tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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柿本人麻呂を祭る「人麿神社」(橿原市地黄町)

2024年03月14日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2024.3.7)掲載されたのは〈万葉の歌聖 祭神に/人麿神社(橿原市)〉、執筆されたのは香芝市在住の平越真澄さんだった。
※トップ写真は、人麿神社の拝殿=橿原市で

この人麿神社は、葛城市の柿本神社から、ご祭神(柿本人麻呂)の霊が分祀されて出来た神社だ。柿本神社は以前、「やまとの神さま」にも登場し、当ブログでも紹介した。柿本神社も平越さんにご執筆いただいた。では、以下に人麿神社の全文を紹介する。

万葉の歌聖 祭神に/人麿神社(橿原市)
万葉歌人で歌聖と称される柿本人麻呂(かきのもとひとまろ)を祭神とする人麿(ひとまろ)神社は、南に畝傍山、西に二上山を望む橿原市地黄町(じおちょう)に鎮座します。橿原市史などによると、柿本神社(葛城市)から分霊され、地名は、この地が薬草サホヒメの根茎(地黄(じおう))の産地だったことに由来します。

南にある桜池は、江戸時代に景勝地などを記した「大和名所図会」で「桜の頃は美観とす」と紹介されました。池の北側に「和歌の神」である玉津島神社の祠(ほこら)があります。

本殿では昭和の修理で南北朝時代の1345(康永4)年の棟木銘(むなぎめい)を発見。檜皮葺(ひわだぶ)きで、柱間は一つ。春日造り(切り妻屋根で、棟と直角な面に入り口がある様式)と隅木(すみき 軒の四隅を斜めに支える材)を合わせた「一間社隅木入り春日造り」(重文)です。ひさしの横木の木鼻(端)に獣の形の装飾があります。

かつて祭祀組織の芋座と餅座があり、10月に座祭を、5月に子どもがススを付け合う「すすつけ祭」(県無形民俗文化財)を開きましたが、今は中断中。5月に神社北方の野上塚で豊年祈願する参拝などは現在も地元住民により行われています。境内には紅葉する無患子(むくろじ)がそびえ、人麻呂の万葉歌碑「秋山の黄葉(もみぢ)を茂み迷(まと)ひぬる妹(いも)を求めむ山道(やまぢ)知らずも」があります。(奈良まほろばソムリエの会会員 平越真澄)

(住 所)橿原市地黄町445
(祭 神)柿本人麻呂
(文化財)本殿は国の重要文化財
(交 通)近鉄大和八木駅から西へ徒歩約15分
(拝 観)境内自由
(駐車場)なし
(電 話)なし


コメント
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