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田中利典師曰く、「日本は長寿企業大国」

2023年07月21日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「日本よ、もっと元気になろう」(師のブログ 2012.11.22 付)である。この頃、師は『仏教タイムス』紙に書かれた過去の「年頭所感」を回顧されていた。今回は、その2011年版である。
※トップ写真は、吉野山の桜(3/31撮影)

日本は世界一の「長寿企業大国」なのだから、もっと自信を持とう、と書かれていて、何だか元気が出てくる。この頃はバブル崩壊から続く「失われた30年」のまっただ中で、2011年3月には東日本大震災が起きた…。では以下に全文を紹介する。

年頭所感2011:「日本よ、もっと元気になろう」
今週ずっと続けている、毎年書かせていただく仏教タイムス紙の年頭所感バックナンバー…2011年版です。

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「日本よ、もっと元気になろう」(年頭所感 2011)
新年明けましておめでとうございます。さて昨今はホントに日本が元気がなくて心配です。もっと元気出せよと言いたいですね。あるブログで、おもしろい調査結果をみつけました。

それは世界中で、創業200年以上の企業を調べると全世界57ヵ国に5710社あり、その内わが国は3100社で全体の43%を占めている、というのです。つまりわが国は世界の中の長寿企業大国なのです。

次に多いのはドイツで1560社(22%)、フランス、イタリアは300社程度とのこと。北京五輪で5000年の歴史を自慢した中国は、わずか60社ほどで、日本に文化を伝えたと豪語するお隣の韓国に至っては1社もないのだそうです。実に我が国はすごい国なのです。

ブログでは、そのすごい国になさしめた要因は、万世一系の国柄、勤労の精神、職人の尊重、和の精神、信の精神、三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)の精神などをあげていますが、これは大いに誇れることでしょう。

最近ほんとに日本は元気がなく、現実的に長引く不景気がみんなを意気消沈にし、しかも自虐的な考えに立つ人たちが国の中枢にいて、みていて穏やかならざるものを感じてなりません。

そんなに悲観的にならなくてもよいのに、そんなに自分の国のことを卑下しなくてもよいのにと、つい言いたくなりますが、件のブログを見ても、この日本は世界に冠たる長寿企業大国だし、それほどに平和と経済が安定している素晴らしい国だから、こういう結果が導き出されるのだと自信を持ってよいのだと思うのですが…。もっと堂々としたいものです。

戦後日本は経済優先主義で敗戦復興から突っ走って来ました。しかしその経済を支えたのは精神だと思っています。さきほどの、勤労の精神、職人の尊重、和の精神、信の精神、三方よしの精神の基層の部分は、実は日本的な宗教風土によって育まれたと言って過言ではないと、一宗教者の立場からは申し上げたいと思います。

たかが経済です。されど経済です。日本人の経済を支えてきた精神は日本仏教であり、神道であり、数多の先人たちの大いなる営みであったはずです。

伝統的な仏教も神道も経済同様に昨今はなんか元気がないような様相ですが、まず宗教人から元気になって、日本人の自信を取り戻せるようにしなければならないのです。長寿経済大国は世界に冠たる長寿寺社大国がなさしめたということを自覚したいと思います。 合掌

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*去年行った講演の主題のひとつは、この長寿大国日本の話でした。まだまだ通用しそうなお話だと思います。
コメント
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