透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

火の見櫓の上部は遺せない?

2022-09-13 | A 火の見櫓っておもしろい

 上田市真田町長の戸沢地区の火の見櫓が予定通り、昨日(12日)解体された(前稿)。

全て撤去してしまうのは忍びないということであろう、見張り台から上の部分を残すことが予め決められていたようだ。差し出がましくも「見張り台も含めて残されたらいかがでしょう」と進言した。急遽そのように決めていただき、切断する位置が見張り台の下に変更された。

だが・・・。

360
撮影日2022.09.12

見張り台から上の部分が戸沢公民館の前庭の隅に降ろされ、仮置きされた。


トンボまで別れを惜しむかのように解体作業開始前から避雷針の先にずっととまっていた。


地上に降ろされた見張り台の手すりにもトンボがとまっている。ぼくは同じトンボだと思う・・・、きっとそうだ。

*****

地上に据えられた火の見櫓はやはり大きい。方形(平面が4角形)の1辺の長さ約1.3m、円形の見張り台の直径約1.8m、手すりの高さ約0.9m。ざっと寸法を計測した。


見張り台を下から支えている方杖には断面がL形の山形鋼、この場合2辺の長さが等しい等辺山形鋼が使われている。


方杖の上端で見張り台の床の持ち出し梁(山形鋼2枚合わせ)を挟み込んでボルト留めしている。


下端は山形鋼を裂いて柱材のやはり山形鋼にボルト留めしている。


表面が平滑な半鐘 直径約35cm、高さ(7.5cmの吊り金具を含む)約50cm。

解体作業中、通りがかった人が立ち止まって様子を見たり、ケータイ(カメラ)を向ける人も。

火の見櫓はかなり錆びている。地域の皆さんに錆止め塗装作業をしていただければいいなぁ、と思った。イベント的に塗装作業をすることで今までと変わらず、シンボルとして愛され続けるだろう、優しい地域の人たちに。


追記:火の見櫓の一部を残すことにクレームがついてしまったようだ。どのような結論になるのだろう・・・。願わくば残していただきたいのだが。


「東京物語」追記

2022-09-13 | E 週末には映画を観よう

 「東京物語」。監督は言わずと知れた小津安二郎。1953年(昭和28年)に公開された名作をDVDで観た。映像はもちろんモノクロ。低い位置に据えたカメラが尾道で次女と暮らす周吉(笠 智衆)ととみの老夫婦や、東京で暮らす長男と長女の家庭の様子、そのディテールを的確に捉えている。

ストーリはいたってシンプル。老夫婦(と言っても60代)が東京に子どもたちを訪ねる。心を込めて二人をもてなしたのは長男・幸一でも長女・志げでもなく、戦死した次男の奥さん・紀子(原節子)だった。紀子は仕事を休んで二人を観光案内したり、酒好きな義父のために隣りから酒を借りてもてなす。

周吉ととみは子どもたちの家庭には自分たちの居場所がないと感じて、予定を早めて尾道に帰って行く。直後にとみが危篤に。葬儀の後、実の子どもたちは早々に帰ってしまうが、紀子だけは残って義父の世話をする。

紀子が東京に帰るという日、周吉は妻・とみの懐中時計を形見に紀子に渡す。その時、周吉は次の様に言う。「妙なもんじゃ。自分が育てた子どもより、いわば他人のあんたの方がこのわしらに良うしてくれた。いや ありがとう」この台詞はこの映画のコンセプトを示している。親子とは何か、親子の絆とは何かを問う最も大事な台詞だ。

やはり名作と評される作品、なかなか味わい深くて良かった。この秋は小津安二郎の作品を観るか・・・。


 


上田市真田町傍陽の貫通櫓

2022-09-13 | A 火の見櫓っておもしろい

480
1391 上田市真田町傍陽 傍陽小学校、傍陽郵便局の近く 4柱4〇型貫通脚(タイプ不明)撮影日2022.09.13


県道158号添いに立っている。周辺に高い建物があるわけでもないので、遠くからでもよく見える。傍陽地区は今回が初めてではないが、この辺りは初めて。どのようなところに立っているのか、周辺の状況が分かる写真はぜひ撮りたい。




消防倉庫の屋根から火の見櫓に登るようになっている。




カンガルーポケットの設置意図不明


櫓内に入るための開口は現場対応か?  ブレースを切断して縦枠に繋いでいる。