tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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岡本彰夫著『道歌(みちうた)入門』 /31文字に込められた人生の叡智

2018年04月22日 | ブック・レビュー

今朝(4/22)は、Eテレの「こころの時代」に岡本彰夫氏(神主・奈良県立大学客員教授・誇り塾塾頭)が出演され、しみじみといいお話をされた。この話はまた日を改めて紹介させていただくとして、今回は氏のご著書『道歌入門』 について。

堪忍(かんにん)の なる堪忍は 誰もする ならぬ堪忍 するが堪忍(作者・出典不詳)
いつまでも あると思ふな 親と金(かね) 無いと思ふな 運と災難(作者・出典不詳)
なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為(な)さぬなりけり(上杉鷹山・出典不詳)


 道歌(みちうた)入門 悲しいときに口ずさめ 楽しいときに胸に聞け
 岡本彰夫
 幻冬舎

どこかで聞いたようなことわざというか格言。このように5・7・5・7・7の31文字で詠まれた道徳的和歌が「道歌(みちうた)」である。このような歌を岡本氏は400首、集められた。そこから厳選した78首を詳しい解説付きで掲載されたのが『道歌入門』である。なかでも氏がよく紹介される歌は、

欲深き 人の心と降る雪は 積もるにつけて 道を忘るる(高橋泥舟[でいしゅう]・出典不詳)
手を打てば 鯉は餌(え)と聞き 鳥は逃げ 女中は茶と聞く 猿沢の池(作者・出典不詳)
見む人の ためにはあらで 奥山に おのが誠を 咲く桜かな(作者・出典不詳)


私が膝を打った歌は

この秋は 雨か嵐か 知らねども けふのつとめに 田草(たくさ)とるなり(二宮尊徳・出典不詳)
世の中の 人は何とも 云へばいへ 我がなすことは 我れのみぞ知る(坂本龍馬・出典不詳)
恩をして 恩きせがほに 奢りなば 恩にはならで 恨みとぞなる(作者・出典不詳)
火の車 作る大工は なけれども 己(おの)がつくりて 己が乗りゆく(作者・出典不詳)

 天が教えてくれた幸せの見つけ方 (『神様が持たせてくれた弁当箱』改題)
 岡本彰夫
 幻冬舎こころの文庫

いかがだろうか。また同時に氏の『神様が持たせてくれた弁当箱』が文庫になって発刊された。岡本氏渾身の2作、ぜひお読みいただきたい。

なお「ならどっとFM(78.4MHz)」の「岡本彰夫の奈良、奥の奥」は毎月第1月曜日(次回は5月7日)の15時〜16時の放送である(再放送は第2金曜日なので5月11日20時〜21時)。岡本氏のほか保山耕一さん、大垣知哉さんのレギュラー陣に加え、ゲストは5月27日(日)に「なら100年会館」でのコンサートを控えたシンガーソングライターの氷置晋(ひおき・しん)さん。こちらも、ぜひお聞きください!
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