揺りかごを作り終えた偉大なオトシブミ
毎年この時期、バラの新芽でヒメクロオトシブミがゆりかごを作っている。
今日もせっせと巻いていて、すでにいくつものゆりかごが巻かれていた。
ファーブル先生が観察したように、じっくりゆりかごを作る様子を観察することにした。
ヒメクロオトシブミは黒色の体長5ミリほどの小さなオトシブミ。
かわいい虫だが、折り紙名人、頭の中はどうなっているのだろう。
柔らかい葉の付け根から少し離れたところに、真ん中の葉脈を残して、左右に切れ込みをいれていた。
しばらくすると、水分が送られなくなりしんなりしてきた葉が、葉脈を折り目にして表を内側にしてだんだん重なってきた。
オトシブミは先端に移動して、葉の裏側をふちに沿って移動した。
何か葉脈に口で傷をつけているようだった。たぶん後からの作業のためだろう。
そして、先端から葉を巻き始めた。足6本で葉を巧みに挟みながら丸め始めた。
葉のふちの方をときどき閉じるようにしながら、上手に巻いて行った。
さっきの葉の縁に沿った行動が下準備だったと思われた。
巻いた葉は、巻き戻らない訳がここにあると思われた。先を見越しての能力に脱帽だ。
約2時間かかって巻きあげた。ときどき休みながらのポーズは、あのちっちゃい頭で手順を考えていたのだろうか。
その間、観察する老人は、近くは裸眼でないと見えず、カメラのピントを合わせにはメガネが必要、
メガネを外したりかけたりと、実に煩わしかった。
それ以上に、この小さな虫が、一生懸命に子孫を残す姿がけなげに、素晴らしく思えた。
観察中に、卵を産む様子は観察できなかった。まさかカムフラージュはあるまいが中の卵を確認したいと思った。
かわいそうだったが、すでに出来上がっちたゆりかごをピンセットでほぐしてみると、小さな楕円形の黄色い卵が一つ転がって出てきた。
ファーブルの観察では、先端からすこし巻いたところに穴をあけて産卵しているらしい。観察が甘かったのだ。
初めてゆりかごを作りを観察できた。
ヒメクロオトシブミを観察する老いた身と、自分の幼い日の心弾む思いとがひとつになった。
ふと薔薇の枝を見ていて、もう一つガの幼虫の擬態を見つけた。
頭はちょうど芽を伸ばし始めた新芽のようで、ところどころに赤いバラの棘にそっくりな形には驚かされた。
自然の摂理は素晴らしい。これからも、畏敬の念を忘れずに感動をもらいながら虫たちの命を見つめて行きたい。
蛾の幼虫の擬態
毎年この時期、バラの新芽でヒメクロオトシブミがゆりかごを作っている。
今日もせっせと巻いていて、すでにいくつものゆりかごが巻かれていた。
ファーブル先生が観察したように、じっくりゆりかごを作る様子を観察することにした。
ヒメクロオトシブミは黒色の体長5ミリほどの小さなオトシブミ。
かわいい虫だが、折り紙名人、頭の中はどうなっているのだろう。
柔らかい葉の付け根から少し離れたところに、真ん中の葉脈を残して、左右に切れ込みをいれていた。
しばらくすると、水分が送られなくなりしんなりしてきた葉が、葉脈を折り目にして表を内側にしてだんだん重なってきた。
オトシブミは先端に移動して、葉の裏側をふちに沿って移動した。
何か葉脈に口で傷をつけているようだった。たぶん後からの作業のためだろう。
そして、先端から葉を巻き始めた。足6本で葉を巧みに挟みながら丸め始めた。
葉のふちの方をときどき閉じるようにしながら、上手に巻いて行った。
さっきの葉の縁に沿った行動が下準備だったと思われた。
巻いた葉は、巻き戻らない訳がここにあると思われた。先を見越しての能力に脱帽だ。
約2時間かかって巻きあげた。ときどき休みながらのポーズは、あのちっちゃい頭で手順を考えていたのだろうか。
その間、観察する老人は、近くは裸眼でないと見えず、カメラのピントを合わせにはメガネが必要、
メガネを外したりかけたりと、実に煩わしかった。
それ以上に、この小さな虫が、一生懸命に子孫を残す姿がけなげに、素晴らしく思えた。
観察中に、卵を産む様子は観察できなかった。まさかカムフラージュはあるまいが中の卵を確認したいと思った。
かわいそうだったが、すでに出来上がっちたゆりかごをピンセットでほぐしてみると、小さな楕円形の黄色い卵が一つ転がって出てきた。
ファーブルの観察では、先端からすこし巻いたところに穴をあけて産卵しているらしい。観察が甘かったのだ。
初めてゆりかごを作りを観察できた。
ヒメクロオトシブミを観察する老いた身と、自分の幼い日の心弾む思いとがひとつになった。
ふと薔薇の枝を見ていて、もう一つガの幼虫の擬態を見つけた。
頭はちょうど芽を伸ばし始めた新芽のようで、ところどころに赤いバラの棘にそっくりな形には驚かされた。
自然の摂理は素晴らしい。これからも、畏敬の念を忘れずに感動をもらいながら虫たちの命を見つめて行きたい。
蛾の幼虫の擬態