エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

心に残る一日

2010-05-03 | 日々の生活
        【柳津虚空蔵尊の春2006.5.3


 今日は今までにない幸せな一日を過ごした。
しかし、大失態をしでかしてしまった。カメラの記録カードを入れていなかったのだ。
 楽しかった、思い出に残る貴重な一日を終える帰りに、助手席でふと電池を確認しようとして分かった。
一瞬、数時間の家族とのかけがえのない時が脳裏をよぎった。これ以上の落胆はなかった。

 これまで何度かそういうポカをしでかしていたが、今日は、心から悔まれる失態であった。
サクラや、趣きある場所や景色はまた写せるかもしれない。でも、みんなで楽しく遊んだ数々の動きはもう一度というわけにはいかない。
自分のしたこととはいえ、大事な思い出を記録に残せなかった事実を残念に心から後悔している。
 過ぎ去ったことは元に戻らない。考えて見ると、カメラのない思い出はいくつもある。
 記録には残せなかったが、いま、一日の楽しかった思い出が心の中に残っている。
 確かに、写真に残された記録は貴いが・・・。そんな慰めをするしかない。

 あの坂下の、六地蔵を囲む杉の糸桜、柳津の円蔵寺を対岸から眺めたひととき。
みんなでおいしく食べたお弁当、土手にサクラと柳の緑が美しいとうとうと流れゆく只見川の眺め、
そして法用寺では、ほころび始めた虎の尾ザクラ、満開のサクラの枝を前にした,三重の塔の夕景、
その三重の塔の横にある啄木の2つの句碑を前に私を立たせ、妻が写真を撮ってくれたこと。
こんな思い出のすべてが、物理的記録に残せなかったのだ。
 悔しさを思いながらも、心の底に鮮明に残るこれらの情景、
いずれ過ぎ去ってしまうかもしれない今日の素晴らしい豊かな思い出を思い浮かべている。
(2010.5.2)
 今年のように寒い春だった2006年の様子をブログで見た。


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