■ 長野県朝日村の旧役場庁舎が解体されること、それに伴って庁舎前に立っている火の見櫓も解体撤去されることを聞いていた。
「古い建物のない街は思い出のない人間と同じだ」という東山魁夷のことばがある。村の戦前からの記憶を留める役場庁舎が解体されることは残念ではあるが、住民アンケートの結果だから仕方ない。耐震改修や修繕に多額の費用がかかるし、後利用の妙案もなかったようだ。庁舎北側の居住環境も良くなかっただろう。
せめて火の見櫓を残すことはできないものだろうか・・・。旧庁舎の跡地は防災広場として整備する計画だということも耳にしていた。火の見櫓は防災広場に相応しい。
願いが叶って火の見櫓の上部、見張り台から屋根までが遺されることになった。
現在、庁舎跡地を防災広場に整備する工事が行われている。数日前に様子を見たが、火の見櫓の上部が以前立っていたのとほぼ同じ場所に設置されていた。
工事完了後に改めて観察したい。