(アプトの駅の春@アプトいちしろ駅)
井川線のアプト区間は、長島ダムの建設によってもたらされた新線区間。ダムの堤体に沿ってラックレールが敷かれており、ここアプトいちしろ駅と上部の長島ダム駅では補助機関車ED90の増結作業が行われます。ソメイヨシノとヤマザクラに囲まれた山裾のアプトの基地駅。チンダル現象で青い水を湛える大井川ダムの湖畔、アプト区間を制するために、補機がゆっくりと連結されて行きます。
この時期はED90もさくらカン付きなんですね。この列車は若葉カンでした。このアプト区間も「新線」なんて言ってますけど、平成2年の開通だから何だかんだもう30年以上経過しているんですよね・・・ダム建設の前、この駅は川根市代という名前で、ここから先は大加島・川根唐沢・犬間の三駅を経由して川根長島(現・接岨峡温泉駅)駅に続いていました。旧線区間はほぼ長島ダムに沈んでいますが、渇水期は新線の車窓からその遺構を見る事が出来ます。
ダムの周辺は植林された森林が目立ちますが、少し山に目を向ければ白き花火のようなヤマザクラが咲き誇り、そしてまだ風の冷たい奥大井にも若葉が芽吹き始めています。やじろべえの如くの急峻な桟道を降りて行くED90。アプト式らしい独特な電気ブレーキの音とホイッスルが大井川の谷に響き渡りました。
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