tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

7月7日は、金峯山寺の蛙とび!(2013Topic)

2013年07月07日 | お知らせ
奈良・吉野の金峯山寺「蓮華会・蛙飛び行事」


七夕の今日は日曜日なので、先日来たくさんの人が「奈良 七夕 イベント」のキーワードで当ブログに来られる。県下最大の7月7日の行事といえば、金峯山寺(吉野町吉野山)の「金峯山寺蓮華会・蛙とび行事」である。『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社)によると、

金峯山寺蓮華会・蛙とび行事
◎吉野郡吉野町吉野山 日時=七月七日 場所=金峯山寺

桜の名所吉野山の金峯山寺では、七月七日に蓮華会が行われる。本堂である蔵王堂本尊に、大和高田市奥田の蓮池で採られた蓮の花を供え、翌八日に大峯山中の各所にも花を献じる行事である。この法会には着ぐるみの蛙が登場するので一般には蛙とびと呼ばれて親しまれている。

七月七日午前、役小角の母が住んだとされる大和高田市奥田で、山伏や信徒たちが見守るなか、船に乗って蓮の蕾が切り取られ、大護摩供が行われてから吉野山に運ばれる。

同日午後には蛙の乗った布団太鼓に迎えられて、蓮取りの一行は蔵王堂に入り、内陣祭壇に蓮華が供えられる。その後、願文奏上・法華懺法・繞堂・供華・散華とすすめられ、終わると堂外の仮設舞台(もとは堂内)で、蛙が跳びながら大導師(管長)や吉野一山の僧の前で経文の読誦を受け、最後はもとの人間の姿に戻る。


金峯山寺のホームページに、タイムスケジュールが載っている。

10時 大和高田奥田蓮池にて蓮取り行事。正午より大護摩供
12時 六田初花権現にて大護摩供
12時半 竹林院前、蛙太鼓台出発
15時 行列、下千本出発
16時 蔵王堂にて蓮華会・蛙飛び法要
17時 蔵王堂境内にて採灯大護摩供


蔵王さまと行者さま
松田大児
コミニケ出版

この行事について、同寺の田中利典師がFacebookで詳しく紹介しておられる。

金峯山寺蓮華会とは毎年の7月7日に、当山の開基であり、修験道の開祖でもあられる役行者さまの威徳をたたえる行事として行っている伝統法会で、役行者さまがご誕生の際に産湯をつかったと伝えられる、奈良県大和高田市奥田区にある弁天池で採取した蓮の花を、金峯山寺蔵王堂のご本尊蔵王権現御宝前へお供えします。明日8日には、大峯山山上ヶ岳の拝所および山上本堂にもお供えし、丸2日間にわたって行われます。

この蓮華会の中で、天下の奇祭として名高い「蛙とび行事」が行われます。この行事には別の由来が伝わっています。今からおよそ1000年前、白河天皇の延久年間のころといいます。高慢で神仏をあなどっていたある男が、大峯山山上ヶ岳へ登り、蔵王権現や仏法を謗る暴言を吐いたところ、たちどころに仏罰が下って、その男は大鷲にさらわれ大峰山中の断崖絶壁の上に置き去りにされたそうです。

高慢な男もさすがに後悔し、震えあがっているのをちょうど通り合わせた金峯山寺の高僧があわれに思い、その男を蛙の姿に変えて助け出しました。そのあと吉野山に連れ帰り、蔵王堂で一山僧侶の読経の功徳によって、もとの姿に戻した、というのです。


蛙飛び
松田大児
コミニケ出版

この由来を以て、金峯山寺では修験道の験比べとして、法力を見せる作法を、蓮華会の中で執り行っています。なお、この「蛙飛び行事」は今年コミニケ出版から絵本になりました。詳しくはブログを参照ください。

絵本が出たとは、存じ上げなかった。その由来を含め、何ともユーモラスな行事である。今日の降水確率は20%と、まずまずの天気のようだ。吉野山へは、ぜひ公共交通機関でお訪ねいただきたい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする