透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「火の見櫓暮情」再び

2023-04-27 | A 読書日記

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 『火の見櫓暮情』内藤昌康(春夏秋冬叢書2008年)を昨日(26日)読んだ。この本を初めて読んだのは2010年の5月、火の見櫓めぐりを始めた直後だった。ブログで確認すると、その後、2014年の2月と2020年の1月に読んでいる。今回が4回目ということになる。

『火の見櫓暮情』の帯に**豊饒な物語の上に火の見櫓は立っていた。**とあるように、この本は火の見櫓そのものより、火の見櫓が立っている場所の歴史や成り立ちなど、そう、場所性にまつわる話題に力点を置いたレポートだ。取り上げられている火の見櫓の数は確認していないが、帯には**三河・遠州の火の見櫓百話。**とある。

ものを観察する視点は人それぞれ、十人十色。火の見櫓も例外ではない。2014年2月22日のブログの記事にこの本のことを書いているが、そこに**いつか火の見櫓の本を書かなくては・・・。**とある。この本を読んだことで著者とは違う視点で観察している火の見櫓について本を書きたい、と思ったのだろう。

火の見櫓めぐりを始めて4年足らずでもう本の出版を考えていたことに驚いた。その後、2016年の12月、東京で親しい友人と飲んだ際、「火の見櫓の本を出す」と宣言。翌、2017年の2月頃に原稿を書き始めて、2019年9月に自費出版にこぎつけたのだった。



『あ、火の見櫓!』を出版するきっかけとなった『火の見櫓暮情』は大切な本だ。