日経バイオの無料オンライン紙、BTJジャーナルの8月号に東京女子医を退官しバイオベンチャーに転換した元大学教授のインタビューがでていました。統計、遺伝情報をつかったサービスを提供するようです。その中で、製造業よりもサービス業によって近年の世界経済が牽引されていることが強調してあって、日本と他国との比較のスライドがあげてありました。それによると、一人当たりのGDPのランキングを見てみますと、2000年にはアメリカを抜いて3位であった日本は年々、単調減少して順位を落とし続け、2007年には世界で22位となっています。一方、米英仏独などの国々は、一人あたりのGDPランクはこの十年殆どかわらず、安定した位置をしめています。つまり先進諸国の中で、日本だけ国民数当たりの経済力が落ちて生きているということです。また国際競争力ランキングというデータでは、1992年、日本は欧米諸国を抑えての一位でしたが、本年度では欧米諸国はもとより、シンガポール、香港、台湾、中国、マレーシアなどのアジア諸国の後塵を拝する結果となっています。このランキングがどのようなデータに基づいて算出されているのか不明ではありますが、シンガポールの台頭などは、確かに製造業ではなくサービス業が今日の経済を引っ張っているのだと思わせます。日本の世界における地位がこれだけ不安定であるというのは、熱しやすく冷めやすい日本人気質と無関係ではないのではないでしょうか。日本の政治には長期的視野に立つという観念が欠落しています。数十年後にどのような国にしたいかという目標を決めて、計画的に進むのではなく、国民の自由意志のまま国全体があっちへ向いたり、こっちへ向いたりします。バブルのつけで世界最大の借金国となり、日本の経済力がますます低下しているという今こそ、長期的視野に立ち、戦略的に日本の国の運営を考え、実行していくことが不可欠です。日本人の好むやりかたというのは、スポ根漫画に象徴されるように、根性とハードワークでまっしぐらに物事をやり遂げようとするやり方ではないかと思います。何事かをやろうとしてできないのは、根性とか熱意とかが足りないのだ、とさえ言われたりします。戦略というものがないのです。戦略がないというか、戦略など邪道であり、まっしぐらに突きすすんで本懐を遂げるのが尊いというような価値観さえあるように思えます。やる気とかハードワークが大切なのは言うまでもありません。しかし、根性があってハードワークをしても、うまくいかないことはいっぱいあります。ですから、そんな時にどう耐えて生き残るかという「プランB」を真剣に考えておかなければなりません。それがないから、うまく行かなくなったときに玉砕するしかなくなってしまう、それが日本のやりかたの特徴ではないでしょうか。日本の経済が安定しないというのは、政府が、長期的視点に立って戦略を練り、複数のシナリオに沿ってそれぞれプランBを真剣に考えるという作業を怠っていたからではないでしょうか。とりわけ、COEとかWorld Premierとかのハコモノを作ってそこにお金を注ぎ込むような日本の科学政策を見ていると、これらの事業がこけた場合に、どのような代替の計画を提示できるのかわかりません。すでにCOEやその他の科学研究支援プログラムにはかなり強い批判が出ていますが、その批判に対して全く説得力のある解答が政策側からありません。こけたらこけたでしょうがないではないか、そのときになってから考えようという感じなのでしょう。だから一旦、日本の経済が下り坂となった場合に、何の歯止めもなく、ずるずると行ってしまうのではないかと思います。
ところで、本日、オバマが民主党大統領候補に正式に指名されます。ヒラリーとビルクリントンは、なかなかよい演説を行いました。特にヒラリークリントンが、予備選で支持してくれた代議士をオバマに託すという宣言を、支持者の中で行ったことは、民主党の団結を強めるという今大統領選でのクリントン最後の使命を遂行する上で、大変、効果的であったと思います。満を持して行われる今日のオバマの演説の出来は非常に重要です。他の民主党員やクリントンが民主党の団結を訴えて、行ってきたお膳立てを、最高の状態で締めくくらねばなりません。ヒラリークリントン支持者を本当に引きつけられるかどうかがかかっています。この山場を越え、民主党の団結が達成できたなら、本選に不安はありません。一方、マッケーンはまもなく副大統領候補を発表し、そして来週のミネアポリス/セントポールでの共和党大会に望むことになります。ブッシュのために反共和党気分が高まる上、マッケーンは一期だけの高齢の候補であり、しかも副大統領候補に魅力的な人材がないという悪条件がそろっていますから、共和党は厳しいでしょう。副大統領候補として、予備選で散々けなし合ったミットロムニーや、前々回、民主党の副大統領候補であったジョー リーバマンらの名が挙っています。この二人は知名度やルックスなどの点ではよいのですが、ロムニーはがちがちの保守派、リーバマンは元民主党の無党派、しかも高齢、と問題があります。ミネソタ知事の名前も挙っているようで、彼になりそうな気もしますが、知名度の点でどうかなと思います。
とにかく、成り行きを見守りたいと思います。
ところで、本日、オバマが民主党大統領候補に正式に指名されます。ヒラリーとビルクリントンは、なかなかよい演説を行いました。特にヒラリークリントンが、予備選で支持してくれた代議士をオバマに託すという宣言を、支持者の中で行ったことは、民主党の団結を強めるという今大統領選でのクリントン最後の使命を遂行する上で、大変、効果的であったと思います。満を持して行われる今日のオバマの演説の出来は非常に重要です。他の民主党員やクリントンが民主党の団結を訴えて、行ってきたお膳立てを、最高の状態で締めくくらねばなりません。ヒラリークリントン支持者を本当に引きつけられるかどうかがかかっています。この山場を越え、民主党の団結が達成できたなら、本選に不安はありません。一方、マッケーンはまもなく副大統領候補を発表し、そして来週のミネアポリス/セントポールでの共和党大会に望むことになります。ブッシュのために反共和党気分が高まる上、マッケーンは一期だけの高齢の候補であり、しかも副大統領候補に魅力的な人材がないという悪条件がそろっていますから、共和党は厳しいでしょう。副大統領候補として、予備選で散々けなし合ったミットロムニーや、前々回、民主党の副大統領候補であったジョー リーバマンらの名が挙っています。この二人は知名度やルックスなどの点ではよいのですが、ロムニーはがちがちの保守派、リーバマンは元民主党の無党派、しかも高齢、と問題があります。ミネソタ知事の名前も挙っているようで、彼になりそうな気もしますが、知名度の点でどうかなと思います。
とにかく、成り行きを見守りたいと思います。