tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

チーズfilm製作映画 『夕暮れ』

2010年03月04日 | 奈良にこだわる
つい先日、ならまちや高畑を舞台にしたインディーズ映画「夕暮れ」の試写を拝見した。この映画のことは、朝日新聞奈良版(1/21付)が報じていた。タイトルは《奈良町を舞台に映画 3世代同居問う 「夕暮れ」完成、4月から公開》だ。「平城遷都1300年記念事業協会後援映画」と銘打たれている。
http://ameblo.jp/akie22/theme-10014485245.html

《奈良町を舞台にした映画「夕暮れ」の完成試写会が15日、奈良市で開かれ、主演した女優らが舞台あいさつした。4月から、奈良や大阪、東京で公開される》。

《監督は大和郡山市出身で、関西を拠点に活動している映画制作団体「チーズfilm」代表の戸田彬弘さん(26)。作品は、東京での仕事につまずき、実家の民宿に戻った男性と、この民宿に暮らすようになった女性を軸に進む。作中の家庭は戸田さんが育った環境と同じ3世代。「核家族が増えた現代から見て、3世代同居にどういうメリットがあったか」との問いを込めたという》。


戸田彬弘監督(画像・動画はすべてチーズfilmのホームページからお借りした)

《主に奈良町で撮影。古い町屋を始め、猿沢池や興福寺に向かう石の階段、奈良公園などが登場するが、「物語と町並みに違和感がなかった」と振り返る。主演の土田愛恵(とだあきえ)さんはあいさつで、40日間にわたる撮影を振り返り「私を包み込んでくれるような町だった。古いものと共存するのは、地元の人の良さの現れだったのかな」と語った》。

《4月にならまちセンター(奈良市)や、やまと郡山城ホール(大和郡山市)で、それ以降は大阪や東京で上映される。問い合わせはプロデューサーの大江崇允さん(090・1138・7463)へ》。

映画「夕暮れ」(予告編)


知人がエキストラで出演していたり、よく知っている場所が画面に登場するので、親近感を持って見ることができた。映画の内容は、昨年の奈良新聞(7/24付)にやや詳しく紹介されていた。

《奈良町に息づく家族や地域のつながりがベースという。戸田さんは近畿大学で演劇芸能を専攻、監督映画は4作目で、奈良の四季をとらえた前作「花の袋」(県後援)は全国で公開された。「夕暮れ」は奈良町の民宿が舞台。仕事の不調で東京から帰省した長男が、病に倒れた祖父や妊娠して東京から逃げてきた女性を通じて「命のつながり」に目覚めていく》。
http://www.nara-np.co.jp/20090724105949.html

《出演者の公募には約200人が応募し、オーディションで43人が選ばれた。主演は長男役の宇井晴雄さん(28)と妊娠した女性を演じる土田愛恵さん(23)。舞台を中心に活動する宇井さんは映画初出演》《戸田さんは「歴史を感じさせる奈良町の町並みが作品にリアリティーを与えてくれる」と期待。土田さんは「誰も命からは逃げられず、向き合わないといけない。その意味が伝われば」と話した》。



チーズfilmのホームページに、この映画の宣伝文(イントロダクション)が掲載されている。《現代失われつつある、かつては当然の様に存在した「家族」、「地域」の繋がり。そして、「命」を繋ぐという生物として最も重要な行為を拒否するようになった現代の新しい家族の在り方を、「花の袋」で俳優の魅力を最大限に引き出した新進気鋭戸田彬弘が挑んだ強かな家族の物語》。
http://yuugure.cheesefilm.com/About.html

《個性豊かなベテラン勢が脇を固め、関西演劇界の重鎮、南勝が重要な祖父役を体当たりで演じている。じっくりと家族の姿を捉えていく視点。「家族」とはどういう存在なのか、「生きる」とはどういうことなのか..》。主演の宇井晴雄(うい・はるお)も土田愛恵も、初々(ういうい)しさの残るフレッシュな俳優さんだ。そこに大ベテランの南勝(なん・かつ)の渋い演技が光る。若い監督による手づくり感を残しながらも、完成度の高い映画に仕上がっている。

ホームページの「あらすじ」によると《東京の番組制作会社で働いていた長男・長谷川勝雄(宇井晴雄)は、祖母の三回忌のため奈良の実家である民宿に帰省してくる。普段ならすぐに帰らなければならない所、暫く奈良にいると言う勝雄。家族が勝雄の行動をおかしいと感じていた時に、祖父の長谷川一平(南勝)が貧血で倒れた女・新田リサ(土田愛恵)を連れて帰ってくる》。

《勝雄とリサを加えた6名の共同生活が始まった。祖父が毎年主催している地元の盆踊りが迫る頃、長谷川家に大きな事件が発生する。その事件を発端に、家族、地域の人々、さらに勝雄とリサさえも、それぞれが小さくも大きな変化を互いに感じ合っていく。そして、勝雄とリサには共通の問題を抱えていることが分かってくる》。

生と死、老いと若さ、家族の繋がり、盆踊りが象徴する地域共同体と、様々なテーマが絡み合って、静かにドラマが進行する。舞台となった高畑やならまちは、これらのテーマにぴったり重なる。映画を見ていて、仏教の「生老病死」という言葉が頭に浮かんだ。淡々とした日常に突然飛び込んできた「非日常」が、生の根源を鮮やかに摘出する。しみじみと人の「生」を振り返らせる映画である。若き監督のみずみずしい感性が、心を打つ。
http://yuugure.cheesefilm.com/

上映会場は、
・ならまちセンター
4月2日(金)18:00~ 
4月3日(土)13:00~ / 18:00~
4月4日(日)13:00~

・やまと郡山城ホール小ホール
4月9日(金)18:00~
4月10日(土)13:00~ / 18:00~

・大阪・九条シネ・ヌーヴォ
4月24日(土)~30日(金) 18:00台~ / 20:00台~

・渋谷シアターTUTAYA
6月5日(土)~6月11日(金) 20:30~

このほか大阪・東京などで、順次劇場公開を予定している(ホームページでご確認を)。なお、いずれも前売券は1,300円、当日券は1,500円である。
※上映スケジュール
http://yuugure.cheesefilm.com/Theater.html

この映画は、「助成 財団法人放送文化基金、大和郡山市」「後援 奈良県、奈良市 奈良市観光協会、平城遷都1300年記念事業協会」と、地元がこぞって応援する映画である。1300年祭が本格化するこの時期に公開とは、グッドタイミングだ。ぜひ皆さん、会場に足をお運びいただきたい。
コメント (2)
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