■ 三州街道沿いに在る三嶋山神社のすぐ近くに祀られていた石碑。もっと広範囲を写せばどんなところにあるのか、周辺の様子が分かる。だが、どうも対象以外のものはあまり写したくないという気持ちがはたらくので、いつもこんな写真になる。
左から道祖神、二十三夜塔、庚申塔。裏に建立年が刻まれていたが、庚申塔が大正9年、庚申の年であることを記憶したのみ。道祖神は安政だったかと。二十三夜塔は確認しなかった。
欲張ってはいけない、今回は狛犬に会いにいったのだから・・・。
■ 三州街道沿いに在る三嶋山神社のすぐ近くに祀られていた石碑。もっと広範囲を写せばどんなところにあるのか、周辺の様子が分かる。だが、どうも対象以外のものはあまり写したくないという気持ちがはたらくので、いつもこんな写真になる。
左から道祖神、二十三夜塔、庚申塔。裏に建立年が刻まれていたが、庚申塔が大正9年、庚申の年であることを記憶したのみ。道祖神は安政だったかと。二十三夜塔は確認しなかった。
欲張ってはいけない、今回は狛犬に会いにいったのだから・・・。
■ 阿禮神社の次に訪れた三嶋山神社も塩尻市内にあります。ここにもユニークな狛犬がいると聞いていました。
国道153号から少し南に入ったところ(三州街道沿い)に在る小さな神社です。狛犬、いました!
阿形の獅子、たてがみがシャンプーハットのように見えます。ライオンのイメージをストレートに表現したのでしょうか。ガハハと豪快に笑っているようです。
後ろはこんな様子です。長いしっぽがあります。
吽形はイヒヒと笑っているかのようです。なかなか大胆な造形です。
台座の後ろ側に寄進者の住所と名前とともに石工の名前も彫ってありました。なんとか、石工赤羽要人と読むことができました。阿禮神社の2対の狛犬の内、はじめに取り上げた狛犬もこの石工の作なんだとか。なかなかおもしろいというか、ユニークな感性の持ち主だったのでしょう、きっと。
こんな狛犬たちが全国あちこちで待っていると思うと、熱心なファンならずとも会いに行きたくなります。
阿禮神社(塩尻市)拝殿
■ カフェ バロで、のぶさんからこの神社にユニークな狛犬がいることを教えてもらった。何でも県外の狛犬マニアは長野県内ではこの神社を必ず訪れるのだとか。これは出かけて観察せねば・・・。
塩尻は旧中山道(国道153号)のひとつ北側の狭い生活道路沿いに阿禮神社は在る。広い境内の正面に拝殿があって、その手前に狛犬が居た。
向かって右側、阿形の獅子像 観る眼を持たないからユニークとしか言いようがない。赤羽要人という石工が彫ったという。
こちらは左側の吽形の狛犬像(一般的には右の獅子と左の狛犬をまとめて狛犬と称す)。 体の模様(?)は抽象的な形に整えられている。
拝殿により近い位置に小振りの狛犬がもう1対居た。
ムム、なんだか不気味な表情・・・。
合い方とは違ってマンガチックな表情の狛犬。 体が損傷していて元の姿が分からないのが残念。
■ 松本の医師・溝上哲朗氏が著した『松本景観ルネッサンス』という本があります。松本城下の街が周囲の山を意識して計画されたという溝上氏の論考が要領よくまとめられています。謎解きのような(というか謎解きそのものですが)おもしろい内容です。
内容を紹介することは謎の答えを明かしてしまうことに他なりません。さてどのように内容を紹介したものか・・・。
江戸の街が富士山や江戸湾を意識し、それらを通りのアイストップとして計画されたという説はよく知られています。
『見えがくれする都市』 * という本がありますが、その本のなかの「微地形と場所性」という章に次のような記述があります。
**日本には古くから周囲の山を生けどって借景をする造園手法があった。この場合遠景の山は単なる背景ではなく、より積極的に造園内部の構成と関係付けられている。こうした庭づくりの感覚が江戸の市街地の町割にも生かされたのではいかと思う。(118、9頁)
溝上氏も松本城下の街路が周囲の山を意識して計画されていたとして、カラー写真とともに天神小路のアイストップとして真正面に王ヶ鼻があることなど、具体例を紹介しています。
では、北アルプスの山並みはどのように生かされているのか、中でも象徴的な存在の常念岳はどうか・・・。
**瞬時にすべてが了解できた。** 『松本景観ルネッサンス』の後半でこの謎の答えが感動的に書かれています。
「囲われた常念岳」と一輪の朝顔、この見出しに答えのヒントがあります。一輪の朝顔というのは秀吉に所望されて利休が行った朝顔の茶会のことです。私はこの茶会のシーンを映画で観ました。床の間に生けた一輪の朝顔を際立たせるために庭の朝顔を全て摘み取ってしまった利休。
常念岳の見せ方、演出は茶会での朝顔のそれと瓜二つという溝上の捉え方に、なるほど!と納得しました。これ以上具体的に内容を紹介することは前述した理由によりひかえることにします。
*『見えがくれする都市』 槇文彦他著/鹿島出版会