エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

今年初めてのトンボ

2010-05-10 | 自然観察
                    【春一番のシオヤトンボ 未成熟 ♀】


 天気の良い日は、いつも小さな自然に囲まれていたい。その時期に会える友達に会いに行く。毎年同じ繰り返しだ。同じ季節に、同じ虫や緑たちとの対話を楽しんでいる。
そんな自分を見ていて、妻はいつも「幸せだ」と小馬鹿にしている。
 今日も、午後から里山巡りをした。具合の悪い時、妻はどこへでもついてきたが、最近体調がよくなってからは、一人で出してくれるようになった。自分でも、健康になったと自信が付いてきた。
 思えば、飽かずに同じことを繰り返しているものだ。でも、楽しい。

 今年初めてのトンボは、シオヤトンボだった。この前、ホソミオツネントンボの雌をしっかり確認したが、レンズを交換している間にどこかへ消えてしまった。
 今日は翅の具合から、羽化して間もないのだろ、枯れ草にじっと止まるシオヤトンボを初見した。未成熟の雌と思われた。

 また、相変わらずひ弱に、けれどもいつまでも飛び続け止まらないヒメシロチョウに出会った。田の土手を、多分食草のツルフジバカマを探しているのだろう。
なかなか止まってくれないので、飛翔中を狙って撮った。でもそう簡単に撮れるものではない。ようやくスミレに止まって吸蜜し始めた。
警戒心が強く、そうは近づけないから接写は無理、手ぶれ覚悟で遠くから望遠で狙った。
 限られた空間に、ひっそりと生息する絶滅が心配されるヒメシロチョウ、愛おしくてならない。

  飛翔するヒメシロチョウ

 スミレに吸蜜

 帰りに八田野一里塚へ立ち寄った。しょっちゅう近くを通るが30数年ぶり行った。ちょうど、一里塚に植えられた桜が満開だった。立て看板に詳しい説明があったが、若松大町四ツ角の「札之辻」を基点に計測されて造られたとあった。もっと遠いと思われたが、どの道を通ったか、約1里の距離なのかと不思議に思えた。一歩農道から入ると、大自然の中に来たといった感じがした。
 春型にしては大きいキアゲハや交尾したモンシロチョウが飛んできた。
また、ムラサキケマンも満開だし、そろそろウスバシロチョウも現れるだろう。

ここからも、暮れなずむ磐梯山が凛々しくそびえていた。


  八田野一里塚

  美しいヤマザクラ

キアゲハも

  モンシロチョウの交尾

  ムラサキケマン(ウスバシロチョウの食草)

さわやかな庭の緑

2010-05-09 | 日々の生活
            庭から飯豊連峰を望む


  
ブログ『京の辻から』の「はつなつのかぜに」(2010.5.6)にさわやかな5月を見た。
そこには川上澄生の「初夏の風」が紹介されていた。

  ******************
   かぜとなりたや
    はつなつのかぜとなりたや
    かのひとのまえにはだかり
    かのひとのうしろよりふく
    はつなつの はつなつの
    かぜとなりたや
    ****************** 

 何とさわやかな詩か。   
また、 ≪「風景」、風は「かぜ」、景は「ひかり」を意味する≫とあった。
まさに、「さわやかな緑よ 明るい緑よ」で、風薫り、光り輝く5月をすがすがしく迎えている。
今朝も、すがすがしい、さわやかな庭の初夏のいのちをみつめた。

 
  ようやくハナカイドウ

  クマバチとドウダンツツジ

  かわいいカリンのつぼみ

 豪華ライラック  

  ハクモクレンが一気に咲く

 スズランスイセン乱舞

 裏の空き地にキジが啼く

桜桃 佐藤錦

里山を巡り、自然の命を思う

2010-05-08 | 日々の生活
    【ヒメシロチョウ初見】


 月に一度の検診、いつものように病院は混んでいて、帰宅したら午後1時を回っていた。
 血液検査結果は相変わらずの数値で、また、日々健康に留意しなければと確認した。

 遅いお昼を食べて、里山へ出かけた。今日は、ホソミオツネントンボにそろそろ会えるかと思った。
また、ついこの前まで沢山の穂状の花序を垂らしていたキブシの芽ぶきを観たかった。
 風が強かったが、ホソミオツネントンボの雌1頭を見ることができた。
冬の間、どこで眠っていたのだろうか、じきに仲間も出てくるだろう。
 次のポイントで、キブシの芽ぶきを観た。
あんなにたくさん垂れ下がっていたほとんどは落ちていた。この花はどんな実をつけるのだろうか。

  【キブシの芽ぶき】

 横にあったあのきれいな黄色い花をたくさんつけていたダンコウバイも花はほとんど落ち、新芽が萌えていた。
 それぞれに花を咲かせ、葉を出し身を付ける。生長し秋の終わりに葉を落とす、そんな1年を繰り返している。

 一匹のチョウがひらひら花びらが散るように、弱々しく舞ってきた。ヒメシロチョウだった。
まだウスバシロチョウも出ていないのに、思ってもいなかったヒメシロチョウは、道端のヒメオドリコソウに、そしてスミレに蜜を求めた。
そして、風に流され、ひ弱なヒメシロチョウは、雪の下に倒れ押しつぶされていたカヤの枯れ草の陰に止まった。
すでに日は傾いた。まだ冷え込む夜をここで過ごすのだろうか、じっと動かなくなった。
 ヒメシロチョウは近年各地で減少していて、国の絶滅危惧II類、福島県の準絶滅危惧種に選定されている。この山麓でも細々と命をつないでいることがうれしい。

  【吸蜜するヒメシロチョウ】

里山を巡り、すべての自然に命を思っている。今日もそんなことを考えていた。
人間も自然の一部であり、この地球上に共に生きる他の多くの生き物と共に生かされている。まさに「草木国土悉皆成仏」の思想だ。

 いつか、入院中のベットで偶然見たTVで、詩人・坂村真民を知った。
 (参)拙ブログ【「詩人・坂村真民を知る」(2007-05-11)】
 そこで、「悉皆有仏性」という仏教思想を知ったと思う。

坂村真民の詩「二度とない人生だから」に
   ”二度とない人生だから
     一輪の花にも
     無限の愛を
     そそいでゆこう
     一羽の鳥の声にも
     無心の耳を
     かたむけてゆこう” 
   とある。


 
日記@BlogRanking



初夏の風景

2010-05-07 | 日々の生活
    【磐梯山の虚無僧の雪形】 (空の小さい玉はレンズの汚れ) 
 昨日の午前中、所要があって郡山へ行った。
 高速道を走ると、いままではっきりしなかった磐梯山の虚無僧の雪形がくっきり見えた。
春の霞がかかっていたが、猪苗代湖が光って見えた。
 猪苗代付近では、田の代掻きが進んでいた。
 高速を下りて、磐梯熱海の近郊を走っていると、美しい山里が見えた。
 萌え始めた山に、あの色合いは何と表現したらいいのか、少し緑が混じったヤマザクラやソメイヨシノ、白いのはオオシマザクラだろう。
穏やかな野山の春景色が、水の入った田にさわやかに映っていた。




春の女神に再会

2010-05-05 | 昆虫
                        【再会できたギフチョウ】

 少し遠くに遠征した。今日は「こどもの日」だがいつもと変わらない、孫を連れて家族で里山へピクニック、お昼を食べに行った。
 いつもは車で10分の山の公園だが、今日はじいちゃんのチョウの撮影に同行、隣町までついて行った。

 ポイントの近くの公園で、お昼を食べた。妻と孫たちを待たせて、ギフチョウを期待して山に入った。
 ギフチョウを撮りたかった。4月の気温が低く、多分昨年に比べて10日は遅れているだろうと考えた。
案の定、まだ杉の林には雪が残っていた。雪の中から、カタクリの芽がゾクゾクと伸び、つぼみを付けていた。

  雪の中からつぼみ膨らむ

 孫たちを麓に待たせていたので、そう長居はできない。あきらめて山道を戻ろうとしたら、陽のあたる一角にギフチョウが飛んできた。やはりで出始めた!
昼を過ぎて、気温もが上がって結構敏捷な飛び方だった。2,3頭が目の前を飛ぶが、カメラで追うには少し速かった。
よく、咲き始めたカタクリに来るのだが、なかなか止まってくれない。
何とか写したいと思ってねばった。散り始めているヤマザクラの花に吸蜜に止まった。
急いでカメラを構えた。一瞬だったけれど、望遠で2,3枚連写することができた。
 また、来年会おうと、春の女神に呼びかけて山を下った。

 麓に降りると、辺りの、陽だまりのカタクリの横にはキバナノアマナがきれいに咲いていた。ミヤマカタバミやエンレイソウが群生していた。紫色のキクザキイチゲも可憐に咲いていた。妻と孫が心配して登ってきた。

可憐に咲くカタクリ



エンレイソウ 

 キジムシロ

 
カンアオイの仲間 ギフチョウの食草

帰宅して、ギフチョウの写真を確認した。手ぶれで失敗したが、可憐なギフチョウが春の陽に輝いて写っていた。


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 布引高原の風力発電

2010-05-04 | 日々の生活

 昔、タケノコ採りに何回か行った布引山へ行った。ジダケとかネマガリダケと呼んでいるが、クマザサのタケノコである。
採取は5月末、昨日は、かつての教え子W君から招待され、今は高原野菜よりも有名になった布引高原の風力発電所を案内してもらった。
 卒業後一度会っているが、それからもう20年以上の歳月が流れていた。連休で家族で里がえりをしたW君に再会した。
布引山のふもとの赤津の実家にはご両親二人でお住まいで、毎年欠かさず年賀状をいただいていた。
かすかな記憶を頼りに、大きな熊谷ナンバーの車のとまるお宅にたどり着いた。
いつかは、布引山でのタケノコ採りの帰りに、子供たちを連れてお邪魔したこともあった。
 W君と奥さん、それにお子さん二人での里帰り、一泊して昨日のうちに帰るとのことだった。忙しい時間を割いて、連絡をいただきお言葉に甘えた。
 なつかしい話を交わすことができた。
 早速、W君の車に妻と一緒に乗せてもらい、はじめて見る風力発電の布引高原を目指した。W君一家とご両親も同行してくれた。峠の途中に、国の天然記念物の「赤津のカツラ」の大木が見事だった。



あのタケノコ採りから、今、数十年の時が流れ、当時はどのあたりを歩いたのかも見当もつかなかったが、展望台から360度の眺めを楽しんだ。
まだ、枯れ草のところどころに積雪があり、荒涼とした、でも春を迎えた高原のすがすがしい雰囲気を楽しむことができた。
少し春霞があったが、磐梯山と猪苗代湖をはるかに望む高原に33基の風力発電の巨大なプロペラが静かに回っていた。実に壮観だった。
 北に磐梯山、南に那須連山を望める高原の中央部には、駐車場が設けられ、いくつかの店で農産物が売られていた。










 そのころは想像すらしなかったこの国内最大の風力発電は年間発生電力量が約12,500万kWhで、一般家庭約35,000世帯分の年間消費電力量に相当するという。
 予備であろうか、プロペラの3枚の羽が高原の片隅に置かれていた。全長30メートルもある羽をあの曲がりくねった峠道を運ぶのはいかに大変だったことだろう。
お父さんから、これらがトラックで運ばれる時の様子をお聞きした。



 今、40を超えた教え子がその子供たちを連れて、私を案内してくれるという時の流れを思った。何回かお会いしていたご両親も、昔と変わらず元気にされていた。
ご両親が、彼の在校中に、私が3年間書いた学級通信を見せてくれた。色あせた沢山のプリントに、自分の若かりしころの日々がよみがえって、目頭が熱くなった。
 布引山から戻り、お昼を御馳走になった。お餅をついてくれた。あんこ餅と、タケノコ汁の雑煮をおいしく頂いた。また、帰りには、つきたてのお餅、コゴミやシイタケ、漬物、タケノコやあんこの缶詰めと、珍しいもの沢山いただいた。そのお気持が有難かった。
忙しいせっかくの連休の貴重な時間に、妻と二人で、心からのもてなしを受けてしまった。
また逢う日まで、W君一家、御両親の健康を祈ってお別れをした。

 今朝、昨日の思い出の写真をコピーして、W君に礼状を書いた。



心に残る一日

2010-05-03 | 日々の生活
        【柳津虚空蔵尊の春2006.5.3


 今日は今までにない幸せな一日を過ごした。
しかし、大失態をしでかしてしまった。カメラの記録カードを入れていなかったのだ。
 楽しかった、思い出に残る貴重な一日を終える帰りに、助手席でふと電池を確認しようとして分かった。
一瞬、数時間の家族とのかけがえのない時が脳裏をよぎった。これ以上の落胆はなかった。

 これまで何度かそういうポカをしでかしていたが、今日は、心から悔まれる失態であった。
サクラや、趣きある場所や景色はまた写せるかもしれない。でも、みんなで楽しく遊んだ数々の動きはもう一度というわけにはいかない。
自分のしたこととはいえ、大事な思い出を記録に残せなかった事実を残念に心から後悔している。
 過ぎ去ったことは元に戻らない。考えて見ると、カメラのない思い出はいくつもある。
 記録には残せなかったが、いま、一日の楽しかった思い出が心の中に残っている。
 確かに、写真に残された記録は貴いが・・・。そんな慰めをするしかない。

 あの坂下の、六地蔵を囲む杉の糸桜、柳津の円蔵寺を対岸から眺めたひととき。
みんなでおいしく食べたお弁当、土手にサクラと柳の緑が美しいとうとうと流れゆく只見川の眺め、
そして法用寺では、ほころび始めた虎の尾ザクラ、満開のサクラの枝を前にした,三重の塔の夕景、
その三重の塔の横にある啄木の2つの句碑を前に私を立たせ、妻が写真を撮ってくれたこと。
こんな思い出のすべてが、物理的記録に残せなかったのだ。
 悔しさを思いながらも、心の底に鮮明に残るこれらの情景、
いずれ過ぎ去ってしまうかもしれない今日の素晴らしい豊かな思い出を思い浮かべている。
(2010.5.2)
 今年のように寒い春だった2006年の様子をブログで見た。


会津五桜鑑賞記 (その4) 虎の尾桜 2006-05-02 | 街中散歩
会津五桜鑑賞記 (その2) 杉の糸桜 2006-04-26 | 街中散歩  

美しかったオオルリ

2010-05-02 | 自然観察


朝のうちに手紙を出しにポストへ、二人とも付いてきた。短大で自転車乗りとキャッチボールだ。
5連休の初日だが、ママはお勤め、爺と婆は忙しい。
例のサクラの枝の蛾の卵が気になっていたから、孫たちの要望にこたえることにした。
 案の定、卵は孵化していた。ようやく見つけた。1mmほどの幼虫らしきものが、開いたサクラの花粉に付いていた。卵の数の割には、極端に少ない。
この分だと、成虫まで育つ幼虫は皆無ではないだろうか。たぶん、ほとんどが昨夜の風雨に落ちてしまったのではないだろうか。

 【ようやく孵化】

【孵化した幼虫】

天気予報では今日から晴れの日が続き、気温も上がるという。でも、朝の風はまだ冷たかった。
 家に戻り、一人で里山へ出かけた。この前までつぼみだった、ダンコウバイやクロモジ、そして、できれば春のチョウをと思った。

【ダンコウバイ】


【クロモジ】


 いつもの山の際のフィールドが昨年秋から側溝の改修で破壊されてしまった。
里山の貴重な小川が、コンクリートの側溝に変わり、付近の林が壊滅状態だ。トラックが入り、土留めの仕上げをやっていた。
 ここは、オオシオカラトンボやオニヤンマ、ミズナラの大木にはいつもクワガタやルリタテハが来ていた。また、秋遅くまで、ヒメアカタテハやシータテハがよく来る場所だった。 春先に乱舞していたキチョウも打撃を受けたろう。残念だった。

 いつものコースをたどって、磐梯山麓へ。
 チョウはまだ早いようだった。ルリシジミを見かけただけだった。道端に、久しぶりにエゾタンポポが咲いていた。

【エゾタンポポ】


 ウグイスの鳴く桃源郷のイメージに、突然鮮やかな瑠璃色の鳥が飛んできた。久しぶりに見るオオルリだった。枝にとまったオオルリは、静かに4,5メートルくらいまで近寄ったが、しばらくじっとして逃げなかった。300mmmの望遠で何枚もシャターを切った。カメラの画素数が小さいのが残念だったが、約2時間の春の里山散策に、こんな美しい鳥にあえて幸運に思えた。

【オオルリ ♂】


帰り道、会津村の裏から慈母観音を拝んだ。
【会津村 会津慈母観音】

  (2010.5.1)
 

満開のサクラ

2010-05-01 | 自然観察

                【オオシマザクラ】

特別に桜に惹かれるわけではないが、欄慢の桜はやはり美しい。
我が家桜も満開に咲いている。
 一つは、多分オオシマザクラだろう、白い花弁と緑の葉とのコントラストが何とも言えない風情である。好きなサクラだ。少しピンクがかったソメイヨシノは、そのオオシマザクラとエドヒガンザクラの雑種だそうだが、葉が見えないほど豪華に咲いている。


【ソメイヨシノ】

 また、裏の大きく育ったヤマザクラも、梢に沢山の花を付けている。これも白いのとピンクがかった種類があるが、緑の葉が清楚な感じを醸し出している。

  
【ヤマザクラ】

 これらの花びらが散り始めると、次はサクランボだ。まだつぼみが固いが、リンゴの花を連想させるナポレオンと佐藤錦が咲き始める。
 連休中に、坂下、高田、猪苗代と特徴あるサクラを観てこようと思っている。



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