透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「人類の進化が病を生んだ」

2018-05-16 | A 読書日記



■ 『人類の進化が病を生んだ』ジェレミー・テイラー/河出書房新社を数日前に読み終えた。人類の進化が病を生んだって、一体どういうこと? 

帯には**人類がこれほど病気に苦しめられるのはなぜなのか?アレルギー、不妊症、腰痛、癌、心臓病など、病気は進化の結果もたらされることを明らかにする、「進化医学」の最前線!**とある。

**人体は、建築やテクノロジーの世界で私たちがなじんでいる設計とは根本的に異なるベースに立っている。進化は健康や幸福、長寿に関心はない。進化論者が好む表現を借りれば、進化は個人の生殖適応度を最大にすることにのみに関心がある。**(8頁)

このことを第1章 自己免疫疾患とアレルギー、第2章 不妊症、第3章 腰痛、第4章 目の病気、第5章 癌、第6章 心臓病、第7章 アルツハイマー病という章立てで、それぞれの病について論じている。 

第6章の心臓病の**私たちの冠動脈は病気にことのほか弱い。冠動脈は直径わずか二~四ミリという口径の小さい血管で、アテローム性プラークによって簡単に詰まりを起こす。そんな血管が人体で最も重要な仕事を担っている。**(230頁)こんな記述を読むと、びっくりする。冠動脈ってこんなに細いのか・・・。ジュースを飲むストローより細い。なるほど、健康や長寿は後回しだということが分かる。

新聞の読書欄に**生物学の知識がないと細部まで理解するのは難しいかもしれないが、身近な病が取り上げられているおかげで、大変面白く読める本だ。**とあった。この書評を読んで、注文したのだが、難しい内容で、知らない単語も多く、字面を目で追っただけだった・・・。

体のことは知らぬが仏かもしれない、というのが読後の、いや字面を追った後の感想。


 


邪馬台国畿内説

2018-05-16 | D 新聞を読んで



 昨日(15日)の信濃毎日新聞朝刊に「卑弥呼時代のモモ 纏向に」と「「邪馬台国畿内説」後押し」という縦横ふたつの見出しの記事が載っていた。新聞記事で「邪馬台国」や「卑弥呼」を目にするのは珍しい。

奈良県桜井市の纏向(まきむく)遺跡を2010年に発掘調査した際に出土したモモの種を放射性炭素年代測定したところ、西暦135~230年と判明したという。

ちょうど卑弥呼(248年ころ没)の年代と重なるために邪馬台国畿内説を補強する成果となりそうだ、と記事にある。纏向遺跡には卑弥呼の墓だという説がある箸墓(はしはか)古墳があり、また大型建物もあって邪馬台国の有力候補地という説明も載っている。

なぜ纏向遺跡から出土したモモの種の年代と卑弥呼の年代が重なるということが邪馬台国畿内説を補強することになるのだろう・・・。記事には**モモは古代では不老長寿や魔除けの果物と考えられており、祭祀に用いられた可能性がある。**という記述がある。よほどの有力者が執り行う祭祀でしかモモが用いられることがなかった、ということなのだろうか・・・。

モモで思い出すのは古事記。過去ログ

また邪馬台国で思い出すのは昔読んだ松本清張の『陸行水行』という小説(確か短編)。松本清張は邪馬台国九州説を支持していた。

邪馬台国については九州説と畿内説他いろんな説があるようだが、場所を特定するような決定的な証拠って、見つかるのかな・・・。見つからない方が今までのようにあれこれ推理できて古代史好きにとってはいいのかもしれないな。