百醜千拙草

何とかやっています

eLifeの新しい試み

2018-07-31 | Weblog
この間、eLifeから初めてレビューの依頼を受けました。アンチNature、アンチScience(というわけでもないのでしょうが)、いわゆる話題性を重視する商業雑誌のやり方に少なからず疑問を持つ研究者が、話題性ではなくサイエンスの質を重視し、アカデミア主導で研究の発表の場を提供するという方針で、数年前にできた雑誌です。当初はサポートもあって、掲載料も無料でしたが、確か去年ぐらいから普通の雑誌なみの掲載料をとるようになったはずです。話題性を重視しない割にはそれなりのインパクトファクターですから、各専門分野のクオリティのよい論文が掲載されるのだろうと思います。商業雑誌と一線を画するという意味もあるのでしょうか、編集、出版に新しい工夫をしようとしているようです。

普通の論文レビューだと、複数のレビューアーが独立にコメントを書いて、それを見てエディターが採否を判断して終わりです。この場合、レビューアーは最後まで匿名ですから、レビューアの立場からは、他のレビューアが誰かは最後までわかりません。一方、この雑誌では、まずレビューアは独立してコメントをするわけですが、その後、エディターからメールが来て、他のレビューアのコメントを読むように指示され、それについてさらにコメントを加えるという作業があります。多少、面倒ですが、この段階的なプロセスで、レビューア同士、エディターとの間でコンセンサスめいたものが出来て、採否が判断されるということになるということらしいです。今回の論文は私の他に二人レビューアがいましたが、このレビューアとエディターの間でのディスカッションで、レビューアが誰かがお互いにわかってしまうのです。今回は、一人は個人的にも知っている人、もう一人は名前と仕事は知っているが会ったことはない人でした。しかし自分の名前のついたコメントを知り合いに読まれるというのはちょっとイヤなものですね。ま、今回は三人ともほぼ評価が一致していたので、さっくりとおわりました。
 あと、最近の雑誌は、レビュープロセスを公開しているものもあります。レビューアのコメントとそのレスポンスをオンラインで読むことができ、時にレビューアのアイデンティティーも晒されています。透明性を高める努力の一環なのでしょうけど、私はレビューアの場合に自分の名前を明かすことに同意したことはありません。人間は感情の動物ですから、レビューアがいくら真っ当な意見を言ったところで、それによって面倒なリバイスの実験が必要になったり、リジェクトされたりすると、著者はそのレビューアに好意を持つのは難しいでしょう。まして狭い世界ですから、ベタ褒めのレビューでない限り、名前を明かせば、逆恨みされる確率の方が高くなるというものです。

その後、eLifeは別の面白い試みを期間限定で始めたという記事がScienceのフロントベージにありました。eLifeでのアナウンスはこちら
この実験的出版プロセスでは、

1. 投稿された論文はまず、シニアエディターが読んで、レビューに回すかどうかを決める
2. ピアレビューのあと、エディターはコメントをまとめて著者に送る
3.著者はコメントを見て、どうリバイスするか(あるいはしないか)を決めて、リバイス論文を投稿する(ここまでは従来通りです)
4.エディターが著者のレスポンスを評価した後、リバイス論文、最初のレビューコメントとレスポンス、エディターの評価が一緒に出版される。

つまり、それなりの論文でレビューに回るレベルであれば、レビューに回った時点で、基本的に出版が保証されるというシステムです。従来の出版システムにbioRxivなどのPreprint出版の考え方を多少取り入れたやり方とみれないことはないです。ま、普通、レビューに回ってリジェクトされない場合、最後にはアクセプトに至る場合は8割以上はあると思いますから、論文が通る、通らないというレベルで言えば、それほど大差はないだろうと思います。しかし、著者の側からすると、科学的には意味がないがレビューアがリクエストしたので仕方なくやる理不尽な実験とかがあるわけで、それをしないで済み、その分時間と金と労力が節約できるというメリットがあります。レビューアも一回コメントをするだけで済みます。一方、エディターの労力と責任は多少増えますが、総じて、悪くないシステムではないでしょうか。

レビューアの立場からいうと、アカデミアの出版でもエディターがもうちょっと積極的に論文の交通整理をしてもらいたいと思います。Academic editorが忙しいのもわかりますが、そこそこの雑誌であってもAcademic editorは受け取った論文を機械的にレビューアに流すだけという場合が多いです。箸にも棒にもというレベルの論文はエディターがリジェクトして欲しいです。週末の数時間をつぶしてそういう論文を読んでコメントを書く人がいるわけですし。箸にも棒にもという論文ほど読むのも苦労するしコメントを書くのに困ります。

それはともかく、ピアレビューの問題はこれまでもいろいろ指摘されてきているわけで、この方法は原稿のピアレビューの悪い面(レビューアが理不尽な要求をするとか)を改善する可能性があります。一方、エディターの権限が大きくなるので加計学園認可のような「裏口」アクセプトみたいなこともも起こりうるという危険はないとは言えません。が、プロセスが透明化されることで、そうした問題の抑制作用、それから多少の自浄作用も期待できると思います。

この実験は、早い者勝ちで先着、300論文まで。その後、このシステムを評価し継続を決めるようです。
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民主主義と多数決

2018-07-27 | Weblog
オウムの死刑囚6人の刑が執行され、この月に13人が殺されました。平成の間にオリンピックの前に始末をしてしまおうという政治的な思惑があったのだろうと思いますが、異常です。

初回、再審請求をした人まで執行が行われたこと、執行書にサインした法相が、執行前夜に自民党の宴会で飲んで浮かれていたこと、異常さを挙げればきりがないです。私は前にも言いましたが、取り返しがつかない結果を生む可能性があるという単純な理由で死刑は反対です。死刑は一種の復讐であり、憲法の精神にも反しているという矛盾があります。その矛盾や権力を委託されたとはいえただの人間が他人の命を奪うという行為に、良識のある人間であれば逡巡しないはずがありません。良識のある法相であれば、自分の執行書へのサインの重みを深く感じないはずはないです。それが、執行前夜に飲み屋の女将の役で宴会に参加し、翌日のメディアの質問にコメントさえできないというのは、この人には良識も国民から委託された権力の重みへの謙虚さもないという証拠でしょう。
 私は、アベ政権の非人間性ともいえるやり方が政権内部のみならず、一般に広がっているのではないか、それを危惧します。「良識のある」人間が減ってきたのか、深い人間と社会の洞察と経験に積み上げられた良識というものを尊重せず、自分さえよければよい、金と力の世の中だと単純にかんがえるような動物的な人々が増えているのではないかと恐れます。国が貧しくなってくると、こういう傾向が強まりますから、やむをえないのかも知れません。

私は下の人のツイートと同じように考えています。

私は別件の遺族ですが、死には死を、とは考えません。たとえ国家であっても殺すという行為を認めれば矛盾し命に対する冒涜です。冤罪の危険も。特に組織の強い日本では罪の責任は本人にのみあるのではありません。別な形で償い、繰り返さないために貢献して頂く。個人的にはそちらを望みます。


これに対して、「あなたはオウム真理教信者によって、失われた命の冒涜についてはどう思いますか?そして死には死を望まないというあなたの意見は多数をしめません。残念ながら少数です。あなたが、現在日本における民主主義の否定は個人の考えですから自由でどう思おうが結構ですが、民主主義で決まってる事ですから」という批判のコメントがあります。

死刑囚を殺すことが冒涜なのだから、当然、被害者を殺すことも冒涜であること自明です。そのことは踏まえた上で「死には死を」とは考えないという意見に対して、民主主義で決まっているから少数派の意見は通らない、という言い方は、アベ政権そのもののやりかたを感じさせます。この批判には複数の問題があります。そもそも、私はこの方の意見が多数をしめないという言明に疑問をもっていますが、その辺はおいておいて、この人は「民主主義は多数決であり、多数決で決まったことに反対するのは民主主義の否定だ」といいたいようです。こういう人にこそ、枝野氏の内閣不信任案決議討論での演説を聞いてもらいたいです。民主主義は多数決ではなく、その共同体に属する構成院が社会の主体であり、個人が尊重されなければならない、という考え方です。

演説の中で、例えば、枝野氏はマンションのエレベータ設置費用をどう割り振るかいう喩え話をしました。一階に住む住民はエレベータをほとんど使いません。しかし、マンションのオーナー会議でエレベータの費用負担を割り振るのに、二階から上に住む住民が、費用をすべて一階住民に負担させようという動議を出して多数決で決めたなら、1階住民は納得して自分たちが使わないエレベータの費用を全負担するのか、という話です。これは民主主義とは言いません。もし、多数決ですべて決めればよいというのなら、国会は要りません。議論などしても結果に意味がないから与党が勝手にすべてを決めればよいのですから。事実、この国会の形骸化は著しいです。アベは最初から議論するつもりも少数意見の人に納得してもらうつもりもなにもないわけで、ご飯論法や信号無視論法で、国会の時間を無駄に消費してやり過ごし、強行採決すればよいと思っているのです。ふつうなら、こういうフザケタことをするとアベ降ろしが党内から起きるか、次の選挙で落とされるかするわけですが、アベの場合は、選挙法を変え、党内の徹底したアメとムチ政策で、独裁政権を維持できるようなシステムに変えようとしているのが極めて悪質です。

国民の代表の議員どうしの中で各々の国民の権利が尊重されるようにと議論するのが国会であり、議論の末にどうしても皆が納得できる一致した結論に達しない場合に止むを得ずにとる方法が多数決です。最初から議論するつもりもないアベが数にまかせて自分のやりたい放題、多数決で決めたから「民意」であると強弁する、このことそのものが憲法違反であると私は思います。

多数決が民主主義的であるという暴論は、自分がその権利を蹂躙される立場になっても言えるのですかね。例えば、沖縄基地問題。米軍基地は防衛上必要である(私はこの意見そのものに異議がありますが)と考え、沖縄に住んでいない国民の多くの賛成多数決で決めて、沖縄一県にほとんどの負担を押し付けています。これ、まさに上のマンションのエレベータの喩え話と同じです。私なら、マンションの1階住民であっても、多数決で決まったからと、使いもしないエレベータの全費用を負担するのはまっぴらです。それはスジが通らない話だからです。こういうことが起こらないように、普通は上位の法律や法執行組織があります。日本でいえば、憲法であり、独立した三権ですが、それを骨抜きにしようとしているのがアベ政権といえるでしょう。

そもそも、与党を選挙で支持しているのは国民の大多数ではなく、加えてアベ政権の政策は「民意」を反映しているわけではない。反映しているのは横田幕府の意思であり、経団連の意思です。アベ政権の7つの大罪のすべては、国民の方をむいて国民と国が豊かで安全であるようにと考えた政策の結果ではなく、己と党の自己保身と欲を単純に追求しているが故に起こっています。その観点からみれば、アソーが云うナチスの手口、すなわち「民主主義的手続きを踏んでできた独裁政権は民主的である」というギャグを真顔で実行しているのがアベ政権であり、いわば、権力をもたない国民は、その点において、すべて少数派なのです。アベ政権がアベの悪口を言う国民は治安保護法違反で逮捕して死刑にすると多数決で決めたらそうなります。国民の多数を不幸にしてアベとそのスポンサーを潤わせる悪法、労働規制の改悪、バクチ法案、水道民営化、数え上げたらキリがないですが、がどんどんと国会でマトモな議論もなされずに、多数決で決められる。これは民主主義ではないです。

死刑の話に戻ります。死刑の執行そのものには制度上の問題はないです。問題はそれよりももっと深い部分です。人間というのは思考し感情をもつ動物です。他人の身になって立場を変えて物事をみることができるのが人間が人間たる所以です。しかし、人の身になって物事を考えて一段上のレベルから判断を下すには、少なからぬ経験と物事を深く考える能力が必要です。小さな子供は平気で動物や他の子供に残酷なことをするし、学校でも会社でもいじめのような問題があります。相手の身になって物事を考えられるようになることが人間の成熟でもあり、いじめ問題、差別発言などは、未成熟性の表れでしょう。アベ政権にはその国民の立場になり、大きな視点で社会を見て考えるという能力がない。死刑執行前夜に宴会で飲んで浮かれ、メディアの質問にも答えられず、にもかかわらず同月にさらに六人を殺す執行書にサインをした法相も同様でしょう。人が人を殺さねばならないという深い矛盾をはらんだ問題に謙虚に対峙しようとする態度の欠如、思慮深さと人間としての情の欠如、それを堂々と晒してしまうのは、アベ政権の驕りなのか、人としての未熟さなのか。
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内閣不信任決議演説

2018-07-24 | Weblog

国会、閉会。最後までみっともない政府与党でした。言うまでもなく、アベ政権の不誠実きわまりない答弁、与党の強行採決が国会を形骸化させたのですが、最後っ屁が、バクチ法案強行採決というなさけなさ。


バクチ法案強行採決。あまりのデタラメぶりに野党は内閣不信任案を提出。志位委員長は、憲政史上最悪の政権と批判。これ、私、心から同意します。今の日本の国会でアベと与党がやっているようなデタラメは、前代未聞です。長い自民党政権の中でも、間違いなく最低最悪の政権であり、近代民主主義国家では起こりえないようなことが毎日のように起こっています。

内閣不信任案は数で勝る与党が否決することはわかっていましたが、野党の演説は迫力がありました。馬の耳とカエルの面とヌカの脳みそを持つアベのレベルに合わせて選ばれたとも言える与党議員のレベルは低く、野党の演説は彼らではなく、国民に向けたものです。アベのクズっぷりをまだよく知らない国民にその酷さをちょっとでも知ってもらおうとする努力の表れでしょう。週末、枝野氏の3時間近い演説をyoutubeで見てしまいました。

ゲンダイ:これに先立ち、野党は最後の抵抗として、5党1会派が共同で内閣不信任決議案を衆院に提出。趣旨弁明に立った立憲民主党の枝野代表は、2時間43分にわたる演説を行った。衆院では、記録が残る72年以降で最長の演説となったが、これは、議事進行を遅らせる目的の「フィリバスター」ではない。安倍政権の悪行を一つ一つ挙げていったら、半日では足らないくらいなのだ。枝野はよく3時間以内の演説にまとめたと言うべきだろう。

このアベ内閣の「7つの大罪」の演説を文字おこしがあります。文字おこししてくださった方ご苦労様でした。これ、正論としか言いようがありません。この演説、アベ政権のデタラメさを7つの項目に絞って述べたものですが、民主主義の精神と歴史、国会の意味、多数決による裁決のあり方、などの根本を説きおこして、その一つ一つをアベが蹂躙してきたことを指摘しているという点で、一般国民と(与党席にすわっている多くのbrickheads)の教育的価値があるということで、どうも書籍化されるようです。

長いので、ごく一部を抜き書き。

不信任理由1「高度プロフェッショナル制度の強行」
、、、この問題の本質は労働時間規制が及ばない労働者をつくるということにあります。、、、そもそも高度プロフェッショナル制度には様々なウソが前提となって議論が進められたという大問題があります。、、、事実に基づかない、誤ったデータに基づいて議論を進める。こんなことは近代国家ではありえないことであります。、、、

不信任理由2「カジノ法案の強行」
カジノの収益で経済成長を目指す。そもそも千年以上にわたって違法とされてきたものを使って利益をあげて、そして経済を成長させる。そのこと自体がみっともない政策ではありませんか。持統天皇以来の歴史を一顧だにもせず、こんな馬鹿げた制度を強行する人たちに保守と名乗って欲しくはありません。
保守と称する皆さんは、保守とは何かをわかって自分たちを保守と名乗ってらっしゃるんですか?、、、

(ここで、しばらく「保守」とは何かという議論があります。私は、これは内閣不信任とは直接関係はないですが、非常に大切な議論であると思います。かつて自民党がマトモだった頃、宮沢喜一は「保守の本懐」の中で、「保守とは、立ち止まって、考えることだ」と述べました。私も、何かを変えようとするときに、まず立ち止まり、よく考え、歴史の叡智に学ぶことは非常に大切だと思います。研究というのは何か新しいものを求めようとする活動ですが、未知のものに対峙しようとするからこそ、基本的に保守的進めなければならないと思っております。立ち止まり、熟考して一歩ずつ進めるという注意深さがなければ、砂上に築く楼閣のようにすべての努力が一瞬にして瓦解することは私は身をもって経験しました。私は、自分の研究活動を通じて、何かを変えようとするときは、常に保守的方法論を取るべきだと思うようになりました。社会は変化し、その変化に対応しなければなりません。その時に保守的な態度で臨むというのは、今のアベのように、変えないといけないこと(例えば原発問題、対米隷属問題、誤った経済政策)があるのに「立ち止まったまま、考えない」ことではない。あるいは、口で言うだけで、何も考えず何も実行しないことでことでもありません。熟慮を加えた上で慎重に一歩を踏み出す、そうすることによってその一歩の正否が判断することができ、次の一歩をどう踏み出すかという判断の材料になるのです。逆に「バスに乗り遅れるな、この道しかない」と、やみくもに考えなしに突っ走るのは、リベラルでももちろん保守でもなく、ただのバカであり、まさに「やるべきことは何もやらず、自分のやりたいことやトランプに命令されたことはロボットのように実行する」アベのことです。 -  演説に戻ります)

、、、ま、このこと自体で今の自民党・安倍政権が保守ではないということは明確である、、、だから、持統天皇以来の日本の歴史の伝統を知らないでカジノなんていう我が国の伝統に反する馬鹿げたことを進めているんじゃないですか?、、、、まさに立憲主義も保守主義も同じ考え方である。であるので、わたくしこそが保守本流であることを自信を持って日頃から皆様方にお訴えをさせて頂いているところであります。
、、、安倍総理とトランプ大統領との会合の席にアメリカを代表するようなカジノ業者の方がご一緒していたというようなことも伝えられています。まさにアメリカに我が国を売るための法律をいま強行していると言われても仕方がないんじゃないでしょうか。、、、カジノのために日本に来る外国人観光客がいる? あるいは、そのことによって外国人観光客を集めなければ外国人が来てくれない? そんなに日本は情けない国なんですか? 保守と称している皆さん。、、、

不信任理由3「アベノミクスの限界の露呈」
5年やって成果があがらず、5年先送りにした。成果がゼロだから、これまでと同じ期間が必要なんですよね?、、、こうした金融緩和などによるアベノミクスをいわば「強い者・豊かな者をより強く、豊かにする政策である」(ここで、格差の是正が内需拡大に必要であり、そのための種々の政策の提言があります。)

不信任理由4「モリカケ問題」
あとで述べる改ざん問題なども含めて、「責任を痛感します」とか「真摯な反省」とか「再発防止」とか言葉だけは踊っていますが、全貌解明の妨害をし続けているのは誰なんですか?全貌解明に抵抗しているのは誰なんですか?全貌解明に協力をしない。そうした与党の姿勢こそが、まさに税金の無駄遣いを生み出す、膿(うみ)そのものではありませんか?
、、、安倍総理の昭恵夫人が夫人付きの公務員である谷査恵子氏を通じて行政に問い合わせるという関与をしていました。このことは既に明らかになっています。このことだけで大問題じゃないですか?
、、、(その後、文書改竄、虚偽答弁などの問題をあげ)これらだけでも内閣3回くらい吹っ飛んでもおかしくないんですから。、、、(野党の抗議に対して、佐川君の国税庁長官昇進を「適材適所」と強弁したアソー発言を引いて)総理のために停職処分を恐れず、公文書を改ざんして国会を騙すような人は、総理にとっては適材適所なのかもしれませんね。、、、この公文書改ざんをこのままで臭いものにフタをしてしまったのでは、この社会全体の公文書に対する信頼が揺らいだ状況を放置することに他なりません。この社会そのものを壊してしまうことに繋がっていく、、、モリカケ問題の7番目の問題点。これは検察捜査への介入の疑惑まで生じている。、、、一連の森友問題、加計学園問題はいわゆるスキャンダルではありません。行政の公平性、連結性を損ねる。放置をすればモラルハザードを招く。社会と国家の危機であります。、、、

不信任理由5「不誠実答弁、民主主義のはき違い」
、、、ごまかし、いい加減な国会答弁の数々。そもそも民主主義のはき違いが著しい。、、、ご飯論法とか、信号無視話法という言葉が、この国会を通じて巷に出回りました。、、、全部ずらした、ごまかした答弁をしているということで加藤厚生労働大臣、そして安倍総理。「ご飯論法」と世の中から嘲笑われる結果となっている。、、、聞かれたことに正面から答えないだけにはとどまらず、聞かれてもいないことをダラダラ、ダラダラ、ダラダラ、ダラダラ、ダラダラ、ダラダラしゃべり続ける安倍総理の姿勢。、、、ま、そもそもこの聞かれたことに答えずに、聞かれてもいないことを答えている姿勢だけでも不信任に値すると思いますが、それにとどまらず、平然とウソをつき、開き直る姿勢がますます顕著になっています。、、、自民党はウソつき、ホラ吹きを予算院長にしてるんですか?、、、(本来の民主主義)の手続きをこの国会で全く踏んでいない上に、安倍政権は立憲主義そのものも破壊工作を進めています。、、、、与党の皆さんが行政監視に十分力を注げていないのは、制度的な前提として半分やむないところがあります。だからこそ、野党は行政監視、行政でおかしなことがあったら厳しく指摘をするということに責任を持って力を注がなければならないのは議会の役割から当然のことであり、したがってモリカケ問題について「いつまでやっているんだ」と与党が野党に対して野次るのは全く議院内閣制を理解してないことだということを申し上げておきたい、、、

不信任理由6「行き詰まる外交、混乱する安全保障政策」
防衛予算は6年連続の増大で過去最大で5兆1911億円にのぼっています。、、、米国の対外有償軍事援助、いわゆるFMS。これに基づく購入額が増えています、、、、我が国の安全保障上の必要性よりもアメリカが売りたいものを「言い値」で買っている、、、安全保障だけではなく、なし崩し的な日米FTAへの流れが加速していると危惧さざるを得ません。、、、現状で2国間FTAを進めていけば、我が国にとっては到底のむことができない、我が国の一次産業なり、場合によっては第二次産業も含めて、我が国が受け入れがたい条件をアメリカに飲まされかねない。、、、4月18日の日米首脳会談では日米2国間での新たな協議の創設で合意をさせられました。2国間FTAに向けた協議や米国産農産物の輸入拡大への圧力を受ける等、なし崩し的に追い込まれつつあるという危機感は杞憂でしょうか?、、、

不信任理由7「官僚システムの崩壊」
安倍内閣はこの官僚システムを破壊しています。森友・加計問題や自衛隊日報の改ざんや隠ぺいの問題。厚生労働省の働き方データの捏造問題など。、、、内閣人事局制度を悪用し、官僚人事を占有し、官の世界には安倍一強体制を築いてきた中での相次ぐ不祥事であります。

結びの言葉
まだまだ不信任の理由は数え切れないほどあります。この国会は民主主義と立憲主義の見地から、憲政史上最悪の国会になってしまったと言わざるを得ません。
、、、これ以上、目先の権力闘争ばかりを重視して、国民生活の将来に禍根を残し、ウソや誤魔化しや開き直りを蔓延させて、モラルハザードを生じさせれば、必ずや歴史に断罪される、、、

この不信任案討論の間、不気味だったのは、アベが後ろの席で、退屈そうにしながら、時にニヤニヤとしていたことです。この男は国や国民も民主主義にも興味がない。他人から学び、向上していこうという気持ちがない。自分と自分をチヤホヤしてくれるオトモダチが安楽に生きていくことしか考えていない。向上心がないから、自分に意見をするもの、やりたいことを邪魔するもの、正論を述べるものは単純に「敵」と見做しして干し上げる。そのためには手段を選ばず、ヤクザを使って選挙妨害を行い、メディアを恫喝して都合の悪い報道は控えさせ、狙い撃ちにする個人の人格攻撃をし、官僚人事を握って、警察や司法に介入して都合の悪い人間はありえない罪状で逮捕させて長期勾留する、一方オトモダチの犯罪は警察官僚に手を回して事件を揉み消す。やっていることはクソそのもの。この男が社会に為した害のツケは極めて大きく、多分、もう取り返しがつかないレベルです。
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太郎のビーンボール

2018-07-20 | Weblog

自民党の数の暴力で、やりたい放題。党利党略のための選挙改変と、全野党に加え、あの日経でさえ批判する参議院の定員増加、また強行採決。

当然ながら、メディアは一斉批判。以下、見出しだけ。

この参院選改革はごまかしだ - 日本経済新聞
参院6増法が成立 自民、約束守らず強行 - 東京新聞
参院6増成立:国民合意なき「付け焼き刃」 - 毎日新聞
定数減の流れに逆行、参院6増法 与党からも批判 - 日経
参院定数6増を巡る国会攻防は「田舎芝居」だ  - 東洋経済

そして、わかってはいましたが、バクチ法案、参院内閣委を強行突破。もはや与党にはマトモな人間が一人もいないのではないかと思わざるを得ません。自分の身が可愛いイエスマンばかりをあつめたおトモダチ党、党でありながらイデオロギーも理念もクソもない、単に欲の皮の突っ張った連中の集まりのようです。

この違法法案、問題点は数々ありますが、これも実は、一種のアベトモ案件。しかし、数に任せての強行裁決ですから、いくらおかしくても自浄作用のない与党がわがまま放題に突き進むのを止めることはできません。少数野党の悲しさ、正面からぶつかっても数の力で跳ね返されます。そんな時、舞の海ならどう戦ったか、少年ダビデはゴライアスをどう倒したか。意表をつく技を使うしかありません。

先日の山本太郎氏の国会での追求を聞いて、そんなことを思いました。この人はずっと直球勝負で、正論を述べ、論理的にアベのデタラメを指摘し追求してきたわけですが、相手は「反知性主義」のアベ、論理も理屈も倫理も日本語さえも通用せず、最後は数に任せて強行採決、正面から行ってもカエルの面になんとやらです。そもそも議論にならないように答弁をごまかしウソをつくのがアベのやり方、国会が形骸化している中で、少数野党が代弁する国民の声など聞く気もない。こういう暴力的なヤクザにたいしては、時にはビーンボールも投げる必要もあるでしょう。これはヘタをすると退場を喰らったりもする捨て身の技ともいえますが、しかし、そうでもしないと正面からでは突破口は開けません。相手は無法者のヤクザです。ただでさえ数と力を持っていてやりたい放題やっているのを相手にして、力のない者が戦うには意表をつくゲリラ的攻撃を積み重ねるしかないと私は思います。つまり、選挙で落とす、あるいは、自民がアベ降ろしを始めるプレッシャーを国民の側からかけていくことしか、この無法政権を退陣させる方法はないのだから、アベのデタラメさ少しでも一般国民に知ってもらうために、リスクをとって際どいプレーをする、できることは何でもやる、そういう覚悟なのでしょう。ヤクザ相手に喧嘩を売るのだから山本太郎氏、たいしたものです。小沢一郎ももっと前にでてきてもいいのではないですかね。

よく、モリカケをいつまでも追求せずにもっと重要な議題を話し合え、と野党に文句を言う人がいますが、そういう人は国会で何が起こっているのかよく知らない人でしょう。アベが何をやっているかを知っていて、立憲民主主義が何たるかを知っているのなら、そんなズレたことをいうはずがありません。

それはともかく、山本氏、明らかに違法のバクチ法案を、しかもこの災害緊急時に強行に通そうとするアベ政権を正面から批判してきたわけですが、先日はちょっと違いました。バクチはそもそもヤクザの稼業です。今回のカジノ云々という話は、アベがトランプに約束してきたことで、これを運営することになるのはラスベガスのアメリカヤクザでトランプの大献金主という噂です。要は、アベはトランプに命令されて、アメリカヤクザが日本人のカネを巻き上げるのに加担しようとしているということらしいです。そうでなければ、そもそも法律で禁じられている民間企業のバクチの運営を法律をねじ曲げてでも通そうとするワケがない。この一から十まで怪しい法律違反のバクチ法案を、この災害の緊急時に、無理に通そうするのは、アベが飼い主に厳しく命令されたからに他ならぬでしょう。

山本氏、捨て身のビーンボールは、アベとヤクザとの繋がりを突くことでした。随分前に、アベがかつて下関市市長選で、推薦候補と対立する候補の選挙妨害をヤクザ(工藤組)に依頼したという事件がありました。アベがヤクザに払う報酬をケチったために、怒ったヤクザがアベの私邸に火炎瓶などを投げ込むという事件になり、犯人は逮捕。この事件は裁判になっており、山本氏は裁判記録をもとに、アベとヤクザとの繋がりを追求し、次のように述べました。(全文文字起こし

そのような仕事、いわば汚れ仕事を堂々と発注できるような人間がこの国の総理であり、そしてこの博打を解禁するということにおいて、それをしっかりとボールグラインドがかからないようにするねっていうことの監視役、その総元締めであるカジノ監視委員会を任命する立場にあるなんて、笑い話でしかないですよ。現実なんですから、悲劇でしかないですね。

いくら裁判記録をもとにしているとはいえ、普通、20年ちかく前の事件を持ち出してきて、アベがヤクザとつながっていることを国会で公言するのはなかなか勇気がいるでしょう。それをあえて反則ギリギリで攻めるのは、アベをそれで倒すのが目的というよりは、アベが隠している数々の問題を多少でも人々に見えるようにするための少数野党の戦略でしょう。

万病に効く国会質問 (まんがイラスト ぼうごなつこのページから)
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心に沁みる曲

2018-07-17 | Weblog
先日、3月にイギリスで起きた元KGBの暗殺事件に使われた毒薬の残留物に一般人が接触して死亡するという事件がありました。ロシア国家が行う(と考えられている)こうした暗殺事件やテロ事件はソ連時代から何度も起こっており、ロシアに対する国家イメージは良いものではありません。日本人も、第二次大戦中に日ソ中立条約を反故にして火事場泥棒的に侵攻し、シベリア抑留し、北方領土を奪ったソ連という国に良い印象を持っている人は少ないでしょう。確かに国としては、信用できない、残虐、などマイナスの印象の強いロシアですが、個人的に知っている少数のロシア人はいい人間ばかりです。子供時代にソ連侵攻を実体験し、ソ連兵士の残虐さと彼らの歌う歌の美しさの不可思議な対照を、五木寛之さんがエッセイに書いておられるのを読んだ覚えがあります。国として魅力は感じませんが、一方で個人の単位に目をむければ、ロシアの文学や音楽は、独特の重さとコクのある味わいがあります。

私の子供の頃は日本でもロシア民謡が愛好され、小学生の音楽の授業では、日本語歌詞の「灯火」、「カチューシャ」などを歌った覚えがあります。他にも「黒い瞳」、「百万本の薔薇」、「カリンカ」、数多くの曲が日本や世界で親しまれています。他にも流行歌歌手がとりあげて広まったものあります。Mary Hopkinが「Those were the days」というタイトルで歌ったロシア民謡は、ほぼ同時期、Dalidaもフランス語でカバー(Le Temps Des Fleurs)しています。

思うに、昔のロシアやヨーロッパの曲は短調の物悲しい感じのものが多く、日本人の感覚と親和性が高かったのではないでしょうか。あるいは、日本が西洋の曲を輸入して国に広めたので、日本人の方がそうした曲を好きになったのかもしれません。この前、中国人留学生が、実験しながら「ポリューシュカ ポーレ」を口ずさんでいたのを耳にしました。ソビエト連邦が強力だったころに、ロシア民謡は世界に広く広がったのでしょうか。アメリカが強くなって、アメリカンポップスやロックが世界に広まったのと同じようなものなのかもしれません。

この曲も、たまたまyoutubeで聞いて、心が荒んだ時に聞くコレクションに入れました。あまり日本では馴染みのない曲みたいですが(私の無知ゆえかもしれません)、「Белым снегом (白い雪)」というウラル地方の作曲家のYevgeny Pavlovich Rodyginという人が作った曲です。作詞はGrigory Varshavskyという人で、多分、前世紀半ばの曲。ゆっくり目にしみじみと歌うアレンジが大変良いです。TVのオーディション番組でコンテスタントだったAlisa Ignatievaという歌手が歌ってヒット。デュエットの相手はPelageyaという有名なロシアの民謡系の歌手で、オーディション番組ではコーチ役を勤めました。

綺麗な曲だったので、歌詞をgoogleさんを使って意訳してみました。どうも男女の別れの歌のようです。

白い雪が、覆い隠す道、嵐の夜
はるかなその道を、二人並んで歩いた

二人の出会いを、あなたの愛の言葉を
どうして忘れたの、二人で過ごした時を

苦しくて切なくて、あなたを呼んだ
二人の道は消え、足跡ははるか彼方

Алиса Игнатьева, Пелагея "Белым снегом". Самара. Концерт Пелагеи. 29.03.2015


もう一つ、ロシア絡みで、心の安定に役立つ曲としてすでにコレクションに入っている有名曲を。三大アベ マリアと呼ばれている曲は、シューベルトと、バッハ/グノー、と並んでカッシーニのものがあり、日本では特にカッシーニのものの人気が高いと思いますけど、これが実はカッシーニが作曲したものではなく、しかもバロックでもなかった、ということを最近知ってショックを受けました。実際には1970年頃ソ連の音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフ(Vladimir Vavilov 1925-73) によって作曲された曲なのだそうで、50年前には存在さえしていなかったのです。クラッシックでさえなく、ビートルズよりも新しいのでした。確かにバロックの曲調ではなく、短調の定型的な和音進行が美しいシンプルな曲です。
ソプラノ独唱で歌われることが多いと思いますが、ここではフランスの楽団がオーケストラと合唱で演奏しているものを。人の良さそうな指揮者の表情が大変良かったので。

Ave Maria "de Caccini" exécuté par l'orchestre des concerts Lamoureux et la Maîtrise de Paris
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政権与党の傲慢とメディアの怠慢

2018-07-13 | Weblog
いや、本当に人の悪口は言いたくないのです。でもこれ悪口ではなく、事実と感想です。アベの報復を恐れて、メディアがまともな報道をしないので、言わねばならぬと思うだけで、アベのような人間は大嫌いですが、個人的にアベが憎いわけでもないです。アベのような人間として問題のある男が、影響力の強いポジションで、民主主義の精神をを明らさまに無視してnepotism政治を堂々とやり、平気でウソをつき、自分に都合の悪い人間には権力を使って嫌がらせをし、犯罪をもみ消したり作り上げたりする、そういうフザケタまねをするのを看過できないのです。

自民党の選挙に有利な選挙制度の改変案。先日、野党の反対討論も許さず、数の暴力で参院を通過させたことに、野党側は大きく反発。それと同時に議会制民主主義を骨抜きにして独裁制度を作り上げようとする与党と政権に対して、東京新聞は、社説で激しく糾弾。

山本芳生(共)@jcpyamashita:怒りで身体が震えています。先程、参院特別委で「合区もれ自民候補救済法案」が自民、公明によって強行採決されました。しかも、採決前の討論まで封殺して。私が用意した討論原稿は紙屑にされました。選挙制度を党利党略でもてあそぶ勢力には、必ず主権者国民による厳しい審判が下るでしょう。

共産党の井上哲士氏は11日の特別委で「選挙制度を第1党の都合で変えられるならば、政治そのものへの信頼が揺らぐ」と批判。

東京新聞社説。参院選挙の改変 民主主義の土台壊すな

 政権与党の傲慢(ごうまん)さが極まったのではないか。自民党が今国会成立を目指す参院選挙制度改革案。民主主義の土台である選挙制度を、自党の都合を優先して強引に変えることが許されてはならない。
 これほど露骨な選挙制度の改変が、かつてあっただろうか。、、、、
 特定枠は提案した自民党の動機がそもそも不純だ。二〇一六年の前回参院選から「合区」が導入された「鳥取・島根」と「徳島・高知」両選挙区で公認に漏れた現職議員を比例で救済する狙いだからだ。自党の議席維持を優先する党利党略と批判されて当然である。
、、、、国会は、国民との約束である抜本改革を怠ったばかりか、司法判断をも顧みない高慢さである。、、、


主要メディアが、政権に忖度してか圧力をかけられてか知りませんが、与党政権が怪しいことをしているのを批判するどころか、報道さえしない。赤旗にはかなりのスクープが掲載されますけど、読む人は限られますしね。先日のイギリスBBCが一時間番組で報道した日本の政権がもみ消したとされる性犯罪の番組でさえ、その番組が海外で報道されたという事実でさえ、多くの日本人は知らないようです。アベ政権にからむ醜聞なのでメディアが取り上げないからです。

山崎 雅弘@mas__yamazaki さんツイート。

安倍首相が「政府として一丸となって発災以来全力で取り組んでまいりました」とウソをついても、それをウソだと指摘せず垂れ流しで広める。メディアが政府のウソを「ウソだ」と指摘しなくなったらおしまいだが、既にその側面において、今のNHKを含む大手メディアは戦中のメディアと同じになっている。


(アベは、気象庁が特別の警告をだしてから、宴会をやったり自宅で休養したりしてほぼ三日近く、災害を放置したくせに、平気でこのような見え透いたウソをいう。阪神大震災の時に半日始動が遅れて大バッシングをうけた村山政権や、セウォール号沈没のときに初期対応を誤って5日で15%の支持率低下をまねいた韓国大統領のことを考えると、いま国民はアベには激甘ですな)

総理大臣のウソや憲法違反は、ウソや憲法違反であるがゆえに問題なのであって、野党の反応など関係なく、メディアは固有の倫理観や道徳観、職業人としての責任感で対処する義務を負う。安倍政権の暴走が止まらず、ルール破りとモラル崩壊が社会に広がる原因の一端は、メディアの卑怯な責任回避にある。

総理大臣のウソや憲法違反の行動を「これに対し野党は」という与党対野党の政局問題にすり替えて矮小化すれば、国民は「また与党対野党の対立か」「だが与党の方が議席数で多いのだから今回も与党の勝ちだろう」という結論に誘導される。在京大手メディアは、そんな欺瞞に荷担して首相に奉仕している。
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死刑に反対する単純な理由

2018-07-10 | Weblog

先週投稿した論文、レビューアの要求に答えることができずに一部の主張を取り下げての二度目のリバイスでしたが、あっさりアクセプトされました。きっと、土下座状態のresponse letterを見て、向こうも嫌気がさしたのでしょう。相手も人間ですから土下座している相手の頭を踏みつけるようなことはしたくなかったのだろうと思います。何だか情けないアクセプトですが、圧倒的でパワフルな論文が書けないのだから仕方ありません。大河の一滴でも形にならずにゼロであるよりはマシと思います。

週末、パラパラとめくったNature MethodsのにdCas9とAPEX2を使ったproteomicsの論文が二本出ているのを見て興奮しました。私、Proteomicsはど素人ですが、なぜかこれはやらねばならぬという気持ちになって、その実験に入る前の細胞を準備するための実験(先は長いです)を早速始めることにしました。2年ほど前に、こういう実験をやりたいなあと思っていましたが、当時、使えるdCas9のツールでは、あまりに感度が悪すぎて難しいだろうと思っていたところでした。実は、この論文、1年前にはBioRxivに出ていたのでした。もっと注意していればよかったです。当然ながら玉石混交なのがBioRxivの問題です。

さて、一連のカルト宗教集団、オウム真理教が犯した地下鉄サリン事件を中心とするテロ、殺人事件で死刑が確定したうち七人の死刑がほぼ同時執行されました。江川さんの記事によると、同日にこれだけ多数の死刑が執行されるのはおそらく第二次世界大戦後の東京裁判での戦犯以来ではないかとのこと。この七人のうちには、第一審の無期懲役を二審が覆して死刑判決となり、初回再審請求を出したばかりの人も含まれており、初回の再審請求提出後の死刑囚に刑が執行されるのは極めて異例とのこと。
法相は、会見で、この異例づくめの死刑執行についてのメディアの疑問に一切、答えず。もちろん江川さんも書いているように政治的な判断があるわけですが、今回の死刑は当然のように、海外から非難の嵐。執行前夜に若手自民党議員やアベと一緒に楽しそうに酒宴を囲んだ写真がネットで流れたのも反感を買ったようです。

日本は(建前上)法治国家であり、法に基づいて運営されており、死刑制度があって、裁判で死刑の判決が確定した以上、死刑を執行するのに問題はないということになります。ただし、日本国内でも、刑事事件を巡って死刑の違憲性が議論されましたし、死刑は違憲であると考えている法律専門家も多いようです。しかし、死刑というのはこのような国家運営上のルールとは別のレベルの問題があります。海外、特にEU諸国から非難を受けているのはその点でしょう。

私は、公共と個人の利益を両立させる上で、ルールを取り決めるというのは当然のことだと思います。そのルール遵守のために、違反者には罰を与えるということも理解できます。しかし、それが人間としての尊厳や権利を永遠に奪い去るような罰は許されるべきではないのではないかと思っています。地下鉄サリンで「ポア」することが彼らの幸せなのだと洗脳されて実行に及んだ犯人を、法の手続きを経たとは言え、死刑にして殺すということは、人が他人の命を奪うという点においては、同じレベルであると思います。

被害者やその家族、あるいはこの事件に憤る人々の気持ちになってみれば、極刑を望むのも理解できます。しかし、よく言われる話ですが、犯人を死刑にしたところで、殺された人が帰ってくるわけではなく、死刑は結局は、人々に事件に気持ちの上で決着をつけるための儀式、あるいは見せしめという意味がもっとも大きいでしょう。つまり、気持ちの問題です。下品な言い方をすれば、人々の怒りや悲しみを晴らすために、その原因となった人間に罰を与える、「復讐」ということなのだろうと思います。しかし、殺しても、結局、怒りのやり場がなくなるだけのことではないでしょうか。また、よく死刑反対者に対して、犯人の人権を云々する前に被害者の人権を考えろ、というような批判がありますが、死刑に関しては私は人権云々という議論とは離れた立場で反対です。

私は、殺人であれ死刑であれ、意図的に他人の命を奪うということは、罪 (sin)であると思います。だから戦争反対ですし、死刑にも反対です。宗教者がいう「人は等しく神の子である」というのが気持ち的には近いです。同じ子供同士が殺し合い、傷つけ合うのを親である神は喜ばないでしょう。死刑が一種の復讐であるならば、「汝復讐するなかれ、復讐するは我にあり」と神も言っています。ま、こういう理由に関しては、宗教的な話に嫌悪感を持つ人も多いでしょうから、説得力はないと思いますけど、私にとってはもっとも大きな理由です。

この理由以外に、死刑に反対する単純な理由は、それが取り返しのつかないことだからです。死刑であろうと無期懲役であろうと、犯人が社会から隔離されているという点、社会に直接与える影響としては同じことです。極刑に価するとの判断を下すのは人間であり、人間は間違いを犯します。死刑にしてしまうと、万が一、誤りがあった時に、それを正す機会が永遠に失われます。そうして無実の罪で死刑になり名誉回復もできずに死んでいった人もいたはずです。日本の司法と行政は完璧からは程遠いです。ですから、上の「神の子同士が殺しあってはいけない」という理想論的な理由に加えて、間違いを犯す可能性がある司法行政が、取り返しのつかない刑は執行すべきではない、と私は思っています。それは彼らが「罪を作る」のを防ぐことにもなります。
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グラント応募

2018-07-06 | Weblog
今年もあっという間に半年が過ぎ去りました。成果は思うように上がらず。行き詰まり感のある現状の打開が必要であることは実感しておりますが、なかなかアイデアもデータも出ず、十分な資金も人もなく、動くに動けない中で、時間だけが経っていくという状態が続いています。とりあえず、やらねばならぬことをやりつつ、耐える時期なのだと思うようにはしています。とりあえず、片付けなければならない論文の出版とグラントの応募です。

一つの論文、再リバイスを投稿しましたが、屈辱的なリバイスとなりました。一度目のリバイスで出したデータの更なるvalidationを求められたのですが、技術的に困難で、結局、データを引っ込めて、一部の主張を撤回するハメになりました。土下座状態のrebuttal letterです。再リバイスで後退してしまうのは悔しいですが、気を取り直して、淡々とやります。もう一つの6ヶ月をかけたリバイスの論文もほぼ完了、主に共同研究者の人のデータにケチがついたので、彼がかなり大量の実験をやることになりました。もう一本の総説論文、共著の人が主に書いたので、気楽に構えていましたが、思った以上に手がかかりそうです。締め切りまであと三日。

そして、ようやく今年三つ目の研究費申請の手続きが終わりました。と思ったら、しばらく前に出したものに不採用のお知らせ。
前回から研究費申請は、方針を変えて、質より量、データよりアイデア、ストーリーよりもインパクト、つまり論文を書くときとほぼ逆のスタンスでやることに変えました。質より量ですから、もっとも重視することはスピードです。一年のうちの30%をグラントを書くことに費やすとして、約3ヶ月半です。その時間で3本応募して平均打率1割とすると3年に一本が当たることになるという皮算用です。ま、アテゴトとふんどしは前から外れますし、だいたい私は将来の読みが当たった試しがありませんので、期待もせず淡々と機械的にやって、ダメなら方針を変えるか、潔く廃業するかします。

平均打率が1割といくら確率を計算しても、実際は研究資金の配分は極端な偏在がありますから、十本書いても一本も当たらない場合もあれば、十本全てが当たってしまう場合もあります。今回のグラントで共同研究者として協力してもらうことになった若手の人はこの二、三年の間に十本近くのグラントを当て、億単位の年間研究予算を獲得しています。当然、同じネタを使いまわして複数の募集に応募しているわけです。当たるか当たらないかは出してみないとわからないですから、複数出さないわけにはいかないし、また当たったものを断るわけにはいきませんので、結果として捌ききれない量のプロジェクトをやることになっています。強いグラントはどこに出しても高く評価されるし、ダメなものはいくら出してもダメということでしょう。実際は、ほとんどのグラントがその中間でそこそこのレベルでドングリの背比べしょうから、その採否を決めるのは、やはり「運」だろうと思います。

強いグラントは受け手の不便を解消したり、受け手の知的欲求を画期的に満たすようなプロジェクトで、結局、世の中の流行やニーズにあうグラントということです。当たり前のことですが、書く側にとっては、こちらの都合と相手側の欲求をうまくする合わせることはなかなか難しいです。我々のような弱小で特に得意技を持っているわけでもないところは、ニーズに真正面から立ち向かっても、すでにそこで立場を確立している大御所には勝てませんから、ニッチを探してそこを足がかりに広げていくという戦略しか取れません。しかし、そもそもニーズが限られているからこそニッチが生まれるわけで、仮にそこに足がかりができても、それが広がるかどうかはやっぱり運次第。逆に、資金力と人力があれば、広くも深くも張ることができるので、それだけ有利に戦えます。わかっちゃいたけど、やっぱり研究の世界も、金と力。ま、こちらは、手持ちの武器(竹槍レベル)を生かして戦うしかありません。

今回は、専門外ですが自分がやれそうなネタで応募しました。二つの専門分野にまたがっているので、アイデアの評価はどちらの専門家が評価するかによって大きく変わる可能性があります。いずれにしても、成功率は1割未満ですから、目的はできるだけ労力をかけずにそこそこのものを書いて淡々と数を出すことです。とはいえ、今回は専門外のネタだったので、きつかったです。使いまわしもできそうにないネタなので、外れたらまるまる1ヶ月のロスですが、前回の数年をかけて用意したグラントがゼロに終わったことを考えると、外れてもダメージはそれほど大きくありません。


さて、日本の立憲民主主義の危機だと思うので、しつこいですけど、言い続けます。先日のイギリスBBCが報道した「日本の秘められた恥」、アベ友のレイプもみ消し事件ネット上からどんどん削除されているようです。
日本のメディアは、BBCでこの日本の事件が報道されたことも報道しません。サッカーや野球は必要以上の大げさに報道する一方、重要な政治議題を報道せず、水道事業の外資民間への売り渡し、民間業者の博打ビジネスへの参入、TPP参加、様々な売国悪法が、こっそりと知らない間に国会を通過していっています。「パンとサーカス」、「3S」と呼ばれる昔ながらの大衆操作です。メディアの劣化、特にNHKはひどいと言わざるを得ません。北朝鮮やイランなみの情報検閲、ネット工作員、どんどん日本の文化度は劣化していっているようです。情けない限りです。

(追加)BBCの映像は日本語字幕のないものは多くネットに残っていますのでご覧ください。BBCは反響の大きさに再放送を決めたとか。
(一部、転載)
以下、詩織さんのコメントです「こういうテーマを放送すると大体すごいバッシングがある。日本で身の危険を感じてイギリスに来たのに、イギリスでこれを放送することで、安心できる場所がここでもなくなるのでは、と心配だったけど、放送後のイギリス国内での反応は、もうどれもこれも支持するものばかりだった。これは一つの事件ではなく、日本のシステムの問題としてその現状を知れた、と。そして何ができるのか、と、何かしたいという声が多くて、本当にうれしかった」


最後に、関係ないですが、これは結構衝撃でした。

コメント (1)
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嘘とへつらう者

2018-07-03 | Weblog
今朝、遅れてきた同僚に理由を聞くと、ずっと引き伸ばしていたトヨタのエアバッグのリコールの修理に持って行ったからでした。エアバッグ会社の不祥事ですが、業界全体の絡み合いの中で起こった問題なのではないのかな、とふと思いました。

先日、大企業の内部留保が大きすぎるという問題を、共産党の小池さんが国会で取り上げ、トヨタを槍玉に挙げて、トヨタの内部留保20兆円という額は1日に1000万使っても使い切るのに5000年かかるという話をしました。労働者の条件が年々悪くなっている中で、なぜ大企業はその利益を下請けや労働者に還元しないのか、という企業の社会責任についての話です。

大企業にほぼ独占的な取引のために、下請け企業が多くの無理を飲まされるという話はよく聞きます。自動車部品の下請け、孫請けもそうでしょう。そんな中でギリギリの経営を余儀なくされるところに、問題が起こる余地もあるのではないでしょうか。力関係がありますから、上が黒といえば白いものも黒くなる事もあるでしょう。そんなプレッシャーの中でついデータを改ざんしたり都合の悪いものは隠蔽したりということも起こりうるでしょう。その結果、欠陥商品で被害を被るのは一般消費者ということになります。

同様のメカニズムが今の政府(内閣と官僚)の間にもありそうです。官僚人事を官邸が握るようになると、いくら上がデタラメだと下は上のデタラメに合わせざるをえない。これがアべ政権の腐敗の原因でしょう。官邸が膿そのものなのです。結果として、一般国民、納税者がそのツケを払わされます。

東京新聞社説、「嘘とへつらう者たちよ」から。
 「バレている嘘(うそ)をぬけぬけと-」「国家の破滅に近づいている」。二人の元首相の嘆き節です。嘘とへつらいに満ちた権力周辺にはうんざりです。
、、、
 さて、今の日本でも虚か実かの問題が覆っています。いや嘘がまかり通っています。森友学園と加計学園の問題です。あえて疑惑と書きます。政府側が嘘をつき、国会や国民を欺いたからです。
、、、
 決裁文書が何と約三百カ所も改ざんされていました。交渉記録などもありました。その結果、二十人の職員が処分されました。
 嘘はもっと深い所にあるかもしれません。例えば財務省記録の中に二〇一五年十一月に首相夫人の安倍昭恵氏付きの公務員が、財務省側と電話した記録です。、、、
 加計学園の疑惑では、愛媛県から決定的な資料が出ました。一五年四月に首相官邸で当時の首相秘書官と愛媛県などの担当者が面会した際の備忘録です。「本件は首相案件となっており」と明記された文書です。、、、
、、、でも、六月二十七日の党首討論で首相はそれを聞かれて「あずかり知らない」と答えるのみでした。税の行方なのに。現在の二つの疑惑でも、嘘は必ず民心を腐らせ国難となるはずです

冒頭の「バレている嘘をぬけぬけと」は小泉純一郎元首相が週刊朝日に、「国家の破滅に近づいている」は福田康夫元首相が共同通信に語った言葉です。

 権力にへつらう者たちが見ざる・聞かざる・言わざるでいる限り、国は滅びの道です

先日の参議院、TPPの強行採決前も、山本太郎氏、かなり熱弁をふるいましたが、結局、与党議員がTPPの内容も知らずプロセスに不正が明らかになったのにもかかわらず、国民も選挙区民のことは二の次で、己の保身しか考えないがために、メクラ判を押すかのように内閣案に賛成する状況では、まさに、無理が通れば道理がひっこむ、状態。

、、、これがまかり通るんですかって。選挙終わって、政権取って180度手のひら返すって。これ詐欺ですよ。その詐欺が政治だったら許されるんですかって話ですよ。国民の税金を使って。で、国民には自助共助。あり得ない話じゃないですか。
、、、これ、もはや国権の最高レベルでやるやりとりじゃないですよ。居酒屋で語っている夢レベルですよ。
、、、国益無視で何の交換もなく、ストレートにプレゼントを差し上げる姿は交渉とは呼ばない。隷属と言います。
、、、決められない政治から決められる政治へ。決めてること、ロクでもないことばっかりやん。

文字起こししてあるので、覗いてみてください。力づくで無理を無理やり通させられる無念さが滲み出ています。 へつらう与党議員の情けなさ。

異常な国、日本は外国人の目からはよくわかるようで、先日のアベ友のレイプ事件もみ消し事件をイギリスBBCが取り上げ (日本の秘められた恥)諸外国で、日本の「闇」に批判が集中している様子。その内容と反応のまとめがここにあります。
ここで、アベとアベ友にへつらう者の卑劣さをもう一つ。詩織さんを批判した女性議員が吐き気を催すレベル。
「#JapansSecretShame を見てショックで胸がはりさけそうです。私が一番いやなのは、女性が女性を攻撃してること。被害者を支えるんじゃなくて、被害者の女性を責めてる。。犯罪を犯した男を責めるべき!」
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