tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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ホテルかみきた、3/21で閉鎖!(Topic)

2011年03月19日 | お知らせ
ホテルかみきた(奈良県吉野郡上北山村河合)は、宿泊室が16室という小規模ながら、美味しい料理と良質な温泉で知られる山あいの宿だ。「河合」とい名前の通り、北山川と小橡川の交わる風光明媚な場所にある。私は09年に2回(1回は宿泊、2回目は日帰り)訪れた。熊野灘(車で1時間)の新鮮な海の幸と山の幸、それに郷土料理である「栃餅の茶粥」(私がムリをいって作っていただいた)に舌鼓を打った。県内で1、2を争うナトリウム炭酸水素塩泉には、身も心もぽかぽかと温まった。当ブログでも「鉄人シェフのフルコース」として紹介した。

ホテルのHPによると《大自然に囲まれた隠れた秘湯「薬師の湯」が楽しめるホテル、また山歩きや釣りを楽しむ皆様の拠点となれるホテルでもあります。四季折々の自然美をはじめ、「春」は、山へと続く清楚で可憐に咲く花のプロムナードと大新緑、「夏」は、蛍の優雅な舞いを楽しみ、河川で川遊び、「秋」は、燃え上がる大自然の紅葉と黄葉、「冬」は、温泉に浸かりながら、大自然の偉大さを背に癒され、年中通して自然を心身で受け取れるロケーションとなっております》。

こんないいホテルが、この月曜日(3/21)をもって閉鎖するというのだ。朝日新聞奈良版(3/17付)によると《ホテルかみきた21日閉鎖 民間委託先、撤退 国道通行止めが痛手》《上北山村河合の「ふれあいの郷ホテルかみきた」が、21日付で閉鎖する。1994年に村営ホテルとして開業したが、赤字が続き、2005年に民間委託に。支配人や料理長を刷新して再出発したが、客数はピーク時の半分にとどまっていた》。

《大台ヶ原などの自然を生かした観光立村を目指し、村が総工費約15億円をかけて設立した。しかし、年間約3千万円の赤字が続き、05年に地元企業が出資した「きたやまリゾート」に運営を委託。大阪のホテルから支配人を招き、県の調理技能コンクールのグランプリ受賞者が料理長に就任した。熊野灘のマグロやタイを使った魚料理や鹿肉料理が好評だった》。

《しかし、07年に土砂崩れで国道169号線が3カ月通行止めになったことで、客数が激減。村は09、10年度に年間1500万円の委託料を支払いサポートしたが、客数はピーク時の半分程度に落ち込んでいた。同社の中谷守孝社長は「施設が老朽化してきたが、赤字のため修繕費用を捻出できない。継続しても村のためにならないと判断し、閉鎖を決めた」と話す。福西力村長は「設備をリニューアルして存続を目指すかどうか、1年かけて検討したい」と話している》。

Wikipediaによると《奈良県で二番目に面積が広い村である。人口密度では奈良県内では最低、全国では福島県檜枝岐村、北海道幌加内町に次いで3番目に低い自治体である》。面積は、274km²で、大阪市(222km²)とほぼ同じ。しかし人口はたったの683人で、しかも5年間で15.6%も減っている(2002年→2007年)。ほとんどが山地なので田んぼや畑は見当たらない。だから農協もない。逆にいうと、観光振興(交流人口の増加)が至上命題なのだ。

ホテルは完全にやめてしまうのではなく、一旦閉め、1年かけて継続を検討する、というところにわずかな希望があるが、設備のリニューアルには巨額の投資が必要なので、それが叶うのかどうか…。こんなに経営が悪化していたのなら、もっと頻繁にお邪魔すれば良かったと後悔している。これから県は「記紀・万葉1300年」として、県中南部を盛り立てようとしている矢先であり、お隣の川上村では、「ホテル杉の湯」が大規模な改装工事中というのに(4/5オープン)。

いずれにしても、あとは村の判断に委ねるしか手はない。これから南和(県南部)にスポットを、という矢先の閉鎖とは、かえすがえすも残念だ。
コメント (4)
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