エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

雪の季節を楽しみたい

2006-12-19 | 日々の生活
 静かな庭に冬の朝日が目映い。この冬は温かいようだ。昨日、ようやく雪らしい降りを見たが、今朝は無風快晴、柔らかい陽の光が優しい。
 一回り小さくなった軒先のつるし柿が美味しそうに熟してきた。命ある小さな虫たちはいつしか枯れ葉に埋もれ、冬の静寂が巡ってきた。
 
 ツバキ、ジンチョウゲ、センリョウなど緑の葉も、これから来る雪に埋もれる寒さを待ちかまえているようだ。ニシキギやアオキの橙色の実がはじけ、さぞ雪にも映えるであろう美しさだ。いつもの変わらない庭の木々だが、朝に夕に、雨の日、雪の日に、そのときどきの一瞬一瞬が美しく感じられる。

 寒さに凛とした赤紫のサザンカ一輪を手折り、家に入った。
 先日取り込んだいくつもの鉢を、廊下から書斎の奥まで射し込む冬の陽を追いかけて移動するのが実に楽しい。しばらくは暖かな書斎から、巡った寒さの別世界を眺め、静かに、緩やかに流れる雪の季節を楽しみたいと思っている。
 これからしばらく、あり余る自分の時間に冬の庭を楽しむ贅沢がある。