つつましく われは遊ばむ こだまする
朝日のむらは 青やまのあひだ
しだれ桜の下(*)の歌碑には、国文学者、民俗学者で歌人としても有名な折口信夫(おりくちしのぶ)の歌が刻まれています。
以前 會津八一の書碑を取り上げたとき、同じ場所に建つこの歌碑もいつか取り上げたいと書きました。
昭和初期 朝日村では折口信夫を小学校に招いて講義を受けたそうで、そのおりに朝日村の自然を愛でた折口がこの歌を詠んだということが歌碑の裏面に記されています。「青やまのあひだ」という表現は朝日村の地形を的確に捉えています。
ほぼ同時期に両大家が朝日村を訪れて講演を行っていることは驚きです。当時の村人が学ぶということに大変熱心だったということをふたつの石碑が伝えています。
*長野県朝日村の中央公民館(朝日小学校跡)の前庭