠けるアベ氏のような人間だという状況をみて、警戒しないわけがありません。それが、オバマのアベ氏に対する再三の冷たい仕打ちに表れているのではないでしょうか。しかし、そこまでされても、アベ氏は事情がわかってかわからずか、迷彩服を着て戦闘機ヘルメットをかぶって親指を立ててみたりというバカをさらし続けるのです。

最後に憲法改変に関して、二つリンクしたいと思います。是非、ご一読ください。

一つは、反響をよんでいるジブリの小冊子、「熱風」7月号のへの憲法改変に関する記事です。緊急PDF配信ということで8月20日まで無料ダウンロードができます。無断転載を禁じているので、内容のコピーはしませんけど、宮崎駿さんの現自民党の改憲派の連中への意見は私が共有するものです。

もう一つは、豊橋いのちと未来を守る会のウェッブサイトで公開されている「ちゃんと知らなきゃ大変だっ」というマンガで自民党の改憲の危険さをしています。

東京新聞のこのマンガの紹介記事:

マンガで読む「改憲」 福島からの避難者ら作成、ネットで反響
 2013年7月24日 東京新聞 朝刊

自民党の改憲草案を分かりやすく解説したマンガがインターネットにアップされ、アクセス数がわずか一カ月弱で五万四千件を超え、関心を呼んでいる。作成したのは、脱原発や環境問題に取り組む市民グループ「豊橋いのちと未来を守る会」(愛知県豊橋市)。自民党が圧勝した参院選の結果を受け「自民党案が何を意味しているのか、知らないのは危険。若い人たちに読んでほしい」と訴えている。 (原尚子)

マンガのタイトルは「ちゃんと知らなきゃ大変だっ!!」。福島県郡山市から母子で避難している西田奈加子さん(40)が作画を、東京から避難中のグラフィックデザイナー渡辺亜希子さん(37)が編集を担当した。

昨年十二月の政権交代後、二人は原発推進や九条改憲の流れが強まっていることに危機感を抱く。草案について調べるうちに猛省した。「こんなに恐ろしいことを、なぜ今まで知らなかったのか」

自民党案は「国防軍」の保持を明記。現行憲法が国会議員や公務員だけに憲法擁護の義務を課すのに対し「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」との条文を新設するなど、国民の負う責任や義務を強める。国民の権利に関しても「公益及び公の秩序に反してはならない」などと制約する。、、、

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衆愚のツケ

2013-07-23 | Weblog
参院選、残念なことに与党が過半数を取ることになってしまいました。これでコイズミ内閣の時のように「数の暴力」で与党(国民搾取党)に都合よく国民に都合の悪い法案がドンドンと通ってしまうことになりそうです。暗澹たる気分です。
 確かに空きカン以降の民主党はヒドかったです。民主党には懲りた、という気持ちは良くわかりますが、だからやっぱり自民党、というのは、余りに思考停止でしょう。国民はコイズミ内閣がどれほどのことをしたのか早くも忘れ去ってしまったようです。
 言葉は悪いですが、ネットで「肉屋を自分たちの味方と勘違いしている豚ども」という表現を見つけました。自ら考えることをやめて、とりあえずはエサを与えてくれる飼い主を味方だと勘違いする記憶力の悪い国民に対するフラストレーションが表れています。
 また、選挙前の「反戦な家づくり」のこのエントリーは一読の価値があると思いますのでリンクします。

敗戦後、占領軍による直接支配の時代を終えて、間接支配に移行する際に作られたのが、55年体制だ。米国に間接支配されながら、小さな妥協を勝ち取っていたあの時代を、今よりも良かったと感じる感性が、国民を幸せにできるとは、私には思えない。

もはや、小さな妥協すら望めないということ。
米国も日本も、すでに下り坂のまっただ中にある。かつてのように、小さな妥協で国民にエサを与え、飼い慣らすだけの余裕がない。えさ代にも事欠くようになってしまったのである。、、、

今の時代は、そういう時代になってしまったのだ。いくら55年体制を懐かしがっても、もう戻ることはできない。
米国も自民党も、国民にエサを与えるのではなく、国民そのものが自分たちのエサだと思っている。


今回、自民党に入れた人は、55年体制時代に親の世代が貰っていた「ささやかなエサ」を懐かしんだのでしょう。自民も満足ではないが、民主はもっとヒドかった、もし、かつての55年体制時代程度のエサでも得られる可能性があるなら自民に入れよう、とでも思ったのかも知れません。しかし、上にあるように、今は時代が違う上に、そのことさえ理解できない執行部が自民党を運営しています。日本の富の過半数は55年体制時に生産人口にあった現在60歳以上の人々が持っています。未来を背負う若者は貯蓄も収入もその世代に比べて、もっと少なく、それが上がって行く保障もありません。一方で、財務省にかすめ取られてできた巨額の累積赤字と高齢者の増加に対する生産人口比の急激な低下は、日本の貧困化を急速に進めて行くでしょう。日本国債はまもなく国内では消化できなくなり、外人投資家の投機対象となり、それは国家破綻に直結することになります。現与党と財務省はそれをわかっていながらも自分たちの目先の利益さえ確保できれば、十年後に日本が滅んでいても構わないと思っているようです。

自分の頭で考えて投票する国民がもっといたならもっと得票してもよかったはずの生活の党やみどりの風は惨敗し、森ゆう子氏も落選してしまいました。いくらメディアのプロパガンダや目くらましにダマされたとは言え、やはり自分の頭でちゃんと考えることを放棄したとしか思えない多くの国民自身の責任と言えるでしょう。

衆愚政治に対するフラストレーションは至るところで見られます。独立国大和の「戦時体制への序曲」から。

中国新華社通信の記者さんが 中国国営テレビで喋っていたが ”これからの日本は アジアの不安定要素になる” という言葉は正鵠を得ているだろう。
これから日本は アメリカ政府(666という世界政府) の管理下で運営される。だから、日本国民が自民党が作った法案に反対しようとも、現行の安部内閣は実行する。
消費税増税・TPP・憲法改正 その他、何でもアメリカ政府(日本の財務省)の要望には従うだろう。
気が付いた時には、もう遅い! ・・・ 地獄行きの列車は、もう発車してしまった。 日本国民を乗せて。
いよいよ、平成戦国時代の幕開けとなったか?
これから。最低3年間は戦いの準備をしましょう。
”出来ない” であれば、これからの時代は、彼らの奴隷になるしかナイ。。
それは、ご自身が、常に物事の裏側を見て、対策されなかったツケが来たのだ。覚悟しよう!


世に噛む日々のツイートから

半世紀以上ぶりで、日本の暗黒時代がはじまる。その暗黒を暗黒と感じていないこと自体、これ以上ない、正真正銘の、暗黒の中の暗黒。


わずかに希望が持てる明るい話題は、山本太郎さんが無所属ながら大きな支持を得て当選したことでしょうか。付和雷同、組織票で与党を支持した人が多かった一方で、無所属の山本さんが議席獲得したということは、候補者の主張を聞いて一票を投じた考える国民も都会では増えて来たということではないかと思います。今後、予想されるであろう権力の懐柔と脅迫に負けずに、戦い抜いてもらいたいと思います。多分、彼は、懐柔と恐喝には屈しないだろう、と思います。問題は暗殺です。これまでも国家権力に本気で楯ついた人々は殺され続けてきました。山本太郎氏は、これからがイバラの道であり、自分を注目して欲しい、と述べたそうです。衆人が注目している人間には、権力側も、極端な手は使いづらいからです。つまり、自分が殺される可能性を考えての発言であり、それだけの覚悟を持っているということ示しているのでしょう。
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黙るジャーナリズム

2013-07-19 | Weblog
今年の研究費カットで窮地に立たされていたのですが、その後、小さなグラントが当たり、一息つくことができました。しかし、それで一人の給料を払うことにしたのでそう余裕が出たわけではありません。それで、予算カットの埋め合わせにウチの講座と施設が私の研究に多少の援助をしてくれることを決めてくれて、昨日はその書類を書いていました。ところが、今朝になって思いがけずカットされた研究費の一部を再支給するという通知が来て、それで、さすがにdouble-dipはまずいだろうということで、講座と施設の援助は辞退することにしました。ともかく、一時的とは言え、窮地を脱することができました。天は私に必要なものは必ず与えてくれると私は信じているので、そのあらわれなのだと思います。感謝に堪えません。とりあえず、「ありがとう」と青空に向かって言いました。

どーでもいい話ですが、空きカンがアベ氏を名誉毀損で訴えたというニュース。目クソ鼻クソでどちらもクソには違いないのですが、前首相が現首相を訴えるというバカバカしさというか、恥ずかしさ。以前、弁護士の人に犯罪になる可能性のある言動について教えてもらったことがあります。一般人に対しては、「言論の自由」で許される範囲は結構微妙で、使ってはまずいある種のキーワードがあるそうです。しかし、政治家に関しては、殆どの悪口は犯罪にはなりません。私人と公人の差ですか、一般人に言っては絶対まずいことでも政治家に対する批判としてならば通常、許されるそうです。ま、そうでしょうね。国民の代表という立場の政治家を批判できなくなるような社会はかなり危険ですから。そういう視点で、今回の空きカンがアベ氏を訴えたという行動を見ると、ため息がでますね。どこかの雑誌社に喰ってかかった大阪市長も同じようなものがあります。それにしても、現首相、前首相という立場の人間が、目クソ鼻クソで大っぴらに中傷合戦をするというみみっちさが寂しくも悲しいです。

最後に、引き続き、「独りファシズム」のエントリーの一部を紹介します。政府および企業からの広告料によって縛られすっかり権力の手先としてプロパガンダ製造機関に成り下がってしまった報道、マスコミによる国民総白痴化が進行し、自民党が何をしてきたか、これから何をしようとしているのかさえわかっていない国民が多いことを憂慮しているのでしょう。

ロシア人記者は厳戒な報道管制に対し、「母国でジャーナリズムをこれほど黙らせるには、拷問や脅迫以外に考えられない」と驚愕していたのだが、公権力と巨大メディアの同衾(コラボレーション)こそが近代世界における共認支配の核心であり、我々の体系はその過剰なデフォルメに過ぎないのかもしれない。、、、

共同通信は内閣支持率が68%、成長戦略支持率が65%、原発海外輸出支持率が49%などと参院選を射程に捉え、自民党圧倒有利とする世論を激しく捏造しているのだが、それはつまり白昼のサイキック・ドライビング(精神誘導)なのであり、かくもあからさまに支配集団は国民の知性を冒涜し続けているわけだ。

年金支給年齢を5年以上も引き上げ、国保料や消費税率を倍化し、生活保護や教育費を全面削減し、非正規労働を絶対化し、解雇規制を緩和し、国民皆保険制度を解体し、原発被害の補償を打ち切り、原子炉を増設し、放射能ガレキを全国に撒き散らし、放射性廃棄物レベルの食品流通を励行し、被爆地の児童を抑留し、水道事業を外国人に売り飛ばし、多国籍企業に生活保護予算2倍相当の優遇税制を施し、挙句TPPにより伝統農業を終焉させ国家主権すら譲渡するなどと公言しているキチガイ政党を、国民の7割近くが支持しているわけなどないだろう。

そもそも先の衆院選でプログラム改竄が疑われた集計マシーンを再使用するのであり、また政権のステークホルダーがその運営企業に資本参画するというデタラメであり、さらには野党第一党が検察による国策捜査とメディアバッシングにより実質の解体状態なのだから、はなから国民に選択権など不在なのであり、この国の代表民主制度は二重、三重に殺されていると言えるだろう。これはもはや、正常選挙のため国連軍の監視を要請する第三世界の様相だ。


衆院選での不正選挙あったことというのは、限りなく疑わしいのですが、その確たる証拠がなく、ウヤムヤにされています。今回の参院選では、前回、福岡で衆院選に立候補し、今回、東京選挙区から出ている犬丸勝子さん、衆院選での「不正選挙」の存在を政見放送で訴えています。福岡選挙区では、投票箱を運んだ記録がないとおっしゃっています。加えて、集計機械(ムサシ)の不正操作も疑われています。選挙でさえマトモに行われない「民主主義」国家が現代の日本ということなのかも知れません。

東京選挙区、山本太郎さん、頑張って下さい。比例は、原発反対の諸党、生活、みどりの風、共産、社民の健闘を祈ります。
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参院選、貨幣制奴隷主義

2013-07-16 | Weblog
仕事場からウチに電話して、休みボケのせいか何となく眠いというと、眠気が醒めるから、5年ほど前に引っ越して行ったご近所さんの名前でウェッブ検索してみろ、と言われました。検索してみると、何と参議院選挙に立候補していてました。近所に住んでいた時は政治の話などしたことはなかったですし、確か、実家はお寺だったはずで、当時は寺の跡をついで欲しいという話が持ち上がって困っていたという話を聞いていました。それが、突然、引っ越していかれて、東京の会社につとめ始めて忙しくしているという話をチラッと聞いたのが最後です。どういう事情か、今回、実家のある地方の県から参院への立候補されました。1議席に対して6人が立候補していますし、現職は二回当選、しかも所属政党は落ち目ということで、難しそうです。個人的には応援したいのですけど、あいにく、原発政策や金融政策で私とは意見が異なります。

ついでに、チラッと東京での参院選候補者を見てみました。5議席に対して20人の候補がいます。原発政策、TPPに対する立ち位置、金融緩和、改憲、などに対する姿勢が一覧になっていました。その点からみると、東京では山本太郎氏と大河原雅子氏(どちらも無所属)を応援したいと思います。特に山本太郎氏、若いし、一途だし、よく勉強されている様子が伺えて、大変好感が持てます。岩下おじさんもご推薦。当選したら、インパクトのある仕事をやってくれそうな気がします。無所属で一切の組織票なしで厳しい戦いでしょうけど、是非とも頑張って貰いたいと思います。原発反対、TPP反対、改憲反対で、一般国民の生活が第一と考える人は、彼の演説を聞いてみて下さい。(私は金融緩和も反対ですが)

私の実家のある場所では政策的には共産党の候補者となりそうですが、全国、見渡しても、山本太郎氏や大河原雅子氏のように応援したくなる人は、余りいません。政党政治のしがらみでしょう。それにしても原発に危機感を持っていない(ように見える)候補者が多過ぎると思います。いや、多分、彼らも危機感を感じていないというわけではなく、むしろ、感じないようにしている、見て見ないふりをしている、というのが実情に近いのではないでしょうか。理由は二つ。第一に、どうして良いかわからないので、直視するのが恐しい。第二に、原発問題に取り組むことは、権力側を敵に回すことであり、自分と家族の社会的、物理的生命を危険に晒す事に他ならない、という恐怖からです。「恐怖」は人間を縛るもっとも厄介なものです。残念なことに大多数の政治家は「恐怖」に捕われています。社会的地位を失う恐怖、人から認めてもらえない恐怖、組織からはじき出される恐怖、収入を失う恐怖、それらが、彼らの純粋な政治家としての使命を達成しようとすることを妨げてしまっています。われわれに必要なのは、その恐怖にねじ伏せられることのない強い信念と勇気を持つ人々です。

山本太郎氏、自分は行動力のある馬鹿だ、と言っています。すでに原発反対を公に訴えて、芸能界を干されているのですから、原発反対と言えば自分の身に何が起こるかは十分わかっています。ですから、この人がいう「馬鹿」は、普通の人間なら誰でも感じるそんな恐怖に負けずに信念のままに「馬鹿正直」に行動する、という意味だと思います。我々のような凡人にはなかなか出来ることではないと思います。しかし、彼のような人が一人一人と増えていくことでしか、この社会が本当に人々のものになることはないでしょう。彼は、馬鹿なのではなく勇敢なのだと思います。参院選で健闘すれば、あの手この手で、国家権力からの嫌がらせもあるでしょう。「痴漢」、「脱税」といういつもの手は使えないとは思いますけど、この国は都合の悪い個人を暗殺することも躊躇わない国ですから、是非とも体に気をつけて頑張ってもらいたいと思います。

それにしても、この参院選、自民党が優勢ということを聞くだけで、日本の将来の暗澹を感じずにはいられません。
最近の「独りファシズム」の記事から。

やがてこの国の民衆が気付いたときには、首から下に何も残されていないのだろう。全ては解体の途上にあるのだけれど、我々はメディアという文明のドラッグによってあらゆる切除を痛覚することなく、おおよそ無自覚にリソース(国家資源)を略奪され続けている。

小泉政権による市場原理主義改革を起点として、労働市場および金融市場から揮発するマネーは、それぞれ月間あたり2兆数千億円ベースに達するのであり、つまり年間あたり国税を上回る金が国民経済から消失している試算なのだけれど、このようにプランテーションを構造化した諸制度を理解する有権者は0.01%にも達することがない

それは執拗に論述するとおり政治・官吏・報道グループが多国籍資本の委任代行として民衆を欺きつつ、あらゆる経済システムを外国人投資家の利潤最大化にかなうよう再編したことによるわけだ。この先にあるのは間違いなく国家破綻による市民生活の崩壊なのであり、彼らは我々が周回遅れに「アルゼンチンタンゴ」(ラテンアメリカ諸国で実践されたフリードマン理論)を踊るのを高笑いしながら眺めている。、、、、、


まさに、茹でガエル、ですね。ここまでされて、まだ自民党(即ち、対米従属の官僚政治、売国政策)を支持する人々がいるのですから。

ついでにもう一つ踏み込んで。貨幣経済は、基本的に大多数の人間を奴隷化するための道具だと私は思っております。カネの奴隷にならないことが独立した人間であることだと思います。ちょっと過激に見えるこのブログ最近のエントリーの一部から。

世界の支配層が、一番恐れるのは 世界の民衆が共同体として自給自足で生きていく事なのだ。
カネに左右されない世界を、世界の民衆がお互いに手を握って、共同体を造られるのが、一番怖いのだ。
この世の真実を知り、世界の1人1人が、独立して 生きる能力を付けられるのが 彼らの最大の弱点。
それで、新世界秩序(TPP)なるモノを持ち出して、真っ先に、日本を制圧してやろうという目論見


TPPは日本人の大多数を奴隷化して、新世界秩序(NWO)と呼ばれる極端な階層社会を作ろうとする一握りの支配者層の傲慢きわまりない計画の一部だと私も思います。日本人の貧困化は計画されたものです。その中で競争して生き延びようとする「勝ち組」も、大きな目でみればやはりカネの奴隷には違いないのは同じです。このシステムはカネの欠乏に対する「恐怖」をエネルギーに利用しています。カネの欠乏に恐怖する人々は、簡単にシステムに取り込まれてしまい、このNWO計画に加担させられてしまいます。われわれが目指すべきことは、「恐怖」に駆られて、競争して「勝ち組」という奴隷階層に入ろうとすることではなく、共同体として助け合い、自立していくことであると思います。
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黙っていることは認めていることと同じ

2013-07-12 | Weblog
夏休みから仕事復帰しました。休み前のレベルに追いつこうといろいろ大変です。休み中、久しぶりに会った家族、親類、友人の方々、おかげさまで楽しく過ごせました。ありがとうございました。
現在の日本の一番大きな危機は原発であると私は思うのですが、政府は例によって形ばかりの安全規制でゴマカして再稼働へ前のめり、国民を危険に晒し続けようとしています。今日も、「敦賀と東海第二の再稼働申請へ 日本原電、時期は示さず」というようなニュース。活断層があっても危険であってもシラを切り通してむりやりごり押しですからね。第二のフクシマでが関西全滅するのも時間の問題のようです。

原発情報が抑制されている中、それでも、一部の人々は地道に活動を続けておられて、頭が下がるばかりです。まずは、さよなら原発1000万人アクションの署名から。

参議院選挙で脱原発で立候補した山本太郎さんの演説が、このサイトで文字になっています。

2011年、原発震災。ここから僕の人生、大きく変わったんですよね。国がどういったことを僕たちに説明するのか。そして、それをメディアはどのように伝えるのか。それでこの国の姿が分かるんだと思いました。
そして、国が発表したことは、『直ちに健康に影響はない』と。
なるほど、今すぐは影響ないかもしれないけれども、あとあと分かんないよということを公式の場で発表してしまうんですよね。、、、

『直ちに影響がない』といったことはそのことなんです。今すぐに影響が出ないけど、あとあと分かんないよって言われた時に、もう自分自身、凍りついてしまったんです。

そして、この事故について、メディアはどういうことを僕たちに教えてくれるのかと思ったら、大本営発表。垂れ流しだったんです。これはもう自分たちで情報を得て、そして生き延びるんだという強い気持ちを持たないとまずいなと思ったんです。生き残れないなと思ったんです。

原発問題を入り口に、この二年間、仕事はもうほとんどないです。干されてしまいました。それもそのはず。芸能界っていうのはスポンサーによって支えられているんです。テレビをつければ、15秒毎のコマーシャルが流れる。当然ですよね。15秒毎に企業からお金が入るシステムなんです。
企業にとって、本当の都合の悪いことは、その核心の部分というのは、決して流れない。大人の世界だったら当然ですよね。取引先の企業の悪口、言えるわけないんですよ。
新聞を見てみてもそうですよね。新聞を開けば広告がたくさん載っている。新聞を支えているのは、広告なんですよね。6割から7割が広告だ。だとするなら、テレビ、新聞から、本当のことが知れるはずがない。

一番大きなスポンサーは企業であって、みなさんではないんです。民放にはみなさん一円も払わないですよね。みなさんのいのちにとって大切な情報、流せるわけないんですよ

まず最初に声を上げようとした時に、マネージャーに言われました。『太郎君、あなたジャーナリストでもなんでもないでしょ。あなたのお仕事わかってる?』それは、お前、黙れってことじゃないんです。あなたにも生活があるだろ?あなたはお母さんを食べさせなきゃいけないでしょ?そんなことしてたら仕事なくなるよって言われたんですけど、我慢できなかったんです。

このことに対して口を閉ざすということは、そのリスクを無視して、そしてそのリスクに晒された人たちを切り捨ててでも、原発を続ける。活断層の上に原発が作られていても、それを動かそうとする。100万年の核の発電によって、100万年もゴミができたとしても、その処理方法がなかったとしても、それを続けようとする。

その人たちに、その企業たちに、自分も賛同したと同じことなんです。黙ってしまうことは、黙認していることと同じだ。自分のなかでもう我慢できなくなった。ただ、それだけなんです。



ところで、最近、私はDuckDuckGoをサーチエンジンとして使うようになりました。他のサーチエンジンのように個人情報を収集しないことをウリにしているようですし、検索結果もGoogleよりもバイアスが少ないように思います。特に、権力側に都合に悪いことを検索しようとするとGoogleでは出てこないことが多いようです。
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閉塞感

2013-07-09 | Weblog
夏休み中、仕事を忘れて久しぶりに故郷の街中をブラブラしてきました。デパートやスーパーにはモノや人が溢れ、レストランには安くて美味しいメニューが並び、二十年前と変らぬ風景です。豊かで平和に見えます。一方で、フクシマでは井戸から基準値の7倍の濃度のトリチウムが出たとか、汚染水を貯蔵する場所がないとか、バスの運転手が運転中に37歳で急性心不全で突然死したとか、ヤバい話が聞こえてきます。でも、実家の周辺は平和気分でいっぱいです。飽食、モノが溢れる世の中です。フクシマのことがまったく別の国の話のようにさえ、聞こえます。その食べ物は安全ですか?

長くてもあと数十年で私も死ぬわけですが、この二十年前とあまり変らない街の風景を見て、ちょっと気分は少し沈みぎみになりました。あのような重大な原発事故があったのに、まるで何もなかったかのように続くこの一見平和で豊かな社会の中で人々は生まれて死んで行くのかな、と思いました。山梨訪問を断念した雅子さまの気持ちが何となくわかるような気がします。一種の閉塞感でしょう。

テレビには三十年前にアイドル歌手だったおじさんたちが出ているのを二十年ぶりぐらいで見ました。彼らも閉じ込められているのかな、と思いました。この豊かで自由に見える社会は、変らずに存在しているようで、でも、その外ではフクシマの原発事故が収拾もつかずに進行中であったり、改憲して徴兵制にしようと考える危険な政治家が火遊びしていたり、官僚は消費税を上げたりカネの価値をわざと落として物価を上げてみたりと、見えないところでジワジワと危機が進行しているように思います。

一見、二十年間も変らないぬるま湯のような平和な社会にわれわれは生きているように見えて、それは空きカンに張った水の中のことだけなのではないか、と感じたりします。空きカンの外ではその水の温度を段々と上げるために火が焚かれてはじめているように思います。われわれはそのぬるま湯の中で、実はまもなく地獄の釜のようになって茹で上がってしまうことも知らずに、ノンキにつかの間の平和を楽しんでいる、そんなように感じるのです。それがどうも私の感じる閉塞感の原因のようです。モノや美味しい食べ物が氾濫しさまざまな娯楽があって物質的には豊かな社会に見えるのですが、だんだんと外堀から危険が迫っているように気がします。ホントはあまり気にしない方がいいのかも知れません。気のせいかも知れませんし、知らぬが仏とも言いますし。

実家でしみじみと昔の思い出をさぐろうとしてみました。電源を入れたら40年もののステレオは動きました。ためしにそこにセットされていた数枚の45回転のドーナッツ版をかけてみるとちゃんと再生できました。最初のはBOSTONの「Don't Look Back」でした。自殺してしまったボーカルの人、名前忘れましたが、歌うまかったですね。この曲リードギターのリフが子供心に渋いと思っていました。(約35年前のこのレコード買った覚えがないのですが)それからなぜか年代がさかのぼって、モータウンサウンド、テンプテーションズとスタイリスティクスのシングル、プレスリー、カーペンターズ、それから、あべ静江さんの「みずいろの手紙」と天地真理さんの「恋する夏の日」、昔の日本の歌謡曲の編曲はうまくできていますね。
なつかしい音を聞きながら、そのころから今までに流れ去った年月を思いました。それから現在進行中の原発事故のことを考えました。
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参院選告示に際して

2013-07-06 | Weblog
夏休み中ですが、emailで雑用が追いかけてきますね。学内のグラントレビュー26本の割当がきて、どんよりしました。ぱらぱら見てみました。ポスドク用の小さなグラントにもかかわらず、研究内容もそのプレゼンテーションもどれも大変よく書けていて、感心しました。指導教官がある程度は見てはいるのでしょうが、私の若い頃の「できなさ加減」を思い出すと、ちょっと落込みますね。

自民党参院選候補者、改憲に93%が賛成、というニュース。改憲といっても憲法のどこをどう変えたいのかで違うでしょうが、こんなことがニュースになるのですね。
われわれ、一般国民は、法律に従って生活を送っており、違反すると大抵、なんらかの罰則などがあります。これは、法治国家の社会をスムーズに送るために必要だから、ということになっています。では、憲法は何のためにあるのか、ということです。一般の法律が、各々の国民の自由をある程度制限するかわりに、他の国民の自由や権利をなるべく尊重できるように制定されている、という建前に準じるならば、憲法は、国家権力の自由を制限することによって、国民の権利と自由を守るたものものだ、と言えるでしょう。国家権力にとっては、憲法はその力を縛り制限するもの、国民にとっては、国家権力の暴力から国民を守るためにあるもの、と捉えることができると思います。立法に属する政治家を含めて、権力側にあるもの(三権)がその力を制限する憲法を都合良く変えたいというのは、彼らの自己中心的な当然の欲求であると思われます。逆に、一般国民の立場に立つ人ならば、一般国民の意思と利益を尊重することをまず考えるでしょう。
 だから、憲法改変というのは、国民の「憲法を変えた方がよい」という多数の意思を汲み上げた上で、初めて議論に上るべきものであって、アベ氏のように、自分(権力側)の都合に悪いから、という理由で変えようとするべきものではない、と思います。憲法は、アベ氏のような、常識と判断力に欠ける人間が不幸にして権力を持った場合に、バカをしないようにと制定されているものですから。(ここまで書いて、同じ話を前にも書いたのを思い出しました、失礼しました)
 
参院選告示に合わせて、各党党首の演説がありました。あきれかえったのが公明党。この党首、ねじれたヒモを引っぱって結び目を解いてみせて、「ねじれの解消はこうやるんです」とニヤニヤしてみせました。こんなxxは見たことがありません。改憲をする、ねじれを解消する、その目的は、権力を持つ側がその権力を制限するものを排除しようとすることです。ねじれを解消して、何でも与党の思う通りにしたい、と与党側は思うのは当然でしょうが、それを選挙に際して広く国民に訴えるというのはどういうねじれた思考回路ゆえなのでしょうか。つまり、与党が少数意見を無視してやりたいようにできる政府をつくります、という言っているわけですね。ふつう単なる傲慢さだけでここまでできないでしょう。常識と判断力の欠如は自民党党首だけの専売ではなさそうです。それに対し、小沢氏は、「強いものが勝ち、好き勝手にやってよいという社会がいいのなら、政治はいりません。ほっとけばよいのです」と演説しました。その通りですね。一般国民は弱いものであり、官吏と資本家は強いものです。昔から変わっていません。大多数の一般国民は弱者です。であるのに、その弱者は強いものの言いなりになればよく、その生存は自己責任だ、と言い放つような自民党や公明党になぜ票が入るのか、私は不思議でなりません。もっとも考えられる理由は、与党に票を入れる人々が自分は弱者ではないと思っているということではないでしょうか。まもなく物価が上がり消費税が上がります。弱者には厳しい世の中になっていきます。
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