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蛙飛び(金峯山寺の蓮華会)は、7月7日に行われます!(Topic)

2011年07月02日 | お知らせ
「蛙飛び」として知られる金峯山寺の蓮華会(れんげえ)は、毎年7月7日に営まれる。お寺のHPによると《蓮華会は、金峯山寺の三大行事の一つで、七月七日は役行者が産湯をつかったと伝えられる大和高田市奥田にある弁天池の清浄な蓮の花を蔵王権現に供える法会です。蛙飛び行事は、大青蛙を乗せた太鼓台が蔵王堂へ練り込み、法要の後、蛙飛びの作法が行われ、最後に導師の授戒によってめでたく人間の姿に戻ります》。
※トップ写真は、喜光寺(奈良市菅原町)で10.7.10に撮影

蓮華会に備えて、あらかじめ蓮を摘んでおく。これを「蓮取り行事」という。大和高田市のHPによると《7月7日、七夕の日、市内奥田で、1300年を超える歴史をもつ「蓮取り行事」がおこなわれます。室町時代から連綿とおこなわれてきた吉野山金峯山寺(きんぷせんじ)における「蓮華会(れんげえ)」の一連の行事であるとともに、役行者の母・刀良売(とらめ)にまつわる「ひとつ目蛙」の伝承に深い関わりをもつ行事で、奈良県の無形民俗文化財に指定されています》。

《この日、捨篠池(すてしのいけ)では、蓮取り舟に乗って、古式にのっとりおごそかに蓮切りがおこなわれます。その後、善教寺に集まった修験者たちが、勇ましい法螺貝(ほらがい)の音とともに、福田寺・行者堂から、役行者の母・刀良売の墓に蓮花を献じて供養し、続いて、捨篠池に隣接する弁天神社で、護摩法要が営まれます。こののち、修験者の一行は、吉野山金峯山寺・蔵王堂までの祠(ほこら)に、道中、蓮花を献じながら、蔵王堂での「蓮華会」「蛙とび行事」に参加したのち、これらの蓮花は修験者によって、大峰山頂上までの祠に供えられます》。

なお「奥田蓮池の一つ眼蛙」(大和高田市奥田町)に関する伝承は、『大和高田市史』に掲載されている。《役行者の母、刀良売<とらめ>は奥田の蓮池の堤で病を養っていた。夏のある朝、刀良売が池中の捨篠<すてしの>神社に詣でると、遠く蛙の音が聞こえ、光り輝いて池の蓮の茎が伸び、二つの白蓮が咲いた。そこには金色の蛙が唄っていたのである。刀良売はかやを一本ぬきとって蛙に投げたが、蛙は片眼を射抜かれて水中深くもぐった。その瞬間地面をいろどった五色の露も、一茎二華の白蓮も消えて、蛙はみにくい褐色に変わり、一つ眼になって浮かび上がってきた。刀良売は自責に堪えず、ついに重態に陥り、四十二歳で他界した。母を失った役行者は、発心して修験道を開き、吉野深山に入峯後も、吉野蔵王権現を崇め、蛙の追善供養を行って、母の菩提を弔うたという》。


※蓮華会の写真2枚は、ホテルサンルート奈良のブログから拝借(09年に撮影されたもの)

蛙飛び行事については、買ったばかりの『映像で見る 奈良まつり歳時記』に詳しい。《正午に、吉野山の寺院のひとつである竹林院(ちくりんいん)から出発し、参道を練り歩いた蛙を乗せた太鼓台が山上ケーブル駅で蓮の花と合流したのち行列を整えて、金峯山寺の仁王門の階段を登り、蔵王堂に到着します。太鼓台を下りた蛙は、担ぎ手に背負わされて蔵王堂に入道します。その後、蓮華会の法要がはじまります》。

《蓮華会の法要が営まれた後の午後4時頃、いよいよ蛙が蔵王堂の正面に登場します。蛙は、仏法を侮辱したために法力で蛙の姿にされてしまった人間なのです》。蛙は懺悔するが、なかなか人間の姿に戻してもらえない。再三のお願いの末、最後に正面の大導師に戒を授かり、めでたく人間の姿に戻る。



この行事の一部始終が、ホテルサンルート奈良のスタッフブログに活写されている。《蛙飛びの由来は、昔神仏を信じない男が金峯山に登り蔵王権現や仏法を謗る暴言を吐いたところ、大鷲にさらわれ、崖の上に置き去りにされたのを、金峯山寺の高僧が蛙の姿に変えて助け出し、蔵王堂で僧侶たちの読経によってもとの姿に戻した。という故事によるのだとか》。

《この行事、もともとは堂内で行われていたそうです。山伏たちが周りで法螺貝を吹き鳴らし、僧侶たちの読経がはじまり、いよいよカエルちゃんが動き出しました!さあ、ピョンピョンと元気に導師様のもとへ...。ずり...ずり...。う~む、動作は蛙飛びというよりは、蛙這いかなぁ。まあ、そこは法要ですから、細かいことは置いといて。まずは正面の導師様のところでゲロゲ~ロ。次は右の導師様のところでゲロゲ~ロ。さらに左の導師様のところでゲロゲ~ロ。最後に再び正面でゲロゲ~ロ。(昔、こんな漫才を見た気がするなあ)ここでやっと人間に戻してもらえます。カエルちゃん役の方、お疲れ様でした》。

《感想としては、カエルちゃんの着ぐるみがかわいかったですね。リアル過ぎず、ディフォルメ過ぎず。動作もいちいちユーモラスにうつって微笑ましい行事に思いました。写真ではおそらく伝わらないので是非、実際にご覧になってこの面白さを感じていただきたいです》。蓮華会の動画は、県の「奈良の魅力映像BOX」に掲載されているので、ご覧いただきたい(奥田の蓮取りの動画は、こちら)。

『きょうの奈良』には「まだ梅雨が明けきらない蒸し暑い日の行事であるから、カエル役の人も早く人間に戻してもらって着ぐるみを脱ぎたいだろう。観客も汗をふきふきカエルに歓声をおくっている」という行事である。今年(2011年)の七夕は平日なので私はムリだが、可能な方は、ぜひお参りいただきたい。

※この行事に関するお問い合わせ先
総本山 金峯山寺 〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山
E-mail: office@kinpusen.or.jp
TEL: 0746-32-8371

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5 コメント

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とっても参考になりました (りえ)
2011-07-02 21:10:14
facebookで奈良へ行こう!さんに教えていただいて拝見しています!
蛙飛び行事の記事、とっても参考になりました。
来週、名古屋から遊びにいきます :-)
とっても楽しみです~。
返信する
疑問 (鹿男)
2011-07-02 23:16:03
しょうもない疑問ですが、、、

蓮取り行事を大和高田で10時から始めて、途中の祠に蓮を供えながら、吉野の金峯山寺まで歩いて4時までにはいれるのでしょうか?
どうされてるのでしょうか?
今は途中は車で移動されているのでしょうか?
でも車がない時代は蓮取り行事を朝早くからしてたのでしょうか?

先週、大峰山に登ってまいりました。
有名な「西ののぞき」の行場の横の断崖岩がその大鷲にさらわれて取り残された岩だとガイド(やません)さんに聞いたところでした。
返信する
奈良へ行こう!(facebook) (tetsuda)
2011-07-03 06:01:44
りえさん、鹿男さん、コメント有り難うございました。

> facebookで奈良へ行こう!さんに教えていただいて拝見しています!

はい、奈良へ行こう!さんのリクエストで、この記事を書きました。facebookの「奈良へ行こう!」サイトは、楽しい情報が満載ですね。
http://www.facebook.com/visit.nara

> 蓮取り行事を大和高田で10時から始めて、途中の祠に蓮を供えながら、
> 吉野の金峯山寺まで歩いて4時までにはいれるのでしょうか?

高田から吉野山までは、ざっと30km。修験者は「走るように歩く」といわれます。男子マラソンの平均時速は20kmですから、ラクラク間に合うと思います。もっとも今は、電車か車で移動されているのかも…。

> 「西ののぞき」の行場の横の断崖岩がその大鷲にさらわれて
> 取り残された岩だとガイド(やません)さんに聞いたところでした。

おお、良いところに行かれましたね。ソムリエ対策でしょうか。それが、まさに伝説の岩です。
返信する
Unknown (りえ)
2011-07-12 12:20:01
その後、しっかり蛙飛び行事いってきました!
当日、バスで名古屋まで帰らなければならなかったのですが、
ギリギリ(帰りは吉野駅まで降りるバスに乗るために走り、降りてから駅まで走りました(笑))なんとか蛙男が人間に戻るところまでは見られました :-D
カエル好きなので、蛙男の写真がいっぱいとれてとても楽しかったです!!
↓いっぱい撮ってきました(笑)
http://www.flickr.com/photos/leap/sets/72157627146660290/

それと、雨がふったりやんだりでしたけど、それもまた吉野の風情を増しているようでよかったです :-)
こんどはもうちょっと吉野でゆっくりしたいなあ……。

8月は東大寺の万灯供養会に行こうかなとおもってます。

ブログの更新たのしみにしていますね! :-)
返信する
お写真拝見 (tetsuda)
2011-07-13 06:22:49
りえさん、コメント有り難うございました。

> カエル好きなので、蛙男の写真がいっぱいとれてとても楽しかったです!!

拝見しました、これはすごいですね。今年の7/7は平日でしたので、私は参加できず残念でした。
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