■ 『人類の進化が病を生んだ』ジェレミー・テイラー/河出書房新社を数日前に読み終えた。人類の進化が病を生んだって、一体どういうこと?
帯には**人類がこれほど病気に苦しめられるのはなぜなのか?アレルギー、不妊症、腰痛、癌、心臓病など、病気は進化の結果もたらされることを明らかにする、「進化医学」の最前線!**とある。
**人体は、建築やテクノロジーの世界で私たちがなじんでいる設計とは根本的に異なるベースに立っている。進化は健康や幸福、長寿に関心はない。進化論者が好む表現を借りれば、進化は個人の生殖適応度を最大にすることにのみに関心がある。**(8頁)
このことを第1章 自己免疫疾患とアレルギー、第2章 不妊症、第3章 腰痛、第4章 目の病気、第5章 癌、第6章 心臓病、第7章 アルツハイマー病という章立てで、それぞれの病について論じている。
第6章の心臓病の**私たちの冠動脈は病気にことのほか弱い。冠動脈は直径わずか二~四ミリという口径の小さい血管で、アテローム性プラークによって簡単に詰まりを起こす。そんな血管が人体で最も重要な仕事を担っている。**(230頁)こんな記述を読むと、びっくりする。冠動脈ってこんなに細いのか・・・。ジュースを飲むストローより細い。なるほど、健康や長寿は後回しだということが分かる。
新聞の読書欄に**生物学の知識がないと細部まで理解するのは難しいかもしれないが、身近な病が取り上げられているおかげで、大変面白く読める本だ。**とあった。この書評を読んで、注文したのだが、難しい内容で、知らない単語も多く、字面を目で追っただけだった・・・。
体のことは知らぬが仏かもしれない、というのが読後の、いや字面を追った後の感想。