241 撮影日 20120108
■ 何しろ長野県内には2,000を越える火の見櫓があるという調査もあるそうですから、まだまだヤグラーな日々が続きそうです。おいおいまた火の見櫓かよ~、などと思わずにお付き合いください。今回は松本市郊外、内田地区の火の見櫓です。後方に常念岳が凛とした姿を見せています。
松本で青春を謳歌した作家・北杜夫は『白きたおやかな峰』の中で、登頂を目指したカラコルムのディランについて**ディランは常念岳を極度に大きくしたような三角形をなし、(後略)**と、その特徴的な山容を常念岳に喩えています。この場所からですと、稜線が見えてしまってその特徴な形から外れてしまっていますが。
話がそれました。火の見櫓、火の見櫓っと。
ランドマークとして様になっている火の見櫓ですが、やはり電柱が邪魔です。
4角形の櫓と6角形の屋根の組み合わせって珍しいと思います。5段あるブレースの内、1段目だけ仕様が違っていて、遠目にもそのことが分かります。やはり丸鋼とリング式ターンバックルのブレースが好ましいです。
ところでこの火の見櫓も踊り場だけに半鐘を吊るしてあります。見張り台まで上るのに時間がかかるからでしょうか。前にも書きましたが、その理由が分かりません。なぜ見張り台の半鐘を取り外して踊り場の半鐘は残してあるのでしょう・・・。
脚部。直線材でトラスを構成して、上部にちょこっと申し訳程度に曲線部材を使っています。脚部全体をなめらかな曲線材で構成しているのが美しいのですが・・・。
1 櫓のプロポーション ★★★★
2 屋根・見張り台の美しさ ★★★
3 脚の美しさ ★★★
大変厳しい評価です。