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■ 松本駅近くの丸善にはカミュの『ペスト』が平積みにされている。他店でも同様だろう。コロナ禍の今の社会的状況をカミュが北アフリカの国アルジェリアのある町を舞台にペストに立ち向かう人々を描いたストーリーに重ねて読む人が多い、と聞く。
やはりカミュの代表作『異邦人』(1995年98刷改版)、貼ってある黄色いテープから40代で読んだことが分かる。20代ではなく、40代というのは意外な感じがしないでもない。前稿に挙げた新潮文庫のTOP20で、この作品は第5位に入っている。また、カミュと対比的に論じられるカフカの『変身』が13位。
岩波文庫の『変身』(1970年第17刷)にはパラフィン紙のカバーがあるが、外して写真を撮った。1970年って、もう50年も前じゃないか・・・。
名作は人生という長いスパンで2度読む、とのこと。両作とも「老後」の楽しみにとっておこう。