■ コロナ禍を受けて発令されていた緊急事態宣言が解除され、6月のスタートと共に、感染拡大前の日常が戻りつつある。だが、感染が収束したわけではないから、今まで通り、こまめな手洗いとマスクの着用は続けたい。
さて、手洗いについて。
外出先から帰宅してまず手を洗いたいところだが、洗面所が玄関の近くには無く、リビングの先にあるということが案外多いのではないか。試みにインターネットで住宅の平面図を検索してみると、このことを裏付けるような図面が多い。
住宅は玄関という「公的領域」からリビング、さらに寝室という「私的領域」へと、空間の公から私へのヒエラルキーに沿って計画されていることが多く(尤も最近の住宅はこのような昔の教科書的な空間構成とは全く無関係な構成で、私など理解できないものも雑誌などでよく目にするが)、浴室と洗面もヒエラルキーに沿って寝室近くに計画されることが多いことが、先に挙げた洗面所の位置の理由ではないか。
食事の前に手を洗う、外から帰ったら手を洗う。この小学生の頃に学んだ生活習慣をずっと続けていれば、自宅の新築や改修計画に際して、玄関近くに洗面所とは別にちょっとした手洗いスペースの計画を設計者に求めるだろうし、設計者も提案するだろうに。
偶々ではあるが、わたしの家は玄関とリビングを繋ぐ廊下沿いにトイレと洗面所、浴室がある。客間との位置関係などの理由でそうなった。今は帰宅するとリビングに入る前に必ず手を洗っている。コロナ禍が収束しても続けたい。
農家では農作業を終えると、家に入る前に先ず手洗い、ということで屋外に手を洗う水道がある。