透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「ガラパゴス化する日本」

2010-04-05 | A 読書日記
■ 『ガラパゴス化する日本』 吉川尚宏 講談社現代新書

この本の最終章のまとめに**若者の脱ガラパゴス化は待ったなしの課題である。親世代のガラパゴス・イグアナがサボテンの数を増やす努力をすることなく、いまあるサボテンにしがみついていて、本来なら元気であるはずの若いイグアナはやせこけて、海外を目指す経済力、気力を失っている状態だ。(後略)**という一文がある。

若いイグアナよ、元気を出せ、南太平洋に飛び込め!!ということだ(注:この本には他のシナリオもいくつか示されている)。

確かにそういうシナリオが妥当かもしれない、と思う反面、世界をガラパゴス化するというシナリオを考えてもいいのではないか、ともアルコールしている中年は思う(そう、今回はアルコールなブログだ)。

ガラパゴス、つまりこの国でしか通用しないローカルなルールや技術(ソフトやハード)を世界基準、グローバルスタンダードにしてしまえ!というわけだ。 世界中をガラパゴスと同じ環境にしてしまうというくらいのガッツ!が若者にあってもいいのではないか。

でも現状認識が甘い!といわれそうだから、これ以上書くのは止める。



この本は一読する価値あり、だと思う。


「進化の設計」

2010-04-05 | A 読書日記


■ 佐貫亦男氏の名前を随分久しぶりに目にした。書店の講談社学術文庫の棚で背表紙の『進化の設計』というタイトルが気になって取り出して気がついた。昔ブルーバックスだったかと思うが何か読んだ記憶がある。エッセイストとしても活躍された方だと記憶している。

航空工学という氏の専門の視点から生物の進化にアプローチしているこの本。独自の視点から論じたものを読むのはやはり楽しい。

生き物の巣を建築的な視点で説いた本(タイトルを正確に思い出せないが)も昔読んだ。司馬史観ともいわれる司馬遼太郎の説く近代日本史や松本清張の古代史、昭和史も興味深い(最近は全く読んでいないが・・・)。

オリジナルな視点で書かれているかどうか、教科書では味わうことが出来ない楽しみが得られるかどうかはこのことに因る、と思う。