NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。今週(2023.1.26)掲載されたのは〈玉椿の祭り、心尽くし接待/玉列神社(桜井市)〉、執筆されたのは奈良市在住の田中孝憲さんだった。
※トップ写真は、玉列神社の本殿=桜井市慈恩寺で
ここは「椿まつり」で知られている。例年、3月末日に近い日曜日に営まれる。今年こそ、お参りしたいものだ。では、全文を以下に紹介する。
玉列神社(桜井市)
玉列(たまつら)神社は「延喜式神名帳(じんみょうちょう)」にも記載され、旧伊勢街道の初瀬谷(はせだに)で最古の神社と伝わります。祭神の玉列王子神(たまつらおうじのかみ)は、三輪の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の御子神(みこがみ)で、円満成就、延命長寿の神様として尊ばれています。
一説には雄略天皇の泊瀬朝倉宮(はつせあさくらのみや)伝承地の間近に鎮座することから大和王権の三輪山祭祀(さいし)の南麓拝所(なんろくはいじょ)とも伝わります。また「万葉集」に「つらつら椿」と歌われる「玉椿」の名所で、毎年3月に開催される「椿まつり」では、地元の方による心尽くしの接待があり、終日参拝者でにぎわいます。
本殿は明治時代に再建された三間社春日造(さんげんしゃかすがづくり)で、境内には安永年間(1772~81年)建立の石鳥居、江戸時代中期に寄進された石灯籠(どうろう)や狛犬(こまいぬ)があります。特に「金色の御砂(おすな)」は商売繁盛をはじめ土地や家屋のおはらいにも霊験あらたかとされ、火難除けなど招福のしるしとして喜ばれています。
拝殿に上がる石段脇には「誕生石(たんじょうさん)」と呼ばれる磐座(いわくら)があり、「子宝石」と慕われています。境内からは神武天皇ゆかりの鳥見山をはじめ、多武峰や朝倉富士といわれる外鎌山(とかまやま)も望め、「こもりくの泊瀬」と「万葉集」に歌われた古代の情景にゆっくりと浸ることができます。(奈良まほろばソムリエの会会員 田中孝憲)
(住 所)桜井市慈恩寺383
(祭 神)玉列王子神
(交 通)近鉄大和朝倉駅から徒歩約5分
(拝 観)境内自由
(駐車場)無
(電 話)0744・42・6738
※トップ写真は、玉列神社の本殿=桜井市慈恩寺で
ここは「椿まつり」で知られている。例年、3月末日に近い日曜日に営まれる。今年こそ、お参りしたいものだ。では、全文を以下に紹介する。
玉列神社(桜井市)
玉列(たまつら)神社は「延喜式神名帳(じんみょうちょう)」にも記載され、旧伊勢街道の初瀬谷(はせだに)で最古の神社と伝わります。祭神の玉列王子神(たまつらおうじのかみ)は、三輪の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の御子神(みこがみ)で、円満成就、延命長寿の神様として尊ばれています。
一説には雄略天皇の泊瀬朝倉宮(はつせあさくらのみや)伝承地の間近に鎮座することから大和王権の三輪山祭祀(さいし)の南麓拝所(なんろくはいじょ)とも伝わります。また「万葉集」に「つらつら椿」と歌われる「玉椿」の名所で、毎年3月に開催される「椿まつり」では、地元の方による心尽くしの接待があり、終日参拝者でにぎわいます。
本殿は明治時代に再建された三間社春日造(さんげんしゃかすがづくり)で、境内には安永年間(1772~81年)建立の石鳥居、江戸時代中期に寄進された石灯籠(どうろう)や狛犬(こまいぬ)があります。特に「金色の御砂(おすな)」は商売繁盛をはじめ土地や家屋のおはらいにも霊験あらたかとされ、火難除けなど招福のしるしとして喜ばれています。
拝殿に上がる石段脇には「誕生石(たんじょうさん)」と呼ばれる磐座(いわくら)があり、「子宝石」と慕われています。境内からは神武天皇ゆかりの鳥見山をはじめ、多武峰や朝倉富士といわれる外鎌山(とかまやま)も望め、「こもりくの泊瀬」と「万葉集」に歌われた古代の情景にゆっくりと浸ることができます。(奈良まほろばソムリエの会会員 田中孝憲)
(住 所)桜井市慈恩寺383
(祭 神)玉列王子神
(交 通)近鉄大和朝倉駅から徒歩約5分
(拝 観)境内自由
(駐車場)無
(電 話)0744・42・6738