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山の神さま・大山袛神を祭る耳成山口神社/毎日新聞「やまとの神さま」第20回

2022年10月12日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2022.10.6)掲載されたのは〈雨乞い神事重ね 算学も/耳成山口神社(橿原市)〉、執筆されたのは、奈良まほろばソムリエの会会員で香芝市在住の大谷巳弥子さんだった。
※耳成山口神社の拝殿=橿原市木原町で

奈良県内には多くの山口神社があり、それぞれの山の神さまをお祭りしている。なかでも耳成山口神社は、奈良時代には創始されていたという由緒ある神社である。では全文を紹介する。

耳成山口神社(橿原市)
大和三山の中で最も低いながらも、美しい円すい形の姿を見せてくれるのが耳成山。近鉄大阪線の電車内からも間近に眺められます。この山の山頂近くに鎮座しているのが耳成山口神社です。

南麓(ろく)の鳥居をくぐると、右手に灯籠(とうろう)の並ぶやや険しい山道が続き、5分ほど登ると、木々に覆われた社殿が現れます。古くは山の神として祭られ、奈良・平安時代にその存在が記録されています。

その後、農耕神・水の神を司る天神社と呼ばれ、祈雨神祭などの雨乞いの神事がたびたび行われていました。一時荒廃し、1748(寛延元)年に耳成の村人によって今の社殿が建立されました。

拝殿に、江戸時代以降に描かれた大絵馬数点と共に、1854(嘉永7)年に奉納された算額が掛かり、4種類の幾何学の問題と解法が記されています。

現在は、近隣6町の氏神として祭られ、各町の自治会で構成される耳成世話人会の皆さんが、日々の参拝や清掃、草刈り等を行って、耳成山と神社を大切に守っておられます。毎日の登山を楽しんだり、南麓の公園で語らう人々を、山の上から神様が見守って下さっているかのようです。(奈良まほろばソムリエの会会員 大谷巳弥子)

(住 所)橿原市木原町490
(祭 神)大山袛神(おおやまつみのかみ)、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)
(交 通)近鉄耳成駅から徒歩約15分、近鉄大和八木駅から徒歩約20分
(拝 観)境内自由
(駐車場)耳成山公園駐車場利用。無料、35台


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