エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

里山を巡り、自然の命を思う

2010-05-08 | 日々の生活
    【ヒメシロチョウ初見】


 月に一度の検診、いつものように病院は混んでいて、帰宅したら午後1時を回っていた。
 血液検査結果は相変わらずの数値で、また、日々健康に留意しなければと確認した。

 遅いお昼を食べて、里山へ出かけた。今日は、ホソミオツネントンボにそろそろ会えるかと思った。
また、ついこの前まで沢山の穂状の花序を垂らしていたキブシの芽ぶきを観たかった。
 風が強かったが、ホソミオツネントンボの雌1頭を見ることができた。
冬の間、どこで眠っていたのだろうか、じきに仲間も出てくるだろう。
 次のポイントで、キブシの芽ぶきを観た。
あんなにたくさん垂れ下がっていたほとんどは落ちていた。この花はどんな実をつけるのだろうか。

  【キブシの芽ぶき】

 横にあったあのきれいな黄色い花をたくさんつけていたダンコウバイも花はほとんど落ち、新芽が萌えていた。
 それぞれに花を咲かせ、葉を出し身を付ける。生長し秋の終わりに葉を落とす、そんな1年を繰り返している。

 一匹のチョウがひらひら花びらが散るように、弱々しく舞ってきた。ヒメシロチョウだった。
まだウスバシロチョウも出ていないのに、思ってもいなかったヒメシロチョウは、道端のヒメオドリコソウに、そしてスミレに蜜を求めた。
そして、風に流され、ひ弱なヒメシロチョウは、雪の下に倒れ押しつぶされていたカヤの枯れ草の陰に止まった。
すでに日は傾いた。まだ冷え込む夜をここで過ごすのだろうか、じっと動かなくなった。
 ヒメシロチョウは近年各地で減少していて、国の絶滅危惧II類、福島県の準絶滅危惧種に選定されている。この山麓でも細々と命をつないでいることがうれしい。

  【吸蜜するヒメシロチョウ】

里山を巡り、すべての自然に命を思っている。今日もそんなことを考えていた。
人間も自然の一部であり、この地球上に共に生きる他の多くの生き物と共に生かされている。まさに「草木国土悉皆成仏」の思想だ。

 いつか、入院中のベットで偶然見たTVで、詩人・坂村真民を知った。
 (参)拙ブログ【「詩人・坂村真民を知る」(2007-05-11)】
 そこで、「悉皆有仏性」という仏教思想を知ったと思う。

坂村真民の詩「二度とない人生だから」に
   ”二度とない人生だから
     一輪の花にも
     無限の愛を
     そそいでゆこう
     一羽の鳥の声にも
     無心の耳を
     かたむけてゆこう” 
   とある。


 
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