鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

老いと冒険と世界一とプロジェクト

2013年05月28日 09時58分16秒 | 懐疑・猜疑・疑義
エベレスト登頂成功の最高齢者になった人への衛星通信インタビューや新聞報道をみた。特別に興味を持っていたわけではないが、どんな言葉が出てくるだろうかと少し期待した。でも、『おっ』と思うのはなかった。

アカデミー賞なんかの授賞式を見ると、誰もが、支えてくれたスタッフや恩師や先輩や家族に向けて自分の名誉は決して自分独りのものではないと述べて周りを称え神に感謝する。日本のマスコミは、そういう部分を割愛するのだろうか? 『(エベレスト登頂は)もうたくさんです』と言ったと報道し、帰国したら何をしたいかと尋ねたのだろう、『まずすしが食べたい』と締めくくっている。

何だかなぁ、と思った。彼の答えた月並みな言い方の中に『夢は強く願っていたらかなうものだ・・』というのがあった。ごく少数の大成功者だけが言える無邪気な言葉だ。努力や犠牲や運が有ったことはひとまず隠して、観客の万歳に笑顔で頷かなければならない人が、ついついやってしまう放言。

そんなこと言わなきゃいいのに。夢見がちな人には罪作りなことなのに。どうしてもっと気のきいたことを言えないかなぁとテレビにツッコミを入れた。{『このプロジェクトに掛かる莫大な費用を捻出してくれた関係者やスタッフや応援の人たちに担がれて、最高齢登頂という御輿がサミットに立った』『良い子のみんなは決して真似をしないでね』『これからは、もう自分だけの余生を過ごしたい』}くらいのことを言って欲しかった。
コメント (8)
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