新しい建築の第一歩がここから始まる
『あの日からの建築』伊東豊雄/集英社新書
■ 伊東さんが東日本大震災の復興プロジェクトを通じて考えた建築家、建築のありよう、あるべき姿について語る。
**「伊東さんの建築は軽くて透明感があって都会的なのに、なぜ歌は演歌ばかりなんですか」と聞かれる。それはそうなんだから仕方がないんだよ、と軽く答えてきたのだが、そのギャップが、実は私の抱えている本質的な矛盾であることに気がついた。震災後のことである。**(188頁)
伊東さんは「せんだいメディアテーク」の建設現場で鉄骨工事の様子を見て、それまでの透明で、繊細で存在感の希薄な抽象的な建築から、ものとしての存在を意識した建築を志向するようになった、ということについては既に雑誌などに書いている。
過去ログ
大震災の復興プロジェクトをきっかけに、建築家と地域の人々との関係を再考し、ふたたび新たな建築像を探る伊東さん。
今後どんな作品を創るのか、注目していたい。
2960