(石垣の間を抜けて@沢間~土本間)
あまり天気の良くなかった奥大井訪問、山と森の陰に入った沢間の集落へ向かいました。かつてはここから千頭森林鉄道が分岐していた場所でもあります。沢間と土本の集落は、寸又峡へ向かう道からは大井川に隔てられた場所にあって、西側の山肌に沿って茶畑が続く、いかにも大井川流域らしい風景が広がっています。そんな沢間界隈も、自分がこの地域に訪問し始めてから十数年が経過しました。日本全国、地方の過疎化はいかんともしがたいものがありますが、特に大井川流域の過疎化は激しいように思えます。ここ沢間も、気が付けばじわじわと空き家が増え、そして手入れされていない茶畑が目立つようになっています。玉石積みの石垣の下を井川行きの二番列車。今度は青葉と桜のカン付きです。
この石垣の上は、現在は沢間の駅に続く舗装された細道ですが、これがかつての千頭森林鉄道の路盤です。となると、沢間駅にはどの道が続いていたのか?となる訳ですが、まあ林鉄の線路なんて昔は道がわりみたいなものだったのだろうと思われます。沢間の駅も今では土間を打っただけのホームしかない小駅ですが、そこが島式ホームの分岐駅だったと聞いて、驚いてしまうのだけど。
運転席の窓いっぱいに、沢間の桜。
幾星霜の奥大井の歴史を見守って来たと思われる、苔生した桜の老木。
林業華やかなりし時代を遠く思いながら、この春も見事な花を咲かせました。
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