■ 民家 昔の記録。
今回は富士山麓に点在する(していた)かぶと造り。1981年5月撮影。タイトルは太宰をまねた。
本栖湖から甲府に抜ける街道沿いで見かけた。切妻屋根に庇を二段つけたようなかぶと造り、上の三角の破風には格子が嵌め込まれている(上の写真)。残念ながら棟はトタンで包まれている。下の写真の民家の棟には置き千木が残っている。
小屋裏で養蚕をするために工夫された形。忍野村のかぶと造りは特に有名。かぶと造りの形態は崇高な富士山に近づこうとする心の表れだとする指摘(『民家巡礼』相模書房の著者のひとり、小林昌人氏の指摘)もあるが、屋根形状からくる必然ではないか、と私は思う。