川や湖ではいつも水際で何か水棲生物が捕れないかと期待する。以前にホテイアオイを拾い上げたら、ひげ根からテナガエビがたくさんこぼれ落ち労せずして沢山捕ったことがある。その再現を期待した。沢山はいらないから一匹でもと思ったのだが、枯れたホテイアオイの根からは同じ甲殻類でもミズムシが何匹かいたのと、何かの昆虫の幼虫が見つかっただけだった。
もうひとつ、ハゼの仲間のイサザかヨシノボリかわからないのだが、近くの湖岸で昨年一匹捕まえたことがあって、それも期待した。そのハゼは数ヶ月飼ったがこの冬に死なせてしまった。前に飼ったハゼは2センチ弱だったのを、アカムシやボウフラや時にはヒメダカの稚魚まで与えて倍ほどに育てたことがある。ハゼはなかなかに可愛いのだ。人馴れする。水槽を覗き込むと眼をきょろりと動かして見上げる。目が合うのが嬉しい。
ハゼもいなかったが、かわりに画像のドブガイを拾い上げた。子どもの頃に川で取ったことのあるカラスガイにそっくりだが、持ち帰って測ってみると9センチもあるから、これは淡水産真珠のとれるイケチョウガイかも知れないと思った。ネットでちょっと調べただけで、そのように思い込んでしまって、友人や知り合いに吹聴したあとに詳しく調べたら、ドブガイだと判明した。ヌマガイとかカラスガイとも呼ばれ、食えないこともないが不味い貝なんだそうだ。
イケチョウガイは12センチ以上が成貝で30センチにもなるなどという記述もあったから、9センチなら稚貝だ・・などと思ったり成長させて真珠がとれたらなどと、うきうきしていたのだが、とんだ違いの解らない男をやってしまった。ドブガイでも20センチ位にはなるらしい。水槽で飼うのは難しいとあるが、それは水の循環装置フィルターで汚れを濾し植物プランクトンまで除去してしまうからだとか。
ウチの水槽なら大丈夫だ。外に出しっぱなしの放置式飼育だから、いろんなものがはびこり、水も濁っているのやら、青汁状態やら、何故か自然浄化システムが成立して透き通っている水槽やらいろいろだ。順繰りに入れたら、みんなのために良いのではないかと思われる。特に濁った水槽に入れたらドブガイのためにも、それぞれの水槽のザリガニやミナミヌマエビやヒメダカやクロメダカやウグイの皆さんにも良いのではないかと期待する。役立ちながら20センチに成長して欲しいと思う。
先ほどドブガイの様子を確認した。動きがないからどうということもない。しかしもう連れてきてから1週間以上が過ぎたし、入れた水槽は奇麗になったように感じる。画像にでも撮って比較したらよく解るのかも知れないけれど、早いサイクルで次々違う水槽に入れているのでよくわからない。貝にはよいのかどうか解りにくいが、いつも薄く開いて白い身を見せているし、触ると急いで閉じるし、間違いなく健やかに生きている。怠惰な飼主とわが水槽楽団員たちの救世主となれよかし。