透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

連想

2009-01-21 | A あれこれ

      信濃毎日新聞 1月21日付朝刊社会面

 今日の朝刊に合格願い「GO!角田」という見出しの記事が載っていました(写真)。「ゴウカクダ」と読むのでしょうね。福島県の阿武隈急行が販売する角田駅行きの合格祈願切符が受験生らに人気だと記事は伝えています。

このカクダからカメダという言葉を連想しました。カメダは松本清張の推理小説『砂の器』に出てきます。

**すみ子が、通りがかりに、ちらりと耳にしたのが年下の男の、「カメダは今も相変わらずでしょうね」という言葉だった。** 

トリスバーでこの会話を交わしていたふたりの客のうちのひとりが他殺体で発見されます。カメダはふたりの共通の友人の名前?それとも地名?

このカメダという言葉が殺人事件の謎となり、また事件の謎を解くカギにもなったのでした。

捜査班が殺された年輩の客は東北弁を話していた、という証言を得て東北にこの地名を探すと秋田に亀田という町がみつかります。現在は合併によって無くなっていますが、羽越本線に羽後亀田という駅があります。被害者は秋田出身か・・・。

捜査が進んで島根県に亀嵩という地名があることが分かり、ふたりはこのカメダケのことを話していたことがやがて判明します(亀嵩という駅が木次線にあります)。

実によく出来た推理小説でした。この小説を中学生のときに読んで以来、松本清張ファンです。今年は松本清張生誕100年、ということで書店には清張作品が平積みされています。

久しぶりにこの小説を再読したいのですが、多忙でその時間がとれるかどうか。


『砂の器』松本清張/新潮文庫