11月の最後の木曜日は、アメリカでは感謝祭です。家族が集まって、七面鳥の丸焼きやクランベリーソースやカボチャのパイを食べて、男性はビールを飲みながらアメリカンフットボールを見、女性はBlack Fridayと呼ばれる翌早朝から始まる一年で最大のバーゲン、After Thanksgiving Saleへ向かう準備をします。想像するに、Black Fridayは1987年に世界的に株価が暴落した月曜日であるBlack Mondayをもじって、感謝祭翌日の金曜日に商品の売値が急降下することから、そう呼ばれるのだろうと思います。
ここ半年の株価の動きを見ていると、1929年に起こった世界大恐慌(この時にも一日で13%の株価の暴落を来しましたが、木曜日でした)や1987年のBlack Monday(22%の下落)のことが思い起こされます。先日、日本のとりあえずの代表であるアホウ首相は、ペルーでのAPEC首脳会議での記者会見で、「1929年のブラックマンデー、、、」と発言し、またもやフロッピーをDVD ドライバーに入れてしまいました。この人には、あの三猿の置物を見習ってもらいたいですね。どうせ、見えても聞こえてもいないのですから、しゃべるのも止めてもらいたいものです。
そして、その後、更に、
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」。麻生首相が20日の経済財政諮問会議で、こんな発言をしていたことが、26日に公開された議事要旨で明らかになった。
というニュース。
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人」って、アホウさん自身のことではないでしょうか。ひょっとしてこの発言は高度な自己批判だったのでしょうか。いや、アホウさんは「何もしない人」ではなくて、「しなくてよいことをしたり、しないといけないことをしなかったり、言わなくてよいことを言ったりする」人でした。大多数の日本国民がアホウさんのアホウ発言のために「痛めた片腹」の医療費は、少なくともアホウさんが払う義務が十分にあると私は思います。
さて、本題ですが、
11/9にNew England Journal of Medicineに発表された、抗コレステロール剤、スタチンの血管病予防効果についての臨床研究、Jupiter(Ridker et al. Rosuvastatin to prevent vascular events in men and women with elevated C-reactive protein. N Engl J Med. 2008 Nov 20;359(21):2195-207, 2008)について、11/11のエントリー、ビタミンよりスタチンで触れましたが、この研究についてのコメントが11/14号のScienceに出ていました。Jupiterの最も重要な結論は、「正常コレステロール値の健康な人でもCRPが高ければ、スタチンの服用によって、血管病変を予防し死亡率を減らすことができる」ということなのですが、Scienceでは、この結論に多少、批判的なコメントがされています。その中で、Scripps InstituteのEric Topolは、コレステロールが正常値でもCRPが高いということは、既に血管病に対する何らかのリスクを持っている人が対象になっている可能性があり、(そういった人のコレステロール治療が、総合的に血管病変発症を下げたのであって)必ずしも健康人を対象にはしていないのではないかと述べています。CRPが高いという自体、その人が健康ではないことを示唆しているわけで、健康でかつCRPが高いという表現そのものがoxymoronicであると言えます。事実、JupiterのCRPの高い対象者の多くが、過体重で、15%は喫煙者で40%がメタボリックシンドロームであったようです。
この患者群でのCRPの高値がどういう理由なのかは不明ですが、私が研修医のときは、CRPは非特異的炎症の指標として、よく使われる血清学検査の項目にしか過ぎませんでした。私は未だにCRPがどのような生理機能を持っているのか不勉強で知りません。今回の研究でも、多くの人はCRPは単なる炎症の指標と考えているようですが、中にはCRPそのものが血管病変を進行させると考えている人もあるようで、この記事によると、Isis Pharmaceruticalsというカリフォルニアの製薬会社ではCRP阻害薬の開発を試みているそうです。現在すでに安全性の確認のための臨床投与を開始したとのことです。対して、CRPは炎症の結果として上がるだけで、CRPは血管の炎症の原因または促進因子ではないという多数派の説を支持するデータとして、先月NEJMに掲載されたデンマークの臨床研究での、CRP遺伝子の多型性と心疾患の間に有意な相関を認めなかったという論文が引かれています。しかしながら、この遺伝学研究はCRPの遺伝子多型性がCRPの分子機能にどんな影響があるか不明であること、基本的にはnegative dataであるという点で証拠としてはちょっと弱いものではあります。今度は是非、コレステロールもCRPも正常の完全にマッチした群を対象に二重盲検で、スタチンの効果を検討してみて欲しいと思います。それでも尚、スタチンが血管病変発症を下げるとなれば、成人は全員、ビタミン剤を飲むようにスタチンを飲むことが推奨されるようになるかも知れません。
追記。
気になって、Black Fridayの由来をWikipediaで見てみたところ、Black FridayはBlack Mondayより20年も前から使われている言葉らしく、もともとフィラデルフィアでこの日に交通量が多いことを指していたようです。Blackはクリスマスショッピングシーズンが感謝祭の後に始まり、小売店が「黒字」となることに由来しているようです。
恥ずかしながら、CRPは肺炎球菌のC多糖体に反応する蛋白で補体の古典的経路を活性化するという機能があることを今知りました。学校で習っていたはずですが、覚えていませんでした。CRP高値の人では血管病変での免疫反応が促進されて炎症が進行と病変の進行をおこすことは十分考えられますね。
ここ半年の株価の動きを見ていると、1929年に起こった世界大恐慌(この時にも一日で13%の株価の暴落を来しましたが、木曜日でした)や1987年のBlack Monday(22%の下落)のことが思い起こされます。先日、日本のとりあえずの代表であるアホウ首相は、ペルーでのAPEC首脳会議での記者会見で、「1929年のブラックマンデー、、、」と発言し、またもやフロッピーをDVD ドライバーに入れてしまいました。この人には、あの三猿の置物を見習ってもらいたいですね。どうせ、見えても聞こえてもいないのですから、しゃべるのも止めてもらいたいものです。
そして、その後、更に、
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」。麻生首相が20日の経済財政諮問会議で、こんな発言をしていたことが、26日に公開された議事要旨で明らかになった。
というニュース。
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人」って、アホウさん自身のことではないでしょうか。ひょっとしてこの発言は高度な自己批判だったのでしょうか。いや、アホウさんは「何もしない人」ではなくて、「しなくてよいことをしたり、しないといけないことをしなかったり、言わなくてよいことを言ったりする」人でした。大多数の日本国民がアホウさんのアホウ発言のために「痛めた片腹」の医療費は、少なくともアホウさんが払う義務が十分にあると私は思います。
さて、本題ですが、
11/9にNew England Journal of Medicineに発表された、抗コレステロール剤、スタチンの血管病予防効果についての臨床研究、Jupiter(Ridker et al. Rosuvastatin to prevent vascular events in men and women with elevated C-reactive protein. N Engl J Med. 2008 Nov 20;359(21):2195-207, 2008)について、11/11のエントリー、ビタミンよりスタチンで触れましたが、この研究についてのコメントが11/14号のScienceに出ていました。Jupiterの最も重要な結論は、「正常コレステロール値の健康な人でもCRPが高ければ、スタチンの服用によって、血管病変を予防し死亡率を減らすことができる」ということなのですが、Scienceでは、この結論に多少、批判的なコメントがされています。その中で、Scripps InstituteのEric Topolは、コレステロールが正常値でもCRPが高いということは、既に血管病に対する何らかのリスクを持っている人が対象になっている可能性があり、(そういった人のコレステロール治療が、総合的に血管病変発症を下げたのであって)必ずしも健康人を対象にはしていないのではないかと述べています。CRPが高いという自体、その人が健康ではないことを示唆しているわけで、健康でかつCRPが高いという表現そのものがoxymoronicであると言えます。事実、JupiterのCRPの高い対象者の多くが、過体重で、15%は喫煙者で40%がメタボリックシンドロームであったようです。
この患者群でのCRPの高値がどういう理由なのかは不明ですが、私が研修医のときは、CRPは非特異的炎症の指標として、よく使われる血清学検査の項目にしか過ぎませんでした。私は未だにCRPがどのような生理機能を持っているのか不勉強で知りません。今回の研究でも、多くの人はCRPは単なる炎症の指標と考えているようですが、中にはCRPそのものが血管病変を進行させると考えている人もあるようで、この記事によると、Isis Pharmaceruticalsというカリフォルニアの製薬会社ではCRP阻害薬の開発を試みているそうです。現在すでに安全性の確認のための臨床投与を開始したとのことです。対して、CRPは炎症の結果として上がるだけで、CRPは血管の炎症の原因または促進因子ではないという多数派の説を支持するデータとして、先月NEJMに掲載されたデンマークの臨床研究での、CRP遺伝子の多型性と心疾患の間に有意な相関を認めなかったという論文が引かれています。しかしながら、この遺伝学研究はCRPの遺伝子多型性がCRPの分子機能にどんな影響があるか不明であること、基本的にはnegative dataであるという点で証拠としてはちょっと弱いものではあります。今度は是非、コレステロールもCRPも正常の完全にマッチした群を対象に二重盲検で、スタチンの効果を検討してみて欲しいと思います。それでも尚、スタチンが血管病変発症を下げるとなれば、成人は全員、ビタミン剤を飲むようにスタチンを飲むことが推奨されるようになるかも知れません。
追記。
気になって、Black Fridayの由来をWikipediaで見てみたところ、Black FridayはBlack Mondayより20年も前から使われている言葉らしく、もともとフィラデルフィアでこの日に交通量が多いことを指していたようです。Blackはクリスマスショッピングシーズンが感謝祭の後に始まり、小売店が「黒字」となることに由来しているようです。
恥ずかしながら、CRPは肺炎球菌のC多糖体に反応する蛋白で補体の古典的経路を活性化するという機能があることを今知りました。学校で習っていたはずですが、覚えていませんでした。CRP高値の人では血管病変での免疫反応が促進されて炎症が進行と病変の進行をおこすことは十分考えられますね。