tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

絶品!たなか吟製・むかし柿の葉すし

2014年08月18日 | グルメガイド
柿の葉すし本舗たなかさん吟製「むかし柿の葉すし」をいただいた。販売は8月10日で終了しているが(通販限定商品)、あらかじめお願いして、1週間遅れの8月17日(日)に到着するよう、クール便で送ってくださったものだ。同封されていた説明書きによると、

柿の葉すしは、魚(鯖)の旨味と柿の葉の香りをすし飯に移して食べるおすしです。よって、作り立ての新鮮さを良しとする江戸前寿司やネタの彩りを競う大阪の押し寿司とも一線を画します。



味の決め手となるのは重石をすることによる熟成のすすみ具合です。仕込んですぐは塩辛く、2日めは塩の角が取れてまったりと、そして味の真髄は3日目で、熟成から生じる甘さが感じられます。

昔ながらの手にぎりと重石にこだわり、旬の青葉で包みました。形は不揃いであっても味わい深い「地元のほんまもん」を味わってみてください。すでに熟成が始まっております。冷蔵庫には入れずに、お早いうちにお召し上がりくださいませ。 たなか敬白


こういう状態で送られてくる。木箱にギッシリと詰め、重石がわりにゴムバンドで押している

クール便で着いたが、発泡スチロールやボール紙で梱包されているので、ほどよい温度に保たれていた。到着後、早速いただいたところ、鯖は厚く大きく、ご飯もたっぷりで、これはうまい!これは昔懐かしい柿の葉寿司だ。ちゃんと「2日めは塩の角が取れてまったりと」という具合に仕上がっている。



故郷の九度山町(和歌山県伊都郡)では、秋の祭りのときに自宅で柿の葉寿司を作った。だから実家には木箱(型枠)と重石があった。母の故郷(奈良県吉野郡大淀町)では、6月1日の吉野川の川開きのときに作ったという。祖母(母の母)の作る柿の葉寿司はとても美味しくて「製法特許を取っておけば良かったのに」とよく母が言っていた。鯖に塩をよく利かすことがコツだそうだ。塩を利かしても、熟成が進むと角が取れるから美味しいのだろう。


市販の柿の葉寿司より、ひとまわり大きい。葉は、目に染みるほど青々している

3日目の朝を迎えた今、もう一度いただいたところ、「熟成から生じる甘さが感じられます」という言葉のとおりで、まろやかに熟成した鯖の味がご飯にも移り、絶妙な味に変化している。そこに青々とした柿の葉が香りを添える。これをもっと早くから知っていたら、柿の葉寿司グルメの酒仙堂さんに教えてあげれたのに…。


鯖はこんなに大きくて、ご飯を包み込んでいる

年間を通じて販売される柿の葉寿司の葉っぱは、塩漬けにして保存しているそうだ。だから柿の葉に包んで時間が経つと、葉から塩分が染み出てくるので、寿司が塩辛くなる、と聞いたことがある。「むかし柿の葉すし」の葉は、収穫したばかりの青葉をそのまま使っているので、葉の塩分が味を邪魔することがないのだろう。

吉野でも紀北(和歌山県北部)でも、手間のかかる柿の葉寿司を自宅で作るという家は、激減していることだろう。ぜひ、たなか吟製「むかし柿の葉すし」で、昔ながらの味を楽しんでいただきたいものだ。私も来年は、ぜひ夏のギフトに使わせていただきたい。



コメント (4)
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