透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「日本の無戸籍者」を読む

2018-05-20 | A 読書日記



■ 人生読本『君たちはどう生きるか』吉野源三郎/岩波文庫を読み終えた。コペルニクスに由来するあだ名のコペル君は旧制中学の2年生。早くに父親を亡くした彼におじさん(母親の弟)が人生訓を日常生活に結び付けて分かりやすく説く。



『日本の無戸籍者』井戸まさえ/岩波新書を読み始めた。何らかの事情で出生届が出されていない、あるいは戸籍が滅失している「無戸籍者」が少なくとも一万人いるといわれているそうだ。

本書の章立ては次の通り。

第1章 「無戸籍問題」とは何か
第2章 「法律」という壁
第3章 「戸籍」とは何か
第4章  消えた戸籍を追って
第5章  グローバリゼーションと戸籍
第6章 「戸籍」がなくなる日

一昨日(18日)の朝、書店でこの新書を目にした時、松本清張の『砂の器』を思い出した。主人公は大阪が空襲に遭って住民の戸籍が焼失したことに乗じ、新たな戸籍を作って別人に成りすます。彼にはそうまでして隠したい過去があった。過去の消去は完璧だと思われたが、彼の過去を知る人物が突然現れて・・・。

『日本の無戸籍者』を買い求めてスタバへ。カウンターの前に立つとショートカットの女性店員が「ホットコーヒーをマグカップでご用意します(ネ)」。 おじさんはうれしい。

2階のいつもの席で早速読み始めた。

戸籍があることがあたりまえだと思っているが、どんな理由で無戸籍になってしまったのだろう、どうすれば戸籍を取得することができるのだろう・・・。


 追記:偶然にも第3章で『砂の器』が取り上げられていた。**後述するが作家松本清張が『砂の器』で描いた戸籍偽装世界は誰にでも起こりうることだった。**(98頁)この後、その内容が紹介されていた。


「女王陛下の007」

2018-05-20 | E 週末には映画を観よう

週末の夜は映画を観よう

 007シリーズの第6作、ジョージ・レーゼンビーがボンドを演じた唯一の作品「女王陛下の007」を観た。この作品を観るのは初めて。

ロジャー・ムーアがボンドを演じた作品を先に観てきたが、総じて荒唐無稽な娯楽作だった。比してこの作品はもっとリアルな、地に足ついた作品だった。前半を途中から観たら007シリーズだとは気がつかなかったかもしれない。

あらすじはネット上に紹介されているから、省略。ボンドガール、トレーシーにボンドが本気で惚れて、結婚する。偽装結婚ではない。式の後ふたりは花いっぱいの車で新婚旅行に出かけるが、途中で新妻は銃で撃たれてしまう・・・。

結婚式でマニーペニー、そうボンドの上司Mの秘書が涙するシーンが印象的だった。マニーペニーがボンドになことは今まで観てきた作品で分かっていたから、ボンドが結婚してしまって、悲しかったんだろうな。

スキーシーンは凄い。空撮が美しかった。

女王陛下の007=ウィンタースポーツアクション+ラブロマンス と括れるかな。