tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

高取の雛めぐりは、こんなに楽しい

2010年03月07日 | 奈良にこだわる
3/1から、恒例の「町家の雛(ひな)めぐり」(奈良県高市郡高取町土佐街道)が始まった。今年で4年目になる人気イベントである。
※Coming Soon!町家の雛めぐり(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/4e0c5d77c2a61268519120b6fb835d8d


床屋さんでも雛人形を展示していた

すでに3/2付の奈良新聞に《華やか雛、人気 高取で「ひなめぐり」スタート》という記事が載っている。《高取城の旧城下町、高取町観覚寺から壷阪への旧街道を中心に1日、家庭の雛(ひな)飾りを公開する「町家のひなめぐり」(高取土佐街なみ天の川計画実行委員会主催)が始まった。31日まで》。
http://www.nara-np.co.jp/20100302112258.html



《4年目になる取り組みで、人形を飾る家は40軒から90軒に。座敷や窓際には、江戸時代のものから手作りのアイデアひな段までさまざまな人形が飾られ、家族の物語も書き添えられていて、街道沿いは初日から多くの観光客でにぎわった》。


外島家のお雛さま(「ギャラリー輝」に展示)。外島氏は大和の豪族・十市(とおち)氏の重臣だった

《3度目という奈良市の豊田香寿子さん(63)は「人に見てもらって喜んでいる人形のお顔を見ていると、それぞれの家族の思いとともに気持ちがほっと安らぎます」と話していた》。



《期間中、会場各所で物産販売や高取今昔写真などの展示、週末を中心にコンサートや茶席も行われる。7日は県内ゆるキャラがひなめぐりをする。問い合わせは観光案内所「夢創舘」、電話0744 (52) 1150》。


「雛の里親館」内部

私は土曜日(3/6)にお訪ねした。これが2度目であるが、初回はカメラも持たず、さっと通り抜けただけだ。今回はたっぷり時間をとって、じっくり見て回ることにした。あいにくの雨だったが、空いているのでゆっくり見るにはかえって好都合だった。


野村さんの解説は、立て板に水だ

メイン会場の「雛の里親館」(もとJAの米倉)では、今年も企画展示をやっていた。1つは「天段のお雛さま」で、雛めぐりのHPに《16段もの天高くそびえるお雛さまに圧倒されてください》とあるように、ド迫力である。野村幸治さん(高取土佐街なみ天の川計画実行委員会代表)が、元気な声で説明をされていた。

それによると、これは3種類のお雛さまを一堂に集めたものなのだそうだ。向かって左が江戸雛(質素倹約を推奨した幕府のお膝元である「江戸」で創られてきた雛人形)、中央と右が京雛(雅やかな御公家文化の「京都」で創られてきた雛人形)ということだ。
※町家の雛めぐりのホームページ
http://www.hinameguri.jp/



もう1つの企画展示が『堤中納言物語』の「虫愛づる姫君」展である。《風の谷のナウシカの原型ともなった、堤中納言物語「虫愛づる姫君」の詩の世界観を、お雛さんで再現しました。渾身の作品に出来上がっています。今年しか見れないかもしれませんよ!》。雛人形をフィギュアのように配した立体展示で、これは面白いアイデアだ。



雛の里親館の敷地内にテントが張ってあり、そこでうどん(400円)やおにぎり(150円)が食べられる。私はうどんを注文した。普段は50食、多い日(3/3など)は150食ほど売れるとのことだ。



食べ物やお土産物の店は、以前より増えていた。うどん屋さん、串こんにゃく屋さん、みたらし屋さん…。食事どきだったので、食事処「ひとやすみ」は、満席だった。
※食事処「ひとやすみ」(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/1bfbc687d05faff4b89797599dd3735a






串こんにゃく屋のご主人

「こんにちは」と町家に入ると、たいていはお家の方が説明して下さる。前回は「きっと迷惑だろうな」と思って遠慮していたのだが、野村さんが「観光客と話すことが、町民の楽しみ。特にお年寄りは、それで元気になる」とおっしゃっていたので、お言葉に甘えて説明を受けることにした。中には、こんな上品なおばあちゃんもおられた。



また別のお宅に「こんにちは」と入ると、おばあちゃんの人形が迎えてくれた。家の方はお留守だったが、こういうもてなし方もあるのだな、と感心した。





上の写真は「衣料の店まつむら」で拝見した。掌にすっぽり入るほどの小さな赤ちゃんのお雛さまだが、これが縁結びにご利益があると評判だ。その秘密は…。顔をアップで撮ると、なんと唇がハート型なのである。「このお雛さまを携帯の待ち受け画像にしたおかげで、彼氏ができました」という女子高生の話が発端だそうだが、これは人気を呼びそうだ。





上の写真は、また別のお宅のお雛さまだが、三人官女の中央の女性だけ既婚者なのだそうだ。というのは、眉毛を剃っているから…(わざわざ、かんざしを上げて見えやすくしていただいている)。仏像と同じで、細部にこだわると、いろんなことが見えてくるものだ。



上の写真は「壺阪漢方堂薬局」。奥に本物の鎧甲(よろいかぶと)がある。昔の薬屋さんの道具なども展示されていて、一見の価値ありだ。



このように高取町の雛めぐりは、じっくり見れば見るほど、お話を聞けば聞くほど面白い。今年は暖かいし、ぜひ皆さん十分に時間を取って、お訪ねいただきたいと思う。なお運営は町民などのボランティアであり、入場料などはすべて無料なので、おカネ集めにはいつもご苦労されている。行かれた折には、募金箱へのカンパご協力も、あわせてお願いしたい。
コメント (9)
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