透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「錦繍」宮本輝

2012-10-04 | A 読書日記



 **毎年、紅葉が色濃くなり、冬の足音が近づいてくる頃になると、宮本輝さんの『錦繡』を読み返す。** 『カラーひよことコーヒー豆』小学館文庫に収録されている「当たり前の愛情」に著者の小川洋子はこのように書いている。

以前、宮本輝の作品を集中的に読んだ時期があって、この作品も読んでいるが今朝から再読し始めた。

物語は離婚した夫婦が、紅葉の美しい蔵王で十年ぶりに偶然再会するところからはじまる。女は男に一通の長い手紙を書き綴る・・・。ふたりの往復書簡によってなぜふたりが別れなくてはならなかったのか、そしてその後何があったのかが次第に明らかになってゆく・・・。

ようやく小説モードになってきた。