透明タペストリー

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大規模停電の原因は?

2015-03-05 | D 新聞を読んで



 全国的なニュースになったのかどうか、長野県で今月2日の早朝、38万戸が停電になった。長野県内の全供給戸数が約80万戸ということだから、その半数近くということになり、停電時間が最長4時間半に及んだという。3日の信濃毎日新聞は1面でこのトラブルを大きく報じている。

停電した市町村を示す地図が載っていて、長野県のほぼ北半分のエリアで停電したことを示している。幸いなことに我が鄙里は停電しなかったし、通勤途中で信号が消えていたところも無かった。

記事によると送電線は鉄塔の左右にそれぞれ縦に3本並ぶ構造で、上から2本目と3本目が接触するか、異常に接近するなどしてショート、それが鉄塔の左側と右側でほぼ同時に起ったという。同日の新聞の3面に中部電力長野支店で行われた記者会見の模様が載っている。

ショートした原因として落雷、着雪・落雪で送電線が垂れ下がったり跳ね上がったりした、飛来物の接触を挙げている。落雷、雪、飛来物のどれか、というわけだ。

で、落雷を検知するシステムに反応がなかったこと、飛来物も見つかっていないことから、雪が原因ではないかと思われるが、**雪の影響で2組の送電線がほぼ同時にショートしたというのは、確率論から言って説明がつかない**との中部電力の見方が載っている。

この中部電力の見解を読んで、私はそうかな? と疑問に思った。同じ場所なら、雪の降り方も、風の吹き方も同じとみてよいだろうし、同じ2基の鉄塔間だから送電線の張り方、垂れ方などの状況も同じとみて差し支えないだろう。

同じ条件下なら、同じ現象が起きても不思議ではないと思うのだが。であるからこそ、同じ条件での追試験によって同じ現象が確認できるということなのでは・・・。このように思ったのだ。

今日(5日)の朝刊で2日の大規模な停電は雪によるショートが原因と中部電力でみていることが報じられている。

送電線の雪によるショートの事例として、雪が落ちた反動で送電線が跳ね上がる「ストリートジャンプ」、雪が翼状に付着して風にあおられて激しく揺れる「ギャロッピング」、雪の重みで送電線が垂れ下がる「垂れ込み」が図とともに示されている。

「ストリートジャンプ」、「ギャロッピング」、「垂れ込み」 

この3つの現象で、「垂れ込み」については2本目と3本目の送電線には共に着雪しているだろうから、共に垂れ下がるはず。それで7m離れているという2本が接触することになるのかどうか、それも左右ほぼ同時に。

それから「ストリートジャンプ」。3本目の送電線が落雪の反動で跳ね上がることで2本目の送電線に接触するということが左右ほぼ同時に起り得るのかどうか・・・。上述したように条件が同じなら同じ現象が起こっても不思議ではないわけだが、この現象にはもっと細かな条件がいくつも整うことが必要ではないか、そうだとすると左右ほぼ同時に起こるというのは、確率論的に説明がつかないかもしれない。

「ギャロッピング」は連続的に一定時間起こるだろうから、この現象が左右同時に起こったとしても不思議ではない。この現象が原因で左右ほぼ同時にショートすることは起こり得るのではないか。停電発生からほぼ1時間後に塩尻市内で今回トラブルを起こした「信濃東信線」の送電線が揺れているのを市民が撮影していたということからもこの現象の継続が確認できる。

中部電力では原因が特定でき次第、経済産業省中部近畿産業保安監督部(へ~、こんなところがあるんだ)に報告する方針だという。おそらくそのように義務付けられているのだろう。

「ギャロッピング」が送電線ショートの原因、きっとそのような報告がなされるであろう・・・。報告記事に注目だ。