透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

繰り返しの美学 村野藤吾

2009-06-13 | B 繰り返しの美学


 繰り返しの美学。

外装のアルキャストのルーバーが軽やかでリズミカルで美しい。村野藤吾は建築の構成要素を繰り返すことの美しさを意識してデザインしていた、と思う。

千代田生命本社ビルとして1966年に竣工したが、用途変更されて2003年から目黒区総合庁舎。

駒沢通りを恵比寿駅に向かうバスから途中下車。今日は土曜日、閉庁。外部のみ観察。いつか内部も観察したい。



開口部上部、入隅のフリーハンドな切り込み、村野流。



床のピンコロ調タイルがいつのまにか腰壁に。これも村野流。

「座・高円寺」は閉じている。

2009-06-13 | A あれこれ
徹底的に閉じている。

■ JR高円寺駅から中野駅方面に高架に沿って徒歩で5分。「座・高円寺」は外に開く(外の景色を館内に取り込む)ことができるようなロケーションにはない。その意味で伊東さんがサーカスのテント小屋のようなデザインを選択したことは正解だったと思う。



雑誌ではストレートな説明を伊東さんはしてはいないが本音のところは「ここじゃ開けない・・・」ということだったのではないか。

「まつもと市民芸術館」のあわあわなガラスを埋め込んだGRC壁もおそらく同様の理由ではなかったか(プロポーザル段階では、ガラスの大きな開口が構想されていたが、途中で変更されている)と推察する。

所用で東京に出掛けた。用事を済ませてから「座・高円寺」に行ってみた。




エントランスホールや2階のカフェの壁は草間弥生なドットの世界。手摺壁にまでドットを施す徹底振り。

このドットのイメージソースはやはり諏訪湖にあるのだろうか・・・。

テントがつくる曲面そのものの天井。高さ制限という法的な制約をクリアするためだったということだが、上手いなと思う。ただ、階段で2階に上がって、唐突にこの空間になっているのには一瞬戸惑った。まつもと市民芸術館2階のレストラン井(せい)も同様の構成だが、やはり戸惑う。やはり空間的に仕切られていないと落ち着かないのだ。

狭小でロケーションがよくない敷地を上手く生かしてしまう手腕はさすが。

「日本の美術館名品展」 

2009-06-13 | A あれこれ


 週末の上野。今回は東京都美術館で「日本の美術館名品展」を観た。**ミレー、モネ、ピカソ、フジタ・・・220点が一堂に。**とパンフレットにあるが、確かに贅沢な展覧会だった。全国に点在する名品を一度に鑑賞するいい機会かもしれない。が、ちょっと作品が多すぎるかも。

ルーブル展が明日14日までの国立西洋美術館は長蛇の列が美術館の敷地の外まで延々と続いていたが(待ち時間150分!)、こちらはそれ程込んではいなかった。

印象派の画家カミーユ・ピサロの「エラーニの牛を追う娘」。点描といってもいいタッチで画題の光景を描いているが、逆光が好きな私には印象に残った作品。

ジョアン・ミロの作品があった!「ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子」 ミロの作品はとにかく好きだ。例の星や月、動物や人と思われる線画、グラフィックな表現がとにかくいい。しかし、どこにも踊り子はいない・・・?

あとはアンリ・ルソーの「サン・ニコラ海岸から見たサン・ルイ島」、色彩はミロやカンディンスキーなどと比べると(比べてはいけないか)豊かではないが、きちっとした構図の印象的な作品だった。

ジョルジュ・ブラックも好きな画家、「楽譜のある静物」落ち着いた色彩、存在感のある卓上の静物、いつものブラック(ってコーヒーの注文じゃないか)。

日本画も50点ほど展示してあるとのことだが、あまり関心がなく、パスした。